この記事は描きかけの記事です。
概要
光軽 巳重(みつがる みがさ)とは、東方九頭龍事変 第弐章「東方矛盾葎 ~ Miscellaneous Oxymoron.」に登場する5面のボスキャラのことである。
妖怪の山の長である大天狗の娘(天使の妾腹)であり、霊的なバランスを崩したアルビノの鴉天狗である。
彼女は龍脈の恩恵により力を手にし、妖怪の山の一部を切り離し、箱舟である「浮遊深殿」にした。
龍脈の暴走によって崩壊し始めた幻想郷から関係者を大脱出させようとしていたが、彼女が行おうとしていた大規空間模転移は、龍脈の暴走を致命的な段階まで進行させてしまうものだった。
霊夢達は幻想郷を守るべく、そして彼女から龍脈の力を取り上げる為に、彼女を襲撃する。
彼女は昔、体が弱かったり、落ちこぼれだったらしく、大天狗からも見放され、他の天狗にコンプレックスを感じていたようだ。
東方風神録異変の少し前、八坂神奈子と洩矢諏訪子が天狗達との友好の証として、光軽巳重は太陽神の力の一部を移植されることになる。
つまり霊烏路空のプロトタイプとも言える複合妖怪になるわけである。
が、精神が鬱屈していた事と、神奈子達が色々詰め込み過ぎた事で、結果暴走し、封印されてしまった。
大天狗は落ちこぼれの光軽巳重を「失っても惜しくない人質」として軽んじていたため、交渉に支障はなかったそうだ。
東方矛盾葎異変では龍脈の暴走によって封印が解け、自分自身が新世界の神になろうと目論が、今度は4面ボスのキュアノエイデス・グラナティスの「魅了」に支配され、不完全な状態のままの復活となる。
それでも幻想郷の危機に対し、自らの価値を世に知らしめる為に、妖怪の山の一部を切り離して箱舟とした。
己の力を誇示して信奉者を作り、箱舟を以って幻想郷脱出を試みるも、結局はキュアノエイデスに霊夢達の強化処置の具合を見る為の噛ませ犬になるよう仕組まれていた。
強化された霊夢達は、不完全状態の彼女の精神操作能力を跳ね除け、彼女に襲い掛かる。
巳重はほとんど実力を発揮できない状態だが、それでも凄まじい力を持って応戦する。
名前 | 「光軽 巳重」(みつがる みがさ) |
---|---|
二つ名 | 「白夜の白鴉」(ホワイトクロス・マリス) |
能力 | 「重みと有難味を操る程度の能力」 |
種族 | 「天使」 + 「鴉天狗」 + 「天照大神のアニムス」 + 「三輪明神」 |
登場 | 東方矛盾葎の5面「夜中の太陽 (浮遊深殿)」 |
テーマ曲 | 「重く、疾く、激しく ~ Heavy Lightning.」 |
スペルカード
No. | スペルカード名 | 使用場面 | スペルカード名 | 使用場面 | |
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第1符 | 白烏「ヘンペルズレイヴン」 | 5面:Easy / Normal | 白鴉「パラドックスレイヴン」 | 5面: Hard / Lunatic | |
第2符 | 証鳴「サイコイグジスタンス」 | 5面:Easy / Normal | 証冥「プロバティオディアボリカ」 | 5面: Hard / Lunatic | |
第3符 | 天礫「松明丸の天狗火」 | 5面:Easy / Normal | 天礫「天狗の漁撈」 | 5面: Hard / Lunatic | |
第4符 | 核符「ミッドナイトサン」 | 5面:Easy / Normal | 核符「ブライターザンサウザンドサン」 | 5面: Hard / Lunatic | |
最終符 | 重光「ヘビーライトニング」 | 5面:Easy / Normal | 重蛇「イベントホライゾン」 | 5面: Hard / Lunatic |
東方矛盾葎において彼女が象徴する形容矛盾は「白い鴉」「アルビノの太陽」「夜中の太陽」「重い光」等。
潜在能力は非常に高く、完全な状態であれば幻想郷を「事象の地平面」に叩き落すこともできたらしい。
以下詳細。
名前
光軽 巳重(みつがる みがさ / Mitsugaru Migasa)
名前の由来は
光軽(みつがる)
「光」も「軽い」も英語で「light(ライト)」。
巳重(みがさ)
「巳」→「蛇」→「heavy(ヘヴィー:重い)」
彼女の内包霊格には蛇神の因子が含まれている。
二つ名
「白夜の白鴉」(ホワイトクロス・マリス)
白夜
彼女が表す形容矛盾「夜中の太陽」に係る。
白鴉
彼女がアルビノの天狗であることと、「ヘンペルのカラス」に係る。
またギリシア神話では太陽神アポロンに仕えていたカラスの色は元は白銀(白・銀とも)だったらしい。
見分けがつかないことの例えとして「闇夜に烏」という慣用句があるが、光軽巳重の場合は自分の力に飲込まれつつある様を表している。
ホワイトクロス
「白い十字架」という意味。彼女がアルビノの天狗であることと、光軽巳重が天使の混血種であることに係る。
また、太陽(核)の力の悪用…核兵器という名の人類の罪(十字架)も意味している。
マリス
「malice」(マリス:憎しみ。悪意。敵意。害意。犯意。)は、光軽巳重の表す「夜中の太陽」(核兵器)の因子に係る。
核の光は∀ガンダムでも「真夜中の太陽」「憎しみの光」等と表現されていた。
「ホワイトクロス・マリス」は「ホワイトクリスマス」に似せて名付けられたが、その意味するところは真逆のものである。
他にも「縮退炉搭載やさぐれ天使」とか言われている。
能力
「重みと有難味を操る程度の能力」
重力や確率の操作、大規模精神支配等ができる。
空間を捻じ曲げる程のブラックホールを作ったり、大衆の価値観を塗り替える程の広域洗脳を施すことができる。
また、「存在しないもの(しても存在し辛いもの)」を存在させたり、攻撃の命中・回避の確率を操作することもできる。
超能力(いわゆるエスパー系の力)を生み出すこともできる。
光軽巳重の表す「重い光」から、物理的な「重み」(重力)と、言葉としての「重み」(有難味)に係っている。
彼女が放つ言霊は非常に強力で、術耐性があってもその支配力に逆らうことは難しい。
霊夢達の場合、キュアノエイデス・グラナティスの根回しのおかげで、精神支配を跳ね除けている。
彼女が持つ広域洗脳能力は、元々八坂神奈子と洩矢諏訪子が信仰心を集めに利用するべく授けた力である。
しかし一部とはいえ、日本神話の最高位の力(天照大神の男性的側面)の移植は無理があったらしい。
光軽巳重は力を扱いきれず暴走を始め、完全に正気を失う前に守矢の二神によって封印された。
封印からの解放後も、キュアノエイデス・グラナティスの支配によって大半の力が封じられている。
種族
「天使」+「鴉天狗」 + 「天照大神のアニムス」 + 「三輪明神」
一部とはいえ、八百万の神々の最高神の力を使える。
様々な神魔のハイブリッドと呼べるが、その出自にはキュアノエイデス・グラナティスの因果律操作が絡んでいる。
天使
光軽巳重に蛇の因子が有ったということは、母は堕天使か相当古参の天使ということになる。
最古参の天使は竜蛇と縁ある者が多い。
鴉天狗
大天狗の娘である光軽巳重は、混血とはいえ大天狗のはずなのだが、鴉天狗である。
どうも、天狗が持つガルーダの因子が先祖返りしているためらしい。
天照大神のアニムス
八坂神奈子らによって日本神話の最高神である天照大神の力の一部を移植された。
アニムスとは哲学において「女性の中の男性性」を意味する言葉。
スサノオさえたじろがす天照大神の男性的側面・・・歴史の闇に葬られた竜蛇神としての力を表す。
天照大神男性説は過去より根強く流布されているらしい。
男性説を推す意見の論拠としては
- 天宇受売神(あめのうずめのかみ)のストリップショーは(レズでもなければ)女性には効かない。
- 神宮の斎宮は、天照大神の妻的存在であること。
- 神宮に納める衣装が男性のものであること。
- 別名の大日霎(オオヒルメムチ)は、太陽神の妻という意味であり、太陽神そのものではないこと 。
- 日本の神々の多くは男であり、これら神様の奥さんは「人間」というパターンが多いこと。
- 太陽を崇める巫女が神格化した可能性もあること。
- 書かれた書物の紀記が女帝の時代であり、女帝の正当性を示す必要があったこと。
- 伊勢神宮の社殿にある天の御柱は、男根信仰に繋がること。
以上のことでも天照大神は元は男神の可能性が高いという。しかし真相は不明。
真相が分からなければ、彼女はヘンペルのカラスの力で、天照大神の男性的な力を形作ることができる。
伊勢神宮の祭神天照大神は女性とされるが、鎌倉時代に僧の通海が著した『通海参詣記』には
「伊勢神宮の神は、夜毎、斎宮に通うらしいが、斎宮の寝床に毎朝蛇の鱗が落ちている」という記述があり、
伊勢神宮の神は男性であり蛇であると読める。
(斎宮は)古伝承によれば、夜ごと、祖神の蛇と交わるべき蛇巫であったという。
最高女蛇巫としての天照大神の本質をひきつぐ斎宮は、同じく蛇と交わる蛇巫であったそうだ。
「アマテラス神話の胚胎-方法としての宗教実践者」(斎藤英喜編『アマテラス神話の変身譜』(森話社、1996年))では、
「長久元年(一〇四〇)のこと、内裏のアマテラスたる内侍所の神鏡が失火で消失してしまった。
ところが、その後、内侍所の女官の夢想の中に「小蛇」が現れ、神鏡の破片の所在を教えるという奇瑞があったという。
小蛇は神鏡たる天照大神の分身であろうから、
つまり、この頃天照大神蛇神説が内侍所女官たちの間で生成しつつあったと考えられる、というのである。」
と書いている。
三輪明神(大物主・大国主神・大黒天・大自在天・シヴァ・第六天魔王)
大物主(おおものぬし、大物主大神)は、日本神話に登場する神。大国主の異名。
非常に強力な祟り神であり、蛇神でもあり、異名が多いスケコマシ神。
大神神社の祭神、倭大物主櫛甕魂命。『出雲国造神賀詞』では大物主櫛甕玉という。
大穴持(大国主)の和魂(にきみたま)であるとする。別名 三輪明神。
祀っている大神神社(おおみわじんじゃ)は奈良県桜井市にある神社で、この神社は日本神話に記される創建の由諸や大和朝廷創始から存在する理由などから「日本最古の神社」と称され、日本国内で最も古い神社のうちの一つであると考えられている。
大物主は蛇神であり水神または雷神としての性格を持ち、稲作豊穣、疫病除け、酒造り(醸造)などの神として篤い信仰を集めている。
また国の守護神である一方で、祟りなす強力な神ともされている。
八坂神奈子のモデルである建御名方神(タケミナカタノカミ)は大国主の子。
大国主は国造りの神、農業神、商業神、医療神などとして信仰されている。
また、「大国」はダイコクとも読めることから、同じ音である大黒天(大黒様)と習合して民間信仰に浸透している。
大黒天とは、ヒンドゥー教のシヴァ神の化身であるマハーカーラのことであり、七福神の一柱としても知られる。
光軽巳重の内包霊格の一つである大国主は大黒天(大黒様)と習合しており、シヴァ神(大自在天)でもある。
大自在天は他化自在天(第六天魔王)とよく混同されるため、リンガ(男根)信仰と混交した。
そのため、天魔である魔王が六欲天の他化自在天の最高位の主であることから、Mara(摩羅、魔羅、マーラ様)を指し、これが次第に転じて俗に「男根」を魔羅、マラというようになったといわれる。
ちなみに蛇神ミシャグジ様の信仰の分布は第六天魔王信仰の分布とほぼ重なっており、諏訪地方では同一視されている地域もある。
第六天魔王(天魔)は修験道とも絡めて、天狗の親玉みたいな言われ方もする。
弱点
霊的なバランスが崩れている上、キュアノエイデス・グラナティスによって大半の力が抑えられている。
キュアノエイデス・グラナティスは竜殺しに対して無敵であるため、ガルーダ等の因子を持つ光軽巳重では敵わない。
ただし、竜邪神としての力を発揮できたのなら話は別である。
職業
光軽巳重は元々体が弱く、満足に動くことができず、云十年単位の休眠を何度も必要とした。
つまり深窓の令嬢で、生粋のお嬢様。
八坂神奈子と洩矢諏訪子の封印が解けてからは、己を本尊及び教祖とする宗教を起こす。
容貌
頭部の鏡
髪(神)を飾る二つの鏡は「影見(かげみ)」ではなく「蛇見(カガミ)」…蛇の瞳を表す。
古来より、閉じることなき蛇の瞳(眼力)は光や魔力に関連付けられ、蛇自体も太陽と縁が在る存在とされてきた。
蛇信仰は日本の神々ともひじょ~~~~~~~~に深い係わりがある。
彼女の内包する天照大神の「物実(ものざね)」も「鏡」である。
一応、この鏡は三種の神器の内の「八咫鏡(やたのかがみ)」そのものではない。
この鏡に映るのは、移ろう景色ではなく、遷(うつ)った「蛇見(カガミ)」の気色(けしき)である。
リボン
博麗霊夢が着けてるようなリボンに注連縄を二重方結び(縦結び)で加えたもの。
フリルは羽を連想させる鋭さで、熾天使(セラフィム)の三対六枚の翼の内「顔を隠す二つの翼」を表す。
横結び(本結び)に比べて縦結びは強度が低くもつれやすいが、これは不安定な光軽巳重自身を表す。
因みに本結びは新石器時代から使われていたとされる。
古代ローマ時代には横結びと縦結びの違いや横結びの方が強度に優れることなども理解されており、また英雄ヘラクレスにちなんでヘラクレス結びという名前で子孫繁栄を願って腰紐に使われていた。
ガイウス・プリニウス・セクンドゥスの著書『博物誌』では傷口を包帯で結ぶときに本結びを使うように指南している。
頭襟(ときん)
天狗も頭部に着けている山伏装束の帽子。小さな杯にもなる。
大日如来の五智の宝冠を表す。
十二因縁にちなんで12のひだを持ち、上から見ると放射状に12等分されているように縫い目がある。
山中で瘴気を防ぐ効果があるといわれる。
日ユ同祖論の引き合いに使用する例として、頭襟の形状を、ユダヤ教徒が祈りの際、前額に付けて使用するテフィリン(聖句を納める革製の小箱)という道具に似ているという意見もある。
因みに、天使の九階級のうち最上の天使を「熾天使(してんし:セラフ/セラフィム)」と言うが、古の熾天使は「燃える蛇」の姿をとっていたそうだ。
結袈裟(ゆいげさ)
修験道専用のお袈裟で九条袈裟という袈裟を折りたたんだもの六つのフサは六波羅蜜を表す。
彼女の場合、六つのフサは袈裟ではなく胸飾りとして着けている。
オーバック
彼女は薄い生地が何層にも重なっているスカートを穿いているが、お尻の部分に穴が開いている。
これは蛇神の力が顕在化したとき尾が出るから。
でも、本編では本気になる機会は来ない。
スカートのフリルは羽を連想させる鋭さで、熾天使(セラフィム)の三対六枚の翼の内「足を覆う二つの翼」を表す。
天狗下駄
普通、下駄の歯は2本だが「一本歯下駄」も存在する。
山道を歩くための下駄であり、山の中で修行する僧侶や山伏などの修験者が主に用いた。
このことが由来となって天狗が履いていたとされ、「天狗下駄」とも呼ばれる。
昔は越後獅子など芸能や曲芸をする者がバランス能力を見せるために履いたが、近年改めて体のバランス感覚(平衡感覚)を養う、足腰を鍛える、整体やリハビリなどに良いとして子供から大人まで履かれることもある。
白い翼・白い髪・赤い瞳
翼は一対二つしかないが、覚醒すると三対六枚になり炎を纏う。
性格
一人称は「私(わたくし)」。二人称は「貴方」。
普段の口調は気品があり、礼儀正しいが、本気になると感情的になる。
他の天狗へのコンプレックスを抱き続けたせいか、同族への態度は硬い。
他人からの愛情をあまり受けてこなかったせいか、冷酷非情な性格。
しかしそれは愛情に飢えていることの裏返しであり、自分を必要としてくれる存在に対しては気遣いを見せる。
精神的に不安定なところがある。
対人態度
人間への態度は、同族よりも柔らかい。自分への信望者に対しては寛容さを見せる。
が、自分を否定する者へは、攻撃的になる。
スペルカード
彼女のスペルカードは「悪魔の証明」や「天狗火」「核兵器」「超重力」などに因んだものが多い。
白烏「ヘンペルズレイヴン」
鴉を模した弾で画面を埋め尽くす(Easy / Normal)弾幕。
こっそり紛れた白い鴉の所にいないと、一定時間のタイミングで画面を埋め尽くす弾幕で圧殺される。
「ヘンペルのカラス」とは、カール・ヘンペルが提出した、科学における対偶論法による帰納的実証の、直観との相違を指摘した問題である。
○カラスが黒いことを証明するために、黒くないものにカラスがいないことを突き止める必要が出る。
↓
○「黒くないものにカラスはいない=カラスはすべて黒だ」(実際、黒くないカラスはいるけどそれはさておく。)
という逆説的な証明方法が「ヘンペルのカラス」だ。
正しくは、「ヘンペルのカラス」は人間の直観の危うさの方を指摘した論法である。
白鴉「パラドックスレイヴン」
白烏「ヘンペルズレイヴン」の(Hard / Lunatic )版弾幕。
「ヘンペルのカラス」絡みのネタ。
「ヘンペルのカラス」は「カラスのパラドックス」とも呼ばれるが、パラドックスとして扱うべきかどうかには異論もある。
証鳴「サイコイグジスタンス」
超能力でテレポートや念力を織り交ぜる(Easy / Normal)弾幕。
「サイコ(psycho:精神の、霊魂の、超能力の)」+「イグジスタンス(existence:存在、実在、実存、生存)」で「霊魂の実在」「超能力の実在」を意味する。
TRPG・GURPS(ガープス)妖魔夜行の小説「穢された翼」で出てきた超能力の化身「白いカラス」が元ネタ。
カラスが白いことを証明するためには白いカラスが一羽見つかればいい。
ただ、その白いカラスが見つけられることを拒んだら・・・。
東方Projectには妖魔夜行や鴉天狗がカメラマンやってることなど、TRPGネタがちらほら見受けられる。
因みに東方矛盾葎の作者もGURPS妖魔夜行にどっぷり嵌っていた。
実は東方矛盾葎の世界観は、GURPSドラゴンマークが雛型になっている。
証冥「プロバティオディアボリカ」
証鳴「サイコイグジスタンス」(Hard / Lunatic )版弾幕。
「悪魔の証明」の由来となったラテン語「probatio diabolica」が元ネタ。
「悪魔の証明」は所有権帰属の証明の困難性を比喩的に表現した言葉である。
いないことの証明(消極的証明)と、いることの証明(積極的証明)では、いることの証明の方がはるかに簡単である。
「在る」「居る」ということは1例でも挙げれば事が足りる。
しかし、「無い」「居ない」ということは全てを探してみないと、無いとは言えない。
そういう意味では、幽霊は居ないことが確認できない。
つまり、全世界、全宇宙が対象なので、探せるわけがない。
そうなると、UFOや宇宙人も一緒で、居ることになる。
つまり「居ないことが証明できないから居る。」という「悪魔の証明」になるわけだ。
ただ、結局は絶対に居ることも証明できない。
人間の目で見たもの全てが正しいわけではないのが問題である。
天礫「松明丸の天狗火」
大量の誘導弾をばら撒く(Easy / Normal)弾幕。
「松明丸(たいまつまる)」は、鳥山石燕の『百器徒然袋』にある天狗火。
火を携えた猛禽類のような鳥として描かれている。
『百器徒然袋』の解説によれば、天狗礫(天狗が降らせる石の雨)が発する光で、深い山の森の中に現れるとされる。
暗闇を照らす火ではなく、仏道修行を妨げる妖怪とされる。
「天狗火(てんぐび)」は主に水辺に現れる赤みを帯びた怪火。
その名が示すように、天狗が超能力によってもたらす怪異現象の一つとされ、神奈川県や山梨県では川天狗の仕業とされる。
夜間に山から川へ降りて来て、川魚を捕まえて帰るとも、山の森の中を飛び回るともいう。
人がこの火に遭遇すると、必ず病気になってしまうといわれている。
そのため土地の者はこの火を恐れており、出遭ってしまったときは、即座に地面にひれ伏して天狗火を目にしないようにするか、もしくは頭の上に草履や草鞋を乗せることでこの怪異を避けられるという。
天礫「天狗の漁撈」
天礫「松明丸の天狗火」の(Hard / Lunatic )版弾幕。
遠州(静岡県西部)に現れる天狗火は、提灯ほどの大きさの火となって山から現れ、数百個にも分裂して宙を舞うと言われ、天狗の漁撈(てんぐのぎょろう)とも呼ばれている。
核符「ミッドナイトサン」
核爆発を連想させる極大の弾を放つ(Easy / Normal)弾幕。
核の光は∀ガンダムでも「真夜中の太陽」「憎しみの光」等と表現されていた。
「ミッドナイト・サン」は「白夜」という意味もある。
核符「ブライターザンサウザンドサン」
核符「ミッドナイト・サン」の(Hard / Lunatic )版弾幕。
「Brighter than a Thousand Suns」(『千の太陽よりも明るく』) 等、核爆発はよく太陽に準えられる。
因みに、ロバート・オッペンハイマーは核実験の爆発を目の当たりにしてヒンドゥー教の詩篇バガヴァッド・ギーター(भगवद्गीता)の次の一節が心に浮かんだと後に述べている。
我は死なり、世界の破壊者なり。
If the radiance of a thousand suns
were to burst into the sky,
that would be like
the splendor of the Mighty One—
*****I am become Death, the shatterer of Worlds. *****
バガヴァッド・ギーター(भगवद्गीता)はインドの宗教書の一つで、ヒンドゥー教の重要な聖典の1つである。
叙事詩「マハーバーラタ」の一部であり、サンスクリットで書かれた詩編である。
神(クリシュナ=ヴィシュヌ)と一体化し、我を捨て持って生まれた義務(ダルマ)を遂行することを説いた。
インドにおいては「バガヴァッド・ギーター」の占める地位は大きく、時にヴェーダよりも重要視されることもある。
ヴィシュヌ神の乗り物はガルーダと呼ばれ、ナーガと敵対する神鳥とされる。
後に仏教にも取り入れられ、迦楼羅(カルラ)または金翅鳥(こんじちょう)と呼ばれ、天竜八部衆の一つに数えられるようになった。
迦楼羅のイメージは日本の鴉天狗にも多大なる影響を与えている。
ラストスペル
戦闘中のボスのスペルカードを全てノーボム・ノーミスで凌ぐと発動するスペルカード。
重光「ヘビーライトニング」
黒い曲がるビームと稲妻を連射する(Easy / Normal)弾幕。
光軽巳重の象徴する形容矛盾「重い光」に係る。
また、「ヘビー」は蛇行するビームの「蛇」にも係っている。
重蛇「イベントホライゾン」
ビーム弾幕を収束させるブラックホールを放つ(Hard / Lunatic )版弾幕。引力によって主人公らを引き寄せる。
東風谷早苗の『妖怪退治「妖力スポイラー」』のように主人公機周辺から弾幕を出現させる上に、砕ける巨岩も引き寄せ押し潰そうとしてくる。
「重蛇」はワームホールに係る。
「イベントホライゾン(event horizon)」は「事象の地平面」と言う意味で、シュヴァルツシルト面と言われることもある。
空間を2次元に単純化したモデルを考え、「事象の地平線(じしょうのちへいせん)」ということもある。
情報は光や電磁波などにより伝達され、その最大速度は光速であるが、ブラックホールなど、光などでも到達できなくなる領域(距離)が存在し、ここより先の情報を人類は知ることができない。
この境界を指し「事象の地平面」と呼ぶ。
「事象の地平面」を超えると、外界とは一切隔絶された異なる法則に飲み込まれるという。
没スペルカード
証鳴「デモンズデモンストレーション」
「悪魔の大衆的示威行動」の意。
己の力を誇示するかのような高密度弾幕を放つ鬼畜技。
テーマ曲
「重く、疾(はや)く、激しく ~ Heavy Lightning.」
光軽巳重の形容矛盾「重い光」に準えた曲にしたいところ。
大火力の応酬をイメージさせる重厚だけど、激しい曲が良いな。
登場
東方矛盾葎の5面「夜中の太陽 (浮遊深殿)」にボスとして登場。
「浮遊深殿」は浮遊なのに深殿という形容矛盾。
光軽巳重の力によって妖怪の山の一部が箱舟になった物。
しかし、構成する岩盤のほとんどは妖怪の山とは違う土地の物。
内部は空間が捻じ曲がっており、とても広い。
光軽巳重は七福神の大黒様の霊格を備えるため、宝船の因子も混ざっている。
幻想郷脱出用の箱舟として創られた「浮遊深殿」は、霊夢達が光軽巳重を倒した後、擂術葎の異次元戦艦「天城武宮」に撃墜される。
内包霊格
天使やガルーダなど、蛇神と敵対する霊格を持ちながら、マーラや大国主など、魔王や蛇神の霊格も備えている。
大物主 蛇 大蛇 大国主 大黒天 七福神 シヴァ 天部 大自在天 天魔 マーラ リンガ ご立派様 アニムス
また、蛇単独でも、男性性と女性性の両面を表す。
関連人物
キュアノエイデス・グラナティス(4面ボス)
キュアノエイデス・グラナティスは光軽巳重を支配する以前から、己の手駒とするべくその運命を操っていた。
光軽巳重の霊格はバランスがまだ取れてないが、非常に強大なものであり、存在の厚みの無い者(歴史の浅いキャラ設定)では、どれだけチート能力があろうとも、その力は掻き消されてしまう。
キュアノエイデス・グラナティスの場合は「竜殺し殺し」なる「現実の厳しさ」という果て無き歴史を背負っている上、彼女ら竜族は端末形態でさえ、最古の神であり、最古の魔王であり、最古の天使であり、最古の吸血鬼である。
故に、光軽巳重を倒すには、キュアノエイデス・グラナティスの「竜殺し殺し」の援助が必要になる。
キュアノエイデス・グラナティスは竜には弱いが、竜殺しには無敵なので、光軽巳重の中にある竜蛇神の霊格が覚醒する前に、その力を抑制した。
一連の異変が解決した後、キュアノエイデス・グラナティスは光軽巳重を連れて、邪神群との闘争の場へ復帰するつもり。
キュアノエイデス・グラナティスの持つ宝玉姫の霊格「阿加流比売神(あかるひめのかみ)」は天日矛の元妻である。
擂術葎(6面ボス)
光軽巳重の作り出した箱舟「浮遊深殿」が異空間に転移しようとした際、襲撃して轟沈させた。
幻想郷崩壊異変の実行犯である鋒務と楯遁は、キュアノエイデス・グラナティスと同族である。
キュアノエイデス・グラナティスは竜族に対しては強く出られないため、霊夢達が失敗した時の保険も兼ねて、光軽巳重にガルーダ等の竜殺しの霊格を仕込ませた。もっとも、光軽巳重が勝てるとは思っていない。
幻想郷改変を保留するための「幻想郷には邪神討伐に使える人材がある」という意見の材料にするつもりだった。
また、光軽巳重の能力は、確率操作によって世界の構築法則にも干渉できるため、幻想郷修復に応用できる。
二柱に封印されたとはいえ、本人はおちこぼれだった自分に力を与えてくれて感謝しているそうだ。
洩矢諏訪子はミシャグジ様であり、八坂神奈子に与えられた大物主の霊格はマーラ様と関係がある。
アニムス(男性性)繋がりでご立派様であるが、光軽巳重がフタナリになったかは不明である。
諏訪大社の眷属にはカラスが挙げられているらしい。
因みに、諏訪子のモチーフである蛙(ヒキガエル)は、兎とともに月の象徴とされ、日蝕は、金烏(太陽の象徴)がヒキガエルによって隠される現象であるとする言い伝えがある。
事実、日蝕は太陽が月によって覆い隠される現象である。
光軽巳重の内包霊格の一つである大国主は、因幡の白兎である因幡てゐの恩神であり、月の兎達の憧れの的らしい。
しかし因幡てゐが結構な年齢(推測170万歳以上)であるため、光軽巳重が幼少の頃に会っているかもしれない。
光軽巳重の内包霊格の一つである大国主は大黒天(大黒様)と習合している。
七福神の大黒様の神使は大黒鼠で、大国主のスセリヒメを娶るための試練をネズミが助けたことに由来する。
光軽巳重とナズーリンは直接的な面識は無いが、両者とも「宝船」と縁がある。
光軽巳重での失敗を基に守矢の神が仕込んだ後継機(?)が霊烏路空だそうだ。
蛇は豊穣神、天候神として古くから信仰を集めていた。
また、光を照り返す鱗身や閉じることのない目が鏡を連想させることから、太陽信仰における原始的な信仰対象ともなった。
八坂神奈子が霊烏路空へ八咫烏の力を与えるという東方地霊殿での出来事は、この太陽信仰からの連想かもしれない。
妖怪の山に住む者同士だが、仲が良い訳ではない。
幼少の頃は仲が良かったのかもしれないが、現在では疎遠になっている。
体が弱く落ちこぼれだった光軽巳重は彼女ら他の天狗にコンプレックスを抱いていたそうだ。
元ネタ(?)繋がりとして、現代社会に潜む妖怪の姿を描いた、TRPG兼ライトノベル連作「妖魔夜行」に登場する主要人物の一人「八環秀志」は、
人間に化けて生活している鴉天狗であり、職業は山岳写真家である。
光軽巳重の元ネタも「妖魔夜行」に登場する「白いカラス」なる妖怪である。
犬走椛は霊格的に戸隠山に棲むとされた鬼女「紅葉」の因子を持つならば、紅葉は天魔(「第六天の魔王」こと「他化自在天(たげじざいてん)」)の申し子であるとされるから、光軽巳重とは霊格的な繋がりがある。
紅葉は退治された後に戸隠山の地神で滝の化身「九頭龍権現」として修験道に組み込まれる。
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八坂神奈子 洩矢諏訪子 因幡てゐ ナズーリン 霊烏路空 射命丸文 犬走椛 姫海棠はたて
大物主 蛇 大蛇 大国主 大黒天 七福神 シヴァ 天部 大自在天 天魔 マーラ リンガ ご立派様 アニムス
Stage01:尸忌尸
Stage02:エノテラ
Stage03:荊棘荊棘
Stage04:古立木斤
Stage04:キュアノエイデス・グラナティス
Stage05:光軽巳重 ←今ここ
Stage06:擂術葎