路線データ
路線名 | 佐野線 |
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区間 | 館林〜葛生 |
路線距離 | 22.1km |
軌間 | 1,067mm |
駅数 | 10駅 |
電化区間 | 全線(直流1,500V) |
単線区間 | 全線 |
保安装置 | 東武型ATS(TSP) |
閉塞方式 | 自動閉塞式 |
運転指令所 | 運行管理所(東武指令) |
最高速度 | 75km/h |
第一種鉄道事業者 | 東武鉄道 |
概要
館林駅(群馬県館林市)と葛生駅(栃木県佐野市)を結ぶ東武鉄道の路線。伊勢崎線の支線の一つで駅ナンバリングは伊勢崎線と同じく「TI」。
群馬県内は館林市、栃木県内は佐野市だけを通過する。これは2005年(平成17年)2月28日に「平成の大合併」の一環として栃木県内の沿線自治体が全て(新)佐野市になった為である。
沿線に「関東三大師」の一つである「佐野厄除け大師」こと「天台宗春日岡山転法輪院惣宗官寺(惣宗寺)」がある。
地味に大手私鉄としては東日本最古、全国でも南海本線に次いで2番目に古い路線で、1889年(明治22年)6月23日に「安蘇馬車鉄道」として開業、「佐野鉄道」に改称後の1894年(明治27年)3月20日に普通鉄道に転換。後に同社を合併する東武鉄道の創業は1897年(明治30年)のことである。
かつて大正初期には葛生から更に北上し、鹿沼を経由して日光まで延伸する計画も存在したが、鹿沼までの山越えルートの工事が手間という理由で鹿沼まで関東平野を別ルートで接続する新線(すなわち現在の東武日光線のルート)を建設する方針へと変更されている。
2003年(平成15年)9月30日までは貨物列車が運行されていた。その名残で葛生駅以外の全駅で列車交換が可能である。
また渡瀬駅〜田島駅間に貨物駅時代の名称である「北館林荷扱所」で知られる「東武鉄道財務部資材管理センター北館林車両解体場」(以下「北館林車両解体場」)が存在する。その名の通り貨物駅としての役目を果たし終えた後は敷地を利用して廃車の解体が行われている。
なおここで解体されるのは東武の車両だけでなく、伊勢崎線と直通運転を行っている東京メトロ日比谷線・半蔵門線の車両も解体の為に当地まで運ばれる。
現在の運行形態
特急
浅草駅発着のリバティりょうもうが1往復運行されている。上りが朝、下りが夜の運行。
現在のダイヤで唯一他線との直通運転を行なっている列車である。
普通
線内のみの運行でワンマン運転を行う。上り初電の佐野発館林行以外は全区間での運行。
朝夕は毎時2〜3本、日中は毎時1本の運行頻度。
駅一覧
●:停車 レ:通過
駅番号 | 駅・施設名 | 特急 | 接続路線 | 備考 |
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TI10 | 館林 | ● | 伊勢崎線/小泉線 | |
TI31 | 渡瀬 | レ | ||
北館林車両解体場 | レ | 旧・北館林荷扱所 | ||
TI32 | 田島 | レ | ||
TI33 | 佐野市 | ● | ||
TI34 | 佐野 | ● | JR東日本両毛線 | 当駅始発あり |
TI35 | 堀米 | レ | ||
TI36 | 吉水 | レ | ||
TI37 | 田沼 | ● | ||
TI38 | 多田 | レ | ||
TI39 | 葛生 | ● | かつて貨物駅があった |
現在の使用車両
全て南栗橋車両管区春日部支所所属。
500系「リバティ」
2022年(令和4年)3月12日ダイヤ改正から特急「リバティりょうもう」として佐野線に乗り入れている。
10000系・10050型
2両編成。2020年(令和2年)6月4日からワンマン運転対応改造を施された編成が運用されている。
800系・850系
ワンマン運転対応の3両編成。10000系導入後は主に代走時に使用される。
過去の使用車両
200系・250系
南栗橋車両管区春日部支所所属の特急型車両。2022年3月12日ダイヤ改正で佐野線直通の「りょうもう」が「リバティりょうもう」に変更された事で乗り入れを終了。
1800系
急行型車両。はじめは館林検修区(現・南栗橋車両管区館林派出所)に配置され「りょうもう」で運用された。
運用離脱後普通列車用に改造された編成は佐野線を含むローカル運用に就いたが、2006年(平成18年)3月18日ダイヤ改正でワンマン運転を開始した際に佐野線の運用から離脱、同年7月4日に全車が定期運用から外れた。
波動用として残った1819Fは春日部検修区(現・南栗橋車両管区春日部支所)→南栗橋車両管区本区と転籍し、臨時列車として佐野線に入線した。
3050系
館林検修区所属。1996年(平成8年)に1800系に置き換えられるまで使用された。
5050系
館林検修区所属。2006年3月18日にワンマン運転が開始されるまで使用された。
8000系
ワンマン運転対応車の2両編成。ワンマン運転改造を施された10000系及び10050型導入により置き換えられ撤退。
60000系
南栗橋車両管区七光台支所所属の野田線用車両。
2019年(平成31年)4月に野田線から直通の臨時列車「春の花めぐり号」として佐野線に入線した。
ED5060形・ED5080形
旧・館林機関区所属の電気機関車。佐野線及び葛生駅で接続していた貨物線の貨物列車を牽引していた。2003年9月30日に貨物列車が廃止され引退した。
その他
前述の通り、北館林車両解体場への廃車回送の為佐野線に入線する事がある。また試運転で通常は入線しない車両が運転される事もある。
自社車両
5700系
春日部検修区所属の日光線系統特急型→急行型車両。引退後に廃車回送で佐野線に入線した。
1700系・1720系「DRC」
春日部検修区所属の日光線系統特急型車両。引退後に解体(書類上は現在も廃車されていない)の為佐野線に入線した。
100系「スペーシア」
南栗橋車両管区春日部支所所属の日光線系統用特急型車両。現役の車両だが、運用減に伴い余剰となった編成が誘導障害の試験を兼ねて廃車回送された。
N100系「スペーシアX」
南栗橋車両管区春日部支所所属。2023年7月15日から特急「スペーシアX」として営業運転を開始する車両。試運転で佐野線に入線した。
300系・350系
南栗橋車両管区新栃木出張所(現・新栃木派出所)所属。1800系から改造された日光線系統用急行型車両。
2022年3月12日ダイヤ改正で特急「きりふり」廃止による運用消滅により廃車回送された。
6050系0番台
南栗橋車両管区新栃木出張所所属の日光線系統の車両。2022年3月12日ダイヤ改正で運用が消滅した為廃車回送された。
2000系
春日部検修区所属の初代日比谷線直通用車両。廃車回送の為電気機関車に牽引されて佐野線に入線した。
2080系
七光台検修区(現・南栗橋車両管区七光台支所)所属の野田線用車両。上記の2000系を改造した車両だが、非冷房や18m車である事が災いし4年で運用消滅。廃車回送の為佐野線に入線した。
9050系
森林公園検修区所属の東上線・東京メトロ有楽町線・副都心線直通用車両。試運転の為に佐野線に入線した。
10030系
南栗橋車両管区春日部支所所属の伊勢崎線用車両。現役の車両だが、一部編成が廃車回送の為佐野線に入線した。
20000系・20050系・20070系
南栗橋車両管区春日部支所所属の日比谷線直通用車両。試運転及び廃車回送の為に佐野線に入線した。
20400系
南栗橋車両管区本区所属。上述の20000系を日光線系統ワンマン運転用に改造した後、試運転で佐野線に入線した。
東京メトロ所属
03系
千住検車区所属の日比谷線用車両。試運転及び廃車される編成が佐野線に入線した。
8000系
鷺沼検車区所属の半蔵門線用車両。現役の車両だが、東武本線系統デジタル列車無線化に対応していない編成が北館林に廃車回送された。
野岩鉄道・会津鉄道所属
6500系100番台(野岩鉄道)・200番台(会津鉄道)
東武南栗橋車両管区新栃木出張所所属。日光線系統用車両で東武車と共通運用だったが、東武車同様に運用が大幅に削減された事で廃車が発生し、佐野線に入線した。これにより会津鉄道の200番台は形式消滅し、同社所有の電車が無くなった。