概説
恒温動物である哺乳類と鳥類の一部が活動を停止し、体温を低下させて食料の少ない冬季間を過ごすこと。
また、変温性の魚類、両生類、爬虫類、昆虫などの節足動物や陸生貝などの無脊椎動物が冬季に極めて不活発な状態で過ごすこと。
冬眠する理由については、主に2通りの理由がある。
- 冬の低温下では生命活動に支障をきたす。最悪の場合は死に至る。
- 冬場に餌が少なく、生活に支障をきたす。飢餓状態の回避のため。
変温動物にとって低温下での活動は死活問題であり、恒温動物にとっても餌となる動植物が極端に減少する冬場は生きていくうえで厳しい環境となる。
体の小さい昆虫等の無脊椎動物の場合、落ち葉の集積する雑木林や石の下、朽ち木の隙間など、何かの間に挟まったり、下へ潜ったりする場合が多い。
より大きな生物は、地中に穴を掘ったり、木の洞や根元の空洞の中に入り込む。哺乳類の場合、より快適な環境を整えるために、枯れ草や落ち葉を集めて即席のベッドを準備することもある。
そして冬眠前には絶えず食事を摂って脂肪を蓄えることで、寒さを凌ぐ天然の防寒具とし、また飢えを凌ぐ栄養タンクの役割を果たす。
リスなど一部の小動物は、冬が到来する前に木の実等を備蓄し、定期的に起きて備蓄庫から食事を摂取する者もいる。
熊も冬眠する動物として有名だが、体温が少し下がるだけで半覚醒状態、冬眠中に出産し春先になって本格的な子育てを開始、食事や排泄はしない、栄養状態が悪いと逆に動きを控えるなど他の動物の冬眠とは異なっている。
これは熊の仲間だけに見られる冬を過ごす特殊な生態であり、近年の研究では「熊は冬眠ではなく冬ごもり」「そもそも冬眠とも冬ごもりでもないのではないか」など熊の生態の議論の的になっている。
冬眠する動物
創作では
とんでもなく長い時間を冬眠(人工冬眠含む)する例が多々見受けられる。まあ現実にも2,000年前の蓮の種が大輪の花を咲かせたり、数万年前の原生生物が蘇生したりする例もあるので…。