「立って歩け、前へ進め あんたには立派な足がついてるじゃないか」
「オレに立ち上がるための手と足をくれただろ」
「おまえの手は人を殺す手じゃない 人を生かす手だ」
「立てよド三流 オレ達とおまえとの格の違いってやつを見せてやる!!!」
プロフィール
出身地 | アメストリス国リゼンブール |
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生年月日 | 大陸暦1899年冬 |
年齢 | 15歳(連載開始時点) |
身長 | (後述参照) |
全長 | 165㎝(アホ毛・靴の厚底込み) |
種族 | クセルクセス人とアメストリス人の混血 |
好物 | シチュー |
嫌いなもの | ロイ・マスタング、牛乳 |
職業 | 国家錬金術師 |
CV | 朴璐美 |
実写版キャスト | 山田涼介(Hey!Say!JUMP) |
概要
弱冠12歳にして、国家錬金術師の試験に史上最年少で合格し、見事に『鋼の錬金術師』の称号を得た天才。
ある目的のために賢者の石を探し求めており、弟のアルフォンス・エルリックとともに国内を遍歴している。
『鋼』とは彼の右腕・左脚が機械鎧(オートメイル)であることに由来し、その名はアメストリス国内でも(色々な意味で)有名。
賢者の石の在りかを求めるうちに、その裏に潜む"真実"と対峙していくこととなる。
人物
基本的に明朗快活で一般常識は弁えているが、性格は短気でガサツ。狡賢くて他人には容赦ないところは悪ガキそのもの。
ちなみに、幼少期から既に我が儘で調子に乗りやすく、ひねくれた性格だった模様。
その一方、努力家かつ人情家で正義感が強く、良くも悪くも裏表がない感受性の強い人物で悪ぶったり、厳しいものの言いようをしながらも他人の世話を焼く傾向が見られる。
また命を奪う行為もよく思っておらず、敵でも殺そうとはあまりせず、良く言えば思いやりが深い、悪く言えば甘いところも見られる。
自分の大切な人に危害を加えようとする(加えた)者に対しては激しい怒りを示し、時に報復行為に出る。国家錬金術師ゆえに大人びた態度をとることもあるが、精神的にはまだ幼いため未熟。
何かを思い立つと即座に実行に移すなど行動力はあるが、周囲に相談することなくどんどん次のステップへ進む(または失敗して問題を引き起こす)傾向がある為、このあたりがホムンクルスなどの奸智に長けた者達に騙されやすい一因となっているほか、普段の不良じみた言動のせいで周囲からはトラブルメーカーとして認識されている節がある。
人体錬成によって弟の身体を失わせてしまったことに対して強い負い目を感じている。
このためエド自身の最大の目的は「アルの体を取り戻す」ことであって、自身が生身の体に戻ることは二の次。
母のトリシャ・エルリックへの愛情は深いが、父のヴァン・ホーエンハイムに対しては「幼い頃に見捨てられた」という思いが強いためか非常に反抗的。
身長は低く、強いコンプレックスを抱いている。
「チビ」「豆」「みじんこ」などの単語に過敏に反応して暴れ出したり、言われた回数を事細かに記憶するなど深く根に持ったりする。
身長が低い理由として、牛乳を飲まないことが作中で挙げられている(余談ではあるが、原作者のエッセイ漫画『百姓貴族』では作者自ら「牛乳を飲んで運動をしたら背が伸びた」ことが証言されている)。
物語終盤では、アルの肉体が飲まず食わずにもかかわらず餓死していないのは、人体錬成の時に自身らの血を使っていたので、真理の扉を通じてエドとアルの肉体がリンクしており、アルの生存に必要な分のエネルギーもエドが肩代わりしているためで、そのためエドの身長も伸び悩んでいるという仮説が立てられた。実際アルとのリンクが切れたエピローグでは身長が伸びており、この仮説はおおむね正しいと思われる。
身長設定については原作では作者の意向で設定はされていないが、新旧共にアニメ版の対比表では150㎝ぐらいで描かれており、2003年版アニメの対比表では自称150㎝と表記されている。2003年版のイベントでの等身大のエドの身長は154~156㎝となっている。
原作ではブリッグス逃亡から「約束の日」まで1年間の間で身長が大幅に伸びており、FAの対比表では165㎝ぐらいとなっている。
身長が伸びたのは、物語序盤に機械鎧義技師ドミニク・レコルトから指摘された「機械鎧が重くて(=肉体に負荷がかかって)チビなんじゃないか(要約)」が関連している。
それを裏付けるように、ブリッグズ編ではラッシュバレーでの修行で腕を上げたウィンリィにより、右腕の機械鎧を軽量化された寒冷地仕様に換装。そこからしばらくして決戦前夜に故郷でウィンリィと再会した際は、彼女の頭半分ほど身長を伸ばし、ウィンリィがエドを見上げるようになった。
また国家錬金術師という高い地位に就きながらそれをあまり鼻にかけておらず、ロス少尉に敬語を使われても「敬語なんか使わないで話してくれよ」と言っている。
あくまで国家錬金術師の地位は目的のための手段と割り切っている様子。小説等の外伝エピソードでも行く先々で話題にされるが、エド本人はあくまで「身分を保証できる便利な名刺」程度の扱いしかしていない。……がギャグとはいえ、ブチ切れて職権濫用を思い立ったことはある。
2003年版アニメでは、大まかな設定は変わらないのだが国家錬金術師になる前…つまり原作本編よりも幼い頃に多くのトラウマを背負ったり、軍の理不尽さを経験したりした為に後ろ向きかつ情緒不安定な性格になってしまう。アルに対する八つ当たりの描写や原作では言わないであろう命を奪うことに関する発言、原作では絶対に作らないと言っていた賢者の石を最終的に行わなかったとは言え作りそうになる、原作では何だかんだで信頼し合っていたマスタングへの侮辱じみた発言、マスタング組との対立のシーンがわかりやすいだろうか。
その為、未熟ながらも逞しいメンタルを持っていた原作とは対照的に常に追い詰められている幼い子供のような人物として描かれた。………兄弟達を追い詰める為に用意されたとしか思えない展開の連続を見ればこうなるのも無理はないかもしれない。
そして、シャンバラを征くものでは儚さの漂う雰囲気を醸し出すようになり、原作とは違い18歳になっても身長が伸びることがなかった。………追い詰められたことが大きなストレスになって成長に支障をきたしていたのだろうか……。
錬金術師として
史上最年少の天才の名は伊達ではなく、几帳面で研究熱心。
思いついたことを普段から手帳に書き留めている。その際には旅行記風に纏められ、暗号を使って書かれている。
頭脳明晰で頭の回転は速く、洞察力が鋭い。
また探究心が強く、一度調べ物を始めると時間が経つのも忘れて没頭するなど集中力も高い。
資料を正確に理解・分析する力に長け、かつそこから導き出した答えを発展させる応用力もあるなど、思考力に優れ、またその思考は非常に柔軟であるが、非科学的なものは信じないリアリストでもある。
嗜好
トレードマークのコートは、赤い布を買って自身で錬成した物。赤は血がたぎるとの事。
化学をはじめ大半の学業や科学に関心を抱いている。
ごつい角や牙といったゴテゴテして攻撃的で怪獣然としたデザインを好む独特のセンスをもつ。錬成物や絵にもそのセンスが反映されており、本人は気に入っているが周囲には不評。似顔絵は本人曰く「特徴を捉えればそれでいい」と思っている(あんまり良くない)。
弟同様に動物好きであるが、アレキサンダーやブラックハヤテ号に押し倒されたり、シャオメイに噛まれたりと、何故か酷い目に遭わされる事が多い。特に上記のセンスからして昆虫や恐竜といった動物を好んでいるかもしれない。
そもそも人体錬成を行った過去からアルと共に生物学に精を出した可能性は高い。
一方で錬金術と関係のない事柄には疎く、物欲や性欲はかなり弱いというか煩悩が殆ど皆無でお調子者に似合わず、年齢的にも思春期が訪れるような歳ながらスケベな考えや発想を全くしようとせず、女性への興味は基本的に薄い。
欲について語るグリードを説教したりする一面を見せたり、「男女平等」を本気で信条としておりラストのようなスタイルの良い女性を見たからとロイ・マスタングやジャン・ハボックのようにデレデレもしないあたり相変わらず冷静である。
とはいえ中盤以降はウィンリィに対してのみ言動に照れたり着替えを見てしまい動揺したりしているため、そういう欲が皆無というわけでも無い模様。
総じて嗜好に関しては悪い意味で大人とは言えず童心が窺える。
容姿
長い金髪を三つ編みにし、金色の瞳を持つ(父がクセルクセス人であり、クセルクセスの血が濃く出たため)。
ただし若干栗色が混ざった髪質であり、その点では母の血も出ている。
髪は国家錬金術師の資格を取ると決意した日から伸ばしはじめているようで、幼少期の回想では短髪である。
容姿は若かりし頃のホーエンハイムにそっくりで、彼をコピーした最初のホムンクルスの「神」を手に入れた際の姿にも酷似している。
右腕の付け根から下全てと左脚の膝から下が機械鎧。右胸には装具を固定するためのビスが埋め込まれている。
頭頂から一房飛び出したアホ毛(作者曰く「アンテナ」)は、少しでも身長を大きく見せようと、わざと自分でセットしている。
この「アンテナ」は感情や生命力によって立ったり立たなかったりとデフォルメされて描かれる事がある。
「フラメルの十字架」を背負った赤いコートもトレードマーク。
能力
錬金術師として超一流の能力を有しており、真理の扉からの帰還や特定人物の魂の錬成、史上最年少での国家錬金術師資格取得などがそれを証明している。
また真理の扉を見ているため、錬成陣を書かずに錬金術を発動でき、師匠のイズミ・カーティスと同様に「手合わせ錬成」が可能。
加えて古の錬金術(クセルクセス遺跡にあった錬金術の暗号)も数十分で理解してしまう。
イズミに全てを打ち明けた際に「天才ってやつかねぇ」と評されたが、エドにしては珍しく謙遜して否定している。
グラトニーの身体の中から脱出する為に、真理の扉を使って脱出する方法である「自分で自分自身の肉体を錬成する」という離れ業を行ったり、重傷を負って瀕死の状態である自身の身体を、寿命を縮まるかもしれないリスクを承知で、自身の魂を賢者の石のようにエネルギーとして扱って大怪我の応急処置をしたり、一時的に自身を賢者の石とすることでプライドの賢者の石に侵入したりと、極めて高い柔軟性と度胸を持つ。
子供の頃から絵本代わりに錬金術書を読んで育った為、錬金術に対する思索が非常に優れ、錬金術の原則とされる「等価交換の原則」に関しては人生の常識として捉えている面がある。
そのため、どんなことも等価交換に置き換えてしまう傾向がある。特定分野に偏りがちな他の錬金術師と比べて広範囲に及ぶ知識・技術を持っており、中でも金属系の錬金術を多用する。
また、イズミから錬金術と同時に格闘術を習っており、戦闘では錬金術と格闘術を駆使し、臨機応変に戦う。戦闘に際しては地表で錬成した槍もしくは右手の機械鎧を刃物に錬成して武器とする(ウィンリィの前でやるとスパナでぶん殴られるが)。後に機械鎧を雪国用の機械鎧に付け替えたことで、雪国用機械鎧に使われている炭素繊維を利用して右腕の機械鎧を錬成する事で、グリードの能力である身体の炭素の硬度を上げて身体の硬度を上げるのと同じ、炭素繊維を集中させることで機械鎧の硬度を上げることが出来るようになった。
錬金術による物体破壊など、戦いの経験や閃いたことを即実践する行動力を持つ。
背負う罪
錬金術師において最大の禁忌「人体錬成」を犯している。
幼いころに父親は突然旅に出て以来帰ってこず、その後母親は流行病を患い、若くしてこの世を去った。
幼い兄弟は母親のいなくなった寂しさを払拭すべく、禁忌である人体錬成に手を染め、母親の蘇生を計画する。
そして修行と研究の末に、ついに計画を実行するも失敗。
その際に自身は左脚を、弟のアルフォンスは全身を【持っていかれた】。そして生き返らせたはずの母親は、人としての原形をなしておらず、すぐに息絶えてしまう。この絶望的な状況で、アルフォンスだけは助けたいと願い、左脚のない状態で右腕を犠牲に弟の魂を【引っ張り出して】近くにあった鎧に定着させた。
彼が国家錬金術師になり、賢者の石を求めるのは自らの業で肉体を失った弟を元に戻すため。
こうした経験があるがゆえに、彼ら兄弟の絆は非常に強固なものとなっている。
人気
公式では4回人気投票が行われており、その全てで1位を獲得している。2位に4倍差をつけたこともある。
演者について
演じた朴璐美氏はエド特有のあの声を出すため、前日にカラオケで声を潰すまで六時間以上ぶっ通しで歌った後収録に臨んだ事をとあるテレビ番組のインタビューで、明かしている。
原作者の荒川弘氏から「エドは私の息子です。それを朴さんに託します。」と言われ、本人もエドを「なかなか一言では言い表せないんですが、エドは養子というか養子を越えた息子のような、なんとも言えない存在です。」と語っている。
また、中の人繋がりでチビで短気で弟(仲間)思いで最年少で称号を持つという点は氷の死神さんこと日番谷冬獅郎とまったく一緒である。
このほか、『ファイナルファンタジー9』の盗賊さんに容姿が似ていると言われていたが、別シリーズでまさかの朴氏キャスティングとなったので、もはや偶然とは言えないレベルになった。
ただ盗賊さんとそのお兄さんは一番キャスティングに悩んだペアであるらしい。
ゲームにおいて
『鋼の錬金術師3 神を継ぐ少女』において疾風のジャニスに「チビ」呼ばわりされて激怒/マジギレしたり、ソフィ誘拐や意識不明になった時に絶叫したりする悲劇っぷり。
関連イラスト
関連タグ
日番谷冬獅郎…中の人繋がり。イケメン、天才、低身長、幼馴染がいたりと意外と共通点が多い。彼もまた身長にコンプレックス持ち。
日向棗…中の人繋がり。イケメン、天才、幼馴染がいたりと共通点があるほか、エドの天敵と同じ「炎」の使い手であり「水」が苦手というありがたくない弱点がある。その同級生の今井蛍を演じたのはアルフォンス・エルリックと同じ釘宮理恵氏。
東方仗助…エドがチビである事を馬鹿にされた時のリアクションと彼が髪型を馬鹿にされた時のリアクションが似ている。
キャロル・マールス・ディーンハイム…錬金術師繋がり、他にも金髪の三つ編み、チb……ゲフンッ小柄、父親に複雑な感情を持つなど共通点の多いキャラ。また、キャロルもホムンクルスとも縁がある。
神威(銀魂)…髪型がそっくりである。そして神威の妹である神楽(銀魂)を演じたのはエドの弟であるアルフォンス・エルリックと同じ釘宮理恵氏。また銀魂の作者である空知英秋氏も神威のキャラクターデザインがエドに似てしまっていると感じたようである。