概要
『ゼルダの伝説』シリーズの主人公。
『ゼルダの伝説』はFC初期から存在するシリーズで、マリオと並ぶ任天堂の代表キャラクター。海外での人気も高く、ギネスで行われている「ゲーム史上最も有名なゲームキャラクターランキング」ではマリオに次いで第2位である。
また、あらゆる道具を使いこなせる任天堂キャラでも随一の器用さを誇る。いずれの作品でも剣術を得意とするが、騎乗や弓術に優れ、魔法やマジックアイテムもある程度使用でき、さらにブーメランやフックショットなどの飛び道具、ハンマーのような鈍器、バクダンやボムチュウなどの爆発物も自在に使いこなし、作品によっては楽器の演奏もできる。
多くのシリーズで「勇気のトライフォース」を宿し、退魔の剣マスターソードを扱える勇者となっている。また魔王ガノンなどの巨悪に囚われたゼルダ姫を救出する運命にある。
勇者ということでゼルダ姫とは関りが深く、作品によっては好意を寄せられる場合もある。
登場作品によって設定が異なり、直接の続編でない場合は同一人物というわけではないことがほとんど。
基本的には髪の色が明るめ(金髪or茶髪)で緑色の服と帽子を身に着けていて、ハイリア人という人種の特徴から耳が尖がっており、剣と盾を装備しているという共通点がある。
また全ての作品で共通しているわけではないが、宝箱を蹴り開ける、話を聞くとき腰に手をあてる、もみあげが長い、なども複数の作品で共通している。
ゼルダとの関係は様々だが、敵により危機に瀕したハイラル王国の姫であるゼルダと、王国と姫を救うべく戦う勇者(騎士)、という関係が多い。『ふしぎのぼうし』・『4つの剣+』・『スカイウォードソード』では幼馴染である。
Wiiの『トワイライトプリンセス※』『スカイウォードソード』ではコントローラー操作との整合をとって右利きになっている。
『時のオカリナ 3D』を一度クリアすると遊べるようになる『時のオカリナ 3D 裏{Master Quest}』通称『裏ゼルダ』でも右利きとなっている。
『ブレス オブ ザ ワイルド』では、ハードの特性を活かした操作やシステム上の制約とは特に関係がないものの、ゲーム全体に掲げられた「アタリマエを見直す」という方針の一環として右利きとなっている。
※『トワイライトプリンセス』については、ゲームキューブ版及びリマスター版のWii U版では左利きである。ただWii U版も「辛口モード」だと右利きとなっている。
なお、ゲーム本編シリーズとは異なるが、初代『ゼルダの伝説』が発売されてからまもなく出版されたゲームブック『コミック版 新・ゼルダの伝説』(ケイブンシャ)では右利きのリンクが描かれている。本作は(設定やキャラクター描写などのちの作品との整合性が取れなくなっているものの)最も古い時代のリンクの活躍を描いた作品と設定されており、現状ゲーム本編シリーズの中で最も古い時代と定義されている『スカイウォードソード』の設定と合わせると「初代の勇者リンクは右利きであった」という設定が公式であるとも考えられる。
なお、左利きの理由についてはいくつかの説が噂されているものの、詳細は不明である。1番有効なのは宮本氏が間違えて左手に剣を持たせたことであると思われる。任天堂公式においては左利きという設定が基本らしく、宮本茂が2006年のWii PrevewにおけるQ&Aコーナーなどで「リンクは左利き」と明言しているほか、オフィシャルストアであるNintendo Tokyoでのリンク(※容姿がどのシリーズとも微妙に異なり、「オフィシャルな共通イメージ」というべき外見となっている)のイラストや等身大フィギュアなども左利きとなっている。
「リンク」という名前は、トライフォースを繋げ(Link)、世界を正しく導く者、という彼の役回りから来ていることが、宮本滋から聞いたとして青沼英二によって語られている。また、ドイツ語では「左」を意味する言葉でもある。
ただし、名前はプレイヤーによって変更可能な作品が大半である。
ほとんどの作品のパッケージや公式ビジュアルでは剣と盾を持っている。シリーズを象徴する代表的なものとしてマスターソードとハイリアの盾を装備しているイラストが多い。
容姿
リンクは先に挙げた通り明るい色の髪に緑の服、尖った耳をしている少年ないし青年、という共通点があり、各作品で別人でありながらも基本的に似通っているのだが、容姿のイメージは『時のオカリナ』・『風のタクト』・『ブレスオブザワイルド』のタイミングでそれぞれ大きく切り替わっている。
『時のオカリナ』でリンクのキャラクターデザインを担当した小泉歓晃によると「リンクのデザインはもともと(昔ながらの任天堂キャラらしい)団子鼻であったが、当時、奥さんから『任天堂のキャラクターはみんな鼻に特徴があるのね』『男前のキャラクターはいないの?』と言われてしまい、そのことに大きなショックを受けたため、『時のオカリナ』を作る際にリンクのデザインを、もみあげを少し刈ったり鼻もすらっと高くするなど、奥さん好みのイケメンへと大きく変えた。さらにピアスをするなど少しおしゃれにもしたが、あまりかっこよすぎると任天堂らしくないため、下にはババシャツを着ているという設定にした。」とのこと。
ゼルダシリーズ産みの親である宮本茂は、時のオカリナの大人リンクを見た時に「確かにかっこいいけど、子供リンクがいないと作らない」と言ったほど子供リンクを出すことを強く望んだ。宮本としては「リンクは元々少年で子どもらしいお茶目なキャラクターであり、初代から作り続けてきた身からするとあまりにもかっこよすぎてリンクじゃないと思ってしまった」「しかしその一方でかっこいいリンクも残しておきたいとも思ったので、大人と子供の両方を出すことにしたら、結果的に物語や演出に深みが出たので良かった」と語っている。
そのおかげか、『時のオカリナ』からは女性のプレイヤーやファンも多くなったそうで、宮本は「リメイクによってリンクのイケメン度がさらにアップしたので、リンクのファンがさらに増えるといいなというのが一番の望み」だと結んでいる。
『時のオカリナ』で大人姿のリンクが登場した事によって、それ以降の作品でも特にリアル系の作品では大人リンクが主人公を務めるようになり、「子供リンク」の方はアニメ調のトゥーンリンク作品や携帯機の作品の主人公と分化した。
大人リンクは以降の作品でもハンサムだが少しクセのある雰囲気で、表情豊かに描かれるのが基本となっている。
トゥーンリンクと呼ばれる『風のタクト』をはじめとしたトゥーン調のグラフィックを用いたシリーズでは、作品全体のイメージが絵本や児童向けアニメのような雰囲気となっていることもあって、他の作品に比べると頭身がかなり低く、猫のような大きな目にシンプルな顔立ちが特徴となっている。このリンクはファンから「猫目リンク」と呼ばれることもある。
『大乱闘スマッシュブラザーズ』では大人のリンク(通常の「リンク」)・子供のリンク(「こどもリンク」)・トゥーンリンクがそれぞれ別のキャラクター扱いで登場しており、技の性能なども異なる(詳しくは後述)。
『ブレスオブザワイルド』では、宮本から総合制作を引き継いだ青沼によって、「ゼルダのアタリマエを見直す」、つまり、それまでのシリーズで当たり前とされてきた様々な要素を全て見直すというコンセプトのもと遊び方がリデザインされている。
リンクの容姿に関しては、それまでのシリーズでお馴染みだった緑の服と帽子から、青い服で帽子無し、平行四辺形の釣り目から丸みを帯びた目へと、長年続いてきた伝統を根底から大きく変える変更がなされた。
制作陣によると、リンクの服を緑から青に変更することはアタリマエを見直す最初の段階で決まったそうで、理由は「リンクが緑の服を着たままだとせっかくゲーム自体を大きく変えたのに全然変わっている気がしないから」で、青い服はゼルダのアタリマエを変えるためのフラグシップだったとのこと。また、帽子に関しても「リンクの帽子をどうにかできないの?」「カッコよくできるかアレ?」などと青沼氏からリクエストがあったそうで、結局「冷静になって考えると、緑の服や帽子が本当にかっこいいの?」という話になり、見直した結果、帽子をかぶらずに青い服を着て登場する現在の形になったそうである。また後になってから、ずっと緑がある世界を冒険していく中で、保護色になってしまう緑の服よりも青の服の方が見やすくて理にかなっているという事にも気づいたそうである。
ただし青い服に関しては、『ブレスオブザワイルド』のリンクのベースとなるCGデータを作る際に、仮の予定で『風のタクト HD』のリンクが私服として着ていた青色のエビのシャツを着せて改造して作った急造の青服リンクが意外と評判がよく、結局そのままにしたとの事なので、実は全く新しい服装というわけでもない。
また目については、「リンクがいつも平行四辺形で力んでいる目をしているのはなんでなんだ。プレイヤーが力んでない時でもリンクは常にキリッと力んでるように見えるのがなんか変。遊んでいるほうはそんなに力んでいないから」「哀愁を帯びた感じのイメージで、遥か未来なのか、遠い地平の彼方なのか、大切な人を見ているのかっていう、切ない目にしてほしい」と青沼が要望を出したため、あのような澄んだまっすぐな目の表現となった。
また、リンクは『ブレスオブザワイルド』で服装と髪型が変化したことによってより中性的な雰囲気が強くなったが、制作スタッフによるとリンクが中性的なイメージなのは意図的で、とても大事にしているものであり、海外では多くの女性にプレイしてもらえる要因の一つになっていると聞いているとのこと。また青沼いわく「リンクはキャラクターというよりプレイヤーであってほしい、トワイライトプリンセスのリンクはすごくカッコいいがやりすぎたかなとも思った。女性のコスプレイヤーがリンクになることも多いので、女性にも共感してもらえる形にしたかった」とのこと。
各作品のリンク
膨大なため、歴代リンクの記事を参照。
外部出演
スーパードンキーコング2
「Cranky's Video Game Heroes」の3位として登場(ちなみに2位はヨッシー、1位はマリオ)。GBA版では2位に変更されている。
GB版『ドンキーコングランド』では登場しない。
スーパードンキーコング3
城の情報を教えてくれると聞かされ、ベアーコインを持っていなかったのでバザーからルピー払いでカンベンされた。
しかしその内容は完全な詐欺であり、愚痴を言いながら立ち去ったそうである。しかも結構高額な代金(500ルピー)をふっかけられたらしい。
当然である。
スーパーマリオRPG
特定の条件を満たしてから、ローズタウンの宿屋の2階に上がるとリンクが寝ている。
話し掛けるとゼルダの伝説シリーズで謎を解いた時に出る効果音が流れる。
大乱闘スマッシュブラザーズシリーズ
1作目『ニンテンドウオールスター!大乱闘スマッシュブラザーズ』から参戦しているレギュラーの一角。
作品ごとに参戦しているリンクが異なり、初代『スマブラ』と『大乱闘スマッシュブラザーズDX』では『時のオカリナ』版、『大乱闘スマッシュブラザーズX』と『大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS/ Wii U』では『トワイライトプリンセス』版、『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』では『ブレス オブ ザ ワイルド』版となっている。
また、『DX』以降では『時のオカリナ』の「リンクの真の姿」(こどもリンク)や『風のタクト』版(トゥーンリンク)も参戦している。
詳しい解説はリンク(ファイター)、こどもリンク(ファイター)、トゥーンリンク(ファイター)を参照。
初代『スマブラ』では、正統派「二枚目」剣士と紹介されていた。
ソウルキャリバーⅡ(ナムコ)
ゲームキューブ版にてゲスト参戦した。
ある時、強大な魔力を得た魔術師がハイラルに様々な災厄を引き起こし、ゼルダからの依頼でこの事件を解決したリンク。ハイラルは平和になったが、実は倒された魔術師は異世界で破壊された邪剣「ソウルエッジ」の破片が何故かハイラルに落ちてきて、それを手にした事で悪に染まった事が判明。
賢者達から話を聞いたリンクは、ソウルエッジによる被害を未然に防ぐため、異世界へと旅立つのであった。
モンスターハンター4(カプコン)
コラボレーションとしてリンクの装備が実装。
装備を作成するためのダウンロードクエストが配信された。
マリオカート8
DLC第1弾で『スカイウォードソード』版リンクがゲスト参戦。
ハイラル城をモチーフにしたコース「ハイラルサーキット」もセットになっている。
Switch版『マリオカート8デラックス』では最初から実装されており、アップデートで『ブレスオブザワイルド』版のリンクが追加。追加後は『ブレスオブザワイルド』版がデフォルトに変更され、『スカイウォードソード』版が色替え扱いになる。
各作品のリンクが基本的に別人であることを踏まえてか、CPUキャラとしては2人がそれぞれ別々に登場する。ただし声はどちらも共通で『スカイウォードソード』版のまま。
The Elder Scrolls V:Skyrim(ベセスダ・ソフトワークス)
Switch版にて、ゼルダ伝説シリーズのamiiboを使用するか、世界のノドの頂上に行くと、『ブレスオブザワイルド』のマスターソード、ハイリアの盾、英傑の服が入った宝箱が手に入る。性能は中々。
番外編
ファイナルファンタジー(スクウェア・エニックス)
とある場所に「リンクの墓」が存在。任天堂以外のゲーム機でもそのまま登場。
墓を調べると「リンク ここにねむる」と表示される。
ニャニャニャ!ネコマリオタイム
\でやぁ!!/
時々ゲストとして登場し、ゼルダシリーズ関連の最新情報をお届けするデャァッ!
リンク関連があると突然下から現れることがあるデャァッ!
いつもは無口の本編に対し、ネコマリオタイムではバリバリ喋りまくるデャァッ!
なぜか語尾がデャァッ!でデャァッ!デャァッ!と言いまくるので笑えるデャァッ!
『4つの剣』の使いまわしとか言わないでほしいデャァッ!
コミックス版
声優
全てを書くとかなり膨大になるため、基本的に『ゼルダの伝説』シリーズのみ記載。
初めてゲーム内ボイスが収録された記念すべき作品であり、その第一声。
- 檜山修之
- 時のオカリナ(青年時代)、ムジュラの仮面(鬼神リンク)
公式作品における大人リンクの第一声。かの有名なスマブラの初作、第二作共に登場した他、『ソウルキャリバーⅡ』にもゲスト出演しており、正に「リンクと言えばこの声」と強く印象付けた。
『トライフォース3銃士』ではキャラ作成時に、歴代の少年リンクの声(瀧本、松本、小平、斎賀)の中からランダムで選ばれる。
関連イラスト
余談
- 元々リンクの女性バージョンとしてリンクルというキャラが『ゼルダ無双』で構想されたことがあったが、諸般の事情で没キャラとなっていた。しかし、『ハイラルオールスターズ』にて設定が若干変更された上で登場することになった(参考)。
- リンクの個性となっている左利きだが、きっかけである第一作でリンクが左利きになった原因はなんと開発スタッフのミス。その証拠と言っていいかは分からないが、第一作のリンクは手に入れた剣を一度右手で掲げ、その後左手に持ち替えている。
関連タグ
任天堂 勇者 トゥーンリンク こどもリンク ウルフリンク 古の勇者 回転斬り ぬけがらのエレジー
リノ=ライト:リンクをモチーフに作り出されたMikuMikuDanceでのそっくりさん。