pixivでは「prime」の文字でタグ付けされていることが多いので、トランスフォーマーとprimeでアンド検索も併せれば確実にイラストを探せる。
概要
アメリカで制作されたCGアニメーションで、原題は『Transformers: Prime』。アメリカの子供向け放送局『Hub』の開局と同時に放送されており、2010年11月から商業展開されていた。日本では2012年4月7日から2013年3月30日まで、テレビ愛知・テレビ東京系列で土曜朝8:00から放送されていた。
『トランスフォーマー』シリーズとしては、『ビーストウォーズ』シリーズ以来のフルCGアニメであり、日本では『アニメイテッド』から一年半ぶりの新シリーズとなる。アメリカ発の作品ではあるが、アニメーション制作には日本のポリゴン・ピクチュアズが携わっている。
吹き替え声優は独自の布陣で揃えられているが、原語版ではプライムにピーター・カレン、メガトロンにフランク・ウェルカーと、元祖ヴォイスアクターが担当することになったことで話題となった。
作風
キャラクターデザイン
『アニメイテッド』と同様カートゥーン調のややデフォルメが効いた体形だが、ディテールは細かい。更に以下のように実写映画版を意識した設定が多く導入されている。
- オプティマスのビークルモードがボンネットタイプのトレーラー
- 発声機能に異常をきたしたバンブルビー
- アーシーのビークルモード時に、ライダーのホログラムが映し出される
- 故郷「サイバトロン星」の末路
同じく顔のデザインに関しても比較的人間に近づけたパーツ構成がなされており、特に強調された眉毛状のパーツがその表情を豊かにするのに大きく貢献している。
シリアスなストーリー
放送形態の違いから、前作『アニメイテッド』に比べシリアスなストーリーが展開し、TFの破壊シーンを爆発でごまかすのではなく生々しく描くなど過激な演出も多い。台詞の端々にジョークを挟みつつも全体的にはごくまじめに話が進んでいくあたりは、G1シリーズを始めとする「いつもの」トランスフォーマーである。
オートボットよりだった前作と比べるとディセプティコンのメインも描かれており、原点回帰に近い。その一方でいがみ合いが多く、大半はロクでもない連中が多数存在する
また、『トランスフォーマー』シリーズはアメリカでは日本の『機動戦士ガンダム』並みの知名度を誇るために幅広い世代のファンを擁するが、日本では主に児童向けアニメとして扱われており、タカラトミーもそこで押したいという思惑があった。そういった背景から、本来のハード路線のストーリーを低年齢層向けに改変してマイルドにしているため、説明不足や矛盾が生じ、ややカオスな展開となっている。また、音響監督である岩浪美和曰く「オートボットは真面目に、ディセプティコンはおふざけOK」という指針にしているようで、オートボットは可能な限り本編中のアドリブは避けている(ラチェット等を除く)が、ディセプティコンは(一部を除き)本家から外れないレベルで非常に自由なキャラ付けとなった。
アームズアップ
今作のトランスフォーマーは戦闘の際にブラスター(銃)やブレード、ハンマーといった武器を展開するが、日本語吹き替え版では武器展開時に「アームズアップ」という掛け声を発するようになり、彼らの使用する武器はアームズマイクロンという小型のトランスフォーマーが変形しているという設定が加わった。
これらは日本での玩具展開に合わせて新たに作られた設定のため、ディセプティコンの幹部級の多くはアームズアップせずに、手持ちの武器や外装された火器を用いるなど無理のある描写も多い。
日本版独自のコーナー
番組後のミニコーナー『アームズマイクロン劇場』と東京女子流が進行役を務める『サイバトロンサテライト こちらトランスフォーマー部』は、過激すぎて日本ではカットになったシーンの穴埋めも兼ねている。
『アームズマイクロン劇場』に登場するマイクロン達はそもそも本編に出てこないが、これは玩具の日本独自展開である為。ちなみに北米で販売されているのに日本では見送られる、逆に北米で玩具が販売されていない、本編に一切登場しない玩具オリジナルのTFが発売されるような事もTFシリーズでは何ら珍しい事ではない。
続編
原語版においては第52話でシーズン2は一応の区切りとなっているが、日本語版では同話が事実上の最終回とされており、そのため話がオートボットがディセプティコンに追い詰められて仲間が散り散りになった所で終わってしまうという非常に後味の悪い結末になっている。しかもラストシーンが一部編集されており、原語版でのオートボット基地崩壊までのシーンがカットされ、オプティマスが基地のグランドブリッジシステムを破壊しようとした所でエンディング入りとなっていた。一応、ビーストウォーズと同様にナレーションによるフォローはある。
後に海外ではシーズン3として『ビーストハンターズ』も放送され、更にOVA『プレダコンライジング』も製作されたが、これらのシリーズは2020年現在も日本での放送や発売は未定のままである。
なお現状は吹き替え出演者の相次ぐ急逝(藤原啓治、石塚運昇、中村秀利)という不幸に見舞われてしまった。しかもそれぞれ以降のシーズンに出番のあるキャラの担当で、特にメガトロン役である藤原の逝去は敵のボスということもあり致命的な出来事であった。
これにより日本語吹き替え版は実質不可能に近いレベルになってしまった。
日本では放送が見送られた『ビーストハンターズ』に代わり、シーズン3以降のシリーズは『参乗合体トランスフォーマーGo!』としてリニューアルされ、日本オリジナル商品を交えての独自展開として継続された。アニメはTV放送や動画サイトでの配信ではなく、小学館や講談社より発売されている学年誌に付属するDVDに収録されており、「てれびくん」には侍チーム編、「テレビマガジン」には忍チーム編がそれぞれ収録されている。
2015年3月には、本作をはじめとするプライムシリーズの続編にあたる『トランスフォーマーアドベンチャー』(原題:Robots in Disguise)が日米で放送された。続編における出来事もそのまま説明せず盛り込んでいるが、そちらの情報を知らない人でもわかるように前作との関係はぼかされている。
因みに本作以降トランスフォーマー市場は日米問わず急速な冷え込みを見せた。これでもプライムはマシな方ではあるが、アドベンチャー以降は配信形態やプロモーション不足などが明確となっていく。よってトランスフォーマーのアニメは放送・配信こそするも人気・売り上げ不足で完結編である最終シーズンが未放送のまま終わる形が常態化してしまい、一番売り手として想定している子供からの支持を失っている。それでも本作を含めて吹き替え版を望む視聴者、ファンの声は決して少なくない。
ストーリー
自由と平和を望むオートボット、戦いや宇宙支配を求めるディセプティコン、両者の戦いは激化し、とうとう母星であるサイバトロン星は滅亡してしまった。
2つの勢力の残党は宇宙各地に散らばっていき、オートボットのリーダーであるオプティマスプライムは仲間達と共に地球に潜み、アメリカ政府とコンタクトを取りながら来たるべきディセプティコンとの戦いに備えていた。
しばらくして、ディセプティコンが3年ぶりに活動を開始。戦いの最中オートボットは仲間を一人失ってしまい、更には地球人の子ども達に存在を知られてしまう。オプティマス達オートボットは子ども達と協力して、ディセプティコンの魔の手から宇宙を守るべく立ち向かう。
地球を舞台に再びオートボットとディセプティコンの戦いが今、勃発する!
登場人物
キャラクターの詳細については各リンク先の記述を参照。
オートボット
サイバトロン星からやってきた平和と自由を愛する集団。地球を第二の故郷として、母星の二の舞としないため、ひいては地球人との共存のためディセプティコンと戦う。
CV:ピーター・カレン/吹:森川智之
オートボットの総司令官。ボンネットタイプのトレーラートラックに変形。デザインは実写映画版に近いが、こちらは逆三角形な体型になっている。
自由と平和を愛し、冷静沈着で理知的な性格だが、戦場では鬼神のごとき戦いを見せる。かつてはオライオンパックスという名前で、情報収集員(トランスフォーマーの歴史を記録する仕事)として働いていた。
群像劇という形を取っているTFシリーズだが、総司令官の例に漏れず主人公的な立場にある事が多い。
本編では非常に真面目に進行しているが、遊びが許されている番宣でのトークでは非常にはっちゃけている。何故か「ういろう」を推したり(一応テレビ愛知製作のためと思われる)、「てへぺろ!」とやけくそ気味に恍けたり、「プライムって昔コンボイって名前だったよな」というラチェットの指摘を断固否定する姿が見られた。
CV:スマリー・モンタノ/吹:伊藤静
オートボットの紅一点。バイクから変形するが、実写映画版のような一輪車体系にはならない。デザインは女性的かつ流線型を中心とした細身なデザインで、メインキャラの中で一番小柄。
普段はパートナーであるジャックの愛車として行動を共にしている。オートボット戦士である事に誇りを持っている為かプライドが高く強気な性格で、地球人の少年であるジャックに対しても最初はつっぱねた態度を取っていたが、徐々に友情を育んでいった。元ディセプティコン戦士であるエアラクニッドに戦友のテイルゲイトを殺された暗い過去を持ち、仇を狙っている。
CV:なし(ラストシーズンのみウィリアム・フレンドル)
オートボットの少年兵でアーシーの次に小柄。ロボット・ビークルモード(アーバナ500)ともに実写映画版を踏襲した外見になっている。
サイバトロン星におけるタイガーパックスでの戦闘で、メガトロンの拷問によって音声回路を壊されたらしく、言葉を発する事はできない。そのため普段は機械音によってコミュニケーションを取っている。また、非常に表情豊かで人懐っこい。メンバーの最年少とのことだが、後に加勢するスモークスクリーンとどちらが年下なのかは不明。
日英ともに声はない。原語版ではラストに発声したが、日本語版では深夜スペシャルで設定を守らず唐突に声を出し、ラチェットに叱られる場面が描かれた(演じた声優は不明、恐らくミコ役の古木のぞみか)。
CV: ケビン・マイケル・リチャードソン/吹:長嶝高士
巨漢のオートボット戦士。SUV(スポーツ用多目的車)に変形。『アニメイテッド』のアイアンハイドに似ているのは、元々あちらのアイアンハイドの海外名が「バルクヘッド」だったからであり、本作でようやく原語版に合わせられた形である。
豪快、ガサツ、少々乱暴と見た目通りの性格だが、気さくで面倒見の良い兄貴分な一面もある。当初は「子供は苦手だ」と言っていたが、パートナーである地球人の少女のミコとは馬が合ったようで、後に家族同然の信頼を築く。
戦闘では巨体とそれに見合った防御力・パワーを活かしたダイナミックな戦いで敵を捻り潰す。ウォーブレークダウンとは宿敵の関係であり、互いに決着を付ける事を望んでいる。
CV:ジェフリー・コムズ/吹:飛田展男
オートボットの軍医兼技術者。例年通り救急車に変形。真面目で几帳面な性格だが、一度突っ走ると暴走してしまうタイプ。気難しい面もあり、当初は子供達の存在を誰よりも煙たがっていた。軍医という立場でちゃんと治療もしているのだが、どちらかというと技師としての面が強く、基地のメカニックの整備や改良等は全てラチェットが手掛けている。
オートボット内では古参のメンバーであり、オプティマスとは古くからの友人関係である。他のメンバーが知らない彼の過去を知っていたり、戦場に向かう彼に対し、必ず帰ってくるようにと言葉を投げかけるなど、お互いに強い信頼関係を持っている。日本語版では気難しい性格が子供受けしにくいことから、オートボットでは珍しく飛田展男によるアドリブを始めとした脚色が許容されていた。
CV:ノーラン・ノース/吹:興津和幸
オートボットの中でも精鋭とされるエリートガードの戦士。サイドドアに「38」のナンバーが刻まれたスポーツカーに変形。勇気と使命感にあふれた熱血漢だが、どこか子供っぽいお調子者という典型的なルーキーキャラ。功名心も強く、後方の指示を聞かずに独断で行動する場面も多い。器用された経緯もあって、興津が直近で演じていたジョナサン・ジョースターのネタが多い。
CV:ドウェイン・ジョンソン、ビリー・ブラウン(43話)/吹:杉山紀彰
オプティマス達と共に地球で活動するオートボットの戦士。マッスルカーに変形。旧来のファンならば期待通りのアグレッシブな性格である。お喋り好きで、仲間とはぐれた時でもお喋りを絶やす事は無かったという。
本作では一番最初に登場するキャラクターで、更に日本語吹替版では自作とおぼしき「クリフジャンパーの歌」(仮称)なるものをのっけから熱唱したりとやたら目立つキャラだったが、1話の冒頭でディセプティコンに捕まり、弱ったところをスタースクリームによって殺害される。その後はテラーコンとして亡骸を弄ばれてしまう。
43話でも回想シーンで活躍する。
CV:ジェイムズ・ホラン/吹:泰勇気
オートボット内でも勇名を轟かせている歴戦の戦士。スポーツカーに変形する。自身を「拙者」と呼び、言葉尻に「~で候」と付ける時代劇のような古風な台詞回し。二振りの日本刀を握り、敵陣へ切り込み敵を斬り伏せる。
元はオートボットの別動隊レッカーズのメンバーで、バルクヘッドとは兄弟分の関係にある。精鋭部隊出身だからかプライドが高く、最初はオプティマスを見くびっており指示にも従わなかったが、戦いを共にするうちに指揮官として認めるようになる。
ホイルジャックといえば数多くの危険な発明品を産み出し、敵味方双方を混乱に陥れるマッドサイエンティストなG1版が有名だが、今作では科学と全く縁が無い侍キャラである。なんでこうなった。
初登場シーンで暴れる前に発した「推して参る!」は演じている泰勇気のアドリブとのこと。
CV: ジョシュ・キートン/吹:石上裕一
サイバトロン星で戦っていた時のアーシーの戦友で、エアラクニッドに捕らえられた末に殺された。活躍の場面どころか姿すらよく分からなかったが、海外ではEZコレクションのクリフジャンパーを色替えした玩具が発売されている。
CV:ジョージ・タケイ/吹:有本欽隆
最初の13人のプライムの一人であり、オプティマスの師匠。ちなみにアルファトライオンは、G1シリーズのアルファートリンの海外名でもある。
予知能力でもあるのか、オートボットが地球に流れ着く事を予見しており、未来の為にアイアコンの遺産を地球に送り飛ばした。ストーリー中盤はこれらの遺産の争奪戦が世界各地で繰り広げられるが、正直、良い迷惑である。
ディセプティコン
サイバトロン星を破滅に導き、それに飽き足らず地球のエネルゴンをも狙う悪の軍団。現在はサイバトロン星が崩壊しているので何とも言えないが、一応はサイバトロン星の軍事独裁政権に基づく「正規軍」である。
CV:フランク・ウェルカー/吹:藤原啓治
ディセプティコンのリーダーであり破壊大帝。地球のビークルはスキャンせず、サイバトロンジェットに変形する。デザインは実写映画版を踏襲した刺々しい外見だが、台形な頭部はG1メガトロンを思わせる。またオプティマスと同じくマッシブな体型。
性格は正に実写映画版メガトロンと言ったところで、冷徹にして残虐非道。戦いと力こそ全てと考えており、弱者の事など何とも思わず、自らの覇権の為にはあらゆる犠牲も厭わない暴君。乱暴で粗野に見えるが、実際は権謀術数に長けており、力押しだけで無く細菌兵器の開発など、あらゆる方面から宇宙支配を目論んでいる策士でもある。
戦闘能力はトップクラスであり、オプティマス以外のオートボット戦士が束になって挑んでも敵わないほど。かつてはメガトロナスという剣闘士で、圧倒的な強さで人々を魅了し、理想を叫び目指す姿で多くの支持者を得ていた。
CV:スティーヴン・ブルーム/吹:鶴岡聡
F-16風の戦闘機に変形。詳細は単独記事を参照。かいつまんで書くと、性格はテンプレ通りのスタースクリームで愚か者。ディセプティコンのナンバー2にして自称ニューリーダー。しかしその性格は歴代でも特に卑劣漢の極みと言える一方、そのデレっぷりも歴代随一。
CV:フランク・ウェルカー/吹:なし
ディセプティコンの諜報活動担当。RQ-4風の無人偵察機に変形。初代アニメやメルセデスな実写映画版に比べてかなり細身な体型。
メガトロンがまだメガトロナスと名乗っていたころから、右腕として活躍していた古参の戦士であり腹心の一人。その忠誠心と優秀さはメガトロンも高く評価している。無機質・無感情だが、時々他者の会話を録音して流す事でコミュニケーションを取っている。顔の部分はモニター状で、映像や音声の波形などを映す事が出来る。
CV:デビッド・ソボロブ/吹:三宅健太
ディセプティコンの科学者。階級はスタースクリームよりも上。デザインはだいたい例年通りで、左腕のキャノン砲や大きく迫り出た胸部も健在だが、実写映画版よろしく単眼が強調されている。優秀かつメガトロンに忠実な点も相変わらずである。
その巨体に似合わず極めて冷静かつ論理的な合理主義者。恐怖の脳内侵入プログラムを開発したり、戦争で失われた技術「スペースブリッジシステム」を再現できるほどの優れた技術力を持つ。戦闘もめっぽう強く、銃撃が全く効かない頑強なボディを持つクリフジャンパーを一蹴し、アーシーを片腕で投げ飛ばすなど、メガトロンの部下の中でもトップクラスの実力。日本語版は「ショック」が口癖で、事あるごとに呟いている。
本作ではビークルモードに変形はしなかったが、続編の『ビーストハンターズ』ではエイリアンタンクへの変形を披露している。
CV:リチャード・グリーン/吹:岩崎征実
G1シリーズではIDWコミックや玩具のみのキャラクターだったが、本作で遂にアニメデビュー。
地球で眠っていたディセプティコンで、スタースクリームにより蘇生された。気が遠くなるような年月が経った今でもメガトロンへの忠誠心は変わらない。当初はビークルモードを持っていなかったが、オートボットとの戦闘の最中に飛来したF-35風の戦闘機をスキャンする。「よっしゃ~い」が口癖。
CV:トニー・トッド/吹:岩崎征実
ホイルジャックと戦闘中に地球へ飛来したディセプティコン。スカイクエイクの双子の兄で、スカイクエイク同様メガトロンへの忠誠心は高い。粗暴な弟とは違い、冷静な策士である。また、エネルギー砲やお手製と思われる時限爆弾を多数所持している事から、パワーと知略を兼ね備えた戦士である事が伺える。
お約束なのか、オートボットの援護をしていたファウラーのF-35風の戦闘機をスキャンする。
メイクシフト
CV:ケビン・マイケル・リチャードソン/吹:泰勇気
他人に擬態する能力を持つディセプティコン。ホイルジャックに変装してオートボットの基地に潜入し、基地の場所を盗み取ろうとした。本当の姿は不明。
CV:ダラン・ノリス/吹:増谷康紀
スタースクリームが(不本意ながら)メガトロンを治療するために呼び寄せた軍医のディセプティコン。ただし、勤務態度は悪く、本人の弁では「治すより解体の方が専門」との事らしい。
性格はキザで軽いナンパ男。そして極端なまでのナルシストである。変形する際にも「美しく」と自身を称賛している。自分の姿を究極の美としており、そのボディに傷がつく事を嫌っている。その為、傷をつけた者は徹底的に痛めつける。
軍用兵器に変形するディセプティコンとしては珍しくスポーツカーをスキャンしており、スタースクリームにもその事を咎められているが、本人は全く意に介していない。スタースクリーム程ではないがメガトロンへの忠誠心は薄く、その恐怖政治に従っているだけである。
CV:アダム・ボールドウィン/吹:伊丸岡篤
メディックノックアウト共々召集されたディセプティコン。耐地雷待ち伏せ防護車両(MRAP)風の装甲車に変形する。
破壊を最大の喜びとしている見た目通りの乱暴者、日本語では決め台詞として「壊すのだぁーいすき!」がある。相手を壊せる戦いの時はテンションが上昇しまくっている。メディックノックアウトの右腕のような存在で、彼とは常に行動を共にしている。バルクヘッドとは因縁浅からぬ関係でもあるようで、自らの手で壊す事に固執している。
CV:ジーナ・トーレス/吹:柚木涼香
かつてディセプティコンに属して戦っていた蜘蛛女。背中に蜘蛛の節足を備えており、足を格納して大蜘蛛のバケモノ「アラクネ」のような姿になる。地中潜航能力を持ち、逃走や奇襲攻撃に活かしている。
しばらくディセプティコンからは離れており、宇宙を旅しながら訪れた星の原生生物を狩猟し、コレクションしていた。狩りを楽しむかのように相手を追い回す・言葉で相手の心をなぶっていくなど嗜虐性も非常に強いが、メガトロンの事は嫌っている様子。
地球ではメックのアジトを襲撃したファウラーの戦闘ヘリをスキャンしているが、自身は何故かステルスヘリにトランスフォームしている。
担当声優の柚木涼香は、『ビーストウォーズ』のブラックウィドー、『アニメイテッド』のブラックアラクニアを歴任してきた「蜘蛛女担当」として知られる。そのせいかアドリブもやりたい放題。メタ発言はもちろん、映像で口は動いていないのに喋っているシーンも多い。
CV:スティーヴン・ブルーム、ケビン・マイケル・リチャードソン/吹:泰勇気
ディセプティコンの一般兵。TFには珍しいヒーローもの・巨大ロボットものにおける、戦闘員や量産型ロボットのポジション。ビーコン(Vehicons)の名は『ビーストウォーズリターンズ』にて登場しているが、そちらは軍団名を指す言葉であり、日本語の表記は「ヴィーコン」となっている。
スポーツカーとジェット機に変形する2タイプが存在するが、タイヤや翼の有無を除きロボットモードはほぼ同じ外見。プログラムによって動いているものの個性のようなものはあり、戦闘員・警備兵・オペレーター・エネルゴン鉱山作業員と能力に差もある。また、鉱山での労働や戦艦ネメシスの操艦を行う非戦闘タイプの「マイナー」や銀色のボディカラーを持つ飛行タイプの「ジェネラル」も存在する。
口がマスクタイプのデザインのためアドリブが入れやすく、日本語版は英語版より口数が多くなっており、スタースクリーム相手に失礼なことを吐いたりする。インセクティコンが幅を利かせている状況には不満を持っている模様。
CV:フランク・ウェルカーほか/吹:加藤賢崇
ヘラクレスオオカブトかゾウムシに近い甲虫に変形するディセプティコン。ロボットモードは下半身に対して腕が大きくゴリラのようなモンスター体型である。野獣のごときパワーを誇り、メガトロンとも互角にやりあえるほど。
サイバトロン星でのディセプティコンの本拠地・ケイオンで休眠中のまま放置されており、このうち一体が活動を再開し、拠点の防衛任務に就いていた。実は別個体が地球に大量に生息している。
TV画面からは変形プロセスが全く読み取れない。シリーズ恒例のタカラに対するハズブロの無茶振りである。
ハードシェル
CV:デビッド・ケイ/吹:岩田光央
メガトロンの「一番強いヤツ、出て来いや!」という問いに名乗りを上げたインセクティコンの一人。全身に傷(もしくはタトゥ)が走っているインセクティコンのリーダー的存在で、彼らからは「親方」と呼ばれている。
言葉を話すという点では本家の海外版と変わらないが、落ち着いた口調の英語版に対してこちらは柄の悪い口調で常にブツクサと小言を呟く。獰猛かつ残忍な性格であり、これまで多くのオートボット戦士を殺してきた。好戦的だが戦闘に関する知識も持ち合わせており、当然戦闘力も高い。
中の人は『ビーストウォーズメタルス』のシルバーボルト、『スーパーリンク』でロードバスターを演じた岩田光央。着払いに関する不満などストーリーとはまったく関係ない中の人の出来事まで喋ったりもしている。台本に無茶ブリでも書かれていたのだろうか?
因みに原語版では「一番頭の良い奴は誰だ」と問われて登場しており、インセクティコンでまともに喋れるのは彼だけである。
スタースクリーム・クローン
CV:スティーヴン・ブルーム/吹:鶴岡聡
「俺がいっぱいいたらなぁー」というスタースクリームの発想で産まれたクローン。5体作られたクローンという点では『アニメイテッド』の「イケメンズ」と共通しているが、あちらはそれぞれ個人名があり、見た目も全く違う。
輸送船ハーベンジャーの船内にあったプロトフォームに自分のエネルゴンを注入して生み出された。全部で5人おり、外見・性能・性格共にオリジナルとほぼ一緒である。また、この頃はある事情で変形できないオリジナルと違い、戦闘機に変形し飛行出来る。
クローン間の仲間意識は強く、喋り方は「~だす」「~だっぺ」で、どこか田舎臭い。クローンの感覚や思考はオリジナルと繋がっており、クローンがダメージを受ければオリジナルも痛みを感じる。
戦艦ネメシス
CV:不明
ディセプティコンの旗艦であり、移動する本拠地。宇宙空間・大気圏内であろうと問題無く航行可能。エネルゴンを動力源とし、最新テクノロジーによって作られた数々の兵装を装備している。ステルス迷彩機能を搭載しているため、電子機器・目視共に捉える事は難しく、侵入は非常に困難。
・・・・・・のはずなのだが、劇中では度々オートボット陣営の侵入を許している。明らかに初代におけるアークポジション。甲板に直接乗り入れられたり、ステルス機能が作動していない隙を突いてグランドブリッジで侵入されるのは序の口として、あろう事か積荷のエネルゴンに混ざったバルクヘッドを回収してしまったり、帰還する兵士の中に離反したはずのスタスクが交じってたりする事もあった。
まさにザル警備。
ダークエネルゴンを注入された時には自我が宿り、更には武装までパワーアップし、高度な暗号をあっという間に解読するほどの知能を獲得していた。オートボットのみならず主であるディセプティコンにまで反逆を企て、新兵器の力で一時は両軍団を沈黙させる事に成功。そのままアイアコンの遺産を独り占めしようとするが、子供達の活躍によってダークエネルゴンを全て取り除かれ自我は消滅している。
その他キャラクター
CV:ジョン・ノーブル/吹:中村秀利
トランスフォーマーの伝説の中に登場する神。創造神プライマスと対を成す破壊神であり、長きにわたってプライマスと覇権を賭け戦ってきた。最終的にプライマスが産み出した13人の初代プライムの前に敗れ、広大な宇宙に追放される。以降は行方不明となり、トランスフォーマーの間では神話上の人物とされていた。邪悪な力が宿るダークエネルゴンはユニクロンの血液である。
CV:ピーター・カレン/吹:森川智之
ウォーブレークダウンの遺体を解析して得られた技術と、スタースクリームのトランスフォーム・コグ(トランスフォーマーの変形に必要な「機械の臓器」、惑星サイバトロンの技術でも複製できない)を用いて、テロ集団メックの手により複製された偽オプティマス。
メックの「キメラ計画」によって生み出されたロボットで、見た目はオプティマスにそっくりだが、目やブラスターの銃口は黄色で、本物よりも色調が暗く、所々錆びていたり塗料が剥がれているなどの差異がある。完全自律型ではなく、メックのアジトにある操縦席からサイラスが遠隔操作する。早い話が鉄人28号。オプティマスの声で喋れる他、スピーカーを通してパイロット(サイラス)自身が喋る事もできる。
地球人
ジャック・ダービー
CV:ジョシュ・キートン/吹:福山潤
16歳の高校生の少年で、本名はジャクソン・ダービー。町を一歩出れば一面に荒野が広がるネバダ州の田舎町ジャスパーに住んでいる。アーシーとビーコン兵の戦闘に巻き込まれた事からトランスフォーマーの存在を知る事となる。
ラフ・エスキベル
CV:アンディ・ペソア/吹:くまいもとこ
全メインメンバー中最年少となる12歳の少年。正式な本名はラファエル・ジョージ・ゴンザレス・エスキベル。メガネをかけておりデジタル面に強く、戦艦ネメシスのコンピューターへのハッキングや捕獲したレーザービークにウィルスを仕込むなど子供とは思えないような事までやってのける。
CV:タニア・グナディ/吹:古木のぞみ
東京から留学してきた15歳の少女。ピンク色のメッシュを入れ、後ろ髪を三つ編みにしてサイドに丸く纏めた髪型が特徴的。好奇心旺盛で行動力抜群。危険な場所にもちゃっかり付いてきている。その為ミコの行動がトラブルの発端になる事もしばしば。
ウィリアム・ファウラー
CV:アーニー・ハドソン/吹:乃村健次
アメリカ政府のエージェントであり、オートボットの監視役。通称はファウラー捜査官。アメリカ陸軍のレンジャー部隊出身。当初はオートボットに対して嫌味を言うなど辛辣な態度を取っていたが、スタースクリームに拉致されたりスカイクエイク戦での共闘をきっかけに態度を徐々に改めていき、軍上層部がオートボットを危険視した際には、全力でオプティマス達を(皮肉を交えながら)擁護し、毒エネの影響でダウンしそうなバルクヘッドを叱咤激励するなど仲間として互いに信頼していくようになる。
ジューン・ダービー
CV:マーキー・ポスト/吹:生天目仁美
ジャックの母親で、職業は看護師。登場からしばらくの間はトランスフォーマーとの関わりがなかったが、17話でメックと結託したエアラクニッドによって誘拐されてしまう。救助された後はアーシーを始めとしたオートボットの面々とも関わりを持つようになる。
リーランド“サイラス”ビショップ
CV:クランシー・ブラウン/吹:石塚運昇
世界各地でテロ活動を行う危険な組織・メックの指導者。白髪で顔には大きな傷跡があるガタイの良い男。高い技術力で作られた独自の兵器や装置で力による世界征服を目論んでいる。力こそが正義であり、力を持った者が弱者を支配するのが当然であるという危険な思想を持ち、オプティマスからは「メガトロンと同じ男」と評されている。
シエラ
CV:アレクサンドラ・クロスニー/吹:森千早都
ジャックの同級生の少女。彼のバイク(アーシー)に興味を示すが、皮肉にもアーシーに関する誤解が元でジャックは彼女にフラれるハメになってしまった。
ヴィンス
CV:ブラッド・レイダー/吹:櫻井孝宏
温厚なジャックに度々因縁をつける典型的なDQN気質の悪ガキ。しかし、ジャックを巻き込んでの公道レース中にノックアウトに拉致されたり、スモークスクリーンに乗ったジャックをからかった後で自身も因果応報的な事故に遇うなど、トランスフォーマー絡みで散々な目に遭っている。
ボーゲル
CV:ジョン・ディマジオ/吹:稲田徹
ニューヨークのマンハッタンの地下鉄で働く保線要員。38話でディセプティコンのアイアコンの遺産強奪を阻止すべく行動を開始したジャックらが偶然出くわした。ガタイの良い見てくれとは裏腹にオカルトの話題に明るく、ミコが口にしたトランスフォーマーに関する話をすんなりと信じている。
一部始終を見てしまったボーゲルの処遇については、ファウラー捜査官が彼を宇宙通信部の名誉調査員に任命し、アーシーがこの件に関して一切口外しないと約束させる事で落ち着いた。
ブライス将軍
CV:ロバート・フォスター/吹:茶風林
ファウラーの上司に当たる人物で、トランスフォーマーに関する一連の事件について聞き出す為にファウラーを召集し尋問を行った。日本版ではエアラクニッドらと同様に海外版とは異なるコメディ調のセリフで会話し、表情とあいまってどこかとぼけたような印象を感じさせる。
余談
日本語版ではAパート放送開始時に「テレビを~」のいつものくだりの後に「この番組には日本では問題になるシーンがありますが、原作を尊重してそのまま放送します」のテロップが流れる事がある。これはジャックがノーヘルでバイクに変形したアーシーに乗っているシーンがあるためである(不可抗力であるが)。
ノーヘルでバイクに乗り公道を走ると違反になり罰せられる。これは事故で転倒した時に死亡する危険が高まるため、搭乗者に着用が義務付けられているからである。また交通規則で義務付けられてはいないが、肌の露出した服装やノーグローブも大怪我に繋がるので避けるべきである。
ちなみにジャックはヘルメットをちゃんと被るときもあれば、テロップが毎週流れるわけではない。また、同様のテロップは『宙のまにまに』でも流れた。
関連イラスト
関連動画
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