基礎データ
全国図鑑 | No.0706 |
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ヒスイ図鑑 | No.117 |
パルデア図鑑 | No.174 |
キタカミ図鑑 | No.180 |
ぶんるい | からこもりポケモン |
タイプ | はがね / ドラゴン |
たかさ | 1.7m |
おもさ | 334.1kg |
とくせい | そうしょく/シェルアーマー/ぬめぬめ(隠れ特性) |
進化
ヌメラ→ヒスイヌメイル(ヒスイ地方でレベル40)→ヒスイヌメルゴン(レベル50以上で天候が雨か雷雨の時に進化)
※通常種と進化条件は同じ。
概要
『LEGENDSアルセウス』に登場するポケモンで、ヒスイ地方の環境に適応したヌメルゴンのヒスイのすがた。
いわゆる「600族」としては初のリージョンフォームである。進化前およびヒスイクレベースと並んで、第6世代出身としても初である。
進化前のヒスイヌメイルに引き続き、尻尾が発達した巨大な金属質の殻と一体化している。体から垂れる粘液も、殻を作る金属成分が混じった銀色に変化した。
カタツムリよろしく、殻の中に全身を引っ込める生態も継続。進化前とは異なり殻を立てているので倒れてしまいそうだが、重心が安定しているのか常にまっすぐ自立する。
外敵に対しては殻と身体の剛軟を自在に操り対応するが、やはり重いは重いらしく、原種に比べると素早さは遅い。
殻に対して本体は通常種とあまり変化ないように見えるが、よく見ると角は長めで、体型もややスリムになっている。地味な所では進化前から変色していた頬と尾の丸模様や目の色が、完全に灰色になっている。また丸模様がそれぞれ一つ減っている。
性格は通常種の人懐っこさとヒスイヌメイルの陰気さが合体事故を起こしたようなヤンデレ気質。ドラゴンらしいパワーも合わさり、孤独を嫌い執念深く、好いた者が自分から離れると怒り荒ぶるという危険性の高いものになっている。
それを表すかの如く、目つきもヒスイゾロア同様の病んだ困り目に変化している。
色違いは通常種とは異なり本体部分はほとんど変わらず(一応、目と垂れている粘液と模様の色が違っている)、殻の色が金がかった茶色になる。
ゲームにおける特徴
HP | こうげき | ぼうぎょ | とくこう | とくぼう | すばやさ | 合計 | |
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ヒスイ種 | 80 | 100 | 100 | 110 | 150 | 60 | 600 |
通常種 | 90 | 100 | 70 | 110 | 150 | 80 | 600 |
差異 | −10 | ±0 | +30 | ±0 | ±0 | −20 | ±0 |
通常種から「HP」と「すばやさ」を削って「ぼうぎょ」に回したステータスをしている。「HP」の減少は痛手ではあるものの、懸念点だった「ぼうぎょ」の脆さが補われたことは大きく、相対的に配分バランスは良くなっている。
特筆すべきは、やはりはがねタイプを追加している点。はがね・ドラゴンという複合は、弱点が2タイプに対して半減以下が10タイプもある優秀な複合である。
先行するジュラルドンは「とくぼう」が極端に低いやや尖った配分をしており、それに比べるとこの優秀な耐性を全面に生かせる、重量級としては理想に近いステータスの持ち主と言える。
「すばやさ」についても、元々速いとは言い難かった種族であることから開き直って捨ててしまってもさほど惜しくはなく、使い勝手は上位互換と言っても差し支えない。
通常種より多少落ち込んだものの、相変わらずクレセリアに匹敵する圧倒的な特殊耐久もあり、僅かな弱点さえ突かれなければ大抵の攻撃は耐えられる。
習得技も通常種由来の非常に豊富なラインナップに「アイアンヘッド」「てっていこうせん」などのはがね技を追加する形になっており、新技で専用技の「たてこもる」をはじめ耐久面を更に強化する積み技も揃えている。
ただ、攻撃系のステータスには何も手が入っておらず並程度に留まるため、力業等で補う必要がある。
速さの関係で被弾回数は増えがちだが、相手によっては何発食らおうが耐えながら反撃して強引に突破できてしまうことも。
通常シリーズに比べると比較的ポケモンがひんしになりやすい『LEGENDSアルセウス』の仕様上、「耐性や『たてこもる』で耐えながらその間に裏のポケモンを回復して立て直す」という噛み合いの良さで壁役として使いやすい。
また、今作のトレーナー戦では「死に出し」による高確率の先制攻撃が強く、それに耐えられる耐久型ポケモンの価値が高くなっており、総じて本作における強力なポケモンの一角である。
第9世代
パルデア地方では必ず通常種に進化してしまうため、むしろ連携でヒスイ地方から連れてくる必要がある。ただしヌメイル時代から分岐している関係で、ヒスイヌメイル→ヒスイヌメルゴンの進化はパルデア地方でも可能である。
特性は「うるおいボディ」が「シェルアーマー」に変更された以外は通常種と揃えられた。その「シェルアーマー」は急所による「事故死」を防げ、前述の優秀な耐性をより引き立てる特性として歓迎されている。かくとう弱点をケアする必要はあるものの、環境に多いウーラオスを止めるのにも一役買う。
「そうしょく」も「キノコのほうし」や「やどりぎのタネ」を無効化できるため、モロバレルやチオンジェンに対して強く出ることができる。特にモロバレルはタイプ上基本的に全く打点が無い。
専用技「たてこもる」については引き継げたものの、効果が一般的な「ぼうぎょ」2段階上昇に変えられ、PPの差から「とける」や「てっぺき」の下位互換になってしまっている。「アンコール」された時にPPが少ない方が解除されやすいが、微々たるメリットである。
ちなみに「とける」についてはヒスイヌメイル時代にのみ覚えるという仕様があるので、PPを重視する場合にはしっかりと進化前に覚えさせておこう。
優秀な複合と効率的なステータスはパルデア地方でも変わらず有効で、「とつげきチョッキ」を持たせれば相当な堅さになる。
はがねタイプは環境に多くいるフェアリータイプに抗う上でも機能しており、攻撃面においてもはがね技を一致で扱えるメリットは大きい。「ヘビーボンバー」や「ボディプレス」を新規に習得したこともあり、通常種では微妙に扱いにくかった物理攻撃も選択肢に入ってきている。「ボディプレス」は「たてこもる」「とける」とのシナジーもある。
回復技として「いのちのしずく」も習得。回復量25%と「じこさいせい」などに劣るが、それらの技がPP5になったので回数数で勝る。ダブルバトルでは相方も回復できるのでより有効。
新要素のテラスタルについては優秀な耐性を崩してしまうので若干アンチシナジーに感じるが、弱点のかくとう・じめんを一度にケアできるひこうタイプをはじめ、不利対面の打開用に何らかの仕込みをしておくというトレーナーは少なくない。
その他の選択肢としては、ドラゴンやかくとうを返り討ちにするフェアリー、「そうしょく」と相性の良いみず、かくとうと特にダブルで「ねこだまし」等の対策になるゴーストなど。
とは言え、やはり攻撃一辺倒ではパワー不足が目立ち、補助技のレパートリーも少ないので他の強豪に見劣りしてしまう。「火力も出せる耐久型」と見るのが妥当なところだろう。
当初は「とつげきチョッキ」を持たせた特殊受け兼アタッカーと「たべのこし」を持たせた場持ち優先の型が主流。性格は「とくこう」を伸ばすものが多かったが両刀や物理系も少なくなく、技に至っては1位の「ラスターカノン」で5割前後、10位の技でも15%であり見事にバラけた。
「ヘビーボンバー」もハバタクカミに対する打点や、「ちいさくなる」を使ってくるハリーマンへの抑止力として捨てがたかった。
シーズン8最終上位構築には特に、カイリューとランドロスの4倍弱点を突ける「れいとうビーム」やヒードランの4倍弱点を突ける「じしん」を取り入れた、より攻撃的な型が目立った。
DLC「碧の仮面」では耐久型との相性が良い「はたきおとす」を獲得した。
しかし、新たに登場したガチグマ(アカツキ)に不利なことや、同時期に復帰してきたエンペルトと競合したことから採用率は低下傾向になった。
続く「藍の円盤」ではジュラルドンがブリジュラスに進化して更なる競合が発生し、ますます需要が分散している。
レギュレーションGシングルバトルでは、ハバタクカミ、こくばじょうバドレックス、ミライドンに対する数値受けとして王道の「とつげきチョッキ」が再評価されている。ハバタクカミには「ヘビーボンバー」が、こくばじょうバドレックスには「はたきおとす」がそれぞれ打点としてあり、「とつげきチョッキ」ミライドンですら「アシッドボム」+「りゅうせいぐん」で落とすことができる。
使用トレーナー
ゲーム版
関連イラスト
余談
通常種がフランス伝承の「ル・カルコル」をモチーフにしていると思われるのに対し、こちらは巻貝ということから東洋伝承の「出世螺」や、金属の鱗を持つ巻貝スケーリーフットに由来するのではと推測されている。
また、ヒスイ地方のモデルとなった北海道にあるイトムカ鉱山は、かつて豊富な自然水銀を産出していた希少な鉱山として有名。銀色になった粘液の正体はこれではという説もある。
さらに、北海道はアンモナイトの化石が多産する。殻の形状が平巻きであるためモチーフに含まれている可能性がある。
ヤンデレじみた独特なキャラ設定であることは先述したが、パルデア生え抜きのマスカーニャもまた、トレーナーへの執着が強いポケモンと設定された。そのため『SV』に参戦したら敵と戦う以前にこうなるというネタもちらほら…
正妻戦争とはまさにこのことか。
関連タグ
0705.ヌメイル/ヒスイヌメイル→0706.ヌメルゴン/ヒスイヌメルゴン→0707.クレッフィ