概要
没モンスターとは、コンピューターRPGなどでデザインされたものの、ディレクターやプロデューサーのイメージと異なったり、スタッフ間での打ち合わせの結果、没となり未登場になったモンスターである。
明確な没の理由としては、単にクオリティが低い、世界観にそぐわない、差別的な表現を含んでいるなどがあるものの、登場機会を逃した、プログラムミスで登場できなかったというケースもある。(設定ミスの場合、特定の条件下で出現させる方法があるゲームもある)
その他ファミリーコンピュータなどの家庭用ゲーム黎明期には、容量の関係から入れたくても入れられず削除されたものも多かった。
また、デザイナーの不勉強から他作品のものにそっくりになってしまった。もしくはオマージュの度合いを誤りパクリ扱いされ、近年であれば炎上の可能性があるものも没とされる。
運よく設定資料集が発売されているゲームでは、日の目を見て没も致し方ないと評されるものがある一方で、採用した方が良かったと評価されているものも多数存在する。
近年データ解析が行われるようになり没モンスターのグラフィックや、ステータスなどのデータが発見されており、一部ゲームではチートで出現させた動画が動画サイトに投稿されている。
ちなみにこのような没データが開発中に消去されず残っている理由としては、消去するプロセスでヒューマンエラーが起これば新たなバグが発生する原因になりかねないためである。
作品に人気が出て続編が製作されたり、リメイクされた場合、これらの没モンスターが復活する場合もあるが、反対に時代の変遷から名称の変更、キャラクターの差し替えなどにより没となったモンスターも存在する。
関連作品の例
ドラゴンクエスト
ドラゴンクエストシリーズは開発期間が長いこともあり、開発中に発表された鳥山明によるデザイン画のモンスターが製品版では未登場になったこともある。それにより没モンスターが多いことで有名で、pixivでこのタグがついた作品の多くを占める。
メイン画像のガスドラゴンのようにpixivではドット絵作成ツールで再現されたネタ画像もいくつか投稿されている。
※例:左からゾーマ変身後案、アーサーシオン、ミノタウロス、マクロベータ初期案
【関連項目】(没モンスターや元・没モンスター)
まだらぐも オクトリーチ デンタザウルス だいおうイカ シャーマン(DQ) レイギガース ディゴング トドマン エレフローパー ポイズンリザード エビルアングラー ミミック リザードマン(DQ)
ロマンシングサガ3
『ロマンシングサガ3』にはプログラム上の理由で出なかった事実上の没モンスターが多い。攻略本には載っていたため、未確認生物さながらのレアモンスターとして存在が知られていた。
⇒詳しくは「アスラ(ロマサガ3)」の記事を参照。
【関連項目】(配下や同系統に没モンスターがいる敵)
アウナス ビューネイ アールヴ(ロマサガ3) ベラドンナ(ロマサガ3) ヤミー ドラゴンルーラー
女神転生シリーズ
世界中の神話伝承に登場する幻獣や神(ネタや創作も含む)を、すべて悪魔(魔獣)として登場させるという設定の関係で、宗教上のタブーやグロテスクな表現になるのを避けるために、デザイナーの独自解釈やパロディ要素が多く含まれている。そのためセウト気味なデザインも多いため没モンスターも多いと思われる。
しかし任天堂のチェックで没になると予想されていた魔王アリオクや魔王マーラに、OKが出されるというミラクルもおきている。
開発中の画面に登場したものとしては『女神転生Ⅱ』では剣を持った動的なハヌマーンがヴィシュヌをベースにしたものに変更。『旧約・女神転生』としてリメイクされた際にドクターバクタがスチーブンに変更され、歩き回る脳みそである狂人キンズヘッドが没になった。
『真・女神転生』ではドット絵サイズが大きいゾンビコップや、製品版とは違うサイクロプスやアサシンの原型のような悪魔が雑誌写真に掲載されている。またデザイン画が残されているもので天魔王、ガープは没になったが、女郎蜘蛛(女性部分がアマテラスに)、クルセイダー、ロボアーミー、せんきょうしなどはPCエンジン版で登場した。
『デビルサマナー』では首吊りの女神イシュタムがデザイン変更され、電気椅子をモチーフにした悪霊スパーキーが没になり、公式イラストやリメイク版で邪龍トウビョウの入った瓢箪に書かれた「大関」の文字や、魔王ラーフの角の形状が変更になった。また天使エンジェルは衣装が過激なことから機種ごとにマイナーチェンジされ、『真・女神転生Ⅴ』ではとうとう土居政之による新デザインに変更になった。
製品版ではメッセージのみで姿はない。SFCではもっとモロなデザインがロム内に残っており、PCエンジンにリメイクされた際には上イラストにデザインを変えて登場している。
その他の没モンスターの例
- MOTHER → ピッピ(MOTHER)
- MOTHER3 → ゆげ2
- wizardry → オルクス
- 風来のシレン → パルテノス
- ポケットモンスター → 没ポケモン
- ロマンシング サ・ガ → ミミック
- ロマンシングサガ2 → 首領(武装商船団の同系)
- メタルマックス2 → ロドリゲス(メタルマックス)(ガルシア(メタルマックス)に変更)
- メタルマックス3 → 金輪際ゴースト(『メタルマックス2リローデッド』で復活)
- サンサーラ・ナーガ2 → 通常出現しないマカラや、PVのみ出演のサラマンダー(リメイク版で登場)、公式画と製品版が異なるミズチやクラビペリカンなどがいる。
- セガガガ → アダルトチルドレン(通販版での誤用でクレームがあり、店頭販売版で名称変更になった)
- 摩訶摩訶 → 容量の関係で没になったウニ女、アニメ女、ジキルハイドなどはトップビュー用に描き直され、デザイナーが同じの『イデアの日』に登場した。お助けキャラであるトメさんが味方してしまう特殊な設定の火事男と、顔面がシャワーであるシャワー女(仮名)は未登場。
関連タグ
没データ 没デザイン 没キャラ モンスター ロールプレイングゲーム
ドラゴンクエスト ファイナルファンタジーシリーズ 女神転生 ペルソナ Sa・Ga メタルマックス ヘラクレスの栄光 摩訶摩訶 イデアの日 サンサーラ・ナーガ2 BUSIN