- 機動戦士ガンダムシリーズのシャア・アズナブルの乗る機体のこと
- 1のうちシャア・アズナブルが乗るために作られた専用機種
- 1のうち、他の量産機との区別化のために(主にプラモデルなどの商品化や、ゲームなどのユニットの名称)つけられるシャアの乗る機体の名称のこと
ぱっと見上記に区別がないようにも見えるが、2の例ではサザビーは本編で最初からシャア・アズナブル専用として1機だけ制作されたもので、他に量産型などの通常機が存在するものや1機だけしか作られなかったが、結果としてシャアの乗機となったものとは区別される。
3の場合、例えば量産機のあるザクやズゴックのシャア搭乗機のプラモデルは「シャア専用○○」で販売されているが、量産機の存在しないジオングや百式、サザビーなどを、例えば「シャア専用ジオング」とは表記せずに販売している。また、MSVや外伝などではジオングや百式など、シャア搭乗機以外のものも作られた例も存在するが、ジオング、百式、サザビーは特定の注意書きがなければ、基本的に本編においてシャアが搭乗した機体を指す。
概要
シャア・アズナブル専用機として赤いカラーリングが施されたモビルスーツを指す(機体によっては頭部に指揮官機の通信用の角も付く)。
赤いとは言っても配色にはいくつかパターンがあり、シャア専用と聞いて誰もが真っ先に思い浮かべる配色は一年戦争時に使われた「ピンクと赤のツートンカラー」であろう。
文字通りのシャア専用で作られたサザビーや、1機しか作られていないジオングや百式を除けば、いずれの機体も最初からシャアが乗ることを前提として作られた特別機というわけでなく、他の量産機と比べて多少性能が上がった程度の改修、ないしカスタマイズ(ザク、ズゴックは指揮官用、ゲルググは先行量産機と位置付けされる)機種のうちをシャアが搭乗したものを「シャア専用」と呼称したもの。
ただし、これは本編放映中、もしくは放映後の後付け設定で、本放送時には「シャア少佐のザク」「シャアが乗るザク」と言われることはあっても、いわゆる「シャア専用ザク」と言われる機体を「シャア専用ザク」と呼称することはなかった。
以下の記述においても、本放送時での設定に、MSVなど後付けで作られた設定や、サンライズが放映後にそれらをまとめて公式設定化したものが混在しているので、注意が必要。
専用のザクに乗りホワイトベースへ強襲を仕掛ける際に通常のザクの3倍のスピードで迫る姿から、赤=シャアの色という印象が強い(その影で赤をパーソナルカラーとするパイロットがシャアと誤認されるという弊害もある)。
「3倍」というのはホワイトベースのオペレーターが「通常の3倍のスピードで接近する」と発言したことに由来するが、シャア専用のザクが量産型の3倍の性能をもってるわけではなく(資料によって数値は変わるが、大体30%増の推力とされる。ゲームなどではパラメーターで通常機の3倍に数値が設定されたものもある)、何かの理由(後付設定では様々)で3倍のスピードと誤認されたものとされる。
そのため、ガンダムシリーズでは赤は特別な色として認識されており、以降のシリーズにおいてシャアを意識したライバルや、通常の3倍の性能を発揮する機体の色として扱われている。一方でZガンダムではリック・ディアスが当初シャアことクワトロ・バジーナ搭乗機のみが赤で、他の量産機は黒だったが、後にクワトロ機にあやかって他の量産機も赤に塗りかえられたという例もある。
また、『シャア専用』は現実に創通によって商標登録されている(登録番号:第4973642号)
このため、シャア専用と付く商品は何かが”通常の3倍”になり、カップメンが発売された際には辛さが通常の3倍になった程。
また、シャア専用ザクを模した携帯電話や自動車などが実際に商品化されている。
転じて、二次創作の場では赤に並々なるこだわりを持っているキャラクターとして描かれることあり、多くのアンソロジーコミックでは他ガンダム作品の赤い機体(キュベレイmkII)から、果ては他作品の赤い色をした機体(熱気バサラのファイアーバルキリーなど)に執着する場面を見せている。しかし、本人は赤に強い思い入れがある訳ではないらしく、百式やジオングといった機体をリペイントせずに乗ることもある。
シャア専用機と分類されるもの
クワトロ、キャスバルなどの別名義も含む。シャア専用とはつかないが本編でシャア以外の搭乗がなく事実上のシャア専用機も含む。一時的に搭乗したものはここでは基本的に除外。「本編」は基本的にはTV放映版(逆襲のシャアは劇場版)を指す。
機動戦士ガンダム
シャア専用ザク(ザクⅡ)、シャア専用ズゴック、シャア専用ゲルググ
詳細はそれぞれを参照。いずれも撃墜されたものはなく、外伝などでは他の兵士やシャアがその後もシャア専用機に乗る場面もある。
放映時にはシャアが搭乗したものしか存在しないが、これはシャアが搭乗することを想定して作られたものでなく、ア・バオア・クー戦の直前にゲルググが破壊され、乗る機体がなく、キシリア・ザビから乗るように言われたもの。シャアの乗機では、唯一シャアが搭乗時での戦闘において完全破壊の描写がある。
艦船ではムサイのみが他の艦との区別化されシャア専用として登場(プラモデルなどの設定で、放映中には明確に描写されてはないが)。後半搭乗のユーコン、ザンジバルなどは他艦との区別はない。
機動戦士Zガンダム
当初通常機は黒、クワトロ・バジーナ機が赤とされたが、前述のように、後に赤に統一。元のクワトロ機はカミーユの父親に強奪されそうになり、アーガマに撃墜されている。なおザクやゲルググほど通常機と性能に差はない。余談だが、本編では唯一アムロとシャアが乗った機体である。
Zガンダム劇中ではクワトロ搭乗の1機しか存在せず事実上シャア・アズナブル(クワトロ・バジーナ)専用機。機動戦士ガンダムZZで登場したものは、大破したシャア搭乗機を改修したもの、ないし新造の2号機とも言われる。
逆襲のシャア
前述したように他に量産型サザビーなどがあっての「シャア専用」ではないが、作中ではネオ・ジオンの総帥としての象徴的意味も含めてシャア専用として直々に制作されたもの。なおヤクト・ドーガの赤色のクェス・パラヤ搭乗機はサザビーの予備機とも、元々シャア専用機で開発されるが、性能に満足できずサザビーが作られた、とされる文献も存在する。『ベルトーチカ・チルドレン』では序盤に登場し、後述のナイチンゲールの前にシャアが搭乗した機体となっている。
外伝、小説、ゲーム版など
ゲームは「シャア専用」と判別できる機体のみ記載(単純にシャアが搭乗できる機体を挙げれば、ゲームに搭乗するほぼすべてのMS、MAが該当するため)。
模型企画『MSV』に登場。S型(一般的に知られる「シャア専用ザク」)以前に搭乗していたとされる。
本編ではシャアはドム系MSに搭乗していないが、小説版『機動戦士ガンダム』ではゲルググやジオングに乗らずに最後はこれでガンダムと交戦する。
冒険王漫画版で搭乗、本編では未搭乗。
漫画『機動戦士ガンダム C.D.A. 若き彗星の肖像』に登場。元は一年戦争時にドズル・ザビがシャア専用として製作を命じたもので、ガルマ戦死の件でシャアが罷免され、当機も開発が頓挫。戦後アクシズで開発が再開され、そこへ落ちのびたシャアが奇しくも当初の計画通りに搭乗することになった。
雑誌企画『GEARA DOGA Variations』に登場。ギラ・ドーガを元に試作されたニュータイプ専用機のひとつ。
漫画『機動戦士ガンダム MSV-R ジョニー・ライデンの帰還』に登場。サイコミュ技術などのテスト機として開発されていたディジェの改修機をシャア専用機としたもの。
漫画『機動戦士ムーンガンダム』に登場。前述したサザビーのプロトタイプのひとつ。
漫画『機動戦士VS伝説巨人 逆襲のギガンティス』に登場。シャア専用にカスタマイズされたザクⅢ。
小説版『逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン』に登場する本編でのサザビーに相当する機体。ゲームなどではサザビーのバージョンアップ機とも。
ゲーム『ギレンの野望』シリーズに登場。アムロが搭乗したRX-78ガンダムの鹵獲機でそれを赤くしている。名称はシャア専用ではなく本名の「キャスバル専用ガンダム」として登場。
『ギレンの野望』シリーズにて、ゲルググとどちらを製造するかの2択でギャンを選んだ場合に登場。なお同シリーズでは前述のリック・ドムの他にも、ゲームオリジナルでノイエ・ジールⅡ(初出はゲーム『SDガンダム GGENERATION』)がシャア専用機として登場している。
漫画・アニメ『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』に登場。通常型とS型の2機種に搭乗している。
アニメ『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』に登場。ベース機はR-1A型。これ以前にも、ゲームブック『機動戦士ガンダム 最期の赤い彗星』にてR-2型に搭乗する展開があった。
漫画『SDガンダムフルカラー劇場』に登場。ある意味究極のシャア専用機。
ガンダムMk-Ⅱ(シャア専用機)、百式(シャア専用機)、Ζガンダム(シャア専用機)
ゲーム『サンライズ英雄譚2』のオリジナル機体。いずれも赤い。
余談だが、同作に登場するアムロ専用ガンダムMk-IIはスーパーガンダムになれるのに、シャア専用ガンダムMk-IIはスーパーガンダムになれない。
シャア専用機として開発されたがシャアが搭乗しなかった機体
『SDガンダム GGENERATION』シリーズに登場。前述のように『ギレンの野望』では実際にシャアが搭乗している。
Web企画『アナハイム・ラボラトリー・ログ』に登場。実際に搭乗したのはアンディ。
『アナハイム・ラボラトリー・ログ』に登場。実際に搭乗したのはボイド・スワン。
アニメ『Competition of NEW GUNDAM -RED or WHITE-』に登場。シミュレーションのみが確認されており実機が存在したかは不明。
書籍『GUNDAM WARS PROJECT Ζ』に登場。『Ζ-MSV』の百式改とは別物である。
アニメ『機動戦士ガンダムΖΖ』に登場。元は『Ζガンダム』製作時にシャア専用機としてデザインされていたという事情を設定に盛り込んだもの。
小説・アニメ『機動戦士ガンダム Twilight AXIS』に登場。実際に搭乗したのはダントン・ハイレッグ。
アニメ『ガンダムビルドファイターズ バトローグ』に登場。シャアの姿・行動を模した疑似人格AIによってガンプラバトルを行った。
シャア専用の商品/キャンペーン
913SH G TYPE-CHAR
Soft Bankから限定生産されたシャア専用の携帯電話。現在は販売終了し、サポートのみ。企画を立ち上げた社員はガノタ。実際購入した有名人はガノタで有名なアイドル・喜屋武ちあきなど。
オーリス
シャア専用オーリスの集客力は3倍どころではない。あと、フルオプションにすると値段も2倍はする。ヘタしたら値段も3倍になりかねない・・・
特急ラピート ネオ・ジオンバージョン
南海電鉄が保有する鉄仮面のようなデザインの特急列車。
2014年4月26日には「機動戦士ガンダムUC」とのコラボで車体が赤く塗装され、内装もネオ・ジオンを意識した作りになっている。よってシャア専用ラピートと呼ぶのは厳密には誤りなのだが…。
シャア専用マクドナルド
2022年7月から開始されたコラボキャンペーン。
『シャア専用』をモチーフとしたパティも赤い「赤いガーリックテリヤキ」、辛さを最大限に活かし、スパイシーチーズとハラペーニョを合わせた「シャア専用辛ダブチ」、更にライバルともいえる「白いニュータイプ」をイメージした「白いトリチ」の3種類が販売された。
シャア専用オイルサーディン
はごろもフーズが2020年に発売した缶詰で、商品名は『オイルシャアディン』。パッケージは赤いが、中身も赤いチリトマト風味ではなかった。
他作品のパロディ機体
タイプG
「ドラゴンクエストシリーズ」に登場するキラーマシン系統のモンスター。赤いボディと通常のキラーマシンの3倍の性能を持つ。更には「赤い流星」の異名を持っている。
レッドオーグマ
「ガーディアンテイルズ」の登場ロボット「オーグマ」の赤いボディを持ったコスチュームのひとつ。原作である海外版では「トリプルレッドオーグマ」という名称で実装されており、「通常の3倍」を意識しているネーミングとなっている。
シャア専用ドッキリ
フジテレビドッキリバラエティ『ドッキリGP』の企画の1つ『ドッキリドレミの唄』の『シ』に相当するネタで寝ているターゲットに専用色の泥に墜とすドッキリ。
アカイキュウビ
「手裏剣戦隊ニンニンジャー」で登場したロボカラクリキュウビの改修機体。
カラーリングは東洋水産の赤いきつねにも引っ掛けていると思われる。
ちなみに、ベース機は幹部が操縦しているが、こちらは戦闘員用という点でシャア機とは真逆の立ち位置にある。
キングジョースカーレット
「大怪獣バトル」シリーズに登場したキングジョーシリーズの派生機体。
キングジョークラスの中でも最も優れた機動力を有する指揮官という設定。
デクーエース/デクーOZ
「ダンボール戦機」シリーズに登場するLBX。
前者は指揮官機として作られ、デクーシリーズの中でも高性能とされるが、シルエットは女性型となっている。
後者はデクーを風摩キリトが徹底改修した機体であり、デクーエースをも遥かに上回る戦闘力を有しており、こちらの方がシャア専用機に近い位置付けとなっている(余談だが、キリトの機体は全て赤く塗装されているのが特徴であり、戦闘力も最新機を相手に互角以上に立ち回れるほど高性能である)。
機動武神・呂布
「Fate/EXTELLA-LINK」に登場する呂布のコスチュームの一つ。
形状はどう見てもシャア専用機やシナンジュのそれ。
余談だが、呂布シナンジュの方が登場は後である(EXTELLA-LINKが2016年リリース、三国創傑伝が2019年リリース)。
赤いゲノセクト
「ポケットモンスター」シリーズに登場したポケモンゲノセクトの色違い。
劇場版「神速のゲノセクト」で配布された個体はなぜか先制技のしんそくを覚えており、劇中でもゲノセクト軍団のリーダー格で頭一つ抜けた強さを誇るなどシャア専用機を思わせる活躍を見せた。
関連タグ
シャア専用ズゴック シャア専用ゲルググ シャア専用リック・ドム
シナンジュ - シャア専用機を模して開発された機体。