概要
主な概要
1997年1月5日~同年12月14日に毛利元就生誕500周年記念作品として製作・放送されたNHK大河ドラマ。
大部分は内舘牧子のオリジナル脚本だが、元就の妻・美伊の方の登場から死までは永井路子の小説『山霧 毛利元就の妻』が原作となっている。
残された自筆の文章や書状の内容を元に、謀略家のイメージが強い元就を愚痴っぽいが家族思いの男性として描いた。
基本的にホームドラマ形式だが、常に家庭を想いながらも実直な青年から老獪な策略家に変貌していく元就、その元就に深く影響を与える尼子経久、初期の毛利家の醜い争いなどのシリアスな部分も丁寧に描いている。
最終回では、死に際の元就の前に既に亡くなっている登場人物達が敵味方関係なく現れ、「これまでの元就の行いが極楽に行くべきか、地獄に堕ちるべきか」を問うという一風変わった内容となっている。
題字
大河ドラマの題字は本来著名な書道家や出演俳優、原作者や脚本家が手掛けたりすることが多いが、本作はなんと毛利元就本人が書いた字を使用している。もちろん毛利元就が自ら筆を取った訳ではなく、彼の直筆の書状から取って来たものである。
このため、スタッフクレジットに主人公本人の名前が載るというなんとも面白い現象が発生している。
影響
この作品で知られるまでの元就は「知る人ぞ知る」あるいは「地元で有名」位の知名度だったがこの作品の影響で全国区の知名度を誇るようになった。
主な登場人物
毛利一門
- 毛利元就…(3代目)中村橋之助(後の8代目中村芝翫)(幼少期は岩渕幸弘→森田剛)
- 美伊の方(妙玖;元就の正室)…富田靖子
- 杉の方(弘元の側室)…松坂慶子
- 妙(元就の後妻)…宮本信子
- 毛利隆元…上川隆也
- 寿の方(尾崎局;隆元の正室)…大塚寧々
- 吉川元春…松重豊(幼少期は安藤一志)
- 美々(新庄局;元春の正室)…仁科扶紀
- 小早川隆景…恵俊彰(幼少期は富田樹央)
- 阿古(問田大方;隆景の正室)…藤吉久美子(幼少期は三船美佳)
- 可愛(五龍局;元就の娘)…高橋由美子
- 毛利輝元…森田剛(幼少期は中村国生(後の4代目中村橋之助))
- 毛利弘元…西郷輝彦
- 祥の方(弘元の正室)…竹下景子
- 毛利興元…渡部篤郎(幼少期は後藤拓也→芦田昌太郎)
- 雪の方(興元の正室)…一路真輝
- 幸松丸…北尾亘
- 相合元綱…西島秀俊(幼少期は伊勢裕樹→いしいすぐる)
- 相合の方(弘元の側室)…松原千明
- 香(元就の側室)…秋本奈緒美
- 小夜(元就の側室)…田中広子
毛利家臣
- 福原広俊…笹野高史
- 福原貞俊…石濱朗
- 志道広良…中村梅雀
- 井上元兼…片岡鶴太郎
- 桂広澄…草刈正雄
- 桂元澄…鶴見辰吾
- 渡辺勝…榎木孝明
- 渡辺通…勝村政信
- 赤川元保…永島敏行
- 児玉就忠…益岡徹
- 宍戸隆家…加勢大周
- 国司元相…坂本あきら
- 粟屋元親…塩野谷正幸
- 平佐就有…佐藤B作
- 井上春忠…生瀬勝久
- 小三太…奈佐健臣
- 久(杉の方の侍女)…松金よね子
- 藤野(美伊の方の侍女)…加賀まりこ
大内家
尼子家
- 尼子経久…緒形拳
- 萩の方(経久の正室)…高畑淳子
- 尼子晴久…高嶋政宏
- みつ(晴久の正室)…岩崎ひろみ
- 尼子義久…中村獅童
- 尼子国久…清水紘治
- 亀井秀綱…河原さぶ
- 宇山久兼…磯部勉
- 河副久信…上杉祥三
- 立原幸隆…門田俊
- 山中鹿介…山田純大
その他
- 足利義稙…田口トモロヲ
- 宍戸元源…石田太郎
- 吉川国経…草薙幸二郎
- 吉川興経…京本政樹
- 野田次郎…的場浩司
- 加芽…葉月里緒奈
- 村上虎吉…藤原喜明
- 武田元繁…宍戸開
- 堀立直正…原田芳雄
- 小早川繁平…高橋譲
- 椋梨景勝…舟木一夫
- 和智誠春…せんだ光雄(せんだみつお)
余談
- 幼少期毛利輝元役・中村国生は元就役・3代目中村橋之助の実子。
- 尼子経久役は当初は萬屋錦之介が演じる予定だったが病気のため降板した。病状はその後も悪化して本ドラマの放映期間中に逝去した。なお経久の曾孫・尼子義久を演じた中村獅童は錦之介の実の甥に当たる。歌舞伎役者である中村橋之助・国生親子や志道広良役・中村梅雀とも遠縁同士である。