路線データ
路線名 | 川越線 |
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ラインカラー |
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路線区間 | 大宮 - 川越 - 高麗川 |
路線距離 | 30.6km |
軌間 | 1,067mm |
駅数 | 11駅 |
電化区間 | 全線(直流1,500V) |
最高速度 | 95km/h |
複線区間 | 大宮 - 日進 |
単線区間 | 日進 - 高麗川 |
閉塞方式 |
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保安装置 | ATS-P |
運転指令所 | 東京総合指令室 |
列車運行管理システム | 東京輸送圏管理システム(ATOS):大宮 - 川越 - 武蔵高萩 |
第1種鉄道事業者 | 東日本旅客鉄道(JR東日本) |
概要
大宮(埼玉県さいたま市大宮区)から高麗川(日高市)を結ぶ東日本旅客鉄道(JR東日本)の鉄道路線の1つ(幹線)。
東北本線・八高線バイパス路線として計画され、軍事的用途もあって計画提示から僅か6年で全線同時開通に至ったという異色の経歴を有する。
戦後暫くの間はこの路線単独で都心に行けないことが災いしてテコ入れが一切行われず、タラコ色をした3 - 4両の気動車が田園風景の中をゴトゴトと音を立てて長閑に走り抜けるという、タラコ以外は現在の八高線非電化区間同様の光景が広がっていた。
(イメージ図。路線は異なるがだいたいあってる)
ちなみに、この頃から八高線との直通は部分的に行われており、東飯能+東飯能駅まで乗入れる列車が数本あった。同線状態も川越線と良い勝負であった。
また、その昔は大宮工場が付近にあったことから、新型気動車試運転に同線が良く使われていた。
だが、1985年(昭和60年)、埼京線が開通すると同時に全線直流電化、川越以東は同線と直通を行うことで都心輸送の一翼を担うこととなった。同駅以西については1996年(平成8年)に八高線八王子 - 高麗川間が直流電化されて以降は同区間との直通を行う電車が多い。
このため、現在の運行系統は川越で分断されており、埼京線・りんかい線と一体化している大宮 - 川越間と八高線と一体化している川越 - 高麗川間の2系統から成り立っている。
なお、川越東線に関しては単線区間では最も利用者が多い区間となっている。
そのため、複線化する計画などがあるが埼京線の混雑や費用対効果などが理由で進んでいない。
川越線デッドロック
2023年(令和5年)3月2日22時前、指扇 - 南古谷間単線区間に大宮行・川越行の上下列車がそれぞれ両端から同時侵入、距離600mまで接近するニアミス事故が発生した。
安全装置が作動したため正面衝突には至らなかったものの、この影響で同線埼京線直通区間は約3時間に渡って運休となり、乗客が車内に取り残された。
このニアミス事故は、SNS上で「#川越線デッドロック」若しくは「でっど・ざ・ろっく!」の名で話題となり、また事故当該の2列車のうち1本が『ラブライブ!』スピンオフ作品のコラボ列車であったことから、同作品のファンにも注目を集めることとなった。
事故直前、川越線はこの区間にある荒川橋梁で制限を超える強風が観測されたため、2時間半以上に渡って運行を見合わせ(埼京線内折返し運行)ており、運行再開時に通常のダイヤとは異なる車両のやり繰りをしたことが一因となったと考えられる。実質6時間に渡ってストップする事態となった。
車両基地
南古谷駅近隣に川越車両センターがあり、川越線で使用されるJR車両は全車当センターに所属している。
直通運転
以下の区間で直通運転を行なっている。
- 川越東線
・埼京線:大宮駅〜大崎駅
- 川越西線
・八高線:高麗川 - 八王子
どこからどこまでが川越線か
川越線という名は知っているが、その正確な区間を答えられる人は中々いないようである。
無論正解は上記の通り「大宮 - 高麗川間」なのであるが、
- 「大宮 - 川越間」が川越線、「川越 - 高麗川間」は八高線
- 「川越 - 高麗川間」が川越線、「大宮 - 川越間」は埼京線
と直通先路線と混同しているケースが利用者間で見られる。
川越線のみ運行する列車がほとんどないのもそうであるが、「川越線というんだから川越が終点なのであろう」という連想がしやすいのも原因の1つとみられる。
沿革
- 1940年(昭和15年)7月22日:全通。
- 1985年(昭和60年):9月30日:全線直流電化。大宮 - 日進間複線化。埼京線との直通開始。
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化に伴い、JR東日本が第1種鉄道事業者として継承。貨物営業廃止。
- 1989年(平成元年)3月11日:運行系統を川越で分離。
- 1996年(平成8年)3月16日:八高線部分直流電化に伴い、直通再開・青梅線乗入開始。
- 1999年(平成11年)12月4日:青梅線への乗入終了。
- 2002年(平成14年)12月1日:りんかい線全通に伴い、埼京線経由で直通開始。
- 2005年(平成17年)8月6日:大宮 - 川越 - 武蔵高萩間で東京圏輸送管理システム(ATOS)導入。
- 2019年(令和元年)11月30日:相鉄・JR直通線開通に伴い、相鉄線との直通開始。
- 2023年(令和5年)3月2日:指扇 - 南古谷間で重大インシデント発生。
運行形態
1989年3月11日以降全線通し運行列車は存在せず、埼京線方面 - 川越間と南古谷・川越 - 高麗川・八高線方面の2系統で運行される。
- 大宮 - 川越間
通常時は全列車が埼京線に直通、ほとんどがそのままりんかい線にも直通する。一部相鉄直通列車(朝のみ)とりんかい線には直通しない列車(朝・夜)が運行される。
早朝と夜間に僅かに各停が運行される以外は全て快速または通快(平日のみ)で運行されるが、川越線内は各駅に停車する。
川越車両センターが区間内にあるため、上りは指扇、下りは南古谷始発で川越を越えて運行される列車が存在する。
- 南古谷 - 川越 - 高麗川間
朝と夕方以降に一部線内運用列車が設定される他は、全て八高線八王子(一部拝島)まで直通する。全列車が各駅停車で運行される。
前述の通り、川越車両センターからの出庫のため、朝の一部は南古谷始発で運行される。
駅一覧
現在の使用車両
自社車両
いずれも川越車両センター所属。
- E233系7000番台
埼京・川越線用車両。大宮 - 川越間で運用。
八高・川越線用車両。南古谷 - 高麗川間で運用。
東京臨海高速鉄道所属
東臨運輸区所属りんかい線用車両。大宮 - 川越間で運用。
相鉄所属
かしわ台車両センター所属JR直通対応車。
通常時の営業運行では使用されていないが、試運転や川越車両センターにおけるイベント開催時の回送で大宮 - 川越間に入線した。
過去の使用車両
直流電化前
川越線直流電化前に大宮 - 高麗川間で運用された。
直流電化後
記載がないものは川越電車区→川越車両センター所属。
埼京・川越線用車両。大宮 - 川越間で使用。
- 103系3000番台
川越線直流電化当時大宮 - 高麗川間で使用された車両。
- 103系3500番台・205系3000番台・209系3000・3100番台
川越西線用車両。南古谷 - 高麗川間で運用。
- 201系0番台
豊田車両センター所属中央快速線系統用車両。2003年(平成15年)に103系車両故障に伴う車両不足に伴い、一時的に川越 - 高麗川間で運用に就いた。
- 115系300番台
豊田車両センター所属波動用車両。2013年(平成25年)に臨時快速「おさんぽ川越号」で大宮 - 川越間に入線。
※勝田車両センター所属常磐・水戸線用車両。2014年(平成26年)に臨時快速「おさんぽ川越号」で付属編成が大宮 - 川越間に入線。
- E231系1000番台
※小山車両センター所属東北本線・高崎線系統用車両。2015年(平成27年)に臨時快速「おさんぽ川越号」で付属編成が大宮 - 川越間に入線。
- 651系0番台
※勝田車両センター所属特急型車両。2015年に臨時快速「ぶらり川越号」で基本編成が大宮 - 川越間に入線。