路線データ
路線愛称 | 常磐緩行線 |
---|---|
路線区間 |
|
正式名称 | 常磐線 |
路線記号 | JL |
ラインカラー | エメラルドグリーン |
路線距離 | 29.7km |
軌間 | 1,067mm |
駅数 | 14駅 |
最高速度 | 90km/h |
電化区間 | 全線(直流1,500V) |
複線区間 | 全線 |
閉塞方式 | 車内信号式 |
保安装置 | ATC-10・ATO |
運転指令所 | 東京総合指令室 |
列車運行管理システム | 東京圏輸送管理システム(ATOS)※ |
大都市近郊区間 | 東京近郊区間 |
電車特定区間 | 全線(E電) |
特定都区市内制度区間 | 東京23区内
|
交通系ICカード乗車券エリア | Suica首都圏エリア |
第一種鉄道事業者 | 東日本旅客鉄道(JR東日本) |
※:綾瀬駅は東京メトロ管理駅の為、旅客案内機能は未導入
概要
東日本旅客鉄道(JR東日本)常磐線のうち、綾瀬駅(東京都足立区)から取手駅(茨城県取手市)までの複々線区間において各駅停車として運行される系統である。乗客への案内では「常磐線各駅停車」と呼ばれることがある。路線記号はJL。「L」はLocalの頭文字。
後述の理由から運賃計算上は直通運転を行っている東京地下鉄(東京メトロ)千代田線北千住駅〜綾瀬駅間を含む場合がある。
東京23区内では中央・総武緩行線同様私鉄と区内で直通している数少ないJR路線だったりするが、この運行形態がかえって同業社路線同士にもかかわらず緩行線と快速線で軋轢を生んでしまう原因にもなっている。
なお、常磐線の起点である日暮里駅([運行系統上は[上野駅]])から北千住駅までの各駅には常磐快速線(と中距離の普通列車≠各駅停車)が停車する。但しこちらの「普通」は現在は快速線区間では「快速」として案内されている。
1971年(昭和46年)4月20日に綾瀬駅〜我孫子駅間が複々線化され、快速線と緩行線が分離されると同時に営団地下鉄(現・東京メトロ)千代田線との相互直通運転を開始した。…が、いろいろな問題が発生し「迷惑乗り入れ」と批判されることになってしまった。
迷惑の原因については車両に起因するものは特に国鉄からJRになってからは改善しつつあるが、武蔵野線・流鉄流山線から快速線に直接乗り換えることができないなど、運転系統・線路配置に起因するものは現在も根本的解決には至っていない。また、運行が千代田線と一体化している上にメトロの自社線内折り返しがあるために需要に対して運行本数が不足している時間帯も存在する。
JR東日本の路線としては初めて自動列車運転装置(ATO)を導入した。なお直通運転先の千代田線では常磐緩行線よりも先に導入されていた。
また無線式列車制御システム(CBTC)の導入が検討されていたがこちらは断念し、CBTCの一種でJR東日本が独自開発した「ATACS」の導入が検討されている。
沿革
- 1971年4月20日:常磐線綾瀬駅〜我孫子駅間の複々線化に伴い、快速線と緩行線を分離。営団地下鉄千代田線との相互直通運転開始。
- 1978年(昭和53年)3月31日:営団千代田線代々木公園駅〜代々木上原駅延伸により全線開通。千代田線を介して小田急小田原線本厚木駅まで直通運転開始。
- 1982年(昭和57年)11月15日:我孫子駅〜取手駅間複々線区間化に伴い、運行区間を取手駅まで延伸。
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化に伴い、JR東日本が第一種鉄道事業者として継承。
- 2000年(平成12年)12月2日:小田急多摩線唐木田駅まで直通運転開始。
- 2004年(平成16年)4月1日:営団地下鉄民営化に伴い、直通先の事業者が東京メトロに変更。
- 2016年(平成28年)3月26日:小田急4000形のJR直通・JR東日本E233系2000番台の小田急直通開始。
- 2018年(平成30年)3月18日:小田急多摩線との直通運転終了。小田原線の乗り入れ区間を伊勢原駅まで延長。
運行形態
「緩行線」と通称される通り全列車が各駅停車。
基本的に相互直通運転を行なっている東京メトロ千代田線代々木上原駅方面〜我孫子駅間で運行され、代々木上原から小田急小田原線伊勢原駅方面に直通する列車もある。小田急線内で急行又は準急として運行される列車は、綾瀬駅で小田急の種別に変更する。
過去には小田急多摩線唐木田駅まで直通していた時期があったが、2018年3月18日のダイヤ改正でJR〜小田急多摩線の直通は廃止、千代田線〜多摩線の直通も2022年(令和4年)3月12日のダイヤ改正で消滅した。
JR線内は松戸駅や柏駅で折り返す列車もある。また運行系統としては取手までだが、我孫子駅〜取手駅間は並走する常磐快速線と停車駅が同じ為、平日朝夕のみ運行される。
下りに限り、朝に綾瀬駅始発の線内運用も存在する。
日中は10分間隔のパターンダイヤとなる。
運賃
複々線化以前は上野駅からも各駅停車が運行されていたが、複々線化以降上野駅を発車するのは快速電車(と中距離の普通列車)になってしまい、各駅停車のみの駅からJRのみで上野駅まで行くには、北千住・松戸・柏・我孫子いずれかの駅での乗り換えが必須になってしまった。
そのまま各駅停車に乗って西日暮里駅でJR線に乗り換えることもできるが、割引はあるもののJRメトロJRと3回分初乗り運賃を取られてしまう事がある。
しかし最もややこしくなっているのが、北千住駅〜綾瀬駅間の運賃の取扱いである。
同区間は営業上は千代田線の一部だが、前後の区間の利用路線によってJRの運賃を適用するか東京メトロの運賃を適用するかが異なる。
更に同区間のみの相互利用時はJRと東京メトロの運賃で安い方を適用するというルールがあり、現状ではJR運賃の方が安い為そちらが適用されている。しかし営業上はあくまで東京メトロ千代田線の区間である為、JRの駅で同区間のみの乗車券を発券する事は出来ない旨が同社の旅客営業規則により定められている。
実際にはシステムの問題でJRの端末でも発券可能だが、誤った取り扱いなので安易に求めないようにしよう。
駅一覧
北千住~綾瀬間は運賃計算上は千代田線と常磐線の二重在籍区間であるため記載。
ナンバリングは千代田線から連番。
●:停車 レ:通過
駅番号 | 駅名 | 快速 | 乗換路線 | 備考 |
---|---|---|---|---|
↑東京メトロ千代田線経由小田急小田原線伊勢原駅まで直通運転 | ||||
C18 | 北千住 | ● | ||
↑東京メトロ/↓JR東日本 | ||||
C19/JL19 | 綾瀬 | レ | 東京メトロ千代田線北綾瀬支線 |
|
JL20 | 亀有 | レ | ||
JL21 | 金町 | レ | 京成金町線(京成金町・KS51) | |
↑東京都/↓千葉県 | ||||
JL22 | 松戸 | ● | 当駅発着あり | |
JL23 | 北松戸 | レ | ||
JL24 | 馬橋 | レ | 流鉄流山線(RN1) | |
JL25 | 新松戸 | レ | 武蔵野線(JM15) | |
JL26 | 北小金 | レ | ||
JL27 | 南柏 | レ | ||
JL28 | 柏 | ● |
| 当駅発着あり |
JL29 | 北柏 | レ | ||
JL30 | 我孫子 | ● |
| 当駅発着あり |
JL31 | 天王台 | ● | 常磐快速線(JJ09) | |
↑千葉県/↓茨城県 | ||||
JL32 | 取手 | ● |
使用車両
現在の使用車両
自社車両
- E233系2000番台(メイン画像)
松戸車両センター所属の電車。小田急直通対応車。
東京メトロ所属
綾瀬検車区所属の千代田線用電車。JR・小田急車両の相互乗り入れ開始前はメトロ車が唯一3社直通運用に就いていた。
小田急電鉄所属
- 4000形
海老名検車区所属の電車。JR直通対応車。
過去の使用車両
自社車両
全て松戸電車区→松戸車両センター所属。小田急直通非対応。
国鉄時代の直通車両。203系に置き換えられ快速線に転属した。
民営化時の使用車両でかつての主力車両。
E233系2000番台に置き換えられ、2011年(平成23年)9月26日に引退した。
国鉄唯一のVVVFインバータ制御車。試作車の為1編成のみ運用されていた。
E233系2000番台に置き換えられ、2009年(平成11年)12月5日のさよなら運転をもって引退した。
民営化後に2編成のみ導入された電車。2018年10月13日のさよなら運転をもって運用を離脱し、中央線快速に転属した。
営団地下鉄・東京メトロ所属
全て綾瀬検車区所属。
直通運転開始時に使用されていた電車。
6000系に置き換えられ、1981年(昭和56年)10月5日をもって常磐緩行線での運用を終了した。
- 6000系
千代田線のかつての主力車両。第1編成(6101F)以外は最晩年を除き3社直通対応。2018年10月5日をもって定期運用を終了した。
1編成のみ導入された電車で、3社直通対応車。
- 07系07-101F
有楽町線用電車。副都心線開業及び有楽町線のホームドア設置により全編成が東西線が転属する際、第1編成(07-101F)のみ東西線塗装のまま一時的に千代田線に転属。常磐緩行線にも直通した。