『彼らは、底知れぬ所の天使を、王として頂いている』
『ひとつの星が、天から地に落ちて来るのを見た。その星には、底知れぬ所の穴を開く鍵が与えられた』
『そして、底知れぬ所の穴が開かれた。すると、その穴から煙が大きな炉の煙のように立ちのぼり、その穴の煙で、太陽も空気も暗くなった』
~ヨハネの黙示録の第9章11節、1節、第9章より引用~
【 菩提薩垂 依般若波羅 】(真理を求むる者は 悟りの果てに往ず)
【無意 識 色即是空 是】(意志もなく、認識もなく、万象は空虚なり)
【受想行識 無色無受想行】(いかなる行いも虚しく 意味がない)
【 菩提薩垂 依般若波羅 】(真理を求むる者は 悟りの果てに往ず)
【 無無明亦 無無明 】(己の無力さ、無知さが尽きる事はない)
【波羅 無無明亦 無無明尽】(讃えよ 己の無力さ、無知さが尽きる事はない)
【乃至菩提薩垂 依般若波羅】(故に、真理を求むる者は 悟りの果てに往ず)
【無意 識 色即是空 是】(意志もなく、認識もなく、万象は空虚なり)
【受想行識 無色 無受想行】(いかなる行いも虚しく 意味がない)
~玄奘三蔵訳 仏説般若波羅蜜多心経より編曲~
DATA
身長 | 158.8m |
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体重 | 141056t |
概要
南極の氷の中で冬眠状態で発見された正体不明の怪獣(タイタン)。
近年発見されたばかりなため情報が少ない謎の存在で、モナークでは「モンスター・ゼロ」のコードネームで呼ばれており、伝承によると当時栄えていた人類の文明を滅ぼし、そのあまりの破壊力から“生きた絶滅現象”、"恐怖の象徴"として恐れられた。
世界各地に残るドラゴン(例えば黙示録の赤い竜など)の伝承はギドラの事を書き残すことさえも恐れ、忘れようとした古代の人々が間接的に残したものだという。
正体
モナークに「最強の怪獣」と呼ばれ、対抗できるのはゴジラしかいないとされる強力なタイタンであり、当初は他の怪獣と同じく地球に秩序をもたらすタイタンの一種と思われていたが、地球の生物としてはありえないレベルの再生能力を発揮したことからそのことに疑念を持たれ、そして僅かに残されていた伝説から正体は地球の秩序から外れた外来種、すなわち宇宙怪獣であることが判明した。
地球からすればまさに侵略者であり、地球の王として君臨するゴジラと偽りの王として支配権を簒奪しようとするギドラは太古の昔からライバル関係にあった。
ギドラの名称は伝承を精査したチェン博士が発見したもので、「一つにして無数(The One Who is many)」を意味するという。
明確な知性を有している。また、性質自体は極めて凶悪かつ残忍で、人間に対しても憎悪とも取れるような敵対感情を抱いて積極的に攻撃を加えようとしたり、地球の生態系を自分の都合のいいように作り替えようとしたり、その為に地球怪獣を自らの勢力に加えて自身の利己の為に使役するなど、その性質はまさしく傲慢な王でもあり、西洋の伝承に伝わる邪悪なドラゴンと言っても差し支えない(公式パンフレットに記載されているゴジラ・ラドン・モスラ・ギドラのそれぞれを現した、恐らく古代文明のものの壁彫りの彫刻では、ギドラだけは他三体が敬う対象として描かれているのとは対照的に、明確に怖れ立ち向かうべき邪悪な存在として描かれている)。
一方で、ギドラは一見人間に対して明確な敵意を持って攻撃してきたと見えるが、実は特定のターゲットを明確に消滅させることはないといい、そもそもギドラ自身が戦う必要はなく、侵略された星はギドラの天候操作などの力により惑星の環境自体が変わっていき、その結果。人間や動物、最後には他の怪獣さえも自然に滅びていくのだという。
またギドラにとって戦闘行為は一種の狩猟でもあり楽しみとされ、人間への攻撃は戦争ではなく、需要でもないただの娯楽とされる。
そしてその支配体系は世界のバランスを崩す者以外に手を出さない秩序の神たるゴジラと対極に位置するものである。
ゴジラの自然を考慮した王政に対しギドラが行う王政は恐怖政治であり彼の暴政の下で、生態系は完全に崩壊されると言われている。一部のタイタン(ティアマトやスキュラなど)は直接交戦するまでゴジラの命令を無視していたのに対しギドラの呼び掛けには一発で反応し服従していたためよほどギドラの恐怖政治が恐ろしいものという事が分かる。並のタイタンでは光線一発で沈む上に勝ち目など最初から無く逆らうものなら殺されるため(kom小説曰くあのラドンですら殺さない様、手を抜いていたとのこと)。
タイタンは本質的に攻撃的であのラドンでさえある程度一定の生態系の安定性を維持しており他の過激なタイタンも自制心は持っているが、この世界で地球の生態系を一切考慮しない唯一のタイタンがギドラである。
ちなみに「自らの意志で地球侵略に乗り出したギドラ」はモスラ3のグランドギドラ以来となる。
容姿
全体的なデザインは「黄金の体、2枚の羽、2本の尻尾、3つ首」と概ね日本のオリジナルそのままだが、ドハティ監督の意向により各所にアレンジが加えられ、より東洋の龍を模したデザインとなっている。
身長は158.8mとされているが、翼開長や全長は身長の約2倍~3倍と思われ、見た目以上に巨大な印象を与えている。
また、体重は14万1056tとされており、歴代のキングギドラの中では最大クラスの体格を誇っており、なんと派生種であるあのカイザーギドラよりも大きい。
翼
原形を残しつつ翼竜やコウモリと同じく腕が発達したようなワイバーンに近い形になり、歩行時はプテラノドンのように前足として使用される。腰にある翼を構築する皮膜は画家のウィリアム・ブレイクの描いた絵画「赤い龍」をモデルにしているという。
脚
特に大胆な変更がされ、日本版の怪獣としてよく見るどっしりとした太い脚ではなく、恐竜のような獣脚となっている。
皮膚
裏設定では真皮層に微量の金を含んでおり、これが生体電流を運ぶ導体として機能し、体が黄金色に見える要因になっているのだという。
頭
それぞれの頭部はvs版の個体を彷彿とさせる後ろに向かって複数の角が伸びているような形で、3つの顔それぞれの角の形に若干の差異がある。
こちらも東洋の龍に近い感じの顔つきになっているのが特徴。
東京コミコンにて明かされた情報では、3つの首には兄弟のような上下関係があり、それぞれで性格も異なっており、インタビューによれば真ん中の首がリーダー格で生真面目、ギドラから見て右の首は好戦的で意地が悪く、左の首は好奇心旺盛とのこと。
実際の劇中でも、興味を優先しようとする左の首を真ん中の首が叱りつけたり、右の首と相談するような仕草をしており、兄弟の例えに乗っかって真ん中が長男、右が次男、左が三男としてファンから親しまれている。
ちなみに、頭部は胴体とは別に3人のモーションアクターが演じており、制作陣はそれぞれの首を日本語でイチ(真ん中)、ニ(右)、サン(左)と呼んでいたとのこと。
なお鳴き声に関しては、平成版の西洋のドラゴンらしい甲高い咆哮と、昭和版特有の「カラカラカラ」という電気信号のような唸り声の両方が採用されている。
能力
伝承に違わず、地球上の怪獣たちの中でも極めて強力な力を持つ。
3つの口から雷撃状の光線を放つだけでなく、外部から吸収した電気エネルギーを尻尾や両翼の棘から広範囲に拡散発射することができる。
光線は電力エネルギーであり、公式サイトでも生体電気によるものと明記されており、千年竜王から2体目となる「引力ではなく電撃を操るギドラ」となる。翼からのエネルギー放射はグランドギドラ以来。
ただし、光線の名称そのものはGravity Beam(引力光線)のままである。
その威力は瞬時にビルを両断したり、ゴジラを昏倒させたりモスラの肉体を欠片も残さず消滅させるほど強力。しかも、前作のゴジラのような「発射に伴う甚大な疲労」は一切見受けられず、人間を威圧するためだけに豪快に撃ちまくるような燃費の良さも備えている。
また人間や車両の横へずらして着弾させ、それらを衝撃で転倒させるという器用な使い方までできる。
また、核で強化されたゴジラの熱線をゼロ距離で長時間放射されても有効打にならない凄まじい耐久性を誇る(ムートーは弱体化熱線で気絶。コングも掠っただけで火傷し転倒した)
さらに活動するだけで地球の気象にも大きな影響を与えるとされ、そのためギドラの周辺では大規模な嵐が巻き起こり、「生きた台風」のごとく暴風雨と雷を常に引き連れている。その威力は現実に存在しないカテゴリー6に相応するといい、そのうえこの嵐は規模を拡大し続けるだけではなく増殖および分裂を繰り返して最終的に地球全体を覆い尽くすことなる。
しかもこの発生させた嵐はギドラが死してなお残り続けるという厄介な性質があり、ギドラ本体が倒された後も太平洋上に残り、これによってコングの生まれ故郷である髑髏島にカマソッソと共に壊滅的な被害を与えた。
この嵐によりギドラが直接手を下さずとも他の生物は自然に死んでいき、最終的にギドラによって創造される環境に耐えられる生物はギドラ(および細菌)だけと言われるなど、まさしく“生きた絶滅現象”というにふさわしい強大な能力を秘めている。
また、アルファタイタンの一種であり、全タイタン達にアルファコールと呼ばれる信号を使用して命令することが可能(アルファタイタンの定義は、”タイタンのトップ” ”タイタン界の頂点捕食者”)であるとされ、この能力によって地球上のほとんどの怪獣達に人類への攻撃、都市の破壊などを実行させた。
現在公式に認定されたアルファタイタンはゴジラ、ギドラ、コングの3種だけである。
例え首が千切れても短時間で復活させるほどの強力な再生能力を持ってもいる。ドハティ監督によればギドラのニューロン(神経細胞)はタコのように手足や全身に散らばっており、それにより記憶や個性を残したまま新しく頭を再生することができるとのこと。
劇中での活躍
封印されていた南極の第32前哨基地の中で眠りについていたが、怪獣による地球浄化を掲げるアランとエマの工作によって氷の中から解き放たれ、脱出を図っていた芹沢およびマーク達の部隊を見つけて襲いかかる。そこにギドラの復活を察知して南極に向かっていたゴジラが現れたことで両者は一度目の交戦に入る。まだ目覚めたばかりにもかかわらずゴジラと互角以上に戦い、3つの口からの光線でダウンさせ地割れに落とすなど優位に進めるが、そこにモナークの飛行船「アルゴ」や米空軍が乱入し、再び態勢を立て直したゴジラに加え人類側の未知の戦力を相手にするのは不利と見たのか一度撤退を図る。
その後はハリケーンを伴いながら北上を続け、中米付近に差し掛かった所でアルゴが誘導してきたラドンと遭遇。激しくもみ合うがすぐに撃退し、次にアルゴに迫った所をギドラを追撃してきたゴジラの急襲により水中に引きずり込まれる。泳ぐことができないギドラは水中戦でゴジラに圧倒され、首の一つを失うダメージを負うも、そこに米軍が使用した対怪獣用殲滅兵器「OD」が炸裂。ゴジラがODの効果で弱体化した隙に失った首を再生させ今度は世界各地に眠る怪獣たちにアルファコールを使用し、全タイタンに「狩りをしろ」と命じて次々と復活させると、屈服させたラドンを筆頭に彼らを従えて地球の生態系を滅ぼそうとする。
その後はラドンと共にアメリカ合衆国本土に上陸、首都ワシントンD.C.を襲撃して大嵐で都市全体を水没させ、米軍の大艦隊およびアルゴによる迎撃を受けるが、それもアルゴを残して壊滅に追いやっている。
ちなみに小説では具体的なギドラに対しての人類側の戦力も記述されており、ギドラを攻撃するために用意した総戦力は3つの空母打撃群に加え、さらに空軍も含めた大西洋に配置された米軍部隊全体による総攻撃が敢行されたとし、最強の空母打撃群+原子力潜水艦8隻という小国を制圧するには十分な戦力を用いてギドラに挑んだものの、「4つの竜巻が応答するように掃いた嵐の中に魔王が座っている。ワシントンに残ったのは黄金の地獄だけ」という文でギドラとラドンの猛威の前に全て数時間で消え去った。
エマの娘のマディソンが「オルカ」を使って他の怪獣を制止すると、それに気づいて信号の発信源であるボストンに飛来、オルカを動かしたマディソンを殺そうとするが、そこに再起を遂げたゴジラが現れ、両者は最後の戦いに突入する。
モスラとラドンも入り乱れての戦いの中で、エネルギーの過剰供給により数分後に自爆しかねない程までのパワーを得たゴジラを相手に善戦し、更には変電所から多量の電気を吸収して放った光線でゴジラに大きなダメージを与えて形勢が逆転。すかさず組み付き成層圏まで持ち上げてから地上へ叩き落とし瀕死の重症を負わせた後に、ラドンとの戦いを制しボロボロになりながらもゴジラの援護に来たモスラを消し飛ばし、遂にはエネルギー吸収攻撃でゴジラをあと一歩で殺すところまで追い詰める。しかしエマが作動させたオルカの信号に気を取られている間にゴジラはギドラに倒されたモスラの力を取り込んで過剰なエネルギーを制御しヒートウォーク形態へと変化。超高熱波で翼は焼け落ち、間髪を容れぬ連射で全身を焼き尽くされた。残った首もゴジラに咥えられた状態でありながらまだしぶとく抵抗するほどの生命力を見せつけていたが、最後にはそのまま放たれたゼロ距離からの熱線で跡形もなく吹き飛ばされて完全に滅び去った。
しかし、中米沖でゴジラに引きちぎられた首の一つは現地の漁民に引き上げられており、それが後にアランの手に渡ることになる。
この首はその後、大手テクノロジー企業の「エイペックス・サイバネティクス」に売却され、5年後の2024年を描いた『GODZILLAvsKONG』では同社の開発した史上最悪の兵器の素体として利用される事になる。
そして、エイペックスのCEOであるウォルターはギドラの脅威度を見誤ったエマと同じ失策を犯し、本末転倒な最悪の事態を起こしてしまう。
その他ドラゴン怪獣との相似
オリジナルのキングギドラはもちろん、後述の東宝映画「ヤマトタケル」に登場した魔王ヤマタノオロチへの類似点の他にも、海外においてはハリウッドにおける「革新的なCG表現に成功したドラゴンたち」との類似も指摘されている。
- 一つはスマウグである。ブレス攻撃の際の喉の発光、下あごの形状、悪意を持った表情、地上で歩行に使用する翼、モーションキャプチャによる演技が共通・類似している。
- ウェタ・デジタルは両シリーズに関与しており、また、モーション・キャプチャを本格的に映画産業に取り入れたことで有名である。ちなみにアンディ・サーキスはキングコングとゴジラの両キャラクターを演じたが、これは中島春雄以来となる。
- 今作のラドンに関しても、飛ぶ際に翼の後ろが燃える描写も、やはりスマウグのコンセプトに同様のものがあった。
- 二つは「サラマンダー」に登場したドラゴンたちである。後の数々の創作のドラゴンに影響を与えたとされており、そこにはハリー・ポッターやゲーム・オブ・スローンズ、ポケットモンスター等も含まれる(と言われている)。今回のキングギドラとの類似点は頭部である。「サラマンダー」においては「核」となる一頭の雄竜とサポート的な雌竜たちが登場するが、雄竜の頭はより分厚く角が曲がっており、役割も重要性が他の竜よりも重い。そして雌竜たちは雄竜よりも角がまっすぐである。
余談
宣伝などでは過去作に合わせて“キングギドラ”と呼ばれているが、劇中での呼称は基本的には“ギドラ”である(一部シーンで「キングギドラ」の呼称が使用されている)。これは過去作のキングギドラの海外名が単に「ギドラ」であるため。ギドラの名称が登場する前は「モンスター・ゼロ」(旧作にてX星人がギドラにつけた呼称「怪物ゼロ」の英訳)と呼ばれている。
2017年公開のモンスターバースシリーズの第2作『髑髏島の巨神』のエンドロール後のポストクレジットシーンで先行登場。MONARCHがコンラッドとウィーバーに見せた映像の中で、ゴジラ・モスラ・ラドンと同様に世界各地の遺跡に壁画として描かれている様子が映し出されており、そしてその最後にはゴジラとギドラの対峙する姿が描かれた壁画が出てきた直後に画面が暗転し、ゴジラの咆哮が響き渡るという本作の内容を暗示する演出となっていた。
ゴジラキングオブモンスターズの限定版DVD特典に付属されるドハティ監督のオーディオコメンタリーにて本作のギドラが過去にゴジラの同族を狩っていたことが判明した。
ドハティ監督曰く「ギドラが古代世界でどうやってゴジラを狩ったのか考えたんだ。例えばイヌワシなど翼を持つ鳥の場合は獲物を掴んで落としその死骸を食べるそうだ」と劇中のボストン戦で行った様に空中から落とすなどして狩っていたんだと述べている。
- 劇中では怪獣のコントロールも可能にするテクノロジー「オルカ」を執拗に攻撃している描写がある。自らの地球侵略の障壁になるからという理由もあるのだが、メタ的には侵略者の手先として操られる事が多かった過去作品(ゴジラやラドンも操られる事もあるが)の鬱憤を晴らしているようにも見える。
- モンスターバースシリーズが金子修介による平成ガメラとGMKの影響を受けているという指摘は国内外から数多くあり、「GODZILLA」と「KOTM」を視聴した金子自身もキネマ旬報(2014年7号)と映画秘宝(2019年6月号)にて類似点があることを認めている。ギドラに関しては金子自身の指摘を含めると「神話生物や幻獣の伝説に影響を与えた」「聖書の一節にたとえられ、地球を自分の好みの環境に変えたり侵略しにきた」「古代から地球に存在し、氷の中にいたところを人間に起こされた」「ゴジラと水中戦を行い、潜水艇に乗った人間が介入して誤射をする」「引力光線以外に明確な電気に関する能力を持つ」「指骨があり折りたたむことができる翼」「鳥の足のような脚部」など設定容姿シチュエーション、その他GMKに登場した魏怒羅の影響が色濃い。
- ただし魏怒羅は東洋の龍で「くに」を守る神であるのに対し、本作のギドラは西洋のドラゴンで地球を荒らす侵略者であるなど、その立ち位置とキャラクターは対照的である。
神話伝承との関係
- 海外版のポスターでは三本の首に因んで第9章の11、第9章の1、第9章の2の3つの黙示録からの引用が組み合わせられ、一つの文章として構成されている(この記事冒頭を飾る言葉がソレである)。
- ギドラが封印されていたモナークの南極前哨基地はOutpost32という名前であるが、これは『遊星からの物体X』に登場した南極基地「Outpost31」にちなんで名づけられたもので、「南極で氷漬けにされた太古の宇宙生物」というシチュエーションも物体Xのオマージュが込められているとのこと。ただし物体Xの世界観と繋がっているわけではない。
- ドラゴン系統のデザインに見えるが、エンディングで示唆されている内容や不死身にも思える再生能力などから、生態としては地球上のヒドラに近い存在であることが示唆されている。なおヒドラとギドラはどちらもギリシャ神話のヒュドラに所縁のある存在である。原語版ではチェン博士が実際にHydra(ハイドラ)と呼ぶシーンがある。
- 上記の通りキングギドラ自体は西洋に登場するドラゴンや悪魔をモチーフとしてるが、本作のギドラのオリジナルテーマには仏教の般若心経が読経されているのは極めて印象的である(ページ冒頭部参照)。ドハティ監督は「リアルな感じと、古(いにしえ)の音楽に感じられるようにしています」との意図があるらしい。
- 当初は世界中の神話や伝説を調べても該当する怪獣を発見できなかったとされているが、現実においては著名な三つ首のドラゴンの伝説としてペルシア神話のアジ・ダハーカが存在する。「広げれば天を覆うほどの巨大な翼をもつ」、「世界の支配者の証といわれる光輪を火の神アータルと争いあった」、「世界の終末に封印から解き放たれ、世界の生命の3分の1を食らう」、「最終的には死後の世界から再臨した英雄に打倒される」など、今作のギドラと多くの類似点を持つ。
- 「地球の秩序から外れた外来種」「秩序の神たる地球怪獣に対する混沌の神」「地球の秩序を自身に都合良く作り変える」「ボストン沿岸から上陸」「嵐を纏う金(黄)の王」など、クトゥルフ神話要素も見られる。
関連項目
ドラゴン 怪獣 邪神 戦闘狂 絶対悪 だいたいこいつのせい 侵略者 破壊神 金色の悪魔
MUTO:前々作の敵怪獣。無意味な殺戮を行ったギドラと違い人間から攻撃を仕掛けられた事から敵意を抱くようになり、子孫を残す為に暴れていた。
スカルクローラー:前作の敵怪獣。ギドラ同様、よその生態系から侵入した外来種であることが語られている。
MECHAGODZILLA(モンスターバース):次回作の敵怪獣。上述の通りギドラの頭がメカゴジラ開発に利用されることになる。ギドラの頭部を基礎として開発された「ギドラの中枢神経を用いた生体スーパーコンピューター」が組み込まれており、メカゴジラであると同時にメカキングギドラでもある。なんと声すらもギドラの声を加工したものである。