仮面ライダークロスギーツ
かめんらいだーくろすぎーつ
「理由なんてない…楽しいからさぁ!さ~てここで、ゲームを盛り上げるスーパーアイテムをご紹介!!」
『X GEATS』
『BLACK OUT』
「変身!」
『DARKNESS BOOST』
『X GEATS』
『READY FIGHT』
冴「あれって…!?」
祢音「黒い…」
道長「ギーツ…!」
「そ、君達の神・ギーツを取り込んだんだよ」
メロ「カッコいい~…!!名前は?ねぇ、名前は?!」
「フッ…“Ⅹギーツ”!」
CV:長田庄平(チョコレートプラネット)
スーツアクター:米岡孝弘
変身者
・メラ
概要
『仮面ライダーギーツ 4人のエースと黒狐』に登場する仮面ライダー。映画公開に先駆けてテレビ本編第45話のラストにも登場する。
未来の指名手配犯・メラが仮面ライダーギーツ/浮世英寿の力・知恵・運の3つの要素を奪って変身した史上最凶のプレイヤーと謳われる仮面ライダーで、「偽ギーツ」ともいえる存在である。
世界を滅ぼすべく、ギーツたちの前に最狂の敵として立ちはだかる。
『ギーツ』の未来人としてはかなり珍しく、デザイアドライバーを使用して変身する。
社会的に地位が比較的高いゲームマスターやサポーターたちと比べると、指名手配犯であるメラには後ろ楯がないため、変身への敷居が低いデザイアドライバーの方が彼にとって都合が良かったと思われる。
その出自から色合いこそ原型からかけ離れてはいるもののブーストフォームの系譜に属する形態でもあり、ブーストタイム系列の能力も一通り搭載されている。
2024年4月26日、レジェンドライドケミートレカ投票では第4位にランクインし、ビジュアルは黒いギーツケミーとなっている。なお、エフェクトが勾玉となっているギーツケミーと異なり、クロスギーツケミーのカードはXギーツレイズバックルのラインが描かれている。
変身
Ⅹギーツレイズバックルを二つに分離し、デザイアドライバーの両側にセット。その後両手をクロスさせフィンガースナップをした後、ギーツⅨと同じ手順でドライバーとバックルを操作。
バックルからは禍々しい紫の炎と黒い霧が吹き出し、それと同時に円盤状のエフェクト(ギーツⅨとは違い操作はしていない)が「ⅩGEATS」のロゴ(マークⅨのものを上下逆にしたような形状をしている)へと展開、更に黒いレジェンドキュウビが現れ、メラの周りを駆け上がると共に「ⅩGEATS」のロゴが一瞬だけ「ブーストフォームマークⅢ」の様なアーマーに展開され、すぐさま下半身に移動し変形する。
黒いレジェンドキュウビはメラの周りを駆け上がり、上半身のアーマーとマスクに変化し、背後から「黒いギーツテールナイン」がメラを覆い被さる様にアーマーが装着される事で変身が完了する。
外見
ギーツⅨを反転させた様な黒ベースに青ラインのカラーリング(初期設定では黒ベースに銀のラインだったが紆余曲折を経て現在の形に変更された)。
と言ってもギーツⅨと比べると細部の造形が異なっており、特にギーツⅨの胸部装甲である、『カノミックエンジン』に相当する部位は大きく異なる。加えて背部に装備されている黒いギーツテールナインはより刺々しい形状になっており、先端には穴が空いている。
ボーイズトイフィギュアシリーズ「リボルブチェンジフィギュア」ではリボルブオンした姿にも再現可能。リボルブオン状態だと本来は太腿に当たる部分が胸、肩に当たる部分が膝に移動し、複眼も黒くなることが明かされた。
一応設定に則るならこれがXギーツ版のブーストフォームマークⅢに当たる上半身となるが、映画劇中でメラがバックルを分離させずに使用する場面は一切ないため、あくまでも玩具オリジナル形態という形となる。
同格ポジションのギーツⅨとは異なり、造形の関係上からレジェンドキュウビがブーストフォームマークⅢに合体すると言う構造にはなっていないため、九尾を模したマントはそのまま(この点は後の同造形の仮面ライダードゥームズギーツも同様である)。
スペック
身長 | 210.0cm |
---|---|
体重 | 125.8kg |
パンチ力 | 61.6t |
キック力 | 132.8t |
ジャンプ力 | 151.6m(ひと跳び) |
走力 | 1.0秒(100m) |
変身者のメラが持つ「神殺しの力」に加えて、吸収したギーツⅨ/英寿の力・知恵・運をも取り込んでいる。本人が自身を『最強』と名乗っているのはハッタリではなく『仮面ライダーギーツ』の世界では文字通りトップクラスの戦闘力を誇る仮面ライダー。
パンチ力以外はブジンソードをも上回っており、スペックは全体的にかなりの高性能。
ただしDGP運営の最高位であるリガドΩやリガドなどには及ばず、創世の力を4分の3しか取り込んでいない影響か、ギーツⅨにもスペック上では若干劣っているが、メラの神殺しの力や吸収した創世の力もあって実力はメラの言う通り彼らに匹敵するかそれ以上である可能性もある。
英寿の力と知恵を手に入れているだけあってライダーのスペックのみならずメラの戦闘技法も優れており、クロスレイジングソードの剣先で空中に投げたギーツバスタークロスのトリガーを押して銃撃する、バッファの攻撃を避けながらカウンターでダメージを与える等テクニカルな描写も多い。
基本的には拡張武装による二刀流を用いた戦法を得意とし、華麗に敵を倒していく英寿とは異なり戦いを楽しみながら飄々と敵を翻弄していくスタイル。
敵を撃破後にはカメラに向かって自分から決めポーズを見せ、何処と無くふざけた態度で相手を迎え撃っていた。
劇中ではタイクーンブジンソードとバッファの2人を同時に圧倒し、ギーツワンネスにも中盤までやや優勢に渡り合うなど、その戦闘力は計り知れない(本編終了現在、特殊能力を用いた例を除き、ブジンソードを変身解除まで追い込んだのは、クロスギーツのみである)。
さらにこの手の敵にありがちな武器がないと一気に戦力が低下する…弱点も殆どなく、逆にわざと自ら武器を投げ捨てる余裕を見せながら煽りつつ素手でブジンソードをタコ殴りにするなど格闘能力も優れている。
そしてタイクーンの「ブジンソードストライク」を喰らっても多少怯みはしても平然と話しかけたりと本体の耐久性も非常に高い。
このように遠近どの能力もバランス良く高水準な設計となっており事実上弱点はほぼないと言っても良い。
劇中では背中のマントである「ギーツテールナイン」やギーツⅨの十八番である青いシールドなども殆ど使用していない(もっとも、上記の通り盾など必要ない程の耐久性が既にあるので当然とも言える)。
また、ジャマト世界樹を操作していたリモコンを使えば肉体の巨大化も可能。これはライダーシステムとは無関係であり、かつて殺した神から奪い取った力である。
巨大化に伴い恐らくはスペックも相応に上がっていると思われ、この手の敵が巨大化したら弱体化するお約束通りにはならず、地面や壁を攻撃で大きく損傷させ、押されていたギーツワンネスを一時的に押し返した。
「ダークネスブーストタイム」による創世の力と神殺しの力を組み合わせればジャマト世界樹への直接アクセスも可能で、実際に劇中では世界を崩壊させ登場人物はおろか地球をほぼ荒廃させる暴挙まで犯した。
これまでの仮面ライダーシリーズにおいて地球を滅ぼそうとする敵は多かった中で実際に地球滅亡寸前まで追い込んだ数少ない実例と言える(但し、地球以外の惑星を滅ぼした前例なら意外とある)。
英寿とツムリが生存できたのもある力で守られた奇跡に過ぎず、本来ならば他のライダー達と共に死亡していた。映画本編では世界の滅亡後もメラは懲りずに別の神話の滅亡最短記録を作り出そうとしており、これまでの悪行を踏まえれば、もし英寿が負けていればまた数多くの犠牲者を生み出していた可能性は非常に高い(Blu-ray特典のオリジナルストーリーブック『Who is MELO?』では英寿以外にも始まりの男を狙っていたことが明かされている)。
なお、ギーツワンネスに敗れた後、彼から吸収していた創世の力と運、知恵、力の3つの要素は元の英寿に返された。
使用アイテム
変身ベルト。
変身の際に使用。
変身の際に使用。4人に分裂した英寿のうち、力・知恵・運の要素を集めて完成させた為、創世の神の力を内包している。
レイズバックルを携帯する際に使用。
変身と同時に展開される拡張武装。正式名称はDVD・Blu-rayのバリアフリー副音声で判明。装動シリーズでは「クロスギーツ用武器A・B」と呼称されている。
形状や各機能はそれぞれレイジングソード・ギーツバスターQB9そのままだが、カラーリングはクロスギーツのものになっている。
メラの性格か戦い方の癖なのか、射撃時も含めてギーツバスターは終始ブレードモードのままだった。
必殺技
- クロスギーツストライク
『XGEATS STRIKE』
スロットルレバーを1回引くことで発動。
巨大化した状態で発動し、コサックダンスの動作で連続キックを浴びせる。
- クロスギーツビクトリー
「この世界と共に消えろ!」
「ゲームは終わりだ…」
『XGEATS VICTORY』
スロットルレバーを2回引いて「ダークネスブーストタイム」を発動後、更に引くことで発動。
黒い十本の尾を出現させ、ジャマト世界樹とリンクし世界を一瞬で滅亡へと導く。
言うまでもなく、クロスギーツ最大の大技。
- ハイパーブーストビクトリー
『HYPER BOOST VICTORY』
ハンドルを回すことで発動。劇中では未使用。
- ハイパーブーストグランドビクトリー
『HYPER BOOST GRAND VICTORY』
ハンドルを2回回した後、さらに回すことで発動。劇中では未使用。
- タクティカルレイジング(仮称)
クロスレイジングソードのボタンを押しトリガーを引いて発動。4回ほど使用し、シンプルに斬撃を飛ばすパターンと、2振りの剣を使用してX字の斬撃を飛ばすパターンを見せた。後者でブジンソードとバッファを変身解除させた。
- ブーストタクティカルビクトリー(仮称)
ギーツバスタークロスのレバーを引いて発動。強化された銃撃を放ち、心の英寿が変身したギーツ マグナムフォームを瞬殺した。
なお、この技と上記の「タクティカルレイジング(仮称)」は、技名のアナウンス音声は流れなかったが、ボタンやレバーの操作音声はそれぞれのリデコ元武器と同様のものが流れた。
名称
公式内についてもいくつかの種類に分かれており、「クロスギーツ」「Xギーツ(アルファベット)」「Ⅹギーツ(ローマ数字)」などがある。
特に後者2つは、辛うじて見分けやすかったギーツⅨのときとは異なり一目では見分けがつかず、混同されることが多い(劇場版予告、専用告知、公式パンフレットの複数の媒体によって名称がそれぞれ異なるため、様々な呼び名がある)。
当記事では上記の通り、アルファベットの「X」とローマ数字の「Ⅹ」が一見すると見分け辛いため間を取って「クロスギーツ」と表記する。
立体化
ギーツという作品自体の人気やクロスギーツのデザイン、劇中の活躍などが軒並み高評価であり、視聴者からの人気も高いためかなり恵まれている。
装動シリーズではギーツワンネスらと共に立体化され、プレミアムバンダイにおいては複眼がクリアパーツとなった豪華版のプレミアムエディションなども販売された。
なお、ギーツⅨやドゥームズギーツにはマント用のシールが存在していたが、クロスギーツには存在しない(実際のスーツのマントには模様がある)。
なお、背面シールに関しては装動シリーズでは省略される傾向にあり、これはギーツⅨなども同様の仕様なので本項での詳細な解説は割愛する。
リボルブチェンジフィギュアシリーズ「PB09仮面ライダーギーツワンネス&Xギーツセット」では、新たにリボルブオンバージョンが作成可能。セットなのでギーツワンネスもついてくるが、上半身だけで下半身は別途用意する必要があるので注意されたし。
フィギュアではないが、現行ライダーの仮面ライダーガッチャードのコレクションアイテムであるライドケミーカードシリーズの派生レジェンドライダーケミーカードにて投票でカード化が決定、他にもギーツワンネスやカリスなど様々なライダーがランダムに封入されたパックが7月発売予定とのこと。クロスギーツにはパラレルレアが存在するらしいので、探してみるのもいいだろう。
余談
- モチーフと思われるのはキツネの一種である「十字狐」。こちらも黒い体躯を持つ他、警戒心が強いので、主生息地の北海道でも目撃例が極めて少ない。またアイヌの人々には人に危機の到来を告げる神として伝承される一方、猟師の間では黒いキツネを追うと命を奪われると伝わる二面性を併せ持つ(参考)。
- 名前の由来は上述のモチーフに加え、Ⅸの上である「Ⅹ(テン)」と「黒すぎ」を掛けたモノと思われる。
- また、「Ⅸから大事なⅠが抜けたからⅩギーツ」という考察も。
- ちなみに対存在である仮面ライダーギーツワンネスとは、『IX』の『I』と『X』を分けた上で、こちらは「リボルブオンによって『X』が前に移動」、あちらは「リボルブオンがないので『I』が末尾に残っている」というシャレの効いたネーミングになっている。
- マスクはギーツⅨの金型を流用した別個体、胴部と肩部、そして大腿部は仮面ライダーバルカン・ローンウルフ、腕部と脚部は仮面ライダーリバイ・ボルケーノレックスゲノムの改造と思われ、専用の新規造型部分はマントのみ。
- Ⅹギーツの情報解禁当初はギーツ=英寿のイメージに引っ張られたためか、変身者とキャストを長田氏が演じると解禁された際にはイメージと少し違ったのか肩透かしを食らったというような意見も少なくなかったが、本編にて長田氏の狂気的な演技を目の当たりにして覆されたという声も多い。
- 劇中のアクションにおいて後頭部に向けて振り上げた武器を前方にかけて振り下ろす動作があるが、これは変身者であるメラを演じた長田庄平氏の持ちネタであるMr.パーカーJr.の動作を模したものと思われる。
- 現場ではクロスギーツのスーツアクターを務める米岡氏とメラ役の長田氏は互いの芝居を観察して特徴を拾っていったと語っている。
- 劇場版のメインヴィランを務めたネガライダーは、リュウガ、ネガ電王、武神鎧武、ダークドライブ、ダークゴーストがいる(武神鎧武とは巨大樹と融合した点、最後は主人公のライダーキックを喰らい、その巨大樹もろとも撃破される点、ダークドライブとは未来から来た点、黒と水色を主体としたカラーリングが共通している)。
- 映画の公開直前のタイミングでTwitterの仕様が変更されたことで『X』に改名されたため、アイコンとメインカラーが似ている、Xの字が名前に含まれているなどの理由から彼が連想されネタにされている。ちなみに、長田氏も自身のXで「Twitterは俺様が支配するクヒャヒャヒャ!!XXXXXXX」と便乗している。
- スーツは後に仮面ライダードゥームズギーツにリペイントされたが、Vシネの撮影を終えてからWヒーロー夏祭りで展示する際にクロスギーツに戻されたと思われる(Wヒーロー夏祭りで展示されたクロスギーツのマスクにはドゥームズギーツのラインと思わしきマスキング跡があるが、映画に登場するクロスギーツには確認できないためドゥームズギーツに改造されてから展示用に戻された可能性が高い)。
- クロスギーツやその他ライダーのレジェンドライダーケミーカードは、ネット上で視聴者の投票を行い商品化するライダーを決定、うち12つを商品化(そのうち2つはカードファイルに付属)するというものだった。結果はなんと実質全10つの枠のうち5つ、つまり半分をギーツ系ライダーが占めるという事態になった。ここでもギーツ系ライダーの人気がうかがい知れる。これはランキングをフォーム別でも募集したせいで、膨大な数になってしまった事も原因であると思われる。