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バトルロワイアル

ばとるろわいある

『バトルロワイアル』(BATTLE ROYALE)とは、高見広春の小説。および、それを原作とする漫画、映画。

正式なタイトル表記はバトル・ロワイアル

通称「BR」「バトロワ」。

概要

中学生42人が孤島でルールに基づき殺し合いをさせられる物語。デスゲーム物の金字塔とされる。

その衝撃的な内容が物議をかもし、第5回日本ホラー小説大賞の最終候補に残ったものの、絶賛にも似た酷評と共に落選。

1999年4月に太田出版から刊行されると、そのことが逆に話題を呼び、ベストセラーとなる。

2002年8月に、幻冬舎より文庫化(上下巻)。

2000年から2005年まで、ヤングチャンピオン田口雅之によるコミカライズが連載された。全15巻。

2000年12月6日には深作欣二監督による映画が公開。

公開の是非をめぐる質疑が国会が行われるなど再び騒然となるが、そのことでまた話題が大きくなり、興行は大ヒットした。

2003年7月5日には続編にあたる『バトル・ロワイアルⅡ 鎮魂歌』が公開。撮影中に深作欣二監督が亡くなり、制作は息子の深作健太に引き継がれた。

また、『Ⅱ』を題材に描かれた富沢ひとしの漫画『BR2/ブリッツロワイアル』が、田口雅之版と同じくヤングチャンピオンにて連載された。全2巻。

当時、若年層を中心に爆発的なブームを巻き起こし、インターネットでは二次創作が流行した。

原作キャラクターを題材としたもののほか、オリジナル版権のキャラクターに殺し合いをさせる「パロロワ」というものが存在する。

あらすじ

東洋の独裁国家・大東亜共和国には、ある制度が存在していた。

毎年50クラス、抽選により決められた中学三年生を、閉鎖した空間に隔離し、最後の一人になるまで殺し合いをさせる「戦闘実験第六十八番プログラム」。

西暦1997年。香川県城岩町立城岩中学3年B組の42人は、修学旅行へ向かう途中、バスごと拉致され、孤島に連行される。

困惑する生徒たちに、政府の教官は告げた。

「今日は、皆さんにちょっと、殺し合いをしてもらいまーす」

あの"プログラム"に選ばれたのだ。

プログラム

原作、漫画、映画に微妙な差異はあるものの、基本的な仕組みは同じ。

中学三年生のクラス一つを隔離されたエリアに連行し、生存者一人になるまで殺し合いをさせること。

家に帰ることができるのは、最後の一人だけである。

ルール

反則はない。

どんな手段を用いても、どんな結果になっても、最後に生き残った者が優勝者となる。

支給品

生徒には政府支給のデイバッグが一つずつ渡される。

中身は食料、1リットルの水が入ったペットボトル2本、地図、方位磁針、時計、懐中電灯、それとランダムで武器が入っている。

武器は銃器類、刃物、毒薬といった殺傷力の高いものから、防弾チョッキ、レーダーといったサポート系、ブーメランのような"ハズレ"までさまざま。

これに加えて生徒の私物が手渡され、持ち物となる。

首輪

正式名称をガダルカナル22号という。

すべての生徒に装着され、この首輪に取り付けられている発信機から生徒の生死を判断する。

爆薬が仕込まれており、無理矢理外そうとすれば爆発するほか、管理者の遠隔操作で爆発させることもできる。

また、盗聴器が仕込まれている。

エリア

戦場の周囲は政府の軍隊が警備しており、逃げようとすれば射殺される。

戦場内の電気、ガス、水道は止められているが、内部のものは何を使ってもかまわない。

1日4回の定時放送で禁止エリアが通告される。

戦場は碁盤状の座標で区切られているが、2時間ごとに1つのマス(エリア)を進入禁止に設定する。

指定時間になっても生徒が禁止エリアにいた場合、また生徒が禁止エリアに進入した場合、その生徒の首輪は爆発する。

これは、いつまでも同じところに潜伏されては殺し合いが進展しないため、生徒に移動を強制させるための手段である。

進行

生徒たちはまず、戦場内のスタート地点に集められ、プログラムについての説明を受ける。

最初の生徒はランダムで決められ、そこから出席番号順で、2分ごとに出発する。

最後の一人が出発した20分後に、スタート地点周辺が禁止エリアとなる。

その後、スタート地点では政府の役人が陣取り、プログラムの管理を務める。

優勝者が決まると、すべての禁止エリアが解除され、スタート地点に戻ってくるよう命じられる。

その後、優勝者は政府の手によって家まで送り届けられる。

プログラムの優勝者には、一生涯の生活保障と総統の色紙が与えられる。

代わりに、他県に転校させられ、プログラムのことを口外しないように命じられる。

プログラムの経過や優勝者のことは、その日のニュースで簡単に扱われる。

戦場に残された死体は、後日、指定の清掃業者が回収する。

定時放送

午前午後の零時と六時、1日4回行われる。

禁止エリアと、死亡した者の名前の連絡、それと教官からのありがたい激励が飛んでくる。

タイムリミット

24時間に渡って死者が出なかった場合、すべての首輪が爆発し、優勝者なしで終了となる。

また、戦場内のすべてのマスが禁止エリアで埋め尽くされても、無論、タイムオーバーとなる。

映画版では首輪のバッテリーの関係から、期限が3日間と決められている。

登場人物

主要人物

七原秋也(男子15番) - 主人公ロックをこよなく愛するギター少年。殺し合いをやめさせようとする。

中川典子(女子15番) - ヒロイン。優しく芯の強い性格がたたって、プログラム開始時、ハンディを追ってしまう。

川田章吾(男子5番) - 謎の多い転校生。サバイバル慣れした行動を見せるが、それには理由があった。

桐山和雄(男子6番) - "桐山ファミリー"と呼ばれる不良グループのボス。天才で、御曹司で、美少年

相馬光子(女子11番) - 不良少女。アイドル並のルックスを持ちながら、壮絶な過去を隠す。

三村信史(男子19番) - バスケ部のエース。反政府活動をしていた叔父の教えで、さまざまな技能を持つ。

杉村弘樹(男子11番) - 拳法の達人。プログラム中はある人物を探し、走り回る。

千草貴子(女子13番) - 陸上部のエース。"高嶺の花"的美人。杉村とは幼馴染

内海幸枝(女子2番) - 学級委員。女子でグループを作り、脱出の方法を模索する。

国信慶時(男子7番) - 七原の親友。中川に想いを寄せていたが……。

坂持金発 - 生徒たちに殺し合いを命じる教官。モデルは金八先生

嘉門米美 - 田口雅之漫画版の教官。名前の由来は「カモンベイビー」。

漫画版

いずれもヤングチャンピオン連載。

田口雅之『バトル・ロワイアル』

連載期間は2000年から2005年。全15巻。

原作小説を基にした漫画だが、8巻以降は原作小説とは違う展開が多くなる。

生徒ごとに補完されたエピソードと、ケレン味に富んだ演出、ダイナミックアクションシーン、強いメッセージ性が特徴。

アメコミ的な濃い絵柄を中心とした性描写やグロテスクな描写は読む者を選ぶ(原作では性描写は殆ど存在しない)。それにしても絵柄からしてこんな中学生がいるか

単行本には原作者・高見広春と田口雅之の対談が収録されており、連載終了後も秋田書店とは一定の交流は保たれており、全否定する読者も居るが原作者自体は認めているようだ。

ちなみに漫画版自体には年齢制限は表記されていないものの、描写が描写だけに都道府県の条例で成人向け書籍扱い(R-18)にされているケースがある。

富沢ひとし『BR2/ブリッツロワイアル』

連載期間は2003年から2004年。全2巻。

映画版二作目を題材にしているが、オリジナルキャラクターによるオリジナルの展開。

軍隊における実戦訓練と、それに伴う狂気の描写に重きが置かれている。

『バトル・ロワイアル 天使たちの国境』

連載期間は2011年から不定期。

灯台に立てこもった女子グループ6人にスポットを当てたスピンオフ作品。

シナリオは原作者の高見広春が担当し、この漫画のために新作を書き下ろす。

作画者はEpisode.1が大西実生子、Episode.2が小熊陽平。

独自のアレンジがされている田口雅之版とは異なり、設定や展開は原作小説を忠実になぞっている。

映画版

ともに東映配給。映倫R-15指定。

『バトル・ロワイアル』

深作欣二監督。興行収入31.1億円。

2000年12月6日公開。

キャッチコピーは「今日はみんなに、ちょっと殺し合いをしてもらいます」

詳しくは⇒バトル・ロワイアルを参照。

バトル・ロワイアルⅡ 鎮魂歌

深作欣二、深作健太監督。興行収入18.5億円

2003年7月5日公開。映画版第一作の続編。

詳しくは個別記事を参照。

「バトルロワイアル・パロディ」の略で、原作とは別のキャラクターを使って劇中の"プログラム"さながらに殺し合いをさせるという二次創作。

2chパロロワ事典@Wikiでは、オリジナルキャラクターを使ったものを"オリバト"、既存の版権キャラクターを使ったものを"キャラバト"と呼んでいる。

特にWeb掲示板2ちゃんねるにおいてリレー小説で書かれるものが多数。また、どちらかといえばキャラバトのほうがメジャーである。

LeafKeyアダルトゲームのキャラクターが殺し合う『葉鍵ロワイアル(ハカロワ)』は、ファンの手により同人誌化されたほど、その界隈では有名。

いわゆる死ネタが過激化したものであり、二次創作のジャンルとしてはきわめて特殊な立ち位置にある。

非常に好き嫌いが分かれ、場が荒れやすいため、各原作のコミュニティにパロロワの話題を持ち込むことは原則厳禁。

余談

  • 誤植

『バトル・ロワイル』ではない

この「バトル・ロワイアル」は前半の『BATTLE』は英語で、後半の『ROYALE』はフランス語で組み合わせた和製外来語である。

そのため、言葉が混同されてしまうことが多く、非常に間違えられやすく、公式の書籍ですら誤植していることがある。

  • バトルロイヤル

英語において後半の部分はROYAL(ロイヤル)が正しい。そのため、正しい英語にするならばBATTLE ROYAL(バトル・ロイヤル)になる。

また、正しいフランス語にするならばBATAILLE ROYALE(バタイユ・ロワイアル)になる。

  • ビデオのお姉さん別バージョン

プログラムの説明をするビデオが劇中流されるが、実は別バージョンが存在する。これは深作監督の誕生日で作られたセルフパロディであり、ビデオソフト化された時に特典映像として収録された。

関連作品

死のロングウォーク』 - 本作の下敷きとなった、スティーブン・キングの小説

クリムゾンの迷宮』 - 『バトル・ロワイアル』と同時期に発表された貴志祐介のサバイバル小説

『銀齢の果て』 - 筒井康隆の手による老人版『バトル・ロワイアル』とでも言うべき小説

仮面ライダー龍騎』 - ヒーローであるはずの仮面ライダーが、我欲のためにバトルロワイアルをするという衝撃的な特撮ドラマ。平成ライダーの第3作目

Vシネマ

『パチンコ バトル・ロワイアル』 - バトル・ロワイアルのパロディ作品。何故かパチンコによるデスゲームである。松村邦洋が教師キタノ役(正確にはビート先生)というパロディ全開。壮絶さも悲壮感もないが、VHSソフトのパッケージは本家のデザインを上手くパロディにしている。

『パチンコ バトル・ロワイアルⅡ』 - こちらはⅡのパロディだが、パロディにパロディが詰め込まれすぎてもはやパチンコそっちのけである。

『アベンジャーズ・アリーナ』 - アメコミ大手のMARVELより出版された。殺人ゲームを好むアーケードというヴィランによって集められた十代の若手ヒーローらが殺し合いを強制されるという内容もそうだが、カバーアートもバトルロワイアルからインスパイアされた様子。