アクション対魔忍
あくしょんたいまにん
お前の対魔忍でアクションだ!!!
概要
2019年9月に開催された東京ゲームショウで発表された、対魔忍シリーズの最新作。
スマートフォン向けゲームアプリとして展開され、2019年12月24日より配信。
翌年の2020年10月6日にはSteam版とグローバル版アプリが配信開始。
翌々年の2021年5月4日からは日本語版がグローバル版へと統合移管。
そして2021年7月27日をもって日本語版のサービス提供は終了したが、グローバル版にて引き続きプレイ可能である。
対魔忍シリーズのゲームアプリとしては『決戦アリーナ』、『対魔忍RPG』シリーズに次いで3作目となるが、この作品の最大の特徴は一般向けのゲームとして製作されているということ。元々R-18だった作品を一般向けに焼き直した作品としては『対魔忍RPG』があるが、最初から全年齢向けとして製作されるのはシリーズ史上(というより、Lilithの作品全体で見ても)初のことである。
なお、上記のようにこれまでとはやや趣の異なる作品であることもあり、開発はLiLITHではなく株式会社Gremoryが行っている(所謂外注制作である。配信自体はLiLITHの母体である株式会社Infini-Brainが行っている)。
タイトル通り、アクション性に重きを置いた内容になっており、これまで断片的にしか描写されてこなかった対魔忍の戦闘の様子を見ることができ、真っ当な対魔忍の仕事がどういったものなのかがよくわかる作品となっている。
また、ヒロインと親交を深めていく(=デート)要素がある等、エロゲーである原作の名残とも言えるものも(部分的にではあるが)ちゃんと存在している(RPGと同じくIF的ノリの回想も存在する)。
とはいえ、対象年齢は17歳以上と、一般向けとしてはかなりギリギリのラインだったりする。
さらに、Apple Storeで配信するにあたり、性表現に対する規制の特に厳しい同社の審査に合格しなければならなかったためなのか、iOS版はAndoroid版と比べてキャラクターの体型が控えめになったり、コスチュームの露出が少なくなったりといった違いが出ている(そのためiOSユーザーからは怨嗟の声が漏れているとか)。
昨今は、元々アダルトゲーム(R-18指定)だった作品が一般向けに移行されたり、シリーズから一般向け作品が出されたりすることはあまり珍しくないが、本作は元のシリーズがエロ要素(しかもハード系)主体であり、長らくアダルト界隈で人気を博し有名になりすぎたこともあってか、全年齢向けとして展開することについてファンの間では「エロ要素のなくなった対魔忍なんて想像できない」「対魔忍のゲームとして本当に成立しうるのか」「このまま脱R-18路線を推し進めるつもりなのか」といった期待と困惑の入り混じった様々な声が上がっており、これが発表直後に後述する珍妙な事態が発生した遠因となっている。
こうした従来のアダルト版のファンから出ている不安の声に対し、原作者の笹山逸刀斎氏は「対魔忍は一般とエロ両輪で戦いますので安心してください」とコメントしており、対魔忍シリーズが全年齢向けへと完全に舵を切ったわけではなく、今後もエロ方面への展開を蔑ろにすることは決してしないとしている(ただ、この『アクション対魔忍』の配信を機に、それまでアサギ役を演じてきたなかせひながアサギ役から卒業することが決まる等、この作品がシリーズ展開において一種のターニングポイントのようなものになっている節はある模様)。
発売前は全年齢向け作品という事実だけが独り歩きしてネタにされたり先行きを不安視する見方が広まっていたが、発売後はスタイリッシュで爽快感のあるアクション等が一定の評価を得ることになる。
日本だけでなく海外での人気も高く(元々は外国人は忍者好きという事情もあるのかもしれない)、日本国外でも多数の対魔忍ファンを生み出すこととなった。
こうしたことから、2022年には、2作目となる全年齢向け作品が制作されることとなり、対魔忍シリーズに新機軸を打ち出すことに成功したと言える。
ちなみに、公式サイトではアサギが五車学園の校長をしていること・さくらが別の次元からやってきた存在であること・ゆきかぜが五車学園の生徒で主人公と同学年であること等が書かれていることから、設定および時系列は『対魔忍RPG』のものを踏襲しているらしいことが窺え、実質的に『対魔忍RPG』の外伝としても位置付けられた作品であると言える。
笹山氏も本作はRPGの未来の話とも語っており、RPGを考慮してか敢えて設定をあやふやにしている場合も考えられる。
スペック
あらすじ
国際的テロと魔界勢力に対処するため、対魔忍で構成された特殊中隊が結成された。
特殊中隊に下された最初の任務は、日本の米連基地から強奪された生物兵器を奪還することであった。
だが任務は予想外の展開に直面し、特殊中隊は思いがけない味方を迎え入れながらも、
予測せぬ敵に立ち向かうことになる。
その人物は、最強の対魔忍・井河アサギと関連があるというが――
(公式サイトより一部抜粋)
登場人物について
アサギやゆきかぜといったシリーズでもお馴染みの原作タイトルのキャラクターに加え、『決戦アリーナ』や『対魔忍RPG』が初出のキャラクターも多数登場する。本作が初登場となったキャラも多い。
なお、プレイヤーが操作可能なのは当初はアサギ・さくら・ゆきかぜの3名のみであったが、その後のアップデートにより徐々に数を増やしている(これについては配信前から順次参戦キャラを増やすという方針が発表されていた)。それ以外は戦闘時にプレイアブルキャラに援護を行うサポートキャラとしての実装になっている。
なお、プレイアブルキャラは(本作初登場となる一部のキャラと、原作で隠しキャラ的なポジションであった不知火を除いて)メインシリーズにおいて攻略対象となっていたヒロインからチョイスされる傾向にある。中には人気の高さ故にプレイアブルキャラに抜擢されたきらら、舞華、アンネローゼのような例もある。
また、初期選択キャラのアサギ・さくら・ゆきかぜ3名などのキャラをはじめとして、サービス3年目の2022年から順次、3Dモデル(主に顔部分)が若干、修整がなされていく。
サポートキャラはCGの関係でシナリオ内に登場しなかったが、イベント「呪われし魔女と縛りつく輪」以降からイベントのみイラスト立ち絵ありでストーリー進行する場合も増えたので、シナリオ内にも登場するようになった。
プレイアブルキャラクターは「課金」か「対魔石」と呼ばれる物を支払う事で購入する方式。
新規に登場してから2~3週間は課金のみでの購入となっている。
課金で買った場合、限定SSR武器やコスチューム、経験値+100%と言ったボーナスがついてくる。
例外はアンネローゼで、今のところ購入は課金のみで対魔石には対応していない。
サポートキャラと武器に関してはガチャ方式。
R/SR/URでランクが分かれている。
元々『決戦アリーナ』や『RPG』では兼ね役が多かったことや、一般向けのゲームとして展開する都合もあってか、配役は大幅な変更が加えられており、特に配信前にアサギ役を小清水亜美が担当することが発表された際には、ファンの間では大きな驚きの声があがった。これ以降も著名な声優が多数出演することが発表されており、声優ファンを沸かせ続けている(ただし、Rキャラは声なしとなっている)。
ちなみに対魔忍シリーズはOVA作品によって声優がちょくちょく変わっていたりもしており、こちらでも途中でアサギ役が小清水亜美から渡部紗弓へ交代している。
登場キャラクター一覧
(2023年初頭現在。太字は今作初登場のキャラクターであり、プレイアブルキャラと一部NPCはサポートキャラとしても実装されている)
プレイアブルキャラクター
(並び順は基本的に実装順、アサギ・さくら・ゆきかぜの3人はゲーム開始時の初期選択キャラ)
キャラクター名 | ボイスキャスト |
---|---|
井河アサギ | CV:小清水亜美→渡部紗弓 |
井河さくら(若さくら) | CV:里山葉亜都 |
水城ゆきかぜ | CV:神戸結衣 |
秋山凜子 | CV:里美花 |
八津紫 | CV:仲野なみ |
スウ・ジンレイ | CV:井上麻里奈 |
水城不知火 | CV:浅井晴美 |
エミリー・シモンズ | CV:南早紀 |
心願寺紅 | CV:櫻井菜々絵 |
朧 | CV:氷青 |
甲河アスカ | CV:長妻樹里 |
鬼崎きらら ※ | CV:明坂聡美 |
イングリッド ※ | CV:木下紗華 |
ノア・ブラウン | CV:古賀葵 |
アスタロト | CV:石井未紗 |
ふうま時子 | CV:安部れん→清水彩香 |
高坂静流 | CV:芹澤優 |
フェリシア | CV:伊達朱里紗 |
神村舞華 | CV:豊口めぐみ |
上原燐 | CV:城内由茄子 |
神無月空 | CV:成海瑠奈→会沢紗弥 |
アンネローゼ・ヴァジュラ | CV:あおいひかる |
桃知凪 | CV:茜屋日海夏 |
アイナ・ウィンチェスター | CV:真田アサミ |
ふうま災禍 | CV:和田結衣菜 |
天宮紫水 | CV:古賀葵 |
※鬼崎きららとイングリッドは、統合前ミッションで対抗戦が実施され、イベント終了後に同時実装された。
主人公・ナビゲーター・協力者・NPC
(登場順)
味方
サポートキャラクター
(番号順)
七瀬舞 | CV:麻倉もも |
眞田焔 | CV:天海由梨奈 |
ふうま天音 | CV:戸松遥 |
紫藤凜花 | CV:瀬戸麻沙美 |
前園桃子 | CV:田中あいみ |
鉄華院カヲル | CV:柚木涼香 |
星乃深月 | CV:宮下早紀 |
ファウスト | CV:石上静香 |
白瀬楪 | CV:大久保瑠美 |
メイジャー | CV:高垣彩陽 |
御堂遥 | CV:田中ちえ美 ※ |
メルシー | CV:阿澄佳奈 |
新条友奈 | CV:藤田茜 |
森静香 | |
雨垂ナツメ | |
周防みこと | |
東堂紗也子 | |
双葉ゆい | |
椎名桜子 | |
水野絢 | |
霧生香子 | |
那津バサラ | |
吟柳ミツエ | |
由利翡翠 | CV:上坂すみれ |
春咲アリカ | CV:原田ひとみ |
ふうまひびき | CV:富田美憂 |
鬼蜘蛛三郎 | CV:日岡なつみ |
柊木冬美 | CV:三上由理恵 |
津志魔伊吹 | CV:永野愛 |
花咲夜空 | CV:市ノ瀬加那 |
神木鈴音 | CV:伊藤静 |
カテジナ | CV:本宮佳奈 |
伊勢和香 | CV:岩橋由佳 |
藤林夕乃 | CV:高井うらら |
レティシア・ベルメール | CV:黒崎しおり |
蜘蛛姫アネモネ | CV:原紗友里 |
鉄華院小春 | CV:南早紀 |
渡瀬紬 | CV:小坂井祐莉絵 |
三咲朱音 | CV:田中美海 |
倉持恵都 | CV:河野茉莉 |
久遠寺・R・スピカ | CV:川崎芽衣子 |
東雲七海 | CV:高木美佑 |
笠原龍美 | CV:佐々木未来 |
水鏡波瑠 | CV:小松郁 |
ニノ・ウィーバー | CV:西尾夕香 |
フルフル | CV:東城日沙子 |
凪琴音 | CV:稗田寧々 |
猪倉涼花 | CV:青山吉能 |
芽花村うらる | CV:本泉莉奈 |
菊池葵 | CV:中井美琴 |
桜木駿河 | CV:諏訪ななか |
シラユキ | CV:山本亜衣 |
早見うづき | CV:岩橋由佳 |
グラニ・プロヴァンス | CV:木野日菜 |
大宮瑞 | CV:青山玲菜 |
澤鷲一華 | CV:長妻樹里 |
リディア・バレッタ | CV:紡木吏佐 |
柳結菜 | CV:若井友希 |
大和寿々音 | CV:竹内恵美子 |
シャリア | CV:小見川千明 |
尾峰ナナ | CV:山口立花子 |
氷室玲奈 | CV:山下七海 |
森嶋逢 | CV:戸田めぐみ |
洲波佳奈 | CV:丸岡和佳奈 |
黒嵜莉愛 | CV:奥野香耶 |
ステラ | CV:林鼓子 |
室町湊 | CV:青山吉能 |
リトヴァ | CV:近藤唯 |
霞ヶ丘六華 | CV:高柳知葉 |
ラウラ・レフリア | CV:朝日奈丸佳 |
久笠ひかげ | CV:森嶋優花 |
成多あきな | CV:熊谷海麗 |
ふうま侑南 | CV:京花優希 |
ヘルガ | CV:石田嘉代 |
逢咲羽蒼 | CV:松本沙羅 |
アラベラ・グリュックスハイム | CV:阿保まりあ |
リナリア・ルッカネン | CV:後藤彩佐 |
七瀬歩 | CV:佐藤みゆ希 |
仙玄みさき | CV:田中那実 |
越膳沙夜 | CV:倉持若菜 |
メルト・アーデル・アルゲントゥム | CV:山田麻莉奈 |
中条七々緒 | CV:富田美憂 |
宗像梢 | CV:赤崎千夏 |
千影 | CV:前田玲奈 |
橘芹香 | CV:本泉莉奈 |
クラリッサ・ヴァンガード | CV:野口瑠璃子 |
野洲山八千代 | CV:高森奈津美 |
※御堂遥役の田中ちえ美氏は、同作のテーマ曲「Stay alive」の歌唱も担当。
珍事
対魔忍シリーズは以前からハードな描写やその独特の雰囲気に定評があり、アダルトゲーム界隈では知名度の高いシリーズであった。それだけに一般向け作品を展開するということが報じられた際のファンの衝撃は凄まじく、twitterでも「アクション対魔忍」のタグがトレンドの上位に浮上、会場に足を運べなかったファンの間にもこの情報が瞬く間に拡散していった。
やがて、対魔忍について語りあっていくにつれ、ファンの間ではシリーズの初期作に於いて見られた「感度3000倍」が話題に上がるようになり、様々なキャラや事象の前に“感度3000倍”をつけて楽しむ大喜利まで行われるようになった。
そして遂には「感度3000倍」がトレンドのトップに躍り出るというとんでもない事態にまでなってしまった(一応断っておくと、このフレーズがトレンドに上がり始めたのは正午前である。真昼間からなんて話をしてるんだ)。
それだけにとどまらず、夕方の3時過ぎにはとうとう「感度3000倍」が世界トレンドの1位になってしまった。
この年のTGSでは、『新サクラ大戦』の新キャラクター発表や、『MHW:IB』の試遊版等、目玉要素が目白押しだったのだが、上記の経緯もあり、初日の段階でこの「アクション対魔忍」がこれらの話題作を完全に喰うほどのインパクトを残してしまった。
その後、クリスマスイブにゲームが配信されると、またしても「感度3000倍」がトレンド入りするという事態に発展。多くのネットユーザーを困惑させたことだろう…。
さらに、ゲームシステムが崩壊3rdライクなことから、その余波で“崩壊3rd”までもトレンド入り。汚い崩壊3rd、上品なアクション対魔忍とまで言われてしまった。
しかも公式もバッチリ補足済み。
余談
対魔忍役のキャストは、小清水を筆頭に、どういうわけか日曜朝に絶賛放送中の某アニメでヒロイン役を演じた声優が多い。
意図してのキャスティングなのか、単なる偶然なのか……。
発表から配信までわずか3ヶ月程しかなく、この間にゲームを仕上げなければならなかった(しかも開発会社のGremoryは社員が僅か5名程度しかいない小企業である)のか、全体的にバグや不具合がかなり多い状態でサービスを開始することになってしまっている。
ただし、不具合の報告・および補償に関しては極めて迅速な対応を行っているため、そこまで大きな批判に晒されているわけではない。
ゲームシステムもアップデートを重ねるごとに少しずつ改良されていっており、初期に比べると大分遊びやすくなっている。
ゲーム中に使用されているBGMが別のアーティストの作曲したBGMと酷似しているという指摘がユーザーからなされたことがある。開発側も即座に調査を行い、程なくして該当するBGMをゲーム中から削除したことを発表している。
ちなみに、プレイヤーの中には、本作がきっかけで対魔忍シリーズに興味を示し、原作の方もプレイしてみたという者がいたようだが、本作とはあまりにかけ離れたハードな展開に愕然としてしまい、ショックを受けたという者も少なくなかったようだ(ちなみに、姉妹作である『対魔忍RPG』でも似た事例が発生していた)。
上でも書かれているように対魔忍シリーズは元々硬派なエロゲであり、特に原作では思わず目を覆いたくなるような陰惨なプレイ内容も数多く含まれている。
人によっては、冗談抜きでトラウマものになる可能性もあるので、決して生半可な覚悟で原作をプレイしてはいけない。
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