「全てを思い出していたのです。この世に生を受けてから今までに起こった全ての出来事を。」
記事に関する注意
本編中では「茨華仙(茨木華扇)」と名前が二つ表示されているため、ピクシブ百科事典では記事「茨華仙」を、本名であるこちらの記事に統合している。
作品タイトルが『東方茨歌仙』、号が「茨華仙」、本名が「茨木華扇」と「かせん」読みの漢字を混同しやすいので注意。呼称は一定ではないが、作中では号の「華仙」表記、ファンの間では本名の「華扇」表記が使われることが多い。
概要
種族 | 仙人 |
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登場作品 | 『茨歌仙』主人公、『求聞口授』記事、『三月精』3部16話、『深秘録』自機、『文果真報』記事、『憑依華』自機 『香霖堂』2部2話・6話、『鬼形獣』霊夢オオワシED |
二つ名 | 片腕有角の仙人(茨)、脅威!願いを訊く仙人、思欲せよ!願いを叶える仙人(深)、神仙思想で動物好きな仙人(憑)、??????(茨 ※ネタバレ有)、山の仙人(鬼) |
能力 | 動物を導く程度の能力 |
テーマ曲 | 華狭間のバトルフィールド |
雑誌『キャラ☆メルFebri』にて連載された漫画『東方茨歌仙』の主人公。
妖怪の山に『茨華仙の屋敷』を構えて暮らしている仙人であり、本人曰くまだ修行中の身らしい。
以前からときどき人里などに顔を出しており、隠者ながらその存在は意外と知られている。ただし説教臭いという点以外、あまり記憶されていないようだ。また妖怪の山に居を構えているという関係上、守矢神社の面々とも面識がある。
包帯に包まれた右腕は失くしたために実体がなく、煙のようなものが詰まっている。失くした腕については探しているようで、マジックハンドを手に入れた霊夢の前に現れた。その一件で霊夢たちに興味をもち、博麗神社にも頻繁に訪れるようになった。
『茨歌仙』本編は完結して彼女の「正体」も明らかになったが、『深秘録』で幻想郷を創設した『賢者』に関しても関知しているなど新たな謎が提示されている。
容姿
頭にシニヨンキャップ(お団子)を被っているのと、右腕全体を包帯でグルグル巻きにしているのが特徴。
左手首には、鬼である萃香や勇儀と同じく鎖のついた鉄製の腕輪をつけている。胸元に花の飾りがあり、服の前掛けの部分には茨の模様が描かれている。
上記の服装以外に冬服も描かれている他、一時的に博麗神社の巫女を代行した際に霊夢の巫女装束に袖を通したこともある。
性格
感情豊かな生真面目者。今の幻想郷の在り方について本気で心配したり憂いたりする数少ない良心。
有毒ガスや怨霊が湧き出す博麗神社の間欠泉を独断で封鎖したり、クールを装いつつ霊夢たちに説教したりしている。目的のためなら手段を選ばない節もあり、死神に注意されたにも関わらず間欠泉から溢れだした怨霊を理(輪廻転生)に反して消滅させるなどの暴挙に及んだことも。
陰ながら幻想郷のために行動しているのだが、幻想郷の住人の振る舞いは彼女の予想の斜め上をいくことが多く、その行動の多くは空回りになってしまっている。
驚いたりするとすぐにボロが出てしまい、表情豊かで浮き沈みが激しい。ボケかツッコミかと言われればツッコミ役。東方では珍しく明確に人間の味方という立ち位置にあり、霊夢が逆らえない人物の一人(普段から積極的に修行をしない霊夢も、華扇に「堕落している」と説教されて修行に臨んでいる)。
ちなみに真面目キャラの宿命か、いじられキャラ。本編でも(主に作者から)弄られまくりである。
一人一人の他者に対する気配りや行動力も持ち、人の縁も頼りにしながら誰かのために動くこともある。随所で他者のために活動する様子は確かで、華扇自身も頼りにされている。時には博麗神社の巫女を代行したことも(参考:巫女華扇)。
一方で時には穏やかな語り口ながら言葉で相手を諭すように言いくるめる手腕も披露したり心の内には言葉には表れない別の意図をにおわせていたりと、経験の深さや機知に加え他者に明かさない密かな行動理念や目的などの存在も窺わせる。
『東方深秘録』においてもその生真面目さは同じだが、事態の深刻さ故か口調は普段より厳しめでやや高圧的。普段の柔和な様子はあまり見られない。一方で状況が落ち着くと普段のような柔らかい語り口となる。
この表情の違いは『茨歌仙』などでも緊張感のあるシーンなどではみられるが、その様子が複数のエピソードをまたいで維持されるのが『深秘録』での華扇の特徴でもある。
同作では幻想郷を守る者の一人として、危険な異変を解決すべく積極的に動く様子が見られた。
その際には『茨歌仙』でも同じ視点で事に当たることの多い霊夢や魔理沙との連携も見られる他、両者に相談しにくい部分などについてはマミゾウの協力を受ける様子も見られた。
この華扇の側面についてはさらにPS4版『深秘録』で相手の「 波長 」からその本質部分に迫ることのできる鈴仙・優曇華院・イナバとの対峙・対面の際のセリフを通しても見ることができる。華扇と鈴仙はストーリー中での出会いはないものの対戦モードなどで両者を向かい合わせることができ、二人の対話も描かれている。
同作中では鈴仙は華扇の波長を観測した結果、華扇のそれについて「 恐ろしく長い 」としている。そして鈴仙は華扇について「 感情豊かに見せても心の奥底は冷淡で、非人間的な…。 」と続けており、先述の『深秘録』作中の様子と併せて『茨歌仙』作中でも華扇が一人で何かを企む際などに時折見せる冷徹な一面を覗き込んだ様子を語っている。
華扇以外のキャラクターに対する鈴仙の波長による性格分析については「鈴仙・優曇華院・イナバ」記事の「その他・備考」章の「性格診断」項なども参照。
なお夢の世界にも華扇の存在はあり、ドレミー・スイートによれば夢の世界の華扇は「平穏で美しい世界」で暮らしているとされ、ドレミーは「 意外 」であるとしている。ただし作中に実際に登場した際の夢の世界の華扇の言動は他の夢の世界の住人の例にもれずなかなかに過激で、先述のような目的最優先で冷酷、教唆も他者の利用も陰口も厭わない様子も見せている。言葉もきつい。
その実、甘いもの好きで大食い。
本編でも甘味を食べている姿が度々見られ、さらには『東方深秘録』でも勝利シーンでは両手にお菓子を持って食べていたりしている。
とらのあな特典のクリアファイルには、お菓子に囲まれて幸せそうにしているしている姿が描かれていた。
一般に東方Projectにおける「仙人」は食の必要性が極めて低いか不要であるとされる(稗田阿求、「幻想郷縁起」、『東方求聞史紀』)が、華扇の食及び酒に対する熱意は高く、またそれを通した華扇の喜びや幸せの様子も随所に描かれている。
華扇の信念
華扇個人の信念については、華扇が自ら語ったところによれば、自身は「 天道 」を往くものである、とのこと。これは紫との対話(『茨歌仙』)の中で発せられたもので、自身が往く道が紫が往く道と異なることを指して言ったものである。
「 私は貴方側の人ではない 」
(華扇、紫に対して。『茨歌仙』。以前の紫による華扇に対する「 こちら側の人 」という評も受けた返答)
その際のシーンには華扇の背後にイメージ的に霊夢や魔理沙、菫子の他、東方Project作中で描かれている一般の人間たちと思われる姿が描かれており、妖怪と人間が危ういバランスで共にある今日の幻想郷において華扇の「 天道 」は人間たちの立場に立った仙人としてのものと見ることも出来る。
華扇は紫の姿勢についてはより妖怪を重視する姿勢であることをホフゴブリン(座敷わらし)の一件を通して直に触れている。
ただし紫の想像するものによればその歩みはまだ危うく繊細なものである様子で、華扇が紫と接触する姿を霊夢に認められないよう速やかに姿を隠すなどの姿も描かれている。
一方で華扇は「 妖怪のため 」と口にして行動する(例えば先述の博麗神社の巫女代行の折など)こともあり、化け狐などの件では妖怪にも情を寄せる視点が人間の味方たる仙人らしからぬと指摘されたこともある。先述の紫からも、華扇からの拒絶の後もなお引き続き自らと共に歩むことを選ぶのを待つと返されるなど、華扇の信じるところやアイデンティティを寄せている部分は華扇というキャラクター性の実態も含めてより謎めいたものともなっている。
後述の「種族」の部分と合わせて、ファンの間でも多様な議論がある。
別の場面では笑顔で物騒なことを言いプレッシャーをかける様子から冗談めかすように「 まるで死神みたいだな 」とも言われている(霖之助評、『茨歌仙』)など、その表情は多彩。
華扇の他に同様に「 天道 」をその道とする人物としては、華扇と同じく仙人としての側面も持つ豊聡耳神子がある(スペルカード<「我こそが天道なり」>。『弾幕アマノジャク』)。神子は復活以後自らのタオの追及の他に人間の味方としての動き(例えば「 みこえもん 」)もある。
加えて華扇は神子も一目置くような「 動物たちの味方 」でもある(後述)など、華扇の信念としての「 天道 」は広く他者に眼差しを向けるものでもある様子である。
他方、その行動には華扇個人の目的や動機もある様子で、例えば『深秘録』では結界を越えた際に向こう側で「 探し物 」を探すなどもしている。
能力
不明。ただし、公式サイト(外部リンク)のキャラクター紹介の欄に「動物を導く能力を持つ」との記述がある。
作中でも、霊夢の前に現れた理由として「鳥に聞いた」という経緯を語っていたり、地獄の怨霊を握りつぶしたり、霊夢の記憶を操作したと思わしき描写があったり(第九話)と常人離れした行動が見られる。これが仙人としての能力なのか、それとも彼女固有の何かなのかも未だ判然としていない。
他キャラクターに見られるような「~程度の能力」などの形で象徴的に語られてもいない。
華扇本人は自身について「 私の役目(ちから)は山の動物たちを正しい方向に導く事 」と述べており、実際に複数のエピソードで動物たちの保護や支援、指導等を行っている。
その際には動物と対話しており、時には動物の思い出話を聴いたりもしている。動物の声を聴いてその動物を管理してた他者に待遇改善を進言する事もある。
華扇の他には古明地さとりが動物の心を読み、より良い対応をすることを行っており、「動物の味方」という点も相まってさとりの動物との接し方とも通じるものを持つ。
動物を導く華扇の話は迷いの竹林の因幡てゐの耳にも届いている(『茨歌仙』)。
『深秘録』では『茨歌仙』でも登場した華扇の縁の動物たちと共に決闘に臨み、その能力を最大に活用している。本人も体術を披露するが、その際には右腕の包帯も多様に変化させつつ使用しており、この右腕の包帯が『茨歌仙』や『三月精』で描かれたような日常の延長場面や密かな行動での応用だけでなく弾幕ごっこなどのアクティブな場面でも活用する様がみられている。
なお華扇が人前で隠すことなく右腕の能力を披露するのは『深秘録』が初で、それ以前は右腕の件については語らなかったり誤魔化したりと、秘密にしている様子が描かれていた。
霊夢だけはその右腕の異質さに直接触れた(腕を掴んだことで異様な手ごたえを体感した)ことがあるものの、魔理沙などが華扇の右腕の実態をはっきりと目の当たりにしたのは本作が初である。
この他では先述のように博麗大結界に穴をあける能力(『深秘録』)をもち、さらに様々な知識智慧も備えているなど様々な才能をもつ。お酒にも強く、茨木の百薬枡(一升枡。後述)を所持する。
「 一合なんて単位に入らないわね 」(華扇、『茨歌仙』。一合は一枡の10分の1)
お酒の味を解し、「 醸造法 」の知識にも通じている。
身のこなしも早く、姿を現した萃香から身を潜め上空へと逃れたり原理は不明ながら瞬時に身を隠すなど「 逃げ足 」も速い(紫評、『茨歌仙』)。
種族
……だそうだが、その名前や左腕の鎖、二つ名の「片腕有角の仙人」などの数々の要素にもとづいた鬼疑惑が浮上している。
ちなみに東方世界の仙人については仙人の項目を参照のこと。
『茨歌仙』第十八話、人里で宗教家たちによる騒動(『東方心綺楼』)が起こっていた際には、周囲からの指摘もあって華扇は「仙人」というものについて再考している。
また小町や、同じく仙人である神子との対話では、華扇本人にとっての「仙人」というものの捉え方も語られている。
住まいについても他の仙人たちなどに見られるように独自の空間を生み出している。
また一般に仙人はその修行の過程に食事を必要としないようにするものがあるが、先述のように華扇は食と酒を愛する(『茨歌仙』や『深秘録』)。
このように仙人として認知されている一方、先述のように紫は華扇が自らと同じ「 側 」であるとしている他、マミゾウに至っては彼女について「 鬼 」と断定している。
ただし後者についてはマミゾウの観点であり、例えば華扇自らの言、あるいは地の文等を通してそれが正確であると作中で明示されたものではない(2017年2月現在)。
他方、萃香は明確に華扇の「 正体 」を知っている、としており、華扇がそれを隠して行動する目的についても思い当たるところがある様子である。
内容についての明確な描写はないものの、小町も華扇について知ってることが多い様子。
また、第十六話(前述のマミゾウの推察よりも前のエピソード)では「古い知り合い」に協力してもらい、『注いだ酒の格を上げる杯』を持ってきたが、そのような杯を所持している人物として彼女が挙げられることから、茨木華扇の正体は明確になりつつあるのかもしれない。
→『正体と真相・真意(東方茨歌仙最終巻のネタバレ注意)』の項目へ
茨歌仙以外での活躍
『東方三月精』(第3部)や『東方求聞口授』掲載の『文々。新聞』(第九十五季 卯月の三刷)にも登場。『東方文果真報』では「文々春新報」の取材に応えている。
ゲームでは小数点作品の『東方深秘録』でプレイアブルキャラとして初登場し、後続作品の『東方憑依華』にも参戦。
さらに整数作品の『東方鬼形獣』霊夢オオワシEDにも登場した。
描写
『深秘録』ではオカルトボールの危険性に気付き、二ッ岩マミゾウと連携して本作の異変の首謀者に対抗するなど、『深秘録』におけるメインキャラの一人である。
本作では『茨歌仙』では語られていなかった華扇のスペルカード戦のスタイルがついに描かれ、『茨歌仙』作中などで頻繁に交流がある霊夢や魔理沙らとも弾幕を交わしている。その決闘を通しては元々その力に信を置いていた霊夢の他、魔理沙や妹紅の強さを認めている。
また本作では華扇には二つ名が二種類登場しているが、『深秘録』作中で二種類の二つ名を持つのは
華扇の他には霊夢のみ。一方霊夢には二種類の二つ名と同時に霊夢を主格とした二種類の固有ストーリーがあるが、華扇の固有のストーリーは一つだけである(PC版『深秘録』時点)。
『深秘録』の物語は『深秘録』本編以後も影響を及ぼしており、これに関連して華扇は外の世界と幻想郷を行き来するある人物と特殊な関係を結んでいる。これによって華扇は外の世界との独自の縁を開拓した。このとき結んだ縁は宇佐見菫子とのもので、菫子とは以後も個別に交流を続けている(例えば『香霖堂』)。
しかしこの一件では本人達が予期しない別の影響が発生しており、この怪異の調査の過程で華扇は八雲紫と再会した。紫は華扇について思うところがある様子で、再会の際には紫からとある勧誘を受けている(後述)。
霊夢と完全憑依のコンビを組み共に当時の異変の調査に臨んだ。霊夢を身近で鍛えており、例えば霊夢が苦手とするスレイブ側での完全憑依に慣らす機会も作っている。霊夢以外では因縁の相手であるマミゾウとコンビを組むこともある。少名針妙丸からはマミゾウと並んで「 幻想郷でも指折りの実力者 」とされている。
また同作では華扇の固有のステージとして「華扇の仙界」が登場している。
他者から三人称以外に名前を含めて呼びかけられる際は「 華仙 」(霊夢からの呼びかけ。『東方三月精』)や「 茨華仙 」(霊夢や魔理沙からの呼びかけ。『茨歌仙』)など、仙人としての号を通して語られることが多い。「 カセンちゃん 」との呼ばれ方もあるが、これは幻想郷における「仙人」に関連した一般文化から見ると相当に珍しいケース(森近霖之助評、『東方香霖堂』)。
その他の要素
名前
茨木童子は酒呑童子(伊吹萃香の元ネタ)の家来で、星熊童子(星熊勇儀の元ネタ)と共に源頼光と頼光四天王に退治されたということから、華扇は目下妖怪の山の鬼四天王の3人目ではないかと言われている。
頼光四天王の一人渡辺綱との戦いで腕を切り落とされるという点も共通する。
鎖・二つ名
萃香、勇儀の外見における共通点として角の他に鎖があり、華扇の左手首の鎖はその共通点に合致する。シニヨンキャップが角を隠しているのではと推測されているが…?
これだけの証拠物件が揃っていながら、霊夢をはじめとした周囲の人々は華扇を「仙人」と呼びそのように扱っており、華扇本人は自分のことを「ただの行者」と語っている。彼女の正体については後々明らかになる。
茨木の百薬枡
「いばらきのひゃくやくます」と読む。華扇が持つ一升枡のこと。この枡に酒を注いで飲むと病気や怪我が治り、健康な者なら一時的に怪力と呼べるほどの力が漲る。但し、飲んだ者は性格が一時的に鬼のように荒っぽくなってしまうという副作用がある。(作中でこれを飲んだ霊夢は何故か男弁で怒鳴り散らすようになり、魔理沙は出会った相手を全員殴りつけていた)
更にこの枡で体を治していくたびに、性格だけでなく体も少しづつ鬼になっていく。
華扇はこの枡で酒を飲み続けているが、曰く「私の傷はいくら呑んでも癒えない」、「むしろ呑み続けないと腕が腐ってしまう」とのこと。
ペット
華扇は上述のように動物と意思疎通が出来、自分の屋敷に多数のペットを飼っている。(→茨木動物園)
動物たちは華扇の言うことによく従い、おつかいや屋敷の警備などを担当しているペットもいる。
竿打・久米
二匹の大鷲。若い方が竿打、年老いたほうが久米。久米はそろそろおつかいの仕事も厳しくなってきているが、一方の竿打は未熟であり、よく失敗する。
東方深秘録ではこの竿打による必殺技も登場した。
茨歌仙第六話「雷の持つ見えない毒」にて登場。『東方三月精』第二部21話時点で華扇が捕まえ、それ以来ペットとして飼っている。
東方深秘録ではこの雷獣による必殺技に「務光」と名づけられていた。上述の竿打による必殺技がそのまま「竿打」であることからすると、この雷獣は「務光」と名づけられているのではないかと推察される。
龍としてはまだ小さいが、それでも大人の背丈を上回り、雷雨を呼ぶ力がある。
茨歌仙第十七話で、過去に龍石から孵されたことが示唆されている。
『東方深秘録』では龍による必殺技(この龍の子供と同一個体かは不明)には「黄帝」と名づけられている。
華扇の屋敷の警備をしている。茨歌仙11話に登場し、屋敷に侵入しようとした上虎皮を剥いで売ろうとした魔理沙に怪我を負わせて追い返した。
東方深秘録では虎による必殺技(この虎と同一個体かは不明)には「彭祖」と名づけられている。
他者関係
『茨歌仙』作中では華扇は霊夢や魔理沙と共に活動することが特に多い。
華扇の知識がそれぞれの苦境や危機から救うこともある。例えば化け狐の件の霊夢や帚木伝説を追った際の魔理沙など、華扇に命を救われる場面もある。一方でそれぞれから新鮮な刺激を受けて華扇自身が新しい知見を得ることもあるなど華扇と霊夢・魔理沙は互いに影響を与えている。
霊夢や魔理沙とは何かの調査や、あるいは日常の延長の場面でも共に人間の里などを歩いたりどこかに出かけたりすることもある。
『深秘録』では三者は共闘しており、華扇は霊夢と魔理沙を主力とした姿の見えない異変の発生源に対するトラップを企画した。
華扇の性格からか霊夢はつい口を出したくなる相手である様子で、また特に目もかけており、修行をつけようとしたり小言を言うことも多い。一方霊夢の体調を気にかけて魔理沙たちと共に気分転換のためにイベントを準備したりする様子も見られるなど、心配や思いやりも寄せている。
先述のように華扇と早苗とは知己である様子。
博麗神社を訪ねた際に行き会ったりそれ以外の場所で遭遇したりする。
騒動に巻き込まれた霊夢と魔理沙を一緒に助けた経験も持つ。
霊夢に対する内緒ごとを共有したりすることもある。
早苗と関連して守矢神社が大規模な土木工事を企画した際には華扇はその真意を問うべく洩矢諏訪子と密かに接触している。
折に触れて華扇の屋敷を訪れている様子が描かれている。
緊張感のある会話を交わすこともあれば互いにリラックスした様子であることもあるなど、二人の関係性はなかなかに深みのあるものである様子。華扇が小町に仙人としての在り方を相談したり小町が華扇にサボりを疑われたりと、二人の対話の表情は豊か。
先述のように小町は華扇が人々に見せている以外の姿についても知っている様子で、その上で後述の萃香とはまた違った形で華扇との付き合いがある様子である。
萃香とは浅からぬ縁がある様子で、萃香は華扇の求めるものを知っている様子も見せるなどしている。華扇は萃香との間柄について「仲は悪い」としてはいるが、萃香から伊吹瓢を借り受けることのできる間柄である。勇儀との縁もあり、勇儀の所有する酒器である星熊杯の能力を借りてお酒の格を上げたかのような描写がある。
ただし華扇は萃香との縁や旧地獄との結びつきについては語りたくない様子で、間欠泉騒動などで地上が旧地獄世界などと繋がる可能性を見た際などは両者の「 繋がり 」は断ちたいとも語っている。
紫はホフゴブリンの一件でその内実を華扇に語っており、その際に紫は華扇が「 こちら側 」の存在であるとした。これは先述のように後に華扇によって自らの道は紫の往くものではない、と返されたが、なおも紫は華扇に期待を寄せている。
紫と同じく幻想郷創設の賢者の一人。華扇とは古い知り合いであるという。なお、紫、隠岐奈、華扇の3人はいずれも象徴的な装飾の付いた前掛けを着用している。
命蓮寺で起きた「黒い霧」の騒動で一度出会っているが、互いが深くかかわりあったのは『深秘録』以降である。先述のように『深秘録』では共闘し、『深秘録』以後の『茨歌仙』では宴席で対決した。
『深秘録』での対峙の後、幻想郷にやってくるようになった菫子を華扇は「 観察 」していた。華扇には元の生活に戻してあげたいという思いがあった様子であるが、当の菫子は今の生活が気に入っている様子である。これ以後二人は外の世界と幻想郷を介した特殊な縁を結んでおり、香霖堂を待ち合わせ場所に密会を行っている(『香霖堂』)。外の物品を持ち込んだり、元気をなくした霊夢を一緒に元気づけたりと、共に行動する様子が次第に増えている。
- その他の他者関係
上記外にも複数の作品で多くの他者関係も描かれている。
例えば先述のような芯の部分の真面目さのためか、てゐのようなさらに策と弁に長ける相手にはそのまっすぐさをうまく捉えられて最終的にはやり込められることもあるなど、動物を華扇の思う良き道へと導こうとする意図のお説教も常勝ではない様も見られている。
個別個人ではなく広く対人関係としては、隠者であるためか人間関係は広くないとも語っており、例えば霊夢に宴会のための人集めを頼まれた際には呼べる人は多くない、ともしている。
一方で菫子に幻想郷オカルトスポットめぐりの企画を用意した際にはスポットごとに誰かに脅かし役を依頼してもいる様子で、そういったサプライズ企画を共有できる人間関係を持つ様子もみられている(『香霖堂』)。
スペルカード
スペルカード・ラストワード(プレイアブル)
スペルカード名 | 初登場作品 | 備考 |
---|---|---|
龍符「ドラゴンズグロウル」 | 深秘録 | cost:1000。『憑依華』でも登場 |
包符「義腕プロテウス」 | cost:1000。『憑依華』でも登場 | |
鷹符「ホークビーコン」 | cost:1200。『憑依華』でも登場 | |
*猿の手よ!敵を握りつぶせ!* | ラストワード(怪ラストワード)。『憑依華』でも登場 |
スペルカード・ラストワード(ストーリーモード限定)
スペルカード名 | 初登場作品 | 備考 |
---|---|---|
雷符「微速の務光」 | 深秘録 | |
虎符「両門の彭祖」 | (体験版のみ) | |
*死ぬまで願いを叶える手* | (怪スペルカード) | |
*猿の手はオカルトな夢を見る* | (怪スペルカード) | |
霊鷹符「鷹による夢想封印ハンティング」 | 憑依華 | 霊夢(マスター)との完全憑依コンビ時 |
雷霊符「務光の雷弾夢想封印」 | 霊夢(スレイブ)との完全憑依コンビ時 | |
龍蹴符「ドラゴンズ飛鳥井キック」 | 霊夢(スレイブ)との完全憑依コンビ時 | |
雷化符「務光と葉っぱの弾幕変化」 | マミゾウ(スレイブ)との完全憑依コンビ時 | |
龍化符「ドラゴンズエイリアンカプセル」 | マミゾウ(スレイブ)との完全憑依コンビ時 | |
雷符「務光の雷霆閃光夢幻弾」 | ドレミー(スレイブ)との完全憑依コンビ時 | |
龍符「ドラゴンズオプティカルドリーム」 | ドレミー(スレイブ)との完全憑依コンビ時 |
「茨木華扇」の配色についての経緯
発表当初
茨歌仙第1話にはカラーイラストが無かったため、連載開始当初は華扇の配色は不明であった。
Twitterに作者・あずまあや氏による華扇のカラー絵の一部が載っているが、「ボツになった」とのコメントがあり、「色も含めてボツになった」可能性があり、実際の色は分からないままだった。髪の色に関しては、ZUNがメインパーソナリティを務める「2軒目から始まるラジオ」にて、あずまあや氏から「赤系のピンク」との回答が出ている。
模索期
これらの公式発言に囚われず、絵師によっては自由な発想による着色で描かれることもあった。
公式カラー発表後
キャラ☆メルFebri Vol.2に掲載された茨歌仙第2話にてカラーページが掲載され、その中で華扇の公式カラーリングが判明した。
髪はピンク、民族衣装のような服は白とワインレッド、スカートは黄緑色と、スカートを除けばそれまでの予想とは大きく違わない内容であった。
関連イラスト
関連タグ
東方Project 東方茨歌仙 東方深秘録 東方憑依華 東方文果真報
キケン!有毒ガス充満につき死にたい奴だけ近寄ってよし グチサァ 茨華仙の屋敷 茨木の百薬枡
ペット
イラストタグ・二次創作など
肋華仙 華扇ちゃんに説教され隊 扇ぱい 冬服華仙 巫女華扇 かせにゃん レオタ華扇 前掛けだけ華扇 かっこいい華扇ちゃん 右腕の可能性 茨木動物園 華扇ちゃんノリツッコミポーズ ちび華扇 きせかえ華扇ちゃん
カップリング・数人組
霊華 / 華霊 こまかせ ふたりは仙キュア(華扇×青娥) せいよしかせん マミかせ
チルかせ めーかせ あやかせ かせもみ せんはた よしかせん
レイマリカセ レイマリサナカセ めーいくかせん 龍神組 説教組 東方中華娘 東方印度娘 東方仙人娘 東方ピンク髪
企画
誤字
ちなみに、3つの内のどれかのタグで検索しては出ない絵もあるかもしれないので東方 茨AND検索を使うといいかもしれない。
他の記事言語
正体と真相・真意(東方茨歌仙最終巻のネタバレ注意)
さあ、我が相棒よ
やっと見つけたぞ
再び一つになろう!
第49話にて、茨木童子の腕と合体した華扇本人の口から遂に『山の四天王の一人』即ち鬼であることが語られた。
二つ名は『奸佞邪智の鬼』。シニヨンキャップに収まっていた小さい二本の角は太く長く伸び、萃香や勇儀と同様の鎖で錘と繋がった枷のような腕輪を両腕に嵌めた姿はまさに(東方流の)鬼である。因みに髪は長く伸び、服装は前掛けが黒く、スカートは白くなり、完全なノースリーブに変化する。
彼女は伝承通り、千年前に右腕を切り落とされたのだが、その時腕に彼女自身の邪気を籠められた上で右腕は封印された。邪気とは『鬼の力・鬼らしさ』とでも言い換えればいいのだろうか、それを失った彼女は現実を「地獄のよう」にしか感じられなくなり、新しい生き方・在り方を模索せざるを得なくなった(多くの創作物では妖怪は肉体よりも精神に依存する存在であり、鬼が鬼らしさを失うと言うという事はまさに致命的)。
その答えが『天道』を往く事であり、仙人『茨華仙』なのだが、仙人を志した理由はモノローグでも語られていない。邪気を失ったとはいえ鬼の肉体は不老長寿であり、人の世に忍んで生きるより仙人になった方が都合が良かったのかもしれない。
永い間、右腕を探していた理由は鬼に戻る為では無く、『天道』を往く者としては邪気の塊であり人間に災いをもたらすであろう右腕を放置できなかった為、そして茨木華扇としては鬼であった事に未練は無くてもやはり自分の腕、傍に置いておきたいという少々利己的なものであった。
苦労の末に見つけた右腕を霊夢に預けたのにも理由があった。
それは、千年前の鬼退治を再現し右腕を再封印する為、そして霊夢を鬼退治役に仕立てる為である。
右腕の封印は経年劣化で解けかかっていたのだが、この封印術、華扇本体を経由して施されており、腕だけを再封印することが出来ないようになっていたのだ。
術を解析するという手もあったかもしれないが、その前に封印が解けてしまえば"茨木童子"は右腕だけの状態でも暴れ出す(既に数人食っていた形跡もあった)。確実なのは『鬼退治をやり直す』事である。
そこで封印が解けかけている右腕を霊夢に預け、やがて霊夢が茨木童子の腕と戦わざるを得なくなるように仕向け、頃合いを見て鬼・茨木華扇に戻り霊夢に右腕を切り落とさせる、という計画を立てたのである。
結果は__うまくいったが危なかった。
天子の介入・助言が無ければ霊夢は信用していた茨華仙が鬼であった事実に動揺したまま敗北していたかもしれない。その点で言えば、本来ドライな霊夢が討伐を躊躇するほど親身になり過ぎていた事は、華扇の落ち度と言えるかもしれない。
関連イラスト (正体判明後 ネタバレ注意)
華仙、茨木童子の腕、鬼華扇の比較絵