「雛森に血ィ流させたら てめえを殺す!!!」
「責任だけを刃に乗せて 刀を振るのが隊長だ。憎しみで刀を振るのは 薄汚れた暴力だ。俺達はそれを戦いとは呼ばねえ」
ポエム
降り頻る太陽の鬣が
薄氷に残る足跡を消してゆく
欺かれるを恐れるな
世界は既に欺きの上にある(16巻)
焼き払われた氷原に
翼の影が溶け残る
近付いても 近付いても
掌をすり抜ける 翼の影が(アニメ版千年血戦篇 第3話)
プロフィール
概要
五番隊副隊長の雛森桃は幼馴染で、西流魂街1地区「潤林安」で祖母と一緒に暮らしていた。彼女からは隊長になった今なお『くん』付けで呼ばれる。また、切羽詰った状況に陥ると幼少期の呼び名である『シロちゃん』呼びされることも。
雛森にくん付けされたり黒崎一護等に呼び捨てされたり「隊長」を付けないで呼ばれる度に「日番谷"隊長"だ」と言い返しており、アニメではある種のお約束となっている。
背が草鹿やちるに次いで低身長であり、本人も身長が伸びないことを1番悩んでいる。
その為当然ながら『チビ』と言われると同じ声の錬金術師宜しく激怒する。
猿柿ひよ里に言われた時は胸倉掴んで「オマエの方がチビだろうが!!!」とブチギレた。ちなみに彼女とは同じ身長。
おばあちゃん子で、甘納豆が好きなのは祖母の好物で昔から食べていたため。仕事熱心なのは早く終わらせて祖母に言われた「寝る子は育つ」を実施するため。
休日は祖母や兕丹坊に会いに行っている。特技はコマ回し。昔から潤林安で負けなしの強さを誇るとカラブリ+にあるも、「氷原に死す」を見るに雛森と祖母以外の住民たちからは距離を置かれてた模様。
登場初期から、外見の年齢に反して物事を冷静に見極めるクールな面が強調されており、話が進むほどに生真面目で協調性もある苦労人のツッコミ役となっていった。ただし、幼馴染の雛森が傷付けられる事態になると激情家な一面を見せる。
隊長格の中では最も若く経験値が浅いためか、劣勢に陥る描写ばかりが目立つものの、京楽春水曰く「100年すれば追い抜かれるかも」と言われる程の実力者である。
また作者によれば、護廷十三隊に入隊した時点で既に卍解を習得していたらしく、潜在能力の高さは群を抜いていることが分かる。
卍解を封じる手段を持つ滅却師に対して卍解してあっさり奪われた件については、涅マユリから「何故こちらの解析が済むまで待てなかった!! 信じられん馬鹿共だヨ!!」と酷評されたが、卍解を使わず倒せる敵でなく、いつ済むか分からない解析を待つ余裕は無い。「奪われる」と護廷側は知らなかったと致し方ない面も多い。
京楽は、解析に必要な情報が足りてるなら(マユリが)既に結論を出している。「遅かれ早かれ誰かが犠牲になるしか無かった」と達観。
卍解した理由もそれぞれ
- 日番谷「俺の卍解が封じられた時は、一緒に戦って封印を破る方法を見つけてくれ!」
- 朽木白哉「私の卍解が封じられたら、兄の卍解で倒せ」
- 狛村左陣「如何にして封じるかを見、封印を破る術を編み出す事こそが戦いの鍵となる」
- 砕蜂(おそらく三人と似た事を副官に言った後の)「だがまぁ―…封印されるより迅く殺してしまえば何の問題も無いのだがな!(アニメ版ではカット)」発言と思われる。
と、おかしくはないと思われる。
奪われて狼狽えたが、副隊長に天挺空羅で各隊長に知らせるように指示を出している点を鑑みると、一番しっかりしてる。ただし、白哉と砕蜂の副隊長は鬼道が苦手故に、指示を出せなかったのかもしれぬが。
公式Q&Aにて実は日番谷は雛森より歳上だと判明した。
上記の事から憶測だが雛森が傷付けられた際、激情したのは一護の様に妹を傷つけられた感覚に近いのかもしれない。
斬魄刀
天候を支配し氷を操る斬魄刀であり、攻撃規模と破壊力では隊長の中でも屈指のレベルを持つ。
卍解は【大紅蓮氷輪丸】(だいぐれんひょうりんまる)。
詳細はいずれもリンク先を参照。
過去
流魂街時代
潤林安にいた頃は雛森と祖母以外からは「氷のようだ」と怖がられていた。本人は髪の色か目の色か、冷めた性分からかと考えている。そういった環境で暮らしていた故か、自身を邪険にしなかった二人をとても大切にしている。
雛森が学校に入り五年たった頃に乱菊と出会い、自身の霊力を制御できないままでは一緒に暮らす祖母を殺す事になる、力の扱いを知るために死神になるよう警告された。学校に入る事を拒んでいたのは祖母が淋しがるという理由からだったが、この件がきっかけで死神になる事を決めた。
三席時代
二十年ほど前は同隊の三席で、当時隊長を務めていた志波一心(現在の黒崎一心)の部下だった。なお上司にあたる副隊長の乱菊には当時からタメ口。
一心は仕事を押し付けてくる乱菊ではなく、日番谷こそ次期隊長と持て囃していた。(なお日番谷の方が先に卍解を修得していたこともあり、一心失踪後は彼の言葉通り乱菊より先に隊長になった)
デスクワークに関してもかなりの有能さを見せ、仕事をサボりがちの一心と乱菊の代わって真面目に仕事をこなしていた。現在と比べ、言動のところどころに年相応の子供っぽさがある。
本編での動向
尸魂界篇
隊首会で初登場。市丸ギンに対して不信感を持っており、藍染惣右介が一人で出歩く際には市丸の行動を注視するよう雛森に忠告する。
藍染殺害事件が起こると、錯乱した雛森と吉良イヅルの戦闘を間に入って止める。その際、雛森に手にかけようとしていた市丸に対し「雛森に血ィ流させたら 俺がてめぇを殺すぜ」と警告している。
その後も市丸の動向を警戒していたが、改竄された藍染の手紙を真に受けた雛森によって刃を向けられる。心身ともに雛森を傷付けた市丸に激怒し、氷輪丸を解放して戦闘になる。神鎗を躱したことで背後に倒れていた雛森を危機に晒してしまうが、乱菊の介入によってその攻撃は阻止され、戦闘は中断される。
市丸の狙いが朽木ルキアの処刑にあると考え、処刑を止めるための行動を起こす中で、中央四十六室が既に全滅させられていることに気付き、そして一連の事件が藍染による犯行だと知ることになる。
雛森を用済みとして始末したこと、彼女の想いを踏み躙る藍染の言動に激しい殺意を見せ、卍解して斬りかかるも、藍染の一太刀によって一瞬で斬り伏せられる。
その後は雛森と共に卯ノ花烈の治療を受けることになる。
破面篇
日番谷先遣隊として、乱菊、ルキア、恋次、一角、弓親と共に現世へ派遣される。
シャウロン・クーファンとの戦闘では苦戦を強いられるが、限定解除により本来の力を取り戻したことでシャウロンを瞬殺する。
また、後日現れたルピ・アンテノールとの戦いでは、一時攻撃を受けて倒れるも、「千年氷牢」によってルピを氷の中に閉じ込め勝利する。
その後、井上織姫が虚圏へ拉致されると、山本総隊長の帰投命令により尸魂界へと帰還した。
彼女と卍解状態で交戦し苦戦するが、「氷天百華葬」によって氷の中に閉じ込める。ちなみに相性に関しては「私の水がお前の武器になり得るのなら、その考えに至った瞬間に逆の可能性にも至らなければならない」と彼女は語っているため、イーブンと見て良いだろう。
しかし、ワンダーワイスの援護によってハリベルは氷の中から脱出し、猿柿ひよ里と矢胴丸リサと共に再びハリベルと刃を交える。
その後、藍染がハリベルを用済みとして始末したことで、隊長たちや仮面の軍勢と共に、藍染と対峙することになる。
その際、護廷十三隊隊長としての責任ではなく個人的な憎しみによって藍染を斬ると宣言しており、「俺はてめえを斬れさえすれば この戦いで隊長の座を失っても構わねえ」とさえ述べている。大切な幼馴染を傷つけた藍染に対し、深い憎しみを抱いていたのである(事実その藍染からも「護廷十三隊の隊長の中で最も自身に憎しみを抱いている」と言い切られている事からも、その憎悪は言語に絶しかねないのは想像に難くない)。
しかし鏡花水月の完全催眠によって、不可抗力を加味しても藍染と錯覚させられた雛森を刃で貫いてしまうという悲劇に見舞われる。その事実を認識したことで錯乱し、判断力や冷静さを完全に欠いたまま怒りに任せて藍染に斬りかかるも、京楽や砕蜂らと共に斬り伏せられ、重傷を負ってしまう。
藍染との戦いの後は、今度こそ雛森を守れるよう、卍解を自在に扱えるようにするための鍛錬を行なっている。
死神代行消失篇
一護に死神の力を取り戻させるため、ルキア、白哉、恋次、一角、剣八たちと共に現世へ現れる。
完現術者である雪緒・ハンス・フォラルルベルナによってゲーム空間の中に閉じ込められるが、捨て子であることを見抜かれ動揺した雪緒の体を氷結させ、空間からの脱出方法を聞き出した。
その後は死神としての道を選択した一護の決意を見届け、「銀城の次の死神代行が あいつで良かった」と語っている。
千年血戦篇
星十字騎士団による第一次侵攻では、白哉、狛村、砕蜂と共に卍解を奪い取られてしまう。その後は卍解に頼らず戦う方法を模索する。
第二次侵攻ではバズビーと交戦。少ない氷の量でも戦えるよう、真空の層を生み出した氷の刃や、氷を細かく編み込んだ氷壁を作るなど工夫を凝らすも、圧倒的な火力を持つバズビーに敗北する。しかし浦原喜助の作り出した侵影薬によって卍解を取り戻した後は、戦いを引き継いだ蒼都を氷の紋章の中に閉じ込め勝利する。
「五芒星にしてやれなくて すまなかったな」
その後、傷つき倒れたところを、ジゼル・ジュエルの手によって乱菊と共にゾンビ化させられる。
一角や弓親、マユリの手駒となっていたシャルロッテ・クールホーンを追い詰めるが、マユリに薬を投与されたことで一時戦闘不能に陥る。
マユリによってこのゾンビ化は解除されたが、寿命は大幅に縮んだとのこと。
その後、ジェラルド・ヴァルキリー戦において、白哉、剣八と共に参戦。
そして遂に卍解を完成させる─────。
ノベライズ版
小説「BLEACH WE DO knot ALWAYS LOVE YOU」
恋次とルキアの結婚までの経緯を書いた物語。祖母と過ごす静かに過ぎてく時間に何よりの癒しを感じたり、岩鷲と会話することで、浮竹の心は人々の記憶に遺り続けていることを実感する。また、恋次とルキアの結婚報告を受け、新しい関係を築いていく二人の姿は皆の希望となるだろうと微笑むなど、「千年血戦篇」後の平和な日常の姿が見られる。
大人気
人気要素の塊なので当然ながら人気が高い。人気投票では、2回目6位/3回目2位、そして4回目でついに主人公から首位の座を奪取した。主役映画が作られているほどの人気を博す。
4回開催されたキャラクター人気投票と違い「今回ダンボール投票は全部一票扱い」な斬魄刀人気投票も「氷輪丸」が1位に輝いた。こちらも人気要素の塊なので当然の結果だろう。
「カラブリ+」で瀞霊廷内の人気が高いことが描かれている。
檜佐木修兵曰く大人気の乱菊が死神候補生に向けた一言「男女問わず大人気の日番谷隊長を1日中眺められるのは十番隊だけ!」と売りにしている。
小説だと、「(写真集)初版、一瞬で完売したんですよ!隊長が大人気で副隊長として鼻が高い」とある。乱菊による隠し撮りで、日番谷は乱菊から「重版に向けてのコメント」を求められた時に知った。
【隊長写真集】「女性死神協会」が資金調達の為に企画制作。『冬のライオン』完売→重版中。
総隊長は廃案。砕蜂(ファンクラブがある)は頓挫、藍染と市丸は中止、京楽と浮竹は完売(京楽は他より部数が少ない)。白哉(写真集を出して欲しい隊長1位)は制作が難航するも日番谷の重版完了と同時期に発売される予定。
【人気隊士グラビアカレンダー】発売中。乱菊・日番谷・白哉/ルキア(この頃は無席)・恋次・荻堂(四番隊の八席)・浮竹/砕蜂・ネム/剣八・檜佐木・京楽という面々。/の順で扱いが大きい。藍染は都合により生産中止。
【瀞霊廷通信】9月号で特集が組まれる。グラビア18ページ、雛森が語る4万字インタビュー「潤林安での日々」を掲載。
瀞霊廷通信で「華麗なる結晶」を掲載中。夏は休載。
氷で作った彫刻や椅子を掲載しており、作成した作品は抽選で進呈している人気連載。
公式ファンブック「BLEACH 13BLADEs.」において、日番谷をデザインした過程について作者が語っており「護廷十三隊側で犯人捜しをする中心人物で、ずっと登場するキャラだったので人気が出て良かった」とのこと。
関連イラスト
関連タグ
カップリング
土方歳三:名前のモチーフになったとされる。
エドワード・エルリック:中の人繋がり。低身長にコンプレックス、イケメンで幼馴染がいる、所属している組織の中で最年少で就任と非常に共通点が多い。