曖昧さ回避
- イタリア語で「小さい」を意味する形容詞「piccolo」。
- 木管楽器の一種。ピッコロフルート(小フルート)の略。
- スタジオジブリ制作の映画『紅の豚』の登場人物の苗字。→ フィオ・ピッコロ、ピッコロ親父
- 鳥山明の漫画『ドラゴンボール』の主要キャラクター。→ピッコロ(ドラゴンボール)
- ゲーム『幻想水滸伝3』の登場キャラクター。
- 特撮『ウルトラマンタロウ』に登場する宇宙人。→ わんぱく宇宙人ピッコロ
※『にこにこぷん』に登場するペンギンは、平仮名表記の『ぴっころ』参照。
概要
主人公・孫悟空の宿敵として登場した、世界征服を目論む魔族の長。
本作ではじめて登場した「純粋な悪者」であり、また「悪役が主人公と共闘する」という黄金パターンを本作で最初に実践したキャラクターでもある。
後にその出自は「ナメック星人」という地球から遠く離れた異星人で、尚且つ地球の神が分離させた悪の心の化身であることが明かされる。
名前の由来は前述の木管楽器「ピッコロ・フルート」から。
なお、作中には該当キャラが二人登場しており、少年時代の悟空が出会った初代と、初代が作中生み出した息子である2代目が居る。ほとんどの場合、登場期間の長い2代目のほうを指すことが多く、初代のほうは区別のため「(初代)ピッコロ大魔王」タグが使われることが多い。逆に2代目のほうを「マジュニア」「神コロ様」「ピッコロさん」と呼ぶことも(後述)。
初代と2代目は親子であると共に初代の分身でもあるような特異な存在にあり、実際「ピッコロ大魔王」が死ねば共に死ぬはずの神が以降も生きているなど、その関係性が強調されている。
以降、2代目について解説する。
人物像
CV:古川登志夫
一人称は「オレ」もしくは「オレ様」。普段は冷静沈着で寡黙。
群れることを嫌う一匹狼な気質があり、当初は「魔族」らしく他者に対して威圧的に当たっていたが、悟飯との修行や、同族であるネイルや神様との融合などを経て次第に丸くなり、落ち着いた性格になっている。
また頭脳明晰で機転が利き、意外にもZ戦士の中では比較的常識人。
戦いでは追い詰められたフリをして相手から情報を聞き出し、アニメでの追加シーンではセルジュニア戦で仲間達を指揮する場面があるなど、Z戦士のブレイン・司令塔的な存在。悟空やクリリンが人間関係を「結ぶ」役どころとするなら、実質的にメンバーをまとめ上げ、行動指針を示す役どころにあるとも言える。
すぐに戦闘をしたがる純粋サイヤ人に対するブレーキ役として機能することも多いが、単独時は分身を生み出し修行するストイックぶり。
また、サイヤ人編では孫悟飯に武術の基礎を、魔人ブウ編ではトランクス・孫悟天にフュージョンの指南役を務めている。特に悟飯からは師匠として尊敬・敬愛の念を抱かれており、ピッコロも悟飯に対して「初めて一人の人間として接してくれた存在」として心を開いている。ただ、悟飯のファッションセンスには付いていけていない様子。戦いの心構えや指導者としての才能は悟空以上だとも述べている。
その他、ナメック星人には男女の区別や他者との交配などの概念が存在しないため恋愛事に対する理解は浅く、クリリンが18号を助けようとする行為を否定こそしないものの「わからん」と首を傾げている。
その後、『神と神』ではトランクスにガールフレンドができたことに対し「その歳(12歳)でガールフレンドがいるなんて不潔だ」と発言しており、多少潔癖がすぎるきらいはあるが男女の恋愛についてそれなりに学んだことが伺える。
容姿
体毛のない緑色の肌に2本の触覚、尖った耳など、その身体的特徴は初代ピッコロ大魔王(ひいてはナメック星人)と共通しているが、顔立ちは作中若返った初代よりも更に若くクールな印象を受ける。
衣装は初代同様の紫色の魔族の道着に加え、白いターバンと横広の肩当ての付いたマントを着用。
ターバンとマントはサイヤ人編以降、重量がある重り付きのものを随時身に付けている。肩当て部分は初登場時は随分短かったが、ナメック星編から伸び始め(!?)魔人ブウ編では初登場時の3倍位の長さになっていた。(ナメック星編から鳥山明の画風が変わり始めてきていたので、その影響を受けたのかもしれない。)
シリーズを通してこのスタイルを貫いているが、アニメオリジナルでは一風変わった装いになったことも。
作中での活躍
誕生
孫悟空の一撃で致命傷を負った初代ピッコロ大魔王から最後の力を振り絞りながら生み出され、その卵はそのまま何処かの山中へと飛ばされる。生まれた直後から既に服を着ており、初代の記憶や技などを全て覚えていた。
ただし、初代に対する親子としての情があるわけではなく、あくまでも自身の目的として世界征服を目論んでいることを後に語っている。
天下一武道会編
世界を支配するための邪魔者をすべて抹殺するべく、初代を倒した孫悟空の出場する第23回天下一武道会に「マジュニア」名義で出場する。当初は気付かれなかったが、決勝戦においてその姿がピッコロ大魔王と瓜二つであることに気付かれ正体を明かす。
トーナメント戦では対戦相手のクリリンの底力に驚かされたりもしたが、人間の姿を借りて出場した地球の神を魔封波返しで封印に成功。決勝戦で悟空と死闘を繰り広げ、あと一歩というところまで追い詰めるものの舞空術を習得していた悟空に敗北。悟空に情を掛けられ助けられたピッコロは修行するべく行方をくらませた。
サイヤ人襲来編
ラディッツ襲来時は悟空と共闘。悟空の自己犠牲もありラディッツをなんとか倒すことに成功。後の戦いに備え、悟空の息子・孫悟飯の潜在能力に目を付け、彼を連れ去り修行を付ける。その最中、悟飯が満月を見て大猿に変身し暴走したため、二度と悟飯が暴走しないように月を破壊し尻尾も引き抜いている。
この頃のピッコロは自身の死期を悟っていたようで、神曰く「何かを残したい気持ちがあった」とのこと。この時ピッコロは「(悟飯を)立派な魔族にしてやる」と発言しており、僅かながらこれまで見せたことのない他者への情を垣間見せた。
ナッパ・ベジータとの戦いでは悟飯・クリリン・ヤムチャ・天津飯・チャオズと共闘し挑むが、ナッパ一人にも全く歯が立たたずヤムチャ・天津飯・チャオズは戦死。ピッコロ自身もナッパの攻撃から悟飯を身を挺して庇い満身創痍となる。
死の間際、悟飯に逃げるように促しながら「きさまといた数ヶ月... わ...わるく...なかったぜ」と悟飯と修行をした生活に思いを馳せて事切れた。かつて世界征服を目論んだ魔王のその心境の変化はZ戦士だけでなく読者にも大きな衝撃を与え、作中きっての名シーンとしてこの場面を挙げるファンも多い。
なお、彼の死によって地上の神も消滅し、同じく地球のドラゴンボールもその力を失ってしまう。
フリーザ編
死後は閻魔大王の計らいで界王星へ向かい、界王の下で修行を積んでいた。
ナメック星のドラゴンボールを求めて旅立った悟飯・クリリン・ブルマたちが神龍(ポルンガ)にピッコロの蘇生を願ったことにより復活。そのままナメック星へ転送される。自身の原点であるナメック星に奇しくも初めて降り立つも、感慨にふける間もなくフリーザ軍との戦いに身を投じる事になる。
道中でナメック星人の戦士・ネイルと同化しパワーアップ、悪の帝王・フリーザと対峙する。フリーザ第2形態とも互角以上の戦いを繰り広げるが、第3形態になってからは一気に劣勢となってしまう。最終形態の前では手も足も出なかったが、元気玉を作る悟空のためにフリーザの足止めを行い成功させた。
しかしそれでもフリーザは倒れず、不意をついたフリーザのデスビームで胸を貫かれるが一命を取り留め、その後ドラゴンボールの力で仲間やベジータともども地球に送られた。
人造人間編
ドクター・ゲロに圧勝するものの、彼の開発した人造人間17号・18号に完敗してしまう。彼らに対抗する最終手段として神と融合し元の一人のナメック人となり、17号と互角に戦えるまでパワーアップした。
(以後、新たな地球の神の役目はデンデが担うことになる)
セルの脅威を知り、完全体になることを阻止するべく奔走するが結局失敗。セルゲームではセルジュニアと戦った。戦後はデンデと共に神殿で生活している。
悟空の悟飯を戦わせようとする作戦に抗議している。悟飯の気持ちを代弁しているのは、さすが父親代わりと言ったところか。また、超サイヤ人2となった悟飯の変わり様には驚愕していた。悟空という最大の目標を失ったベジータの気持ちは少し分かるらしい。
魔人ブウ編
復活した魔人ブウが大暴れする中、天界へ帰ってしまった悟空に代わり孫悟天・トランクスを戦士として指導、フュージョンを伝授する。
ゴテンクスとブウの戦いを見守ったが、途中、ブウにゴテンクスともども吸収される。ブウにはその明晰な頭脳が結果的に悪用されだいぶ賢しく、尚且つ勘に鋭くなり、長い時間を掛けて潜在能力を覚醒させた悟飯をも苦しめ、最終的には悟飯を吸収させて悟空とのポタラ合体を阻止させてしまった。
純粋ブウが地球を破壊した際に他の仲間ともども死亡したが、ポルンガへの願いで復活。元気玉に力を送った。
界王神の正体を知って慌てる・フュージョンポーズをやる羽目になる・ゴテンクスと子どもみたいな言い争いをする・神殿が崩壊して茫然とする・オカマ言葉を使いバレーボールのトスをするなど、今まで無かったコミカルな姿を見せるようにもなった。他にもダーブラの力で石化された挙句トランクスのミスで粉々になったけどなんともなかったぜ!
界王神やキビトに対し敬語を使うなど、他者に敬意を払うことは今まで無かったことであるが、恐らく融合した地上の神の影響か。
また、ミスター・サタンのことを当初は軽視していたが、サタンがブウと仲良くなって以降は評価するようになった。
新作映画および『ドラゴンボール超』
神と神編
ブルマの誕生パーティーに招待されるが、破壊神ビルスが現れ暴れだす。それを止めるために18号、天津飯と共に立ち向かうが、返り討ちに遭った(映画では箸を二撃受けただけで気絶している)。元神でありながらビルスが神であることに気付かなかった。以降は界王神同様に敬意を払っている。
復活の「F」編
自分たちが知らないところでドラゴンボールが使用され胸騒ぎを覚える。数か月後にフリーザが地球に現れ、悟飯と共に現場に向かう。フリーザ軍を蹴散らしたが、幹部クラスのタゴマ(劇場版ではシサミ)には敵わなかった。『超』ではフリーザの攻撃から悟飯を庇って死亡しており、その後ナメック星のドラゴンボールで生き返ってる。
破壊神シャンパ編
悟飯を鍛え直していたところに悟空とベジータから破壊神選抜格闘試合のメンバーになってほしいとスカウトされる。試合本戦ではフロストと対戦。久々に使用した魔手でフロストを拘束し魔貫光殺砲でトドメを刺さんとするところまで追い詰めたが、彼が手甲に仕込んだ毒針によって意識が朦朧とし、その隙に拘束を解かれて腹に気功波を撃たれ敗退。フロストの不正が明らかになったために判定勝ちとなったが、これに納得いかないベジータに対戦権を譲って棄権した。
“未来”トランクス編
冒頭でクリリンと共に孫家の畑仕事を手伝うが、チチからタイムマシンが知らせを聞きカプセルコーポレーションへ向かい、トランクスと再会。現れたゴクウブラックと悟空の戦いをベジータたちと観戦するがトランクスのタイムマシンが破壊されてしまう。ブルマに破壊された庭の修補を頼まれるが「やってられるか」と悪態をつく。その後眠りから覚めたトランクスが悟飯のことを訪ねた際、「学者になり武術から遠のいた悟飯は、トランクスが考える人物ではない」と告げた。
その後、不死身の肉体を持つザマスを倒す方法として魔封波を提案し悟空に伝授しようとするが、悟空は亀仙人の元に教えてもらに行き空回りに終わる。しかし、それを見かねたブルマがピッコロに頼みピッコロの魔封波を携帯に録画し、それが未来でトランクスが魔封波を習得するきっかけへと繋がった。
宇宙サバイバル編
全宇宙の格闘トーナメント「力の大会」に破壊神シャンパ編に引き続き第七宇宙代表として参加する。
その他劇場版での設定
悟飯の危機にどこからともなく駆けつけるという展開がお約束。ベジータの登場後はラストシーンを彼とのツーショットで飾ることも多くなった。
悟飯のピンチを知り地球から遠く離れた異星の地までやってきたなんてことも。ボスキャラにはやられてしまうこともあるがクリリンレベルでは太刀打ちできない相手を倒すことも多い。
口笛が弱点、音痴というのも劇場版から。
戦闘力
次々と強化形態に変身するサイヤ人にこそ敵わないものの、ナメック星人特有の再生能力の高さや同族との融合などを経て着々と戦闘力を高めており、サイヤ人を除けば上位の実力者といえる。
能力
「魔族」を称するだけあり能力も様々で、他の戦士たち同様の気弾・気功波の技はさることながら、悟飯の修行時は彼の衣装と武器を出現させたりしている。魔人ブウ編で開催された天下一武道会では弟子・悟飯の正体が世間にバレないように、万一のために観客やマスコミの持ち込んだカメラの類をすべて念力で破壊している。
その他、腕を伸ばす、破壊された四肢を再生させる、分身する、巨大化するなどの能力を持つ。
なお、これらは魔族としての能力なのかナメック星人としての体質なのかは不明。
主な技
ピッコロの代名詞的な技。チャージに時間がかかるが恐るべき威力を誇る。
無数の気弾で相手を囲み、一斉に攻撃する。
- 激烈光弾
両手の指先を合わせて気を集め、打ち出す。
- フルパワー衝撃波
島一つを更地にするほどの威力を誇る。
所謂目からビーム。
- 口から怪光線
口から気のビームを放つ。
- 爆烈魔光砲
標的を追尾する。
- 魔手
腕を長く伸ばして攻撃する。
天突く巨体に変身する。巨大化しても速度は遅くならない。
余談
前述のように作中子供との絡みが多いため、二次創作では彼をショタコン扱い(孫悟飯が代表的な例)するイラストがあるが公式にはそのような設定はない。また、そのような扱いを苦手とする者もいるので注意が必要。
また、逆算すると悟空と戦った天下一武道会出場時でまだ3歳であることもよくネタにされる。
実際、同族のデンデやカルゴの兄弟など、ナメック星人にも少年期が存在するはずなのだが、彼の場合わずか3年で体格や精神年齢が成熟している。これは戦闘タイプのナメック星人の特性なのかそれとも個人差なのか、はたまた彼が初代のクローンにも近い存在であるためかなど、ファンの間では様々な憶測が飛び交うことも少なくない。
別表記
関連タグ
ドラゴンボールZ ドラゴンボールGT ドラゴンボール改 ドラゴンボール超