路線データ
路線名 | 北上線 |
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ラインカラー | 紫 |
路線区間 | 北上〜横手 |
路線距離 | 61.1km |
軌間 | 1,067mm |
駅数 | 15駅 |
非電化区間 | 全線 |
最高速度 | 85km/h |
単線区間 | 全線 |
閉塞方式 | 特殊自動閉塞式(軌道回路検知式) |
保安装置 |
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運転指令所 | 盛岡総合指令室(CTC) |
第一種鉄道事業者 | 東日本旅客鉄道(JR東日本) |
第二種鉄道事業者 | 日本貨物鉄道(JR貨物) |
概要
北上駅(岩手県北上市)と横手駅(秋田県横手市)を結ぶ東日本旅客鉄道(JR東日本)の鉄道路線で、地方交通線。
日本貨物鉄道(JR貨物)が第二種鉄道事業者としての免許を保有しているが、定期貨物列車は運行されていない。
東北山地を横断して東北本線と奥羽本線を連絡する路線の一つ。全通当初は横黒線と称していた。
かつては特急「あおば」や急行「きたかみ」が本路線を経由して仙台駅~秋田駅間を結ぶなど広域連絡路線として機能していた。
東北新幹線開業と同時に行われた田沢湖線電化後はそちらに旅客輸送上の比重は移ったが、新幹線直行特急(山形新幹線・秋田新幹線)運行のために奥羽本線の一部と田沢湖線が改軌されたため、緊急時の迂回運転などのためのバイパス路線としての役割は今も残っている。
なお、秋田新幹線運行のため田沢湖線の改軌が行われた際には代替列車として特急「秋田リレー」(メイン画像)が本路線を経由して北上駅~秋田駅間で1996年(平成8年)3月30日~1997年(平成9年)3月21日の約1年間運行された。JR東日本移行後唯一の定期気動車特急の運行例でもある。
秋田新幹線のルートの候補の一つにも挙げられていた。
大曲駅でスイッチバックする必要が無い、距離が短くて済むというメリットもあったが、全線非電化でトンネルが電化非対応であり、その分の工事をしなければならないということ、北上駅で増解結するより県庁所在地である盛岡駅の方が全列車停車に相応しいことで選ばれなかった。
全線で秋田自動車道(秋田道)及び国道107号と並走している。
沿革
- 1920年(大正9年)10月10日:西横黒軽便線として横手駅〜相野々駅間開業。
- 1921年(大正10年)3月25日:東横黒軽便線として黒沢尻駅(現・北上駅)〜横川目駅間開業。
- 1921年11月18日:東横黒軽便線横川目駅〜和賀仙人駅間延伸。
- 1921年11月27日:西横黒軽便線相野々駅〜黒沢駅間延伸。
- 1922年(大正11年)9月2日:東横黒軽便線を東横黒線、西横黒軽便線を西横黒線に改称。
- 1922年12月16日:西横黒線黒沢駅〜陸中川尻駅(現・ほっとゆだ駅)間延伸。
- 1924年(大正13年)10月25日:東横黒線和賀仙人駅〜大荒沢駅(後の大荒沢信号場。廃止)間延伸。
- 1924年11月15日:大沢目駅〜陸中川尻駅間延伸に伴い全線開通。西横黒線を東横黒線に編入し、横黒線に改称。
- 1962年(昭和37年)12月1日:湯田ダム建設に伴い岩沢駅〜陸中川尻駅間の線路付替。
- 1966年(昭和41年)10月20日:北上線に改称。
- 1986年(昭和61年)10月31日:貨物列車の運転終了。
- 1987年(昭和62年)4月1日:貨物営業廃止。国鉄分割民営化に伴いJR東日本が第一種鉄道事業者として継承。
- 1989年(平成元年)10月1日:JR貨物が第二種鉄道事業者として営業開始及び貨物列車の運行を再開。
- 1991年(平成3年)3月16日:一部列車のワンマン運転開始。
- 1996年(平成8年)3月30日:田沢湖線の秋田新幹線開業に伴う改軌工事の為、新幹線連絡特急「秋田リレー」運行開始。
- 1997年(平成9年)3月21日:翌日の秋田新幹線開業及び田沢湖線運転再開に伴い「秋田リレー」運行終了。
- 2010年(平成22年)3月14日:貨物列車の運行を休止。
- 2011年(平成23年)3月11日:東北太平洋沖地震(東日本大震災)の影響で全線運休。
- 2011年3月19日:北上駅〜ほっとゆだ駅間運転再開。
- 2011年3月20日:全線運転再開。
- 2013年(平成25年)3月16日:全列車でワンマン運転開始。
- 2019年(令和元年)10月12日:台風19号による大雨の為午後から全線運休。
- 2019年10月14日:全線運転再開。
- 2023年(令和5年)7月20日:大雨の影響でゆだ高原駅付近の線路脇の法面が崩落した為、ほっとゆだ駅〜横手駅間運休。
- 2023年8月7日:全線運転再開。
運行形態
定期旅客列車は全て線内の運行のみで、小松川駅を通過する快速と各駅に停車する普通が運行されている。
快速列車は通過駅が1駅のみなので、快速の意味をほぼ成していない。
快速は下り3本・上り1本で全区間を走破する。
普通は全区間走行する列車が4往復、北上駅〜ほっとゆだ駅間の区間列車が下り1本・上り2本、平日朝に北上駅〜藤根駅間の区間列車が1本設定されている。
なお、2022年(令和4年)3月12日ダイヤ改正で廃止された平石駅・矢美津駅は2016年(平成28年)以降12月1日〜3月31日の間は普通列車も通過していた。
臨時列車は主に繁忙期や、秋田県大仙市で開催される全国花火競技大会(大曲の花火)に合わせて、東北本線直通列車が設定される。
駅一覧
●:停車 レ:通過
廃止駅
- 大荒沢駅→大荒沢信号場:和賀仙人駅〜陸中大石駅(現・ゆだ錦秋湖駅間)。1962年12月1日信号場化。1970年(昭和45年)廃止。
- 平石駅:小松川駅〜相野々駅間。2022年3月12日廃止。
- 矢美津駅:相野々駅〜横手駅間。2022年3月12日廃止。
使用車両
定期列車の車両は全て一ノ関運輸区及び盛岡車両センター一ノ関派出所所属。
現在の使用車両
- キハ100系0番台
ワンマン運転対応気動車。全ての定期列車で使用されている。
過去の使用車両
国鉄民営化後の車両のみ記載。
国鉄民営化時に使用されていた車両。
キハ40系の運用は稀だった。
その他の使用車両
秋田総合車両センター(現・同所南秋田センター)所属のディーゼル機関車。
1999年(平成11年)に寝台特急「北斗星」、2006年(平成18年)と2011年に寝台特急「あけぼの」が北上線経由の迂回運転を行なった際の牽引機。いずれも重連で運用された。
尾久客車区(現・尾久車両センター)・青森車両センター(現・盛岡車両センター青森派出所)所属の客車。
尾久車は寝台特急「北斗星」、青森車は寝台特急「あけぼの」として迂回運転時に北上線を走行した。
尾久車両センター所属の団体専用車両。走行コースに北上線は設定されていないが、2017年(平成29年)の試運転時と2019年・2022年の迂回運転時に入線した。