曖昧さ回避
概要
日本で栽培され食べられているのはもっぱら短粒のジャポニカ種。耐寒性が強く、うるち米にも粘り気がある。ジャポニカ種のもち米はうるち米よりさらに強い粘りがあり、餅やおこわの材料になる。
インディカ種は東南アジアやインドで主に食べられ、粒が長くうるち米には粘り気はなく、タイ等では独特の匂いがするものが喜ばれる。
ジャポニカ種の要領で調理すると全然おいしくなく、戦中戦後の食料難の時期や平成米騒動の際、そのまずさはトラウマ体験として語り継がれている。現在の日本でも輸入されているが、食用米には回されず主に泡盛などの加工用として用いられている。日本では輸入元からタイ米という呼称で定着している。インディカ米にも粘り気のあるもち米があり、タイ東北部やラオスはもち米のおこわが主食である。
ジャバニカ種は、粒が丸く大きく、粘り気は少なめ。イタリア、スペイン等でリゾットやパエリアに使われるのはこれ。他に東南アジアの一部などで栽培されるほか、日本でも室町時代頃には西日本を中心に栽培されていた。
主食のなかでも重要なもの、もしくは炭水化物の主要供給源として、小麦に次ぐ範囲(人口ではそれ以上)で食べられている。
・東アジア
・南アジア
インド(おもに東部~南部)、スリランカ、パキスタン、バングラデシュなど
・西アジア
イタリア(おもに北部)、スペイン(おもに南部)、ポルトガルなど
・アフリカ
これらに近い地域(トルコ、エジプト、フランスなど)や、移出して栽培されている地域(アメリカ合衆国(カリフォルニア、ルイジアナほか)、ブラジルなど)でも、マイナーな主食またはパスタ・芋の類似ポジションに落ち着いている。
米に馴染みのない地域では本気で「米の存在自体を知らない」という事があるが、「野菜として扱われる」というのは、「日本ではジャガイモは野菜として扱われる」と同レベルの大袈裟な表現らしい。
精製の進行状態で呼び分けられ、籾から籾殻を取り除いただけのものを玄米と言い、そこから精白して米糠を除いたものが、普段食べられる白米である。