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蒼き狼と白き牝鹿Ⅳ

あおきおおかみとしろきめじかふぉー

コーエー(コーエーテクモ)が発売した歴史シミュレーション。パソコン版、プレイステーション版、パワーアップキットなどが売り出された。
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蒼き狼と白き牝鹿-元朝秘史-の続編。1998年発売だが、実質最後に発売された作品。正式名称は「チンギスハーン・蒼き狼と白き牝鹿Ⅳ


ゲーム内容としては、全国家でのプレイが可能となり、登場する実在人物も大幅に増加。チンギス・ハーンが台頭した1189年と、彼の子孫達が大陸を席巻した1271年の2シナリオが用意されている(追加シナリオはパワーアップキットのみ)。


将軍の能力値は政治・戦闘・智謀という3つの100段階数値、歩兵・騎兵・弓兵・水軍という兵科適性としての4つのSからEまでのランク、6種類の内政特技および6種類の戦闘特技の有無という細かい設定になった。


また、全ての領地に将軍単位でプレイヤーが命令できるようになったことに加え、世界を1枚のマップで表現し、その上を各将軍率いるユニットが移動して内政や戦闘を行う(ただし軍隊ユニット同士や軍隊ユニットと都市との戦闘は別画面で行う)という、信長の野望・将星録にあった箱庭内政システムを採用。


総じて前作までとはかなり毛色の違ったゲームに感じやすいが、世界を舞台としたスケールの大きさ、各地に実在の国家や人物が多数登場すること、国王の血縁者の重要性、文化圏の概念など前作までの特徴も色濃く引き継いでいる。更に前作までは歴史イベントも存在しなかったが本作では幾つかの国に用意されている。


反面、オルドのシーンが大幅に簡略化されるなど残念な点がある。(ただしPC版のみでPS版は妃との「宴」の演出が変更されている。詳しくはこちら)


現在は入手不可能ではあるが、パワーアップキット版も存在しており以下の内容が収録されている。

シナリオの追加

(シナリオはチンギス・ハーンの息子であるオゴタイ・ハーンが即位した直後の1229年と中央アジアでティムールがティムール帝国を建国した時代の1370年の2つが追加。)

コマンドの追加

王族将軍に国王の地位を譲る事ができる「譲位」コマンドが追加。

施設の追加

敵の侵入を阻む防壁を建設可能。

兵科の追加

1370年の新シナリオであるイベントが起きるとイギリスにてガーター騎士が編成できるようになる。

新国王でのプレイが可能

新国王と配下を作成してのプレイが可能。


コンシューマ版編集

コンシューマ版はPSのみで1999年2月25日発売。PCと異なりパワーアップキットが発売されていないが、PK版の一部要素が組み込まれている。また誕生した王子の顔を選択できるようになり専用のグラも追加されている。ただし容量の問題から世界のマップが小さくなっていたり、徴兵の仕方が大きく異なる。


登場する勢力編集

モンゴル文化圏編集

  • モンゴル(1189年・1229年):チンギス・ハーンに率いられた部族。1189年のシナリオ1では最も有能な武将が多い勢力で本シナリオの主人公でありイベントも多く片田舎から世界征服者にのし上がった経緯を実感できる初心者向けの勢力。蒙古騎兵の移動力と破壊力はチートクラス。追加シナリオではオゴタイが皇帝を務めるモンゴル帝国と改称する。

  • ジャダラン(1189年):チンギスの幼馴染みだったジャムカの治める国。主に反チンギス勢力出身だった猛者達が仕えているため、史実を覆す事も可能。王族将軍がいない事が弱点だが幸いにも(?)蒼き狼シリーズ名物のラッチが妃におりジャムカの能力の高さと彼女の高い出生率で有能な王族は十分に得られる。

  • ケレイト(1189年):チンギスの父の盟友であったトオリル・ハーン率いる勢力。最初はモンゴルと同盟しているが高齢である上に人材不足が難点。それでも勢力として登場せずに浪人扱いであるナイマンのダヤン・ハーンとクチュルクの親子よりはマシであるが…

  • 元(1271年・1370年):チンギスの孫で、トゥルイの息子であるフビライ・ハーン(クビライ)の興した帝国。元寇の直前で国力・人材共に最盛期だったフビライ時代(1271年)と、に敗れてモンゴル高原に追い込まれた末期の元(1370年)と言う両極端の難易度。

  • オゴタイ=汗国(1271年):チンギスの三男・オゴタイの子孫ハイドゥの国。ユーラシア大陸の激戦区に位置するが、英主ハイドゥの存在が興廃を握る。

  • キプチャク=汗国(1271年・1370年):いわゆるジョチ・ウルスでチンギスの長男ジュチの一族がロシアに建国した政権。他のモンゴル系国家と同様に蒙古騎兵が編成可能で初期配置の将軍や王は武勇に優れているが、文化レベルが低いうえ同郷人(異郷の人材は兵科や忠誠度で不利)を雇えないのが弱み。

  • チャガタイ=汗国(1271年・1370年):チンギスの次男チャガタイが建国した中央アジアの国。シルクロード貿易ができるのでお金には困らないが、やはり同郷の人材を雇えないのが難点。

  • イル=汗国(1271年):クビライの兄弟フレグが興した中東の大国。ビザンツ帝国と元が同盟相手であり、親族や子供も多いので数で押せる。やはり、モンゴル系の人材は不足しがち。

  • ジャライール朝(1370年):イル=汗国の貴族が建国した国だが、何故かモンゴルではなくイスラム扱い。PK版のみ登場する。

  • ティムール帝国(1370年):PK版で登場したシナリオ4の主役ポジション。最強の武将ティムールが王を務める国で、明と並んで世界征服の最有力候補。蒙古騎兵も編成できるがティムール自身はイスラム系なので注意が必要。

日本文化圏編集

  • 鎌倉幕府(1189年・1229年・1271年):源頼朝が創始者で1189年では鎌倉政権という名称として登場し、日本統一で鎌倉幕府となる。後半では北条氏が支配する武士政権。我が国が舞台と言うだけあって日本人には一番親しみやすい勢力と言える。世界的に文化レベルは虚弱で開発スペースも狭いが那須与一北条時宗など戦上手な人々が率いる武士(日本の騎兵)、僧兵(日本の歩兵)と言った侍系の兵科は大陸の猛者にも負けない。

  • 平泉政権(1189年):藤原泰衡が治める東北地方の国。国王兄弟は凡庸だが源義経弁慶と言う二枚看板を使えば、頼朝へのリベンジも不可能ではない。産物である馬で武士を雇い、黄金で金儲けもできる。

  • 室町幕府(1370年):足利義満が治める文化国家。義満の能力は流石に高く文化レベルも京都が初登場している為鎌倉時代よりはやや高い。シナリオ2には時間はかけるが彼の祖父である足利尊氏も登場する。

東アジア文化圏編集

  • 南宋(1189年・1229年・1271年):女真族の金朝に追われた漢民族王朝。文化レベルが高い国であり、特にシナリオ2では暗君のために滅亡寸前であるにもかかわらず、文天祥らの活躍で元を倒す事も可能。文化国家だけあって政治家や文化人に困らないが、勇将は少ない。

  • (1189年・1229年):北宋を滅ぼした女真族の国。チンギスの祖先・アンバガイをにして虐殺したため、モンゴルとは犬猿の仲。中国の文化と遊牧民の強さを兼ねた強国。パワーアップキットでは追い詰められて滅亡寸前だが、モンゴルの都市を奪ってリベンジすることで有益なイベントもある。

  • (1370年):漢民族の朱元璋が建国した強国。高い文化レベルと強力な史実場軍が揃い、弱体化したモンゴルと朝鮮を追い詰め、日本や東南アジア諸国を脅かす。シナリオ4きってのチート。

  • 高麗(全シナリオ):朝鮮半島に勃興した王朝で半島では珍しく勇猛な武人の政権。強国に周囲を囲まれている上に王朝の末期とあって国力は低いが、工芸品での金儲けや各シナリオに1人はいる勇将を使いこなせば光明は見える。難易度は高めだが、華南や日本の大宰府を早めに奪えば国力を補える。

  • チベット(全シナリオ):吐蕃と言う国号で栄えた仏教政権。指導者や武将が僧侶なため、戦闘力が低い。山岳地帯に囲まれている為内政も厳しいが逆に敵軍がすぐに侵攻してこないのが強み。オルドや開発の努力で武力の高い人材を確保できなければ侵攻がままならず難易度は高くなってしまう。

  • ベトナム(全シナリオ):陳朝、李朝など各王朝が存在する。中華系としては突出した文化レベルではないが穀倉地帯である上に食糧増産を出来るアイテムがあるため、食料に困らない。

  • 西夏(1189年):チンギスに敗れたシルクロードの国。優秀な一族がいるため、モンゴルに敗れた史実ほど弱くはない…かも知れない。

南アジア文化圏編集

  • アンコール朝(1189年):アンコールワットで有名な東南アジアの強国。史実では13世紀に滅亡したのだが、今作では早々と滅亡扱い。それでも全盛期を築いたジャヤヴァルマン(7世)の実力は確かな物でアンコールワットの影響で建築レベルも高い。

  • パガン朝(1229年・1271年):クビライによって滅びたミャンマーの政権。史実では仏教を重んじた善政が敷かれたが、ゲームでは雑魚。象部隊と奥地で敵に狙われにくいのが救い。


  • デリースルタン朝(1229年・1271年・1370年):インドに栄えた5つのイスラム政権を総称したもの。優秀な人材を擁立しているので、史実では為し得なかったインドの覇者になる道も開ける。

  • ヒンドゥー諸王朝(全シナリオ):チョーラ、ホイサラ、チャウハーン、バーンディヤなどヒンドゥー教を崇める諸国が存在したインドの王朝。歩兵を強化するアイテムと広大な土地が強味。

イスラム文化圏編集

  • アイユーブ朝(1189年・1229年):イスラムの英雄として名高いサラディンとその一門が支配するエジプトの帝国。イスラム文化圏最強の実力を持ち、イスラム系では最も世界征服に近い。


  • アッバース朝(1189年・1229年):カリフを擁するアラビアの大国。史実ではカリフの横暴が原因で十字軍やモンゴルに苦しめられて滅んだが、挽回なるか…?

  • 西遼(1189年):実際は仏教国家で中国王朝なのだが、シルクロードに位置するためかイスラム扱い。皇帝は弱いので優秀な息子か娘婿を得るためのオルドが肝心。

  • ゴール朝(1189年):インド、アフガン方面に勢力を広めたトルコ族の国。南アジアに領土を持つため、象を用いた力押しが可能。国王兄弟が有能。

  • マムルーク朝(1271年・1370年):英雄バイバルスらを輩出しアイユーブ朝の後継となったエジプトの政権。文化レベルが高いので高齢や無能な皇帝でも有利な国作りができる。


  • ハフス朝(1229年・1271年・1370年):ムワッヒド朝から独立した政権で、マリーン朝と共に旧主を倒した。砂漠に強い駱駝兵が決め手になる。

  • マリーン朝(1229年・1271年・1370年):アトラス山脈のベルベル族の王朝で、ムワッヒド朝を滅ぼした新興国。砂漠が大半なので食糧不足が悩み。

  • トルコ(1370年):PK版でのみプレイできる。後の大帝国となるオスマン・トルコだが、ゲームではまだ新興国で後の強大さは無い。それでも国王親子は強力。

西欧文化圏編集



  • フランス(全シナリオ):カペー帝国期のフランスで、フィリップ2世ルイ9世シャルル5世と言った優れた国王と、彼らにまつわるイベントが目白押しでイングランドのライバル国家。内政にも戦いにも優秀。


  • カスチラ王国(全シナリオ):イベリアの政権。ゲームの都合上、アラゴン王国やポルトガル王国等のイベリアのキリスト教国家の国王が配下にいる。先進国であるイスラム圏に近いため、文化レベルは高く内政に向いている。騎兵が初期では雇えないのが難点。

  • ノルウェー王国(全シナリオ):文武両道の王や将軍を抱えている北欧の大国だが、航海と牧畜を除く文化レベルが低い。海戦で強くなる歩兵バイキングが切り札と言える。

  • ベネチア共和国(全シナリオ):イタリアの商業都市国家で、当時としては珍しく世襲の君主制では無かった政権(ただし、当作ではゲームの仕様上自分でプレイする際は世襲になってしまう)。十字軍戦争やモンゴル帝国、イスラムを相手にした謀略を駆使したためか、ダンドロマルコ・ポーロなど間諜向きの人材が多い。

  • 両シチリア王国(1189年・1271年・1370年):イタリアの南に位置する島々を治める政権。小国だが文化レベルも高く、バイキングを雇えるので海戦に強い。シナリオ2ではルイ9世の弟が治めるフランス系王朝。

  • ミラノ公国(1370年):14世紀のイタリアに勃興した新勢力で、ベネチアのライバル的存在。PK版のみに登場する。

東欧文化圏編集


  • 東ローマ(全シナリオ):ビザンツ帝国(1229年はニケーア帝国)、ラテン帝国(1229年のみ)など。マケドニア朝の全盛期を過ぎており国王は地味な存在が多いが、首都コンスタンチノープルは世界最大級の文化レベルを誇り、生まれてくる子供や雇える武将の質も高い。

  • ポーランド(全シナリオ):東欧の小国。強い砲兵と歩兵、交易で高く取引できる産物が取り柄。前半では優秀な人材がいない為に苦戦しがちだが、後半シナリオには優秀な武将が登場する。

  • ハンガリー(全シナリオ):国力は低いが、騎士と弓騎兵と十字軍と言う欧州の強い兵科を雇用できるのが強味。金やオリーブ油など貿易でも有利なので、戦い・内政次第では大化けする。

  • ロシア(全シナリオ):キエフ公国、ルーシ諸侯国など。後の大国だが、統一されていないため弱小。じっくりと国力を高めてから戦う、内政向きの国が多い。モンゴル系の国と隣接している。

  • ニケーア帝国(1229年):十字軍に追われたビザンツ残党が築いた小アジアの亡命政権。PK版のみに登場する。

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蒼き狼と白き牝鹿 チンギス・ハーン 元朝秘史 コーエーテクモ


三國志ツクール:このゲームに登場した人物の顔グラがエディット用で販売されている。

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