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ドラグーンシステムの編集履歴

2024-07-01 16:06:43 バージョン

ドラグーンシステム

どらぐーんしすてむ

TVアニメ「機動戦士ガンダムSEED」シリーズに登場する遠隔操作兵器。

概要

ザフトで開発された遠隔操作兵器。名前は「Disconnected Rapid Armament Group Overlook Operation Network・system(訳:分離式統合制御高速機動兵装群ネットワーク・システム)」の頭文字を並べた頭字語となっている。

ビーム砲と多数の推進姿勢制御用スラスターを搭載した攻撃端末(飛行砲台)を、ニュートロンジャマーの影響を受けない量子通信を用いて遠隔操作する(いわゆるオールレンジ攻撃)。そのため、母機と攻撃端末には「クォンタム・トランシーバー(量子通信機)」が搭載されており、これを介した量子通信により大量の情報をやり取りしている。


開発経緯

基幹理論は地球連合軍が開発したTS-MA2mod.00 メビウス・ゼロに搭載された有線式兵装「ガンバレル」であり、制御技術は地球連合側(ユーラシア連邦)の軍需企業であるアクタイオン・インダストリー社モビルスーツNMS-X07PO ゲル・フィニートに搭載された「バチルス・ウェポンシステム」に用いられた量子通信技術を礎としている。もっとも、元々ザフトは量子通信や量子センサーの開発を行っており同技術では他勢力に比べ一日の長を持ってはいた。これにより、ガンバレルが抱えていた有線式という制約の解消=無線化に成功している。なお、給電のために量子通信で制御しつつ有線化しているケースも存在する

YMF-X000A Xアストレイにて初実装され、これを発展させたものがZGMF-X13A プロヴィデンスに搭載されたことにより一定の完成を見ることとなった。なお、Xアストレイのドラグーン・システムは母体のドレッドノートが解体処分を隠れ蓑として横流しされたために設計から製造までに期間が空いており、実機が製造されたのはXアストレイとプロヴィデンスでほぼ同時期(C.E.71年7月中旬から9月下旬)である。

経緯は不明だが開発・実戦投入されたC.E.71年9月時点で他勢力に技術漏洩しており、地球連合やオーブ連合首長国(モルゲンレーテ社)も開発に成功している。なお、連合については元々ガンバレルの開発経験と量子通信技術を持っているため同じものを一から作った可能性もある。また、ジャンク屋組合(ロウ・ギュール)へはエターナルにてプラントを脱出したアンドリュー・バルトフェルドによってもたらされた。


操作性

固有の物理インタフェースを用いていないことからモビルスーツと同じく神経接合により制御していると思われる。大量の情報の送受信する必要があり複数の攻撃端末の位置や姿勢を同時に把握し続ける必要があるため、使用者に傑出した空間認識能力が要求される。空間認識能力を持たない者が無理にでも扱おうとする場合、3人がかりに加えて外科手術による共通化処理で脳を繋げる必要がある。後に空間認識能力を必要としないよう改良されたため、この要求の有無によって第1世代(有)と第2世代(無)に分かれている。また、モビルスーツと同時に操作・制御する必要もあるため、パイロット側に相応の負担が生じ連続使用の際は疲労する(体調と使用時間によっては意識を失って寝込む)。


制約

母機の動力源は様々だが、攻撃端末は例外なくバッテリーで動作しておりビーム兵器を多用するため、定期的に再充電とパイロットのインターバルを兼ねて母機へ戻る必要がある。また、高推力スラスターを備える大型なものを除けば、基本的に無重力・低重力環境でしか運用できないという制約も欠点として挙げられる。ただし、ZGMF-X24S カオスでは攻撃端末側のスラスターをメインスラスターとして活用したり、ZGMF-X666S レジェンドではフレキシブルな固定砲台として運用されたり、ZGMF-X20A ストライクフリーダムでは姿勢制御に用いたりと、デッドウェイトにならないよう工夫されている機体も存在する。


前述の通り非常に強力な兵器ではあるが、ビームライフル並みのサイズを持つ複数の攻撃端末に加えて急速充電用の大型バックパックまで搭載する必要があり機体のペイロードを圧迫するため、搭載自体が機体のコンセプトを決定づけてしまう。例えば、搭載機筆頭であるプロヴィデンスの別称(分類)は「ドラグーンシステム搭載型対MS戦用MS」、ストライクフリーダムは「スーパー・ドラグーン・システム搭載型MS」となっている。

さらに、搭載した機体の重量は大きく増加し軒並み90tを超える(C.E.において90t以上の通常サイズ機体は大型ないし追加の装甲を持つ機体かドラグーン搭載機のみ)。その大重量に起因する機動力の低下をバックパックに高推力の大型スラスターを併載することにより補っていることが多い。

また、量子通信には相当量のエネルギーを消耗するためバッテリー機での運用は難しく、大量の攻撃端末を最大限運用するには核エンジンが必須となる。C.E.73年以降は大容量バッテリー「パワーエクステンダー」が普及したことにより、ある程度の運用は行えるようになった。


第2世代ドラグーン・システム

第1世代ドラグーン・システムの有用性がザフトの設計局に高く評価されたことにより、操作性の普遍化に加えて、量子インターフェイスが改良されてレスポンスが向上した結果、後世に入るほど精度と性能が向上し、使用者の空間認識力に依存しなくなったモデル。開発自体はC.E.71年後期から行われていたが、C.E.73年後期に入って漸く実用化された。


一口に「第2世代」と呼んでも、カオスの開発時に行われたのは操作性の普遍化までであり、その後に開発されたZGMF-X3000Q プロヴィデンスザクやレジェンドの開発にて量子インターフェイスの改良が行われたため、時期によって性能が異なる。

操作性の普遍化時点では相応の空間認識能力が必要となる性能であり、それを見越したファントムペインは素質を持つスティング・オークレーをカオスを奪取するパイロットに選抜していた。そのため、最も高性能なのは最後発のレジェンドのものであり、パイロットが元から高度な空間認識能力を持っていることも加わりスーパー・ドラグーン(後述)と遜色ない動作性能を披露している。


端末とパイロットの間にいくらかの機械的な補助が入っている形だが、元々が使用者の資質を前提としたことで強力だった兵装であるため、補助を重視した場合は第1世代よりも動作性能で劣るという欠点がある。そのため、開発時期の違いから世代呼びにて区別されているが単純な上位下位の関係ではない。また、機体の操縦と同時に行わないとならない点は第1世代と全く変わっておらず、その負担からエース級のパイロットでなければまともに扱えない。加えて、上述の通りバッテリー機での運用が難しいこともあり、汎用性こそ獲得したものの陣営を問わず量産機に採用することはなかった(一応、採用が予定された量産機としてストライクフリーダムの原型機が存在したものの、開発が大幅に遅れた挙句にユニウス条約により開発が凍結された)。


スーパー・ドラグーン

ターミナルがストライクフリーダム開発の際に、第2世代ドラグーン・システム(開発時期的にカオス時点)をベースとしつつ、キラ・ヤマトによる使用を前提とした独自の改良がなされたモデル。実質的なストライクフリーダム専用。

改良の結果、ストライクフリーダムのマルチロックオンシステムによる同時攻撃能力ZGMF-X10A フリーダムを上回っているが、マルチロックオンシステムの制御と8基もの攻撃端末の誘導を担うパイロットには常人には不可能と言われる情報量の処理が要求されるため、スーパーコーディネイターであるキラでなければ性能を最大限に発揮させることができない(ある程度使用するだけならキラと互角に近い技量を持つアスラン・ザラでも可能)。加えて、キラの持つ高度な空間認識能力を前提とした改良も行われたため第2世代をベースにしていながら傑出した空間認識能力が必要となっている。

キラでさえ初使用では苦戦するほどの操作性(咄嗟とはいえ静止している対象に8発中3発外している)だが、光の翼により光学的攪乱と高速機動を実現するZGMF-X42S デスティニーを捉えるほどの動作性能を持つ。


応用技術

簡易ドラグーン

C.E.73年後期にロールアウトされたセカンドステージシリーズ以降のビームブーメランの軌道操作に用いられている遠隔操作技術。

元々ビームブーメランはビーム刃形成用の力場を用いた軌道修正が可能であり、それをドラグーン・システムの量子通信技術により制御できるようにしている。そのため、高度な空間認識能力や大型バックパック等を必要としない。

I.W.S.P.のように量子通信を用いずに遠隔操作を行うビームブーメランも極少数存在したが、それと比較して誘導性能が格段に向上しており、一回の投擲で複数の機体を撃墜したり関節部をピンポイントで狙えたりする。


ドラグーンフライヤー

ZGMF-X56S インパルスが用いるシルエットシステムを運搬する小型機「シルエットフライヤー」にドラグーン・システムを融合することにより戦闘ユニット化を図った機体。

従来のシルエットフライヤーは母艦から遠隔制御されていたが、それをドラグーン・システムによって機体本体側から遠隔制御できるようにするというコンセプトであり、本機を複数帯同させることにより母艦に頼ることなく継戦可能となる。

無人機となったFX-550 スカイグラスパーのような機体であり、戦闘ユニットとして計6門の火砲を備えている一方、装着したシルエットの装備を使用することは想定されていない。

あくまで構想案止まりであり、実用化されることはなかった。


また、機体本体側から遠隔操作するものの機体本体との接続が不可能な随伴式ドラグーンとしては、NOG-M2D1/E ブラックナイトスコード カルラが用いる大型ドラグーン「ジグラート」が存在する。


量子データ通信システム

ドラグーン・システムと同じく量子通信技術を利用した遠距離無線通信システム。

一部のTMF/TR-2 バクゥ戦術偵察タイプに索敵用の双方向量子ビットストリーム通信機を搭載しており、後年のZGM-1000/R4 コマンドザクCCIには無線通信の円滑化のために外部電源と共に量子データ通信用機器が搭載されている。

一方、ニュートロンジャマー影響下でも有視界距離間での通信は可能であり、専用の通信装置も必要となるため、上記の機体以外には採用されていない。


搭載機体

ザフト製


連合製


オーブ及びターミナル及びコンパス製


その他勢力


改造ガンプラ


ゲーム『機動戦士ガンダム EXTREME VS. MAXI BOOST』


余談

  • ゲームバランスの都合により重力下のステージでも使用可能なゲーム作品もある。
  • 90t未満のドラグーン搭載機はC.E.74年時点でレジェンド(86.02t)とストライクフリーダム(80.09t)しか存在しない。
  • 第2世代ドラグーン・システムの性能実証用に製造されたプロヴィデンスザクは、ドラグーンの性能を最大限に発揮するためにバッテリーではなくハイパーデュートリオンエンジンを搭載することとなった。
  • 本編にて名前が呼ばれたのは『DESTINY』PHASE-38にてギルバート・デュランダルがレジェンドについて説明した一度きりである。
    • この時も「新世代のドラグーン・システム」と説明されており、世代呼びについては設定上のみとなっている。

関連タグ

機動戦士ガンダムSEED オールレンジ攻撃 空間認識能力


フェイズシフト装甲ミラージュコロイドニュートロンジャマーキャンセラーアルミューレリュミエール:一陣営が占有する技術が他陣営へ漏洩したもの繋がり。


ビットファンネルGNファングGビットGUNDビット:同系統の武装繋がり。

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