概要
アメリカで制作されたCGアニメーションで、原題は『Transformers: Prime』。アメリカの子供向け放送局『Hub』の開局と同時に放送されており、2010年11月から商業展開されていた。
日本では2012年4月7日から2013年3月30日まで、テレビ愛知・テレビ東京系列で土曜朝8:00から放送されていた。
『トランスフォーマー』シリーズとしては、『ビーストウォーズ』シリーズ以来のフルCGアニメであり、日本では『アニメイテッド』から一年半ぶりとなるTVアニメ。
作風
キャラクターデザインは『アニメイテッド』と同様カートゥーン調のややデフォルメが効いた体形だが、ディテールは細かく、ボンネットタイプのトレーラーをモチーフにしたオプティマスのビークルモードや発声機能に異常をきたしたバンブルビーの声、アーシーのビークルモード時に映し出されるライダーのホログラム、母星の末路など、実写版映画『トランスフォーマー』を意識した設定が多く使用されている。
同じく顔のデザインに関しても比較的人間に近づけたパーツ構成がなされており、特に強調された眉毛状のパーツがその表情を豊かにするのに大きく貢献している。
また、今作のトランスフォーマーは「アームズアップ」という掛け声と共に腕に内装された武器を展開する。(日本版のみ)基本的にアームズアップ可能なトランスフォーマーは全員ブラスター(銃)タイプの武器が手首から生えてくるほか、ビーコンなど一部を除き接近戦用の武器も展開する。
ただし幹部級のディセプティコンの多くはアームズアップせずに手持ちの武器やあらかじめ外装された火器を用いるなど、日本での玩具展開に合わせて新たに作られた設定の為、無理のある描写も多い。
放送形態の違いから、前作『アニメイテッド』と比べシリアスなストーリーが展開し、TFの破壊シーンを爆発でごまかすのではなく生々しく描くなど過激な演出も多い。
台詞の端々にジョークを挟みつつも全体的にはごくまじめに話が進んでいくあたりは、G1を始めとする「いつもの」トランスフォーマーである。
またファン層の違い(アメリカでは日本で言う「ガンダム」並みの知名度と年齢層だが、日本では主に児童向けアニメとして扱われている)から、ハード路線のストーリーをライト側に寄せているため、説明不足や矛盾が生じややカオスな展開となっている。
番組後のミニコーナー『アームズマイクロン劇場』は、過激すぎて日本ではカットになったシーンの穴埋めも兼ねている。
因みにこのコーナーに登場するマイクロン達はそもそも本編に出てこないが、これは玩具の日本独自展開である為。因みに北米で販売されているのに日本で玩具が販売されていない、逆に北米で玩具が販売されていない、本編に一切登場しない玩具オリジナルのTFが発売されるような事もTFシリーズでは何ら珍しい事ではない。
また、日本語版ではAパート放送開始時に「テレビを~」のいつものくだりの後に「この番組には日本では問題になるシーンがありますが、原作を尊重してそのまま放送します」のテロップが流れる事がある。これはジャックがノーヘルでアーシーに乗っているシーンがあるためである。(もちろんいつもノーヘルではないし、テロップも毎週流れるわけではない)
ノーヘルでバイクに乗り公道を走ると違反になり罰せられる、これは事故で転倒した時に死に至る危険が高まるため、搭乗者に着用が義務付けられているからである。また交通規則で義務付けられてはいないが、肌の露出した服装やノーグローブも大怪我に繋がるので避けるべきである。(同様のテロップは「宙のまにまに」でも流れた)
続編
原語版においては第52話でシーズン2は一応の区切りとなっているが、日本語版では同話が事実上の最終回とされており、そのため話がオートボットがディセプティコンに追い詰められて仲間が散り散りになった所で終わってしまうという非常に後味の悪い結末になっている。しかもラストが一部編集されており、原語版でのオートボット基地崩壊までのシーンがカットされ、オプティマスが基地のグランドブリッジシステムを破壊しようとした所でエンディング入りとなっていた。
外国ではシーズン3として『Beast Hunters』も放送され、さらにOVA『Predacons Rising』も製作されたが、2018年現在も日本での放送や発売は未定。
『BH』に代わり、シーズン3以降のプライム系TF玩具は『参乗合体トランスフォーマーGo!』としてリニューアルされ、日本オリジナル商品を交えての独自展開として継続された。また、アニメはTV放送ではなく小学館より発売の学年誌に付属するDVDに収録されており、「てれびくん」には侍チーム編、「テレビマガジン」には忍チーム編がそれぞれ収録されている。
2015年3月には、本作をはじめとするプライムシリーズの続編にあたる『トランスフォーマーアドベンチャー』(原題:Robots in Disguise)が日米で放送されている。
ストーリー
自由と平和を望むオートボット、戦いや宇宙支配を求めるディセプティコン、両者の戦いは激化し、とうとう母星であるサイバトロン星は滅亡してしまった。
2つの勢力の残党は宇宙各地に散らばっていき、オートボットのリーダーであるオプティマスプライムは仲間達と共に地球に潜み、アメリカ政府とコンタクトを取りながら来たるべきディセプティコンとの戦いに備えていた。
しばらくして、ディセプティコンが3年ぶりに活動を開始。戦いの最中オートボットは仲間を一人失ってしまい、更には地球人の子ども達に存在を知られてしまう。
オプティマス達オートボットは子ども達と協力して、ディセプティコンの魔の手から宇宙を守るべく立ち向かう。
地球を舞台に再びオートボットとディセプティコンの戦いが今、勃発する!
登場人物
オートボット
サイバトロン星からやってきた平和と自由を愛する集団。
地球を第二の故郷として、母星の二の舞としないため、地球人との共存のためディセプティコンと戦う。
オートボットの総司令官。ボンネットタイプのトレーラートラックに変形。
デザインは実写映画版に近いが、こちらは逆三角形な体型になっている。自由と平和を愛し、冷静沈着で理知的な性格だが戦場では鬼神のごとき戦いをみせる。
CV:伊藤静
オートボットの紅一点。普段はパートナーであるジャックの愛車として行動を共にしている。デザインは女性的で流線型を中心とした細身なデザインで、メインキャラの中で一番小柄。
バイクから変形するが、実写映画版のような一輪車体系にはならない。オートボット戦士である事に誇りを持っている為かプライドが高く強気な性格で、地球人の少年であるジャックに対しても最初はつっぱねた態度を取っていたが、徐々に友情を育んでいった。
CV:なし
オートボットの少年兵。実写版の同名キャラを踏襲した外見と特徴を持ち、スポーツカーに変形する。
メンバーの最年少(スモスクとどっちが年下かは不明)で、アーシーの次に小柄。サイバトロン星におけるタイガーパックスでの戦闘でメガトロンの拷問によって音声回路を壊されたらしく言葉を発する事はできないが、普段は機械音によってコミュニケーションを取っている。また、非常に表情豊かで人懐っこい。
CV:長嶝高士
メンバー一巨漢のオートボット戦士。SUV(スポーツ用多目的車)に変形。
見た目通り豪快でガサツで少々乱暴だが、気さくで面倒見の良い兄貴分な性格。ブレークダウンとは宿敵の関係であり、互いに決着を付ける事を望んでいる。
戦闘では巨体とそれに見合った防御力・パワーを活かしたダイナミックな戦いで敵を捻り潰す。
CV:飛田展男
真面目で几帳面な性格だが、一度突っ走ってしまうと暴走するタイプ。気難しい面もあり、当初は子供達の存在を誰よりも煙たがっていた。オートボット内では古参のメンバーであり、オプティマスとは古くからの友人関係である。
他のメンバーが知らない過去のオプティマスの事を知っていたり、戦場に向かうオプティマスプライムに対して必ず帰ってくるようにと言葉を投げかけるなど、お互いに強い信頼関係を持っている。
CV:興津和幸
オートボットの中でも精鋭とされるエリートガードの戦士。サイドドアに「38」のナンバーが刻まれたスポーツカーに変形。
勇気と使命感にあふれた熱血漢だが、どこか子供っぽいお調子者という典型的なルーキーキャラで、功名心も強く後方の指示を聞かずに独断で行動する事も多い。
CV:杉山紀彰
オプティマス達と共に地球で活動するオートボットの戦士。マッスルカーに変形。
旧来のファンならば期待通りのアグレッシブな性格である。お喋り好きで、仲間とはぐれた時でもお喋りを絶やす事は無かったという。
CV:泰勇気
オートボット内でも勇名を轟かせている歴戦の戦士。スポーツカーに変形する。
自身を「拙者」と呼び、言葉尻に「~で候」と付ける時代劇のような言葉使いをし、二振りの日本刀で敵陣へ切り込み敵を斬り伏せる。
元はオートボットの別動隊レッカーズのメンバーで、バルクヘッドとは兄弟分の関係にある。ホイルジャックと言えば数多くの危険な発明品を産み出し、敵味方双方を混乱に陥れる危ないマッドサイエンティストであるが、今作では科学とは全く縁が無い侍キャラである。なんでこうなった。
CV:石上裕一
サイバトロン星で戦っていた時のアーシーの戦友で、エアラクニッドに捕らえられた末に殺された。
活躍の場面どころか姿すらよく分からなかったが、海外ではEZコレクションのクリフジャンパーのリカラー品がテイルゲートとして発売されている。
CV:有本欽隆
最初の13人のプライムの一人であり、オプティマスの師匠。
予知能力でもあるのか、オートボットが地球に流れ着く事を予見しており、未来の為にアイアコンの遺産を地球に送り飛ばした。正直、良い迷惑である。
怪我して運ばれてきただけのオライオンパックスを勝手に改造してコンボイにしてしまうなど、当時からやりたい放題であった。
ディセプティコン
地球のエネルゴンを狙う悪の軍団。
現在はサイバトロン星が崩壊しているので何とも言えないが、一応サイバトロン星の軍事独裁政権に基づく「正規軍」である。
CV:藤原啓治
ディセプティコンのリーダーであり破壊大帝。
地球の乗り物はスキャンせず、サイバトロンジェットに変形する。物語の開始直後までダークエネルゴン探索の為に長期不在だったようだ。デザインは実写映画的な刺々しい装飾とG1メガトロンのような台形頭で、オプティマスと同じくマッシブな体型をしている。
性格は正に実写映画版メガトロンと言ったところで、冷酷・冷徹にして残虐非道な性格。
CV:鶴岡聡
ディセプティコンのナンバー2。自称ニューリーダー。F-16風の戦闘機に変形。性格はテンプレどおりのスタースクリームで愚か者。
メガトロンの前では遜り、忠実な部下っぷりを散々アピールするが、当然メガトロンに本心はバレており、事ある毎に釘を刺されている。当のメガトロンが居なくなると、途端にニューリーダー気取りになり、威張り散らす典型的な小悪党。ずる賢く卑劣だが臆病で、自分が圧倒的に有利な時や自分より弱い者に対しては強気に出るが、不利になると途端に逃げ出す。
また、すぐに調子に乗って油断しまくるタイプでもあり、詰めが甘い。その為、はるかに下っ端であるはずのビーコン兵でさえも思わず不安を口にしている。
CV:なし
メガトロンがまだメガトロナスと名乗っていたころから右腕として活躍していた古参の戦士であり、腹心の一人。
RQ-4風の無人偵察機に変形。初代TFやメルセデスな実写映画版に比べてこちらはかなり細身で所謂TV顔をしており、まったく喋らず感情も表さない無機質・無感情なヤツ。時々他者の会話を録音して流す事でコミュニケーションを取っている。顔の部分はモニター状で、映像や音声の波形などを映す事が出来る。また、盗聴・ハッキングなどの諜報活動ももちろん得意。
CV:三宅健太
ディセプティコンの科学者。階級はスタスクよりも上位。
デザインはだいたいいつもどおりだが、実写版よろしく単眼が強調されている。「ショック」が口癖で、事あるごとに呟いている。武器は左腕の巨大なキャノン砲、巨乳参謀っぷりも健在。
巨体で、極めて冷静かつ論理的な合理主義者。
恐怖の脳内侵入プログラムを開発したり、戦争で失われたロストテクノロジー・スペースブリッジシステムを再現できるほどの優れた技術力を持つ。戦闘もめっぽう強く、銃撃が全く効かない頑強なボディ・クリフを一蹴しアーシーを片腕で投げ飛ばすパワーに加えて優れた頭脳を持つなど、メガトロンの部下の中でもトップクラスの実力の持ち主。相変わらず優秀かつメガトロンに忠実である。
CV:岩崎征実
地球で眠っていたディセプティコンで、「よっしゃ~い」が口癖。
当初はビークルモードを持っていなかったが、オートボットとの戦闘の最中に飛来したF-35風の戦闘機をスキャンする。
気が遠くなるような年月が経った今でもメガトロンへの忠誠心は変わらず、自身を蘇生したスタスクをぶっ飛ばして当時からのメガトロンの命令であるオプティマス抹殺のために戦いを挑むが、返り討ちに遭い戦死した。
CV:泰勇気
他人に擬態する能力を持つディセプティコン。
ホイルジャックに変装してオートボットの基地に潜入し、基地の場所を盗み取ろうとした。
本当の姿は不明。
CV:増谷康紀
スタースクリームが(不本意ながら)メガトロンを治療するために呼び寄せた軍医のディセプティコン。
ただし、勤務態度は悪く、本人の弁では「治すより解体の方が専門」との事らしい。
軍用兵器に変形するディセプティコンとしては珍しくスポーツカーをスキャンしており、スタースクリームにもその事を咎められているが、本人は全く意に介していない。
性格はキザで軽いナンパ男。そして極端なまでのナルシストである。変形する際にも「美しく」と自身を称賛している。
自分の姿を究極の美としており、そのボディに傷がつく事を嫌っている。その為、傷をつけた者は徹底的に痛めつける。
CV:伊丸岡篤
メディックノックアウト共々召集されたディセプティコン。
MRAP(耐地雷待ち伏せ防護車両)風の装甲車に変形する。破壊を最大の喜びとしている見た目通りの乱暴者。相手を壊せる戦いの時はテンションが上昇しまくっている。メディックノックアウトの右腕のような存在で、彼とは常に行動を共にしている。バルクヘッドとは因縁浅からぬ関係でもあるようで、自らの手で壊す事に固執している。
CV:柚木涼香
背中に蜘蛛の節足を備えており、足を格納して大蜘蛛のバケモノのような姿になる。
また、地中潜航能力を持ち、逃走や奇襲攻撃に活かしている。
しばらくディセプティコンからは離れており、各惑星を旅しながらこの星に住む生命体を狩猟し、コレクションしていた。
地球ではメックのアジトを襲撃したファウラーの戦闘ヘリをスキャンしているが、自身は何故かステルスヘリにトランスフォームしている。
好戦的かつ残虐で、高い所有欲の持ち主。狩りを楽しむかのように相手を追い回す・言葉で相手の心をなぶっていくなど嗜虐性も非常に強いが、メガトロンの事は嫌っている様子。
CV:岩崎征実
ホイルジャックと戦闘中に地球へ飛来したディセプティコン。
お約束なのか、オートボットの援護をしていたファウラーのF-35風の戦闘機をスキャンする。
スカイクエイクの双子の兄で、スカイクエイク同様メガトロンへの忠誠心は高い。
粗暴な弟とは違い、冷静な策士である。また、エネルギー砲やお手製と思われる時限爆弾を多数所持している事から、パワーと知略を兼ね備えた戦士である事が伺える。
ディセプティコンビーコン
CV:泰勇気
トランスフォーマーでは珍しくレギュラーとして大量に出て来るディセプティコンの一般兵。
巨大ロボット物における量産ロボットや特撮物の戦闘員なポジション。
スポーツカーに変形する者と戦闘機に変形する者の二通りのタイプが存在するが、ロボットモードはほとんど同じ。
一応個性はあり、戦闘員・警備兵・オペレーター・エネルゴン鉱山作業員と能力に差もある。
インセクティコン
CV:加藤賢崇
甲虫(ヘラクレスオオカブトかゾウムシに近い形)にトランスフォームするディセプティコン戦士。
ロボットモードは下半身に対して腕が大きくゴリラのようなモンスター体型である。
TV画面から変形プロセスが全く読み取れない、TF恒例のタカラに対するハズブロの無茶振りである。野獣のごときパワーを誇り、メガトロンとも互角にやりあえるほど。
CV:岩田光央
メガトロンの「一番強いヤツ、出て来いや!」という問いに名乗りを上げた昆虫戦士。
全身に傷(もしくはタトゥ)のついたインセクティコンのリーダー的存在で、彼らからは「親方」と呼ばれている。言葉を話すという点では本家の海外版と変わらないが、落ち着いた口調の英語版に対してこちらは柄の悪い口調で常にブツクサと小言を呟く。獰猛かつ残忍な性格であり、これまで多くのオートボット戦士を殺してきた。好戦的だが戦闘に関する知識も持ち合わせており、当然戦闘力も高い。
スタースクリーム・クローン
CV:鶴岡聡
「俺がいっぱいいたらなぁー」というスタスクの発想で産まれたクローン。
輸送船ハーベンジャーの船内にあったプロトフォームに自分のエネルゴンを注入して生み出された。
全部で5人おり、外見・性能・性格共にオリジナルとほぼ一緒である。また、トランスフォーム・コグを内蔵しているため、コグを喪失していたオリジナルと違い戦闘機に変形し飛行出来る。
クローン間の仲間意識は結構強く、喋り方は「~だす」「~だっぺ」で、どこか田舎臭い。クローンの感覚や思考はオリジナルと繋がっており、クローンがダメージを受ければオリジナルのスタスクも痛みを感じる。
戦艦ネメシス
ディセプティコンの旗艦であり、移動する本拠地。宇宙空間・大気圏内であろうと問題無く航行可能。
エネルゴンを動力源とし、最新テクノロジーによって作られた数々の兵装を装備している。
ステルス迷彩機能を搭載しているため、電子機器・目視共に捉える事は難しく、侵入は非常に困難である。
・・・・・・のはずなのだが、劇中では度々オートボット陣営の侵入を許している。
まさに初代アニメにおけるアークポジション。
その他キャラクター
CV:中村秀利
トランスフォーマーの間で伝わる伝説の中に登場する神様。
創造神プライマスと対を成す破壊神であり、長きにわたってプライマスと覇権を賭け戦ってきた。
最終的にプライマスが産み出した13人の初代プライムの前に敗れ、広大な宇宙に追放される。
以降は行方不明となり、トランスフォーマーの間では神話上の人物とされていた。邪悪な力が宿るダークエネルゴンはユニクロンの血液である。
CV:森川智之
ブレークダウンの遺体を解析して得られた技術と、スタースクリームのトランスフォーム・コグ(トランスフォーマーの変形に必要な「機械の臓器」、惑星サイバトロンの技術でも複製できない)を用いてメックの手により複製された偽オプティマス。
メックの「キメラ計画」によって生み出されたロボットで、見た目はオプティマスにそっくりだが、目やブラスターの銃口は黄色で、本物よりも色調が暗く、所々錆びていたり塗料が剥がれているなどの特徴的差異を備えている。完全自律型ではなく、メックのアジトにある操縦席からサイラスが遠隔操作する。早い話が鉄人28号。オプティマスの声で喋れる他、スピーカーを通してパイロット(サイラス)自身が喋る事もできる。
ファウラーが乗る車に夜のハイウェイで襲撃し、あわやというところまで追い詰める。更に軍の基地を襲撃し混乱させ、軍にオートボットが敵に回ったと誤解させる。拠点を知られオートボットに襲撃されるが、闇夜と偽オプティマスとしての特徴を利用して撹乱し各個撃破していき追い詰めるほどの活躍を見せた。
メックのアジト屋上でのオプティマスとの一騎打ちでも互角以上の戦いを繰り広げたが、
ファウラーがサイラスを操縦席から引き離した事で隙が生まれ敗北。トドメを刺されたネメシスプライムは屋根を突き破り落下、サイラスはその下敷きになるという何とも悪党らしい末路を迎える。現在は軍の倉庫で保管されているらしい。
地球人
ジャック・ダービー
CV:福山潤
高校生の少年で、本名はジャクソン・ダービー。
町を一歩出れば荒野ぐらいしかないようなネバダ州の田舎町ジャスパーに住んでいる。アーシーとビーコン兵の戦闘に巻き込まれた事からトランスフォーマーの存在を知る事となる。
ラフ・エスキベル
CV:くまいもとこ
12歳と全メインメンバー中最年少の少年。正式な本名はラファエル・ジョージ・ゴンザレス・エスキベル。
メガネをかけておりデジタル面に強く、戦艦ネメシスのコンピューターへのハッキングや捕獲したレーザービークにウィルスを仕込むなど子供とは思えないような事までやってのける。
CV:古木のぞみ
東京から留学してきた15歳の少女。
ピンク色のメッシュを入れ、後ろ髪を三つ編みにしてサイドに丸く纏めた髪型が特徴的。
好奇心旺盛で行動力抜群。危険な場所にもちゃっかり付いてきている。その為ミコの行動がトラブルの発端になる事もしばしば。
ウィリアム・ファウラー
CV:乃村健次
アメリカ政府のエージェントであり、オートボットの監視役。アメリカ陸軍のレンジャー部隊出身。
当初はオートボットに対して嫌味を言うなど辛辣な態度を取っていたが、スタースクリームに拉致されたりスカイクエイク戦での共闘をきっかけに態度を徐々に改めていき、軍上層部がオートボットを危険視した際には、全力でオプティマス達を(皮肉を交えながら)擁護し、毒エネの影響でダウンしそうなバルクヘッドを叱咤激励するなどした。
ジューン・ダービー
CV:生天目仁美
ジャックの母親で、職業は看護師。
登場からしばらくの間はトランスフォーマーとの関わりがなかったが、17話でメックと結託したエアラクニッドによって誘拐されてしまう。救助された後はアーシーを始めとしたオートボットの面々とも関わりを持つようになる。
リーランド“サイラス”ビショップ
CV:石塚運昇
世界各地でテロ活動を行う危険な組織・メックの指導者。
白髪で顔には大きな傷跡があるガタイの良い男。高い技術力で作られた独自の兵器や装置で力による世界征服を目論んでいる。
力こそが正義であり、力を持った者が弱者を支配するのが当然であるという危険な思想を持ち、オプティマスからは「メガトロンと同じ男」と評されている。
シエラ
CV:森千早都
ジャックの同級生の少女。彼のバイク(アーシー)に興味を示すが、皮肉にもアーシーに関する誤解が元でジャックは彼女にフラれるハメになってしまった。
ヴィンス
CV:櫻井孝宏
温厚なジャックに度々因縁をつける典型的なDQN気質の悪ガキ。
しかし、ジャックを巻き込んでの公道レース中にノックアウトに拉致されたり、
スモークスクリーンに乗ったジャックをからかった後で自身も因果応報的な事故に遇うなど、
トランスフォーマー絡みで散々な目に遭っている。
ボーゲル
CV:稲田徹
ニューヨークのマンハッタンの地下鉄で働く保線要員。
38話でディセプティコンのアイアコンの遺産強奪を阻止すべく行動を開始したジャックらが偶然出くわした。ガタイの良い見てくれとは裏腹にオカルトの話題に明るく、ミコが口にしたトランスフォーマーに関する話をすんなりと信じている。
一部始終を見てしまったボーゲルの処遇については、ファウラー捜査官が彼を宇宙通信部の名誉調査員に任命し、アーシーがこの件に関して一切口外しないと約束させる事で落ち着いた。
ブライス将軍
CV:茶風林
ファウラーの上司に当たる人物で、トランスフォーマーに関する一連の事件について聞き出す為にファウラーを召集し尋問を行った。日本版ではエアラクニッドらと同様に海外版とは異なるコメディ調のセリフで会話し、表情とあいまってどこかとぼけたような印象を感じさせる。