概要
共産党〈The Communist Party〉
この政党は、経済学者カール・マルクスおよび社会思想家フリードリヒ・エンゲルスによるパンフレット、共産党宣言において提唱された労働者党( 労働者の構成員を主とする政党 )の一つであり、最終的に労働者党を称する集団の最主流になった。共産党以外のその種の政党は、社会党・社会民主党・労働党などを名乗るようになった。
ところが共産主義の提唱者であるマルクス自身が加入することになった最初の共産党組織である共産主義者同盟自体も内紛および有力者の投獄により崩壊した経緯から、この政党自体の致命的な組織的問題があることが証明され、結局現在に至るまで解決していないと思われる。
詳細
この政党はマルクス自身の社会主義・共産主義理論に即して、世界を共産党によって一つの世界にし戦争も飢餓もなく、失業も貧富の格差もない全てが自動化された世界( ユートピア、すなわち理想郷 )の構築を目指した。
ところが、各国のこの政党の世界進出の定義および価値観の相違などで、トロツキー派による「世界戦争的な永久革命論者」や中華思想と共産主義などが融合し独自路線となった一大基盤思想である毛沢東思想他、地域に即した文化と融合した共産主義をなどを生み出してしまった。
これらの事情は共産党世界の中でも先にこの党による統一を果たしたソ連のソビエト共産党の一元化を拒む結果となり、特に冷戦のさなか、1960年代の中ソ論争後は共産党どうしが激しく対立する場面( 中越戦争などが例 )も見られるようになった。
現在各国に存在するこの政党は歴史的にみて、基本的にレーニンの作った組織の系譜に連なる組織が多い。
1918年のロシア革命後に、ロシア帝国最初のマルクス主義政党ロシア社会民主労働党のボリシェヴィキ派がロシア共産党( 後のソ連共産党 )を名乗ったのが最初であり、その以後ソ連共産党は全共産党の最前衛党の位置され、ソ連共産党とソビエト連邦の活動は全世界の共産党活動方針に影響を与える存在となり、1920年代頃にモスクワに本拠を置くコミンテルンの支部として各国に結成、あるいは社会主義政党から分派し、コミンテルンの支配下にはいったものが、1943年のコミンテルン解散後は各国で自立した政党あるいは非合法の結社となり、第二次大戦後の四半世紀アジア・東欧・キューバ・南米などに点在するソ連、あるいは中華人民共和国を基点とした社会主義・共産主義が闊歩する時代が続いた。
『究極の目標』
ソ連で掲げられた国定の一つ「唯一の共産国家を体現したとした( 建前でも )ソ連が国際行政機構のような形で人類を補完( 人類の足りないところを補う )を完遂し、科学的に自動化された戦争の起きるプログラムのない世界を築くこと。」と思われる。
現在の共産党
現代において各国のこの政党は、上記および下記の歴史観に付いては封印的で、権力側を是正する性格の政党として連立政権に参加している党、野党、議員を出したこともない市民団体同然の党などに縮小化した。しかし以前として中国、ベトナム、キューバなどにおいてはこの政党による一党独裁政権となっている。しかし中国共産党などは事実上資本主義導入の旗振り役と化しており、政党の名称が「共産党」というだけの存在に近いが、やはり世界一ガチガチの政党である。
また、一部の国では連立政権に参加することがある。ネパールにおいては毛沢東主義を標榜する政党とマルクス・レーニン主義を標榜する政党が連立したりしている。またキプロスやモルドバにおいては与党となっても極左的な政策をとらなかったとされる。
欧米
欧米、特に西側諸国におけるこの政党状況はさまざまである。
東側諸国においては共産党は一党独裁を行っていたが、東欧革命による民主化によりこの種の政党( 共産党と名称につかない政党が多い )はほぼ解散し、一部は社会民主主義政党に転身している( なおルーマニア共産党は廃止された )。共産党として残存し議席を残す政党はロシア連邦のロシア連邦共産党、チェコのボヘミア・モラビア共産党などが存在する。
ドイツの場合この政党はかなり有力となったがナチスにより解散および結社禁止となった。その後東ドイツでは後に同様な状況となるドイツ社会民主党と合併しドイツ社会主義統一党が成立、独裁を行った。この政党はドイツ統一の際、民主社会党と変更するも選挙で敗北、他党との合併を経て左翼党となる。西ドイツでは復活後は一定勢力は保持したものの、1956年に解散させられた。1968年に同名の政党が成立するがこれは議席を獲得できない政党となっている。
フランスのこの政党( フランス共産党 )が一時は有力で政権に閣僚を出したこともある。ただし近年においては他の政党と統一戦線を組んだり、内紛の影響もあり油断できない状況である。
イタリアのこの政党はファシズム政権に弾圧されたがムッソリーニを打倒したパルチザンの中心であったり、東側諸国の支援もあり西側諸国では最も有力な組織であったが、1970年代に東側勢力との決別やこれまでの敵との融和政策をとった( ユーロコミュニズムといい、フランス、イタリア、スペインで同様の状況となった )もののカトリック教会やアメリカ合衆国の意向を受けた右翼により活躍できず、ソ連共産党の崩壊とともに政党は実質上の解散し、社会民主主義政党( 民主主義における中道左派思想であり、共産党よりも穏健な改良主義である )に衣替えしたが、近年再建を目指す勢力が結集している。
スペインのこの種の政党は連立政権により政権を担ったがその後クーデターにより政権を奪取したファシストであるフランシスコ・フランコにより非合法化された。その後1970年代において合法政党としての権利を勝ち取ったものの、レーニン主義の破棄などのため政党が分裂状態となり、スペイン社会労働党以外の左派政党と統一会派を組んでいる。
ポルトガルもスペインなどと同様、サラザールに弾圧と抵抗後、政党として復帰したが、この国のこの政党に関しては社会主義政党の分派ではなく、無政府組合主義運動から始まったことと、分裂状態になっていないこと、マルクス・レーニン主義を理論的基盤に置くこと、衰退したといえかなりの影響力を持つことがあげられる。
イギリスにおいてはグレートブリテン共産党が1920年代に設立され、下院に議席を有したが、第二次世界大戦後は冷戦の影響もあり低迷、分裂したのち1991年に解散。
アメリカ合衆国にもアメリカ共産党がいちおう存在し、黒人の権利擁護運動に大きな役割を果たした歴史があるが、1950年代に政党として非合法となり、現在ほとんど影響力を持たない。
テロリストとしての共産党
この政党の初期の主張、武装革命が唱えられ、さらにマルクス・レーニン主義では当初永続革命論( 政権の維持には継続した革命の維持が必要とする論 )や革命的祖国敗北主義( 国難にあう際には挙国一致で挑むのではなくむしろ戦争を妨害し革命の発生を誘発させる )が唱えられた。
これらはのちに修正されることになるが、一部の信者はまだこの思想を捨てきれておらず、過激派となる事例が報告されている。また非共産主義国家において、暴力的な手段により資金の調達を行ったり社会の変革を求めるためにテロを起こす場合が存在する。
さらに、政府による弾圧がある場合など政党や政党の戦闘部隊がゲリラ化する場合も存在する。
この状況は特にアジアに見られ、フィリピンやインドではいまだこの種のゲリラが活動している。
また日本国における極左暴力集団や過去の日本共産党、海外勢力である朝鮮労働党の工作員による拉致問題などもその一例であろう。
特徴
イメージカラー
ソ連共産党タイプの『共産党』のイメージカラーは赤である。なお『☭』マークとシンボルカラーの『レボリューションレッド』はスターリンが発想した。
基盤思想
【スターリンによる〈マルクス=レーニン主義モデル〉の共産党の場合】
- 科学的社会主義
- 唯物的弁証法
- 機械論
- 無神論
- 唯物的歴史論
- 職業革命家
- 前衛党理論
【社会主義国】
- プロレタリア独裁・民主主義
- 民主集中制
- 直接民主制
過去の政策
- 民主集中制による党運営
- 党の行動計画から『逸脱して』はならない。逸れたら粛清の対象
- 『政治局』( ポリトビューロ )はレーニン率いるボリシェビキの伝統的革命指揮組織であり『共産党員』には絶対的な存在
- ただし日本共産党など、一部の政党には存在しない
- 政治局は『全会一致』が原則。
- 政治局は常に運営。
- 『共産党大会』が最高の機関。
- 『党大会』は数年に一回。(指導者の権力度が高いほど、開かれない)
- 『党大会』以外の代行機関は『中央委員会(中央委)』である。
- 『中央委員会』は大体、月一回。
- 『中央委員会委員』『その他党員』らの行動日程は『書記局』が決める。よって共産党運営は書記局の『書記』が握る。
特に以下は過去のものとなった。
- 科学的社会主義に沿った上での政策がなされる。
- 『邪悪な階層』『社会民主主義』『国家社会主義』らの修正主義は廃絶する。
- 社会主義国家では共産党体制は最高の統治体制である。
市場経済
- すべての経済活動( 市民の生活行動 )は共産党により計画されていた。
- そのため硬直性を示し特に気象条件がかかわる農業分野においては脆弱な面を見せた
- 『社会主義市場経済』など新制度による、自由な経済活動が可能になったが、本当にある程度である。
労働者独裁民主主義( プロレタリアデモクラシー )
概要
労働者が革命を起こし、政権を掌握した後に適した政治体制、労働者政権( 共産党政権他 )に全てが一元化されており、労働者政権( プロレタリア独裁 )に参与するために人民から均一に選挙を行うとする民主主義。労働者政権と世界全てを一元化する組織としては『ソビエト』が妥当だとされたが、『ソビエト』設置が困難、あるいは、ソビエト連邦の統制を嫌う場合、ソビエト世界に移行する前段階として『人民民主主義』をとる、この場合共産党を支援する異なる個人や団体をある程度許容するとの建前であるが、現実的には共産党の独裁であり、弾圧された。ソビエト連邦やその他社会主義諸国も『民主主義』は行っているとしたが、アメリカのような民主政治とは程遠い代物だったことは言うまでもない。
しかし、最後の赤い皇帝ゴルバチョフ書記長の超越的な開放的改造が成功し共産主義特有のガチガチが消滅していた場合、『共産主義版アメリカ合衆国』的な世界か、フランス共和国並みの自由さを持つ共産主義建前の民主的社会を持つ国家にソビエト連邦が脱皮した可能性があり、そしてもっと理想的な場合、アメリカ・ソビエト・ヨーロッパ地域にわたる前人未到の国家連合( 創作にてよく登場する地球連邦に近い組織 )が成立していた可能性があり、これだけの勢力になった場合、世界最大人口との最大の共産党組織の圧倒的な組織力を持つとされる中国共産党・中華人民共和国だろうが膝を屈さざる得えないだろう。
しかし、その場合レーニン・スターリンが完全に過去の存在に追いやられたに違いない。意外に共産主義者はスターリンなど独裁者的革命家に愛着が強い傾向がある。結局、改革は超絶な瓦解をはじめソビエト連邦とソ連共産党は吹っ飛んだ。
その他
【追記】
人類補完計画……アニメ新世紀エヴァンゲリオンでの設定の一つ。人類の足りないところを補い( 全ての生物を )一つにすると言う思想だが、なかなか難しい。共産主義も本質的に人間を含めてすべて一つの生命体にするという考え方がある。
ニュータイプ・・・歴史的経緯的に、なぜだかは不明だけれど。初期の共産主義・社会主義運動は後世で一級の芸術家・哲学者などが参加した。他、スターリン的な、圧倒的な強者的独裁者のイメージと共にこの思想が語られる一方で、奇妙なのはなんとなく美少年的なイメージを持ってを感じる知識人がいたという事実。
個人的な考察であるが、コミュニズム( 共産主義 )も元をたどればプラトン( 古代ギリシャの哲学者、彼の思想は西洋哲学の主要な源流とされる )などの古代ギリシア哲学の系譜を踏襲しているところがあり、妄想的なところがある( プラトンが考えていたイデア論のイデア( 形 )は美少年的な妄想に近いとされる、ギリシア時代は少年愛が一番ステータスが高かったことも影響があるのかもしれない)。
もともと、冷戦時代でも共産主義が出来る人間というのは超人とかリアルチートじゃないと無理とか言われることがあった、なのでこの場合に沿うとガンダムに出てくるような新人類的な人々( ニュータイプ )的な要素を持つ人にふさわしいのかもしれない、けれど共産主義・社会主義は倫理観人道面で無軌道なところがあるため実際のソーシャリズム国家の場合は生まれながらにニュータイプ人類を持つより、強化人間や人工ニュータイプなどのように『創ってしまう』と思われる。
関連タグ
各国の共産党
ピクシブ百科事典に存在するもののみ。
中国共産党 キューバ共産党 ベトナム共産党 アメリカ共産党 日本共産党
過去の組織
芸術家
ピカソ……ピカソ自身が自分が書く絵は『共産主義』の絵だと公言した。しかしピカソ自体は共産党に入っても五年で辞めた。
手塚治虫……なんとなく、国際機関の設定がこっちぽい。
思想
関連人物
レーニン スターリン 毛沢東 ホー・チ・ミン カストロ ポル・ポト