千代田線
ちよだせん
概要
東京メトロの路線の一つ。綾瀬〜代々木上原間の本線21.9km、北綾瀬〜綾瀬間の北綾瀬支線2.1kmがある。1969年に北千住〜大手町間の開業に始まり、1978年に全通。1979年に北綾瀬支線が開通した。現在はJRの常磐線、小田急の小田原線・多摩線と直通運転を行っている(2018年3月のダイヤ改正以降、多摩線直通列車は平日下り1本のみ)。2016年3月のダイヤ改正まではJR・メトロ・小田急の3社間を直通していたのはメトロ車両のみで、JR車両は代々木上原、小田急車両は綾瀬までの運用となっていたが、同改正で小田急とJRの車両も3社間の運用に就くようになった。
綾瀬〜北千住間は、運賃計算上はJR線との二重戸籍区間で、運賃などの扱いが異なる。
日本の地下鉄路線では唯一、料金制の特急列車(ロマンスカー)が運転されている路線でもある。
北綾瀬〜綾瀬間の北綾瀬支線は、本来は綾瀬車両基地への回送線だったものを旅客化したもので、営業列車はすべて区間運転・3両編成での運行であったが、2019年3月のダイヤ改正から本線からの10両編成の列車も営業運転に入るようになった。
赤坂〜新御茶ノ水は東京の主要なオフィス街・官庁街であるため、通勤路線としての性格が強い。
混雑率はメトロでは東西線に次ぐ第2位(178%、町屋→西日暮里、2017年度)。
その一方で日比谷線のバイパス路線という性格上からか、六本木・銀座・日本橋・秋葉原・上野といった商業地・繁華街を直接通らず、裏口的な駅(それぞれ乃木坂・日比谷・大手町・新御茶ノ水・湯島)を結ぶ。
日比谷線だけでなく(直通先の東武スカイツリーラインも含めれば)半蔵門線とも並行している。
(半蔵門線は元来は銀座線のバイパスとして進められたが、千代田線の混雑で逆に千代田線のバイパス化している。)
また東京メトロで唯一都営大江戸線との乗換駅が存在しない路線である。「乃木坂と六本木」や「湯島と上野御徒町」のように距離的にかなり近い場所ならあるが、他の路線なら大体地下通路で繋がれているのに対し、何故かこの路線だけは距離が近いのに地下道で繋がれていない。
意外と見落とされがちだが、実は乗換先の優等列車が通過する駅が多い路線でもある。
特にJR線との乗り換えはかなり悪く、大手町駅・二重橋前駅(東京駅)以外は山手線と並走する快速は全て通過してしまう。まさに地下鉄版武蔵野線とも言えよう。
綾瀬 | 常磐快速線通過(隣の北千住で緩行⇔快速に乗り換える事は可能。しかし亀有〜金町に行くには「綾瀬/北綾瀬行き」という罠が…) |
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町屋 | 京成本線各停以外全て通過 |
西日暮里 | 高崎線/宇都宮線・京浜東北線快速通過 |
新御茶ノ水(小川町) | 都営新宿線急行通過 |
日比谷(有楽町) | 東海道線・京浜東北線快速通過 |
明治神宮前(原宿) | 埼京線・湘南新宿ライン・副都心線通勤急行通過 |
特に新御茶ノ水以北は単独駅か乗換先が鈍行列車しかない駅が目立ち、一度乗ってしまうと2〜3回以上の乗換を強要されたりかなり南下しないと目標の優等列車に乗れなかったりする事が多い。
このため優等列車の客が他の駅で分散されておらず、その結果数少ない優等が停車する乗り換え先である大手町駅(東京駅)に乗客が集中する。
一方、小田急線側から見ると新宿・渋谷とは別のオシャレタウン(原宿・表参道など)、日本の行政・経済の中心地(霞が関・大手町など)、下町の谷根千を通り、その気になれば六本木・銀座・秋葉原・上野周辺へも乗り換えなしで可能と見做せる。混雑は小田急と比べるとラッシュ時でもまだ余裕がある方である。
小田急小田原線・多摩線から銀座線・半蔵門線の利用をする場合も千代田線経由が便利。
以上から常磐線側からは混んでて不便、小田急線側からは空いてて割と便利と評価が別れる路線である。
なお、建設費削減のためトンネルは複線ではなく単線並列で作られており、そのためかつての国鉄103系1000番台が運用されていた時期には排熱がこもりやすく、車輛冷房を行っていなかった旅客サービス上問題が多かったほか、電気部品も熱の影響を受けトラブルが多かったという。
車両
停車駅
※特急ロマンスカー以外の列車はすべて各駅に停車する。◎:停車、レ:通過。