概要
現在は日本国有鉄道より引き継いだJR北海道が運営する鉄道路線。
長万部駅(北海道山越郡長万部町)より東室蘭駅(室蘭市)や苫小牧駅(苫小牧市)を経由して岩見沢駅(岩見沢市)に至る本線(211.0km)と、東室蘭駅での分岐から室蘭駅にのびる支線(7.0km)(全区間室蘭市)で構成される。
本線は、起点・終点で同じ函館本線と分岐・合流をする。
本線部の白老駅~沼ノ端駅間は日本の鉄道で最長の直線区間(約28.7km、駅構内での分岐等で軌道自体は曲がっている個所がある)。また、室蘭駅〜岩見沢駅間は1975年(昭和50年)12月14日、日本の国鉄における最後の「定期で一般の乗客を運ぶ」蒸気機関車牽引列車の運行区間となった。最終列車を牽引したC57形135号機は鉄道博物館に静態保存されている。
歴史
室蘭駅〜岩見沢駅間は石炭を北海道内陸部の炭鉱から室蘭港へ輸送する目的で、1892年(明治25年)8月1日に北海道炭礦鉄道の「室蘭線」として開通。1906年(明治39年)10月1日に鉄道国有法により国有化された後、1909年(明治42年)10月12日の国有鉄道線路名称制定に伴い、「室蘭本線」となった。
長万部駅〜東室蘭駅間は国有鉄道の「長輪線」(「おさわせん」または「ちょうりんせん」)として計画され、1923年(大正12年)12月10日に長万部駅〜静狩駅間が開通。1925年(大正14年)8月20日に伊達紋別駅〜輪西駅(初代。東輪西駅を経て現在の東室蘭駅)間が「長輪東線」として開通した(同時に長万部駅〜静狩駅間は「長輪線」から「長輪西線」に改称)。1928年(昭和3年)9月10日に静狩駅〜伊達紋別駅間が開通し、長輪西線・長輪東線と延伸区間が統合されて「長輪線」が全通。同時に函館駅〜稚内駅間を長輪線・室蘭本線経由で結ぶ急行列車が初めて設定された。
1931年(昭和6年)4月1日に長輪線が室蘭本線に編入され、長万部駅〜岩見沢駅間が本線、東輪西駅(現在の東室蘭駅)〜室蘭駅間が支線となる。1934年(昭和9年)10月1日には、北海道鉄道札幌線(現在の千歳線)の旅客列車が苫小牧駅への乗り入れを開始した。
1980年(昭和55年)10月1日に室蘭駅〜東室蘭駅〜沼ノ端駅間が電化(交流20,000V・50Hz)。従来は室蘭駅〜苫小牧駅〜岩見沢駅間の直通を基本とする運転系統だったが、これを機に室蘭駅〜苫小牧駅間(〜千歳線方面)と苫小牧駅〜岩見沢駅間で運転系統が分離された。
運行形態
旅客輸送
本線の千歳線と接続する沼ノ端駅(苫小牧市)より西側は、道央地域と道南地域方面とを結ぶ重要な大動脈となっており、定期特急では北斗号(札幌駅(札幌市北区)〜函館駅(函館市)間)とすずらん号(札幌駅〜東室蘭駅・室蘭駅間)が運行。
かつては本州の上野駅(東京都台東区)や大阪駅(大阪府大阪市北区、青森駅(青森県青森市)とを結ぶ寝台特急や寝台急行も多数運行されていた。
沼ノ端駅より東側は地域輸送のみのローカル線区間となっており、長万部駅方面とは実質上二分化がされている。
室蘭駅までの支線と本線の東室蘭駅~沼ノ端駅間は交流電化区間。
貨物輸送
現在はJR貨物が第2種鉄道事業者として、本線内で貨物列車を運行。
かつて国鉄時代は支線でも貨物輸送が行われており、1985年(昭和60年)3月14日に御崎駅〜室蘭駅間の、1986年(昭和61年)11月1日に東室蘭駅〜御崎駅間の貨物営業が廃止された。
この他に、1960年(昭和35年)5月10日に貨物支線として室蘭駅〜西室蘭駅間(1.4km)が開通したが、1985年(昭和60年)3月14日に廃止となっている。
駅一覧
本線
駅番号 | 駅名 | 乗換路線 | 備考 |
---|---|---|---|
H47 | 長万部 | 函館本線 | |
H46 | 静狩 | ||
H45 | 小幌 | かつて秘境駅ランキングで全国1位を獲得した伝説の秘境駅。 | |
H44 | 礼文 | ||
H43 | 大岸 | ||
H42 | 豊浦 | ||
H41 | 洞爺 | ||
北入江信号場 | |||
H40 | 有珠 | ||
H39 | 長和 | ||
H38 | 伊達紋別 | ||
H37 | 北舟岡 | 釧網本線北浜と並び、海に接する駅として全国的に有名。ホームのすぐ裏に海が迫る。 | |
H36 | 稀府 | ||
H35 | 黄金 | 読み方は「こがね」。 | |
H34 | 崎守 | ||
H33 | 本輪西 | ||
H32 | 東室蘭 | 室蘭本線(支線・室蘭方面) | ここから交流電化。 |
H31 | 鷲別 | ||
H30 | 幌別 | ||
H29 | 富浦 | ||
H28 | 登別 | ||
H27 | 虎杖浜 | ||
H26 | 竹浦 | ||
H25 | 北吉原 | ||
H24 | 荻野 | ||
H23 | 白老 | 副名称「ウポポイ民族共生象徴空間前」 | |
H22 | 社台 | ||
H21 | 錦岡 | ||
H20 | 糸井 | ||
H19 | 青葉 | ||
H18 | 苫小牧 | 日高本線 | ここからKitacaエリア。 |
(貨)苫小牧貨物 | |||
H17 | 沼ノ端 | 千歳線(直通在り) | ここまで交流電化。Kitacaエリアもここまで。 |
遠浅 | |||
早来 | |||
安平 | |||
K15 | 追分 | 石勝線 | |
三川 | |||
古山 | |||
由仁 | |||
栗山 | |||
栗岡 | |||
栗沢 | |||
志文 | |||
A13 | 岩見沢 | 函館本線 |
支線
全線室蘭市内・複線・交流電化区間。
関連項目
主な運行車両
現行
E001形(不定期)
終了
キハ141系 キハ80系 キハ183系 キハ281系 キハ283系
主な運行列車
現行
トランスイート四季島(不定期)
終了