「私は悲しい……」
「愛は人を惑わすもの。そう知っていながら、私は愛を躊躇うことができないのです」
プロフィール
真名 | トリスタン |
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クラス | アーチャー |
性別 | 男性 |
身長 | 186cm |
体重 | 78kg |
出典 |
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地域 | ブリテン |
属性 | 秩序・善・地 |
好きなもの | 愛 |
嫌いなもの | 無神経な言葉(人の心が分からない、など) |
設定担当 | 東出祐一郎 |
ILLUST | 森井しづき |
CV | 内山昂輝 |
演 | 菊田大輔 |
何をしていても悲しく、そして美しい。
概要
『Fate/Grand Order』に登場するアーチャークラスのサーヴァント。レアリティは☆4。
『Fate/hollow ataraxia』から存在は示唆されていたが、短編小説『Garden of Avalon』にて言及。
以前からシリーズに登場していた「王は人の心がわからない」という言葉は彼の台詞だと判明しており、この言葉は後にアーサー王や他の円卓の騎士たちに呪いとして残る事となってしまった。
メインシナリオでは、第1部6章『神聖円卓領域 キャメロット』にて初登場する。獅子王の為に獣に堕ちることを決意し、自ら目を潰したうえで「反転」のギフトを授かり、獅子王と対立するカルデア一行の前に立ちはだかった。そして物語終盤では、歴代ハサン達と戦うことになるのだが……
『Fate/EXTRA CCC』とのコラボイベント『深海電脳楽土 SE.RA.PH』では、上記とは対照的に主人公の味方として行動する事となり、色々な意味でおいしい役回りを演じる事となっていた。
第2部6章『妖精円卓領域 アヴァロン・ル・フェ』では、ブリテン異聞帯上陸直後になぜか召喚されるという唐突な登場を果たし、色々あってマシュ達とはぐれた主人公に同行することになる(当初は上陸した場所が出身地のコーンウォール地方だったからだろうかと思われたが、後にこれが終盤における大きな伏線となった)。そして前編の終盤では、主人公に迫り来る敵に1人立ち塞がり……
真名
アーサー王伝説における円卓の騎士の1人、「トリスタン」。
その名は「哀しみの子」を意味している。円卓随一の弓手であり、その腕前で数々の武勲を打ち立てた。そして、誰よりも人の愛と情を尊んだ男であったために、人としての在り方を捨てた主君の有り様に耐えられず「王には人の心が分からない」と言い残してキャメロットを去っていった。
トリスタンはローヌア王・リヴァランとコーンウォール公マルクの妹・ブランシュフルールの間に生をうけるが、その境遇は「哀しみの子」と呼ぶに相応しいものであった。父王リヴァランは息子の顔を見ることもできずに戦死し、そのショックで母ブランシュフルールは、リヴァランの忠実な配下であったロアールに子を託し、トリスタンという名を与えて間もなく帰らぬ人となった。
成長したトリスタンはその後、母方の叔父であるマルク王の騎士として仕えることになる。
トリスタンは良き騎士として王に仕え、王もまた、この見目麗しい騎士に厚い信頼を寄せていた。
しかし、ある日を境として、そんな良き日々は終わりを告げてしまう。
トリスタンは、部下の手違いで媚薬を飲んだ事でイゾルデ(金髪のイゾルデ)という女性と恋に落ちた。それが悲劇の始まりだった。イゾルデは主君のマルク王が愛し、后にもらうことを誓った女性であった。トリスタンを嫉むマルク王の廷臣たちの諫言により、彼は宮廷を離れることを余儀なくされてしまう。その後、彼は偶然にもイゾルデと同名の女性(白い手のイゾルデ)を娶ることになったが、割り切ることが出来ず、かつてのイゾルデへの想いは日に日に募るばかりであった。やがてトリスタンは、とある戦いで毒に倒れてしまい、瀕死の状態でイゾルデに会うことを願う。
「彼女が来るなら白き帆を。来ないのであれば黒き帆を――」
イゾルデが乗ったという船を待つトリスタンに、妻であるイゾルデが囁いた。
「黒き帆の船が、こちらに向かってきます」
自分を娶りながらも、決して愛そうとしなかった夫へのささやかな叛逆(うそ)によって、トリスタンの物語は幕を引いたのであった。絆礼装ではこの帆の色に関して、彼自身も「白き帆の船を待つ資格など自分にはなかった」「誰が何と言おうとあの時の船の帆の色は妻の言う通り黒だった」と述懐しており、全ては自身の身勝手の報いであり、イゾルデには一切非は無かったとしている。
元々は別の物語(『トリスタンとイゾルデ』)の主人公だったが、ランスロットと同じく後世になってアーサー王伝説に組み込まれたキャラクターである。『Fate』シリーズにおいてはマルク王の下から出奔してから、瀕死の重傷を負う前までの間に円卓に加入して、その後離脱したと考えられる。
人物
一人称は「私(わたし)」。
外見は赤い長髪に糸目の青年。誰よりも愛に生き、愛のために全てを失った騎士。
騎士の忠義よりも友愛を尊ぶ人情家。普段は物静かだが、その実結構な皮肉屋である。気の多い御仁でもあり、特に禁断の恋がお好き。ランスロットとはそう言った所で気が合うらしく、生前はよく恋バナに花を咲かせていたとか。また、古参の騎士であるベディヴィエールとは親友と呼んで差し支え無い間柄であり、任務の際には他の騎士より力量の劣る彼に足並みを揃えていたらしい。
一方、生前からマイペースで無神経なところがあり、やや自分勝手な部分が目立つ。
相手への理解を欠き、理想を押し付けてはそれに沿わなければ批判する事もしばしばである。
かつてはその性格が災いし、アーサー王やイゾルデとの確執に繋がってしまったため、サーヴァントとなってからは反省している。ただしナチュラルに空気を読まないところは健在であり、モードレッドからはこの男が本気で悩むのはアーサー王かイゾルデの事くらいとまで言われている。
第六特異点では「反転」のギフトの影響で性格や特性が変化し、べディヴィエールからも敵と見做されるほどに無慈悲で残酷な悪鬼外道へと堕ち果ててしまった。抗う術を持たない一般人を嬉々として虐殺し、自分の部下さえ平然と手にかける冷酷さが際立っていたため、実装からしばらくの間はユーザーから良くない印象を持たれていた。後に「反転」のギフトの特性と、6章におけるギフトを貰うまでの背景が奈須きのこ氏の『竹箒日記』の記事で明かされており「本来の彼は毒っ気はあるが愛嬌のある誠実な好漢」と弁明された事に加えて、トリスタン自身の幕間の物語にて6章における反動から強い苦悩と後悔に苛まれている姿が書かれた事で、現在では人物評は好転している。
カルデアに召喚されたトリスタンは、獅子王に召喚された記憶を一部引き継いでいるらしい。キャメロットにおいてマスターが対峙した別の自分の悪行に対して罪悪感を感じており『ネロ祭 再び』や幕間の物語ではその心境が語られている。現在は汚名返上を果たした事もあって、プレイヤーからは「真顔で面白発言をブチ込んでくる掴みどころのない天然キャラ」として親しまれている。
第六異聞帯では序盤のカルデア側の唯一の戦力として登場。登場して早々に出身地のコーンウォールには土地勘があった為一行を案内しようとするが、道に迷ってしまうという大ポカをしでかしてしまう(もっとも、これは土地の性質によるものでトリスタンのせいではない)。因みに生前にも同じようなことをしてベディヴィエールに呆れられたという。名無しの森で記憶を失った際には「トリストラム」(トリスタンの表記揺れである)を名乗り、そこでの面白キャラも健在であった。
マスターに対しては礼儀正しく、穏やかに接する騎士の模範のような人物。
下記するように面白おかしい言動こそ多いものの、根っこは真面目で愛情深い人物であり、過去を悔いて改める柔軟さも備えている。そのため、かつて王に心ない言葉を投げつけたこと、身勝手な愛で他者を不幸にしたことを悔いており、同じ過ちを繰り返すまいと強く心に誓っている。かつての主を見捨てた不徳の自分を信じすぎないようにと自虐的に忠告するが、マスターがいついかなる時も正しくあろうとするならば、彼もまたその誠意に守護の弓を以て応えてくれるはずである。
能力
高い狙撃技術を持つアーラシュの矢を全弾撃ち落とすなど、弓の名手と呼ぶに相応しい実力を持つが、肝心の戦闘スタイルは「実体の矢を一切用いず、ハープ型の弓の弦を弾いて真空の刃を作り出し、これを飛ばして敵を斬り刻む」という色んな意味で弓兵として真っ当とは言い難いもの。そんな彼が持つ異色の弓「痛哭の幻奏(フェイルノート)」こそ彼の宝具であり、必殺武器である。
弦楽器を無理やり弓矢として扱っているかのような戦い方は、他の円卓の騎士からも「弓というものを根本的に勘違いしている」「世界中の弓兵にケンカ売ってる」とボロクソに言われている。第2部6章においては、弦糸は翅の氏族の妖糸、即ち妖精の糸で編まれたものだと明かされた。魔術理論をそもそも無視している意味不明としか言いようのない妖精による産物だからこそなのだろう。
また、超人的な聴覚の持ち主でもあり、たとえ目を閉じたり居眠りをしたままでも馬に騎乗した状態でパレードをやってのけたり、他者の会話や円卓会議の内容もちゃんと把握できていたりする。更には遠隔で心音を聞き取ることで、相手の感情(特に嘘)を見抜くことすら可能である。
モーション中では、主に弓の弦を弾いて斬撃を飛ばす(上空から斬撃の雨を投下したり、前方に居ながら背後から斬撃を浴びせたりもする)ことで戦っているが、弓での殴打など近接戦も交える。
ステータス
保有スキル
対魔力(B) | アーチャーのクラススキル。魔術に対する抵抗力。詠唱が三節以下の魔術を無効化。大魔術・儀礼呪法を以っても、傷付けるのは困難。 |
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単独行動(B) | アーチャーのクラススキル。マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。マスターを失っても二日間は現界可能。 |
治療の竪琴(C) | フェイルノートによる演奏。その音色は聴く者の昂りを鎮め、安らぎを齎す。ダビデの「治癒の竪琴」スキルとの関係性は不明である。 |
声高らかに愛を讃えん(A) | 「治療の竪琴(C)」が変化したスキル。詳細不明。 |
祝福されぬ生誕(B) | 生まれついての悲運がスキル化したもの。哀しみの子と呼ばれた彼の生誕は、いつの時代も嘆きと共に語り継がれる。彼のどこか哀しげな歌声は、フェイルノートの音色に得も言われぬ深みを持たせる。 |
騎士王への諫言(B) | 「王は人の心が分からない」――かの騎士王に刻んだ決定的なトラウマ。伝説においては心を抉るような悲しい諫言であるが、サーヴァントとして召喚された円卓の騎士達は口々にこう告げる。「いや、我々は貴殿が何をやらかすかが一番分からん」。本人としても、最後の言葉としてはあまりに心無いものであった為、いたく反省している模様。 |
弱体化(毒)(D) | 伝説において幾度と無く毒に弱らされ、瀕死に追い込まれた為、毒への耐性が若干低くなっている。英霊の中でも珍しいデバフスキル。 |
宝具
痛哭の幻奏(フェイルノート)
- ランク:A→A+
- 種別:対軍宝具
- レンジ:5~100
- 最大捕捉:10人
「宝具起動。我が弓の、切なる曲を……」
「痛みを歌い、嘆きを奏でる――『痛哭の幻奏(フェイルノート)』……これが私の矢です。」
トリスタン自慢の必中の弓……なのだが、宝具としての本体は「弦」の方である。
愛用の魔法の竪琴の弦を利用したもので、この弦を弾くことで空気を震わせ「真空の矢」を生み出して発射する。角度調整の精度や矢の速度、そして何よりリロードスパンの短さが尋常ではないため、どれほどスピードに長けた英雄であろうと全弾回避はほぼ不可能である。完全に躱すにはレンジ外まで自身の肉体を転移させる、或いは次元を跳躍するなどの手段でしか対抗できないだろう。
詳細は該当記事を参照。
ゲーム上での性能
最大HP | 11637 |
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最大ATK | 9735 |
コマンドカード | Quick:2/Arts:2/Buster:1 |
宝具カード | Quick |
スキル1 | 治癒の竪琴(C) / 味方全体の精神異常状態を解除&回避状態を付与(1回)&HPを回復 |
スキル1(強化後) | 声高らかに愛を讃えん(A) / 味方全体の弱体状態を解除&回避状態を付与(1回)&HPを回復+自身のQuickカードの性能アップ(3T) |
スキル2 | 祝福されぬ生誕(B) / 自身のNP増加(30~50%)&宝具封印状態を付与(1T、デメリット) |
スキル3 | 騎士王への諫言(B) / 敵単体の強化状態を解除&クリティカル発生率ダウン(3T) |
宝具 | 自身に必中状態を付与(1T)+敵単体に超強力な攻撃→敵単体に超強力な防御力無視攻撃&敵単体の弱体耐性をダウン(3T)<オーバーチャージで効果アップ> |
レア度は☆4(SR)。Quick・Buster・EXが多段ヒットすることからアサシンクラスに匹敵する高いスター生産力を持ち、NP効率もなかなか良い。アーチャークラスゆえのスター集中率の高さを利用して、自分で稼いだスターを使ったクリティカルヒットでダメージを稼ぐこともできる。
保有スキルは、3つ全てが味方へのサポート向けというラインナップとなっている。
特に敵への強化解除と味方全体への弱体解除が同時に行えるのは彼とマルタの特権である。
宝具は多段ヒットするQuick属性攻撃なのでスターの生産力は高く、自身への必中付与が宝具後の追撃にも適用されるおかげで、バフ解除スキルを使わずに回避状態の敵にダメージを与えつつ星を稼ぐという芸当も可能。また、彼の幕間の物語をクリアすると宝具に防御力無視の効果が追加され、敵が無敵状態になるか本人に何かしらのデバフが付与されない限りは確実にダメージを与えられる。さらに追加効果の弱体耐性低下は3ターン継続するので味方のデバフ撒きまで援護できる。
以上の性能を大雑把にまとめれば、クリティカルスターの供給から耐久面のフォロー、敵への妨害工作まで幅広くこなすアーチャー屈指のサポーターであり、スター集中率の調整にさえ気をつければ、Quickあるいはクリティカル主軸のパーティーで十分な働きを見せてくれるだろう。また、同じQuick主体アーチャー仲間であるアタランテやビリーとの相性も良いため、互いにスター供給やNPチャージを補助しあったり(ただしビリーはスター供給ではなく主砲としての運用がメインになる)、アタランテの「アルカディア越え(A)」で3人の宝具をまとめて強化したりも可能である。
ボスとして
第1部6章では「反転」のギフトによってクラス相性の優劣判定を独自のものに変化させた、早い話がトリスタンクラスとでも言うべき特殊な状態になっている。クラス相性の具体的な内容は「攻撃面はバーサーカーとほぼ同仕様、防御面ではセイバーにのみ不利扱いで、その他から受けるダメージは等倍扱い」というもので、単純に有利不利が反転しているわけでもない二重の初見殺しである。
初戦では彼の配下の弓兵隊との連戦になることもあってか、いつもの癖でランサー中心のパーティで突っ込んでしまいバラバラに切り刻まれたプレイヤーも多い。あくまで初見殺しでしかないために、タネさえ割れてしまえばギフト付き円卓騎士の中では対処しやすい方だが、セイバーで挑んでも彼から受けるダメージは相変わらず大きいままなので、2戦目以降は「セイバー中心のパーティで、チャージの早いバーサーカーと戦う」つもりで挑むといいかもしれない。このギフトを抜きにしても、あくまで“男性”なので男性特攻持ちのサーヴァントを使うのも一考である。また、おまけとして毒無効の追加効果も内包しており、ストーリー終盤においても重要な鍵となっている。
後に実装された幕間の物語でも、この「反転」のギフトを持った彼と戦うことになるのだが、ゲージブレイクすると「不夜」「凄烈」のギフトも加わった全部盛り状態になため、より注意が必要。
関連人物
生前
生前の主君の1人。マルク王の後に仕えた相手で、超然としたあり方に思うところがあった。
去り際に残したあの言葉を無神経だったと後悔し、合わせる顔がないながらも忠誠を誓っている。アルトリア本人は、トリスタン個人に対して特に悪感情は抱いていない(むしろ敬意を持っている)。ただし、考えの読めない独特の雰囲気は少々苦手だったらしい。まあ居眠りするしね……
生前の友人で同僚の1人。そして円卓(特にトリスタン)の貴重なツッコミ役でもある。
どんな相手にものらりくらりと躱していたトリスタンだが、彼には通じず容赦なく隠し事などを諌められていた。カルデアに召喚された彼とも親しい仲で、よく一緒にいるところを見かけている。
生前の友人で同僚の1人。そしてエリちゃん曰く「ヒトヅマニア」同士でもある模様。
話の合う仲だったようだが、トリスタンの去り際の言葉は彼を狂わせる原因の一つとなった。
なお、トリスタンも狂化した彼を好ましく思っていない模様。
また、両名とも「主君からは許されている(というより全く問題にされていなかった)が自責の念に囚われている」点で共通する。
生前の友人で同僚の1人。お互いに天然だと思い合っているが、五十歩百歩である。
実力は信頼しており、彼がいるならば恐れるものは「割と少ししか無い」とのこと。
生前の後輩で同僚の1人。あちらからは「居眠りアーチャー」呼ばわりされて呆れられている。
こちらもモードレッドを「スッポン」と称したり、3羽の鶏に彼女の名前をつけるなど扱いが雑(やらかした事を考えれば当然だろうが)。
生前の後輩で同僚の1人。彼女からは「浮気は駄目」とストレートに批判されている。
彼女が第1部6章で辿った末路から、カルデアではそうならないようにと尽力している。
生前の友人で同僚の1人。地味に同僚にも礼儀正しい彼から「卿」付けされていない。
マイルーム会話のセリフで「浮気は良くない」とガレスに続いてドストレートに言われており、流石にカチンと来たのか「ケンカ売ってるなら買いますよこの野郎」と彼らしくない暴言を吐いた。
彼に取って縁深い女性。マルクの妃となる彼女を王の元へ連れて行く際、誤って飲んでしまった惚れ薬のせいで相思相愛になったが故に国を追われたが、その関係自体に後悔はなく、王にも彼女にも恨みはない様子。ただ、恋心が薬によるものであったことに関しては思うところがあった。
白い手のイゾルデ
後に出会い結婚した、前述のイゾルデと同じ名前の白い手が魅力的な女性。
便宜上「白い手の」とつけられることが多い。しかし前のイゾルデのことを忘れられず自分を愛そうとしない彼に対しては思うところがあったようで、死に際に些細な嘘によって仕返しされたのであった。しかし絆礼装においては「誰がなんと言おうとあの時の船の帆は黒だった」「自分には白い帆の船を待つ資格は無い」と断じており、彼女の虚言を「自分への報い」と受け止めている。
ちなみに自身の幕間にて、モードレットからは軽口混じりに「どっちのイゾルデももうお前なんか願い下げに決まってる」と言われている。トリスタン本人はその言い分を甘んじて受け入れた。
実の伯父にして、生前の主君の1人。イゾルデの元の婚約者でもある。
亡き妹(トリスタンの母)への負い目から、甥を引き取って育てていた。
イゾルデの一件があるまでは身寄りの無い甥を身内として大事にしていた。
Fate/Grand Order
契約したマスター。円卓組の中ではモードレッドやベディヴィエールに次いで絡みが多い。
上述した生前の反省から、彼/彼女の背負う苦しみに寄り添おうとしており「貴方のために命を投げ出すだろう」とまで言ってくる。そして、メインストーリー第2部6章においてはその言葉通り……
別時空のアーサー王からは、トリスタンに匹敵する腕前であると称賛されている。
大英雄に並ぶと王から直々に評価されたことは、トリスタンにとって最高の名誉だろう。
劇場版後編でも自らの身を呈して獅子王の宝具を相殺した様に、敵ながら感心していた。
第1部6章で円卓の面々と敵対する「山の民」の指導者の1人。多くの村でトリスタンが無差別な殺戮を繰り広げたため、何としても討ち取らねばならない怨敵と見做す。そして、終盤では……
第1部6章で円卓の面々と敵対する「山の民」の指導者の1人。プレイヤーはゲーム中で、トリスタンのギフト「反転」に苦しめられるが、終盤で彼女は更にこの権能に対して絶望することになる。
マイルームにて「恋はドラクル」のBGM演奏を頼まれ了承したが、さり気なく耳栓をした。
さらに、名前に「エリ」がつくサーヴァントが集められた際には何故か彼も混ざっていた。
エリザベート共々、10年後の姿ならば女性として一席設けたいと高評価をしている。
しかし、チョコケーキを壊してしまったので彼女からは強烈な一撃を貰ってしまった。
2016年ハロウィンイベント『ハロウィン・カムバック!』にて、ランスロットと共に仕えていた女王。しかしあろうことか会議の最中に、目の前で ( ˘ω˘)スヤァ ……をかましたのでしばかれていた。
電子の深海域で共闘したアルターエゴのサーヴァント。逸話的、能力的にも相性最悪な天敵。
人間を見下し躊躇なく殺戮を繰り返すアルターエゴを危険視するが、交戦時に彼女の「秘密」に感づき、何だかんだ遠まわしに世話を焼いた。カルデアのメルトからは「トリ」呼ばわりされる。
ちなみに漫画版においては、彼女に対抗してか髪をロングヘア並の長さまで伸ばしている。
彼女の2つ目の幕間にて「吟遊詩人代表の英霊」として彼女に招聘される。
人事の鬼のお墨付きとはすごいぞ、トリ卿。本人は平常運転であったが。
長髪のアーチャーのサーヴァント繋がり。彼はトリスタンと異なり正統派な弓を扱っている。
アシュヴァッターマンの幕間にて、彼の中にある「怒り」を鎮めるリラクゼーションの手伝いをすることに。弓の名手として知られ「大賢者」と称されるほどの大物であるケイローン先生には敬意を表しているようで、「森林(緑)が似合う弓手」の話でロビンフッドを引き合いに出された時は謎の圧で食ってかかったのに対して、先生が話題に上がると「ぐうの音も出ない」と引き下がった。
とはいえ、トリスタンのマイペースぶりにはさすがの先生も付いていけず持て余し気味である。
赤がメインカラーのアーチャー繋がり。彼も弓とは言い難い武器を扱っている。
彼の幕間の物語で共演する。トリスタンのマイペースぶりにいたく呆れていた。
イベント『閻魔亭繁盛記』にて、ヘルズキッチンの講習に男性で唯一参加した。しかし、何故か始まったサバイバルに他メンバー共々翻弄されており、エレナ、アンメアに続いて脱落してまった。
ブリテン異聞帯にて出会った平行世界の騎士王。前編で汎人類史におけるアーサー王のあり方を語り聞かせており、終盤では「アーサー王の騎士」として彼女の歩む道(未来)を守るべくその身を殉じた。また、カルデアでも記録を見たらしく、彼女に思うところがある様子を見せている。
ブリテン異聞帯にて自分の名を名乗った妖精騎士にして同僚であるガウェインとガレス、モードレッドの妹。彼女の性格と言動は「第六特異点で“反転”した自分」に似通っているため、カルデアで鉢合わせたらタダでは済まなさそうである。もっとも、実は彼女もある意味反転しているようなものだった上に同僚達の義理の姉妹に当たるので色々とややこしい関係になりそうだが……なお、ベクトルこそ違えど芸術肌な点については共通している。
なお、2022年ギル祭『バトル・イン・ニューヨーク 2022』のプロローグでは彼女と直接接触している一幕があった。同シーンはイベント冒頭によくあるセリフのテキストがないシーンのため詳細は分からないが、トリスタンはなぜか冷や汗をかいて逃げようとしていた。そして『サバフェス2』で水着霊基の彼女との本格的な交流が描写されたが、素の性格を見抜いているのか騎士の物語を話したり、見守る為に留まると宣言。対してトリ子はトリスタンを「トリ」と呼んでいるが、大音量で弦を弾ける泉に案内したり、留守を預かっている事を話している様子で良好な関係である模様。
同じくかつて犯した罪を許されながらも自責の念に苦しんでいるサーヴァント。その一方で、去った事が同僚の暴走の原因になったトリスタンとは逆に勝家は同僚の暴走を止められなかった事が自責の原因になっている。
同じく祝福されぬ生誕を持ったサーヴァント。ケイローンもある意味では該当する。
因みに人外と人間のハーフである彼らに対して、トリスタンは一応純人間ではある。
更に言えば彼等は『生まれの時点で人生が詰んでいた』。
イベントでの奇行
第1部6章でカルデア一行の敵として立ちはだかった彼だが、イベントではぶっ飛んだ奇行が多い。
メインストーリー直後の2016年ハロウィンイベント『ハロウィン・カムバック!』では、第1部6章攻略済のマスターたちが「これがあのトリスタンなのか」と頭を抱えるほどの奇行を連発した。
中でも呆れたクレオパトラに窓から飛び降りろと命じられた際、ためらわず窓から飛び出した挙げ句、フェイルノートが発する音の衝撃で空を飛ぶという珍技を披露したシーンは多くのプレイヤーの腹筋を焼却した。実はコレ、原典『トリスタンとイゾルデ』で本当に書かれているネタである。
流石に平時の彼はここまでぶっ飛んではいないのか、2017年バレンタインイベントでは酔った勢いとダ・ヴィンチちゃんとランスロットの悪ふざけによって作られた自分の弾き語りベストアルバムを密かに回収して隠蔽しようとしていた。どうやらお祭りになるとハメを外すタイプらしい。
また『CCC』コラボイベントではしれっとメインの同行キャラとして参加したが、元々『EXTRA』シリーズには全く登場しないキャラだったことに加えて、事前に登場するという言及が一切なかったために多くのプレイヤーが「なんでお前がいるんだよ」と困惑。終いには「俺たちが知らないだけで裏の聖杯戦争に参加してた」「思い出せよトリスタンと駆け抜けた月の裏の思い出を」「隠し条件をクリアすればトリスタンを選択できる」など、ちょっとしたお祭り騒ぎに発展していた(実は『EXTRA』の劇中においてある英霊に関する選択肢の誤答でトリスタンが名前のみ出ていた)。イベント中ではメルトリリスのことを気にかけており、これがある奇跡を起こすことに繋がった。
ランスロット、ガヴェイン、トリスタン、ベディヴィエールの円卓組男性4名は水着の立ち絵を持っているが(後にパーシヴァルも礼装を経て水着霊衣実装)、トリスタンのそれはよく見るとおかしな点が多い。目を瞑ってるので必要ないはずのゴーグルを三つ装備し、海パンの紐は縦結び、アロハシャツの裾はなぜか破け、謎の風を受けてシャツがたなびいているというもの。プレイヤーからは「どこからツッコめばいいんだ」「なんで立ち絵だけでこんな面白いんだよ」とネタにされた。
そしてあろうことか、この立ち絵はブラッシュアップされて水着霊衣「ルルハワの鶏」として2023年水着イベントに登場。何故か鶏3体を引っ提げる羽目になってしまい、ゴーグルとアロハシャツの裾にも「円卓の皆で遊ぶため」「鶏に突っつかれた(と思われる)ため」と理由付けがされていた。
ユーザーの懸念通り、同イベント中では早々に突き抜けたギャグ要員として本領を発揮しており、説得力に欠ける格好になっていたランスロットすら絶句させている。更に劇中では主人公一行の前に「世界の破壊者、トリスタン」を名乗って泉の中から現れた。それも海女姿の新規立ち絵で。
奇行を目にした主人公、ランスロット、アルキャス、クロエは絶句し(何故かマシュだけは素直に絶賛した)、ランスロットからは「天才に常識を求めてはいけない」と言われてしまった。当のトリスタンも、身内に見られた瞬間冷や汗をかいて水着霊衣に戻っているので、余計に腹筋に悪い。
しかもこの海女姿、2024年ホワイトデーイベント導入部にて再登場している。
どうやら本人はかなり気に入っているらしく、避けられることに困惑していた。
2024年エイプリルフールでもSDイラストで堂々と着用しており、ヒトデ柄のサッカーボールを蹴っているというフリーダムぶりである。この海女姿を指してのファンからの通称は「海女スタン」。
第1部6章の悪夢の反動からか、イベントではギャグ要員になることが多い円卓の面々だが、中でもトリスタンはその傾向が最も強く、登場するたび高確率で何かしらの面白シーンが出てくるため、プレイヤーの間でも「出てくるだけで面白い男」と評されるポジションを確立してしまっている。
しかし、彼の愉快な面が描かれれば描かれるほど「こんな面白楽しい男がガチトーンで件のセリフ吐いて円卓抜けるとかもう絶望しかない」と間接的にブリテン末期のどうあがいても絶望っぷりを察して反動で曇るプレイヤーも少なくない。加えて自身の幕間の物語やイベントシナリオでの言動などから、サーヴァントとしてカルデアに召喚されたトリスタンにも第1部6章の記憶が残っており、同章で自身が犯した悪行に対する罪悪感と自己嫌悪が内心で燻っていることが見て取れる。
本来、サーヴァントが体験した物事は、消滅後に英霊の座にいる本体にも情報として還元されるものの、基本的にその英霊の思想や在り方を揺るがすほどの影響は無いことが多い。しかし聖杯大戦を経たモードレッドのように、生前の未練を完全に昇華するなどの強烈な経験の場合は、例外的に本体にも多大な影響を及ぼすことがある。彼の場合はそれが悪い意味で影響していると思われ、いかに“反転”した彼の在り方が本来の彼にとって許し難く、心苦しいものだったかが窺えるだろう。
余談
「哀しみの子」の意味を持つトリスタンの名前だが、実はこの名前、あのピクト語である。数々の『Fate』シリーズでその名を轟かせているピクト人だが、なんとトリスタンの父親がそれ。母親はトリスタンと同じ赤毛の美女だったそうな。つまり彼はブリテン人とピクト人のハーフである。
なお、そのピクト人はカエサルの強化クエストでしれっとエネミー「ピクトウォーリア」として登場している。ただし運営側も意図しない実装だったようで、24時間以内にその姿を消した(そもそも第1部6章で出すつもりがお蔵入りになったものらしい)。以降長らくゲーム中に登場することはなかったが、第2部6章の後編において、ようやく正式にエネミーとして登場と相なったのだった。
ビジュアルは伝承通り「身体を彩色し刺青を施している」が、どう見たって宇宙人的な何か。モードレッドも第1部4章」で「エイリアンみたいだった」と言っていたが、ここまでとは誰が予想しただろうか。トリスタンには見た目は遺伝しなかったようである。ちなみにトリスタンには、宇宙的恐怖を描いたクトゥルフ神話にて「ハスターの眷属であるビヤーキーに騎乗して、同僚であるダゴネット卿に貸し与えた」という逸話があるため、フォーリナーへの適性もあるかもしれない。
彼の胸には紫の傷跡っぽいものがあるが、公式絵師の森井しづきによると「過去に受けた毒の傷、もしくは張り付いた海藻という話があるとかないとか」だそう。これが公式設定なのかは定かでないが、何かしらの手がかりにはなるかもしれない。前者が公式設定の場合、傷を付けたのは同じく円卓の騎士(トリスタンとイゾルデ的にはアイルランドの騎士)マーハウスであると思われる。
アーチャークラスであるが故に「フェイルノート」が有名なトリスタンだが、もう1つ「カーテナ」と言う剣も所有すると伝わっている。剣先が折れている事から「慈悲の剣」とも呼ばれるこの剣は、シャルルマーニュ伝説においてかの十二勇士、オジェ・ル・ダノワも所有していたとされており、現在はイギリス王室が宝具(レガリア)として収蔵している。2023年5月7日のチャールズ国王戴冠式においては先代エリザベス女王以来約70年振りに日の目を見る事から大変話題になった。
DEEN版アニメ『stay night』において「王は人の心が分からない」と言った騎士(当時はこれがトリスタンだとは設定されていなかった)を担当した声優は安元洋貴氏となっている。なお、安元氏は後の劇場版『神聖円卓領域 キャメロット』において、アグラヴェイン役として出演している。
また、ファミレス「COCO'S」で行われた劇場版『神聖円卓領域 キャメロット』とのコラボでは円卓の騎士の面々がメニューの紹介をしているのだが、他の騎士が洋食を紹介している中で彼だけは何故か和食である「2度おいしい!いくら&サーモン丼」の担当であった。どこかズレた彼だからこその選出なのか、物静かな性格が和食に合うと思われたのか……真相は本人のみぞ知る、である。
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ヘルシェイク矢野:別世界のミュージシャン。見た目が似ている上に弦楽器を扱う点が共通しているため、よくパロディでネタにされる。