ベルセルク
べるせるく
曖昧さ回避
- 北欧神話に登場する異能の戦士。原義。→バーサーカー
- 三浦建太郎による漫画、および派生作品群。本項で説明
- 歌い手・ボーカロイドPの『まふまふ』によるオリジナル楽曲。→ベルセルク(まふまふ)
- ドラゴンゲートの団体内ユニット名。綴りは『VerserK』(ヴェルセルク)。リーダーは鷹木信悟。⇒Wikipedia
- グランブルーファンタジーに登場するジョブ。→ベルセルク(グラブル)
[ベルセルク(三浦建太郎の漫画)
概要
“竜殺し”と称される巨大な剣を得物とした主人公ガッツの、復讐と愛憎の物語を描いたダーク・ファンタジー。
作者は三浦建太郎。
白泉社刊行のコミック誌『月刊アニマルハウス』1989年10月号より連載開始。その後、同誌が『ヤングアニマル』としてリニューアルされ隔週誌になった後も主力作品として掲載が続けられ、単行本も40巻を数えた。
2002年の第6回手塚治虫文化賞マンガ優秀賞受賞作品。日本漫画界が誇るダーク・ファンタジーの巨塔というべき作品であり、狭義のダーク・ファンタジーの定義に忠実に当てはまる。
その人気は国境を越え、アメリカ・フランスなど世界20ヵ国でコミックが翻訳出版され、2021年までに累計5000万部を記録している。
度々の休載を経ながらも、30年以上にわたって支持を保ち続けている驚異的な作品である。
休載の主な理由は背景からモブキャラクターまで、細部にわたって書き込まれた緻密で濃厚な画面を作り上げるためであり、三浦は過労に陥りながら、ひたすら原稿を描き続けていたという。
- 三浦自身、この状況に対してシステム化の必要を痛感しており、弟子たちに少しずつ単独作品で修業を積ませ、いずれは作品作りを分業制にするプランを立てていた。
こうした事情もあり、三浦は掲載誌の巻末コメントで自身の体調に関する不安を度々述べ、「死ぬまでに頭の中を全て出せるのか」など完結に対する危惧を自ら語っていた。
後年、その言葉は最悪の形で現実化する。2021年5月6日、三浦は急性大動脈解離により急死。
訃報はアメリカを始め海外の公共放送でも取り上げられ、世界中のファンがその死を惜しみ、悼んだ。
2021年12月、三浦が生前にペンを入れた最後の原稿をスタジオ我画のメンバーが仕上げ、単行本第41巻が刊行。キャンバスアートとドラマCDが付加された特装版、およびコミックのみの通常版が発売された。
その後
ヤングアニマル編集部は、本作の「今後については未定」として、具体的な処遇の明言を避けていたが、2022年6月7日、この日発売された『ヤングアニマル』2022年12号誌上等で、次号13号からの連載再開を正式に告知。作画は三浦の弟子たち(スタジオ我画)が行い、ストーリーについては三浦の盟友である漫画家・森恒二が監修を担当することも発表された。
- 三浦と森は高校時代からの親友、かつ漫画家を目指す同志として認めあう間柄で、作品についても互いに相談しあっていた。その関係の深さは三浦自身が「一つの脳を共有している」と例えるほどであり、三浦はベルセルクについても最終話までのストーリー展開、セリフや新登場となるキャラクターに至るまで森に伝えていた。
森は告知の中で、「ベルセルクをどう補完するべきかについて非常に悩んだものの、三浦の弟子たちの熱意や、三浦と森の元担当編集者である白泉社取締役・島田明の『やるなら会社として全面支援する』との言葉を受け、決断に至った」と述べた。
また、監修内容については「三浦から語られ、はっきりと記憶しているエピソードとセリフのみ、肉付けせず」としている。
再開に当たっての基本方針は以下の通り。
- 進行中だった「幻造世界篇/妖精島の章」を終わらせるため、6話掲載を行う。
- その後は新篇を開始し、物語のラストまで描き切る。
- クレジットは「原作・三浦建太郎 漫画・スタジオ我画 監修・森恒二」とし、単行本のナンバリングもそのまま続刊となる。
もちろん三浦執筆ではない以上、完全なものとなるわけではない。しかし三浦が紡ごうとした物語は、最低限とはいえ、最後まで披露されることが確定したのである。
影響
本作が後の漫画・アニメ・ゲーム作品に与えた影響は大きく、特に主人公ガッツの武骨で巨大な剣を振り回す剣士というキャラクター像は、一種のテンプレートとして数多くの作品に取り入れられている。
特に有名なのはFF7のクラウドのキャラクター造形がガッツをモチーフにしているというエピソードである。
その他、新生FF14の吉田Pも同作に登場するジョブ「暗黒騎士」のイメージ元の一つはガッツであると語っている。北米Balmungサーバーでは三浦の訃報に際し、プレイヤーたちが暗黒騎士の装備でウルダハに集合、その死を悼んだ。
また、フロムソフトウェアに所属するゲームクリエイターの宮崎英高氏はベルセルクのファンを公言しており、氏の製作したゲーム作品は全てにおいてベルセルクのオマージュ要素がちりばめられていることで有名。
ベルセルク公式ポータルサイトによるストーリーチャート
掲載単行本 | |
---|---|
1~3巻 | 黒い騎士篇 |
3~6巻 | 黄金時代篇Ⅰ 覇王の卵 |
6~9巻 | 黄金時代篇Ⅱ ドルドレイ攻略 |
9~13巻 | 黄金時代篇Ⅲ 降臨 |
14~21巻 | 断罪篇 |
22~35巻 | 千年帝国の鷹篇(ミレニアムファルコン) |
35巻~ | 幻造世界篇(ファンタジア) |
登場キャラクター
※特に明記がない場合、CV欄の左側は旧アニメ版(剣風伝奇ベルセルク)・DC版・PS2版。
黒い剣士一行
新生・鷹の団
使徒
鷹の団
ミッドランド王国
- 国王(CV:大木民夫/勝部演之)
- シャルロット(CV:白鳥由里/豊崎愛生)
- アンナ(CV:―/竹内絢子)
- 王妃(CV:沢田敏子/―)
- 前王妃
- ユリウス(CV:水野龍司/小山力也)
- アドニス(CV:不明/水間まき)
- フォス(CV:辻村真人/西村知道)
- ラバン(CV:大川透/大塚芳忠)
- オーウェン
- ワイアルド(CV:千葉繁(GREE版)/河本邦弘(ベルセルク無双))
チューダー帝国
クシャーン帝国
法王庁
カラス覆面(CV:―/福田賢二)
拷問執行人(CV:―/藤巻大悟、中村章吾、各務立基、内野孝聡)
ヴァンディミオン家
- フェディリコ(CV:ー/北島善紀)
- ヴァンディミオン夫人
- ジョルジオ
- ポリティアーノ
妖精郷
幽界に係わる者
その他
アニメ
劇場版
ベルセルク原作を全て映像化する企画『ベルセルク・サーガプロジェクト』の一環として、黄金時代篇を描いた三部作『Ⅰ・覇王の卵』『Ⅱ・ドルドレイ攻略』『Ⅲ・降臨』が、2012年~2013年に順次公開された。
配給はワーナー・ブラザーズ。製作はSTUDIO4℃。
また、2022年10月からは劇場公開10周年を記念してTOKYOMXほか複数の放送局、配信サイトで『ベルセルク 黄金時代篇 MEMORIAL EDITION』が放送・配信される。
尺の都合でカットされた「夢のかがり火」なども追加予定。
新アニメ版
第1期は2016年7月から9月まで全12話放送。
第2期は2017年4月から6月まで全12話+特別編(総集編)1話放送。
放送局はWOWOWおよび毎日放送、さらにはCBC(第2期では離脱)やTBS、BS-TBS。
なお、WOWOW以外はアニメイズム枠での放送である。
アニメーション製作はGEMBAとミルパンセ。
主題歌
オープニングテーマ
(1期)
「インフェルノ」
(2期)
「サクリファイス」
歌 - 9mmParabellumBullet
エンディングテーマ
(1期)
「瞑目の彼方」※8話・9話は英語版
歌 - やなぎなぎ
(2期)
「一切は物語」
歌 - 南條愛乃 feat.やなぎなぎ
挿入歌
(1期・2期)
「灰よ」
歌 - 平沢進
(1期最終話ED・2期挿入歌)
「Ash Crow」
歌 - 平沢進
コンピューターゲーム
現在までに以下の3つがゲーム化されている。
- ベルセルク -千年帝国の鷹篇 喪失花の章-
1999年12月に発売された、ドリームキャスト用アクションゲーム。開発はユークス、販売はアスキー。
原作者の三浦建太郎は当初、完成作品を『ゴールデンアックス』の様な“横スクロールアクション”を想像していたため、実際に出来上がったゲームが3D作品であったことに関して、裏切られた様な思いがあった旨を述べている(最終的には出来に満足しているとも述べている)。尚、三浦建太郎はかなりのヘビーゲーマーである。
- ベルセルク -千年帝国の鷹篇 聖魔戦記の章-
2004年10月に発売された、プレイステーション2用アクションアドベンチャーゲーム。販売はサミー。
- ベルセルク無双-
2016年10月26日に発売アクションゲームで、対応プラットフォームはPS3、PS4、PSVitaの3機種。
開発・販売はコーエーテクモゲームス。
アニメ2作目を盛り上げたいという名目で開発されており、無双シリーズ史上でもっともグロテスクな作品を自負している。
トレーディングカードゲーム
2003年から2004年にかけてコナミから発売。全4弾。カードは全200種類。
ドラマCD
単行本第41巻特装版に同梱されたドラマCD。
脚本は上記『炎竜の騎士』の著者である深見真。
内容は39~41巻(幻造世界篇/妖精島の章)、回想として黄金時代篇のエピソードが描かれている。
ロデリック役に旧アニメ版『剣風伝奇ベルセルク』でガッツ役を演じた神奈延年、妖精王ダナン役に同じくキャスカ役であった宮村優子がキャスティングされており、新旧の主人公・ヒロイン役の競演というファンサービス的な作品となっている。
関連動画
関連タグ
D×2真・女神転生リベレーション…本作とのコラボクエストを配信。
フロムソフトウェア…デモンズソウル・ダークソウルの製作を担当した宮崎英高氏は本作のファンであることを公言し、その作品には本作の影響が強く表れていることが指摘されている。そのため、本作のファンの中には、「フロムソフトウェアに本作のゲームを作ってほしい」という意見も多い。
アニメイズムB2
マギ シンドバッドの冒険(2016年春)→本作(リメイク版第1期)(2016年夏)→亜人(2クール目)(2016年秋)→昭和元禄落語心中~助六再び篇~(2017年冬)→本作(リメイク版第2期)→将国のアルタイル(2017年夏秋)