概要
2003年10月~2004年9月にかけて全51話が放送された、超星神シリーズの第1作目。
東宝製作の特撮番組は、1996年の『七星闘神ガイファード』以来7年ぶりで、玩具スポンサーは、業界大手のバンダイやタカラ(現在のタカラトミー)ではなくコナミである。
本作の最大の特徴は、最初から味方サイドに12人のヒーローがいるという、等身大ヒーローを扱った作品の中でも類を見ない頭数の多さである。
ただし出演回数にはバラつきがあり、12人が揃い踏みした回は少なかった。
細かい粗を気にしない作風とド派手でスピーディーなアクション、東宝のお家芸とも言える大迫力の巨大戦から、児童から大人までの幅広い層から新しいヒーローとして受け入れられ、シリーズ化される人気を獲得した。
オープニングの主題歌はスタイリッシュかつヒロイックな一方、エンディングは落差の激しい鬱ソングとしても有名。
ストーリー
大まかに分けると4部構成となる。
第1部:アケロン星人編 (第1話~第12話)
アケロン星人・佐伯カリンの謀略により、炎のトライブと風のトライブが敵対してしまう。
さらに大地のトライブも巻き込んで、物語は進んでいく。
第2部:インパクター星人編 (第13話~第24話)
アケロン星人を退けた9人の下へ、新たな刺客・インパクター星人が送りこまれる。
新たに水のトライブが加わったグランセイザーは、協力してインパクターと戦う事になる。
第3部:バラエティ編(第25話~第41話)
基本的に一話完結形式で、各キャラクターを掘り下げるエピソードが続く。
第4部:ウオフ・マナフ編 (第42話~第51話)
最悪の敵・絶滅者ボスキートとの戦いの中で、超古代文明滅亡の真相が明かされる。
グランセイザー
炎のトライブ
モチーフは鳥類で、グループカラーは赤。
平均年齢が低い、ヤングチーム。
弓道天馬(くどう・てんま)/セイザータリアス
本作の主人公。直情径行の性格で、未加とは口喧嘩が絶えない。
当初は地球を守る戦いに乗り気ではなかったが、次第に12人全員のリーダーとして成長してゆく。
名前は「弓」と「馬」から。モチーフと星座は一致していないが、武器に関しては星座要素があるという12人の中でも珍しいパターン。
セイザータリアスの名前はSagittarius(射手座)から。
獅堂未加(しどう・みか)/セイザーミトラス
堀口博士の下で考古学を専攻している女子大生。
第20話では、蘭と愛に「必殺鉄拳女」と呼ばれた。
第39話では、トライブリーダー以外で唯一ダイセイザーを操縦した。
名前は、十二支で羊を意味する「未」から。演じた清水あすかは『七星闘神ガイファード』に続くレギュラー出演となった。
セイザーミトラスの名前の由来はイラン神話に登場する太陽神ミトラスと思われる。
獅堂剣(しどう・けん)/セイザーリオン
美加の弟。第3話で覚醒した。話が進むにつれて、蘭といい関係になっていく。
名前は「獅子」から。なお、演じた武田光兵は、『仮面ライダーキバ』で紅音也を演じた武田航平とは別人である。
セイザーリオンの名前の由来はLion(ライオン)から。
超星神ガルーダ
炎のトライブの超星神で、ライブモードは鳥がモチーフ。敏捷性に優れる。
ダイセイザーの頭部・胸部・背面部を構成する。
必殺技は、二刀流で切り裂く「ファイヤーバードクラッシュ」。
名前の由来はインド神話の神鳥ガルーダ。
風のトライブ
平均年齢の高い、大人のチーム。
伝通院洸(でんつういん・あきら)/セイザーレムルズ
天才的な腕前を持つ外科医で、12人の中で最年長。最後までカリンを強く信じていたことで、対立の原因となってしまう。
第3話で誤ってダムを破壊してしまい、「しまった!」と言ったことは、次回作『幻星神ジャスティライザー』でもネタにされた。
その他の技は、両手から突風を起こす「レムルズトルネード」がある。
名前は双子を意味する「ツイン(twin)」から(つういん→ツイン)。また、職業が外科医というのも「通院」から来ている。
セイザーレムルズの名前の由来はローマ神話の建国神話に登場する兄弟レムスとロムルス。
雨宮涼子(あめみや・りょうこ)/セイザーヴェルソー
未加とはライバル関係にあり、時々対立することもある。真面目な性格で、カリンの行動を早くから訝かしんでいた。
その他の技は、幻覚を見せる「ヴェルソー・イリュージョン」がある。
最終回で、直人と結婚する。
名前は「雨」「涼」と水にちなんでいる。演じた星野マヤは当時26歳で、特撮ヒロインとしては比較的高齢である。
セイザーヴェルソーの名前の由来はVerseau(フランス語:水瓶座)。
秤屋仁(はかりや・じん)/セイザーダイル
第2話から登場。涼子に惚れている。少々軽い言動が目立ち、正反対の豪とはよく対立するも、根は真面目である。
名前は「秤」から。
セイザーダイルの名前の由来は不明。エジプト神話において罪人の魂を喰う幻獣アーマーンの頭部のcrocodile(英:ワニ)、またはtrial(英:裁判)からだろうか?
超星神ドルクルス
風のトライブの超星神で、ライブモードはカブトムシがモチーフ。重量級の機体。
ダイセイザーの脚部を構成する。
必殺技は、エネルギーを突風と共にぶつける「ヘラクレス・ハリケーン」。
名前の由来はヒラタクワガタの学名である「ドルクス」とギリシャ神話の英雄のヘラクレスの造語。
大地のトライブ
孤高の直人と堅物の豪を蘭がまとめる。なお、装着時や技の発動時などには、雷が起こる。
また、ヴィジュエルを除いて、星座とモチーフが一致している数少ないトライブ。
松坂直人(まつざか・なおと)/セイザータウロン
第4話から登場。無敗を誇る格闘家だったが、強すぎるがゆえに対戦相手がおらずくすぶっていたところに、グランセイザー同士の戦いを偶然目撃したことで覚醒した。
群れることを好まず、当初は蘭と豪に対しては、ガンシーサーを呼ぶだけに必要な存在だと思っていた。
最終回で涼子と結婚する。次回作の『幻星神ジャスティライザー』にも登場した。
名前は「松阪牛」から。
セイザータウロンの名前の由来はTaurus(牡牛座)から。
早乙女蘭(さおとめ・らん)/セイザーヴィジュエル
第5話から登場。第6話で覚醒した。
年下ながら、孤高の直人や堅物の豪という、同じトライブの男性陣を取り持つ役を担う。
堀口研究室にもよく出入りしており、特に剣とは仲がいい。
愛からは「スチャラカダンサー」と呼ばれたことがある(第20話)。
終盤では、宇宙連合軍に平和の意志を伝える使者という大役を任せられる。
名前は「乙女」から。
セイザーヴィジュエルの名前の由来はVierge(フランス語:乙女)。
神谷豪(かみや・ごう)/セイザートラゴス
第5話から登場。正義感の強い警察官であるが、真面目すぎるあまり融通が利かない。
初めて覚醒した時には、セイザートラゴスという自身の名前を「何かの暗号名ですか?」と返答した。
正反対の性格である仁とは、戦いを通じて親友になっていく。
名前は、山羊を連想させる「紙」と、英語で山羊を意味する「ゴート(goat)」から。
セイザートラゴスの名前の由来はTragos(ギリシャ語:牡山羊)から。
演じた正木蒼二は、東映の『ブルースワット』で主人公の鳴海翔を演じていたことから、久々となる特撮出演で注目を集めた。
超星神ガンシーサー
大地のトライブの超星神で、ライブモードはライオンがモチーフ。移動速度に優れる機体。
二丁拳銃で戦う。ダイセイザーの右腕を構成する。
必殺技は、エネルギーを突風と共にぶつける「グラビティ・バースト」。
名前の由来は恐らくキングシーサー。
水のトライブ
モチーフは水生生物で、グループカラーは青。
第2部(第13話)から登場したため、OP主題歌のジャケットには未登場。
神鯨島で出会った3人からなり、他の9人とは別行動を取っていた。
この属性に属する星座は水棲生物が多い為、モチーフと星座が一致しているのかと思いきや、全然そんなことはなかった。
反町誠(そりまち・まこと)/セイザーゴルビオン
水のトライブのリーダー。かつては戦場カメラマンとして各地の紛争を目の当たりにしてきた。
愛や辰平以外の人物は簡単に信じないほど猜疑心が強く、まとまりに欠けるという理由で、天馬とはよく衝突した。
トライブのリーダーでは唯一武器が飛び道具ではない。(飛び道具は愛に宛てられた。)
名前は蠍を連想させる「反」から。
セイザーゴルビオンの名前の由来はscorpion(英:サソリ)から。
魚住愛(うおずみ・あい)/セイザーパイシーズ
12人の中で最年少の17歳。洸と同じ病院に勤務している看護士で、職業柄、困っている人を放っておけない性格。
辰平とは幼馴染であり、第14話で彼より早く覚醒した。(涼子曰く、「女は早熟」。)
蘭からは喧嘩の際に「大ボケナース」と言われた。(第20話)
名前は「魚」から。
セイザーパイシーズの名前の由来はpisces(魚座)から。
三上辰平(みかみ・たっぺい)/セイザーギャンズ
自身がグランセイザーであることは自覚しているものの、なかなか覚醒できず、涼子との訓練を経て第15話で一番最後に覚醒した。
名前は「みかみ→みかに」の駄洒落。(スタッフ曰く、「考えるのが面倒になった。」)
セイザーギャンズの名前の由来はcancer(蟹座)から。
『聖闘士星矢』における星座カースト制度で専ら下位に当てられる蟹座だが、この『グランセイザー』でも、ネタ性の強い外見・最後にようやく覚醒・出番の少なさ・必殺技が2回しか披露されない(他のメンバーは3回以上)という不遇ぶりで、ここでも下位に甘んじてしまうのだった。
超星神リヴァイアサン
水のトライブの超星神で、ライブモードは鯨がモチーフ。水中にも強い機体。
ダイセイザーの左腕と尻尾を構成する。
必殺技は、津波のエネルギーを敵にぶつける「ハイタイド・ブレイク」。
名前の由来は旧約聖書に登場する海の魔物リヴァイアサン
その他戦力
超星獣連クラウドドラゴン
前述の四大超星神及び後述のガントラス・グランビークルを搭載する移動母艦。
ある程度の自律行動が出来るようで、第八話にてアケロン人の策略で風のトライブと炎・大地の両トライブがそれぞれの超星神で戦いを始めてしまった際には自ら地上に舞い降りて、「えー加減にせんかい!!」とばかりに文字通りの「雷」を落として超星神を機能停止させて回収したりもした。
武器は惑星をも破壊できる「ギャラクティカ・プロミネンス砲」と上記の雷「ゼニスライトニング」。
ガントラス
ダイセイザーの上半身と足首を形成する第五の超星神。
本来は「ガントローラー」と呼ばれるリモコンで遠隔操作する仕様だったが、インパクター星人との戦いの最中にガントローラーが破壊されてしまった事で専らダイセイザーへの合体にのみ使用され、単体での活躍は数えるほどであった。
(まぁ、ダイセイザーの方が強いので仕方ないと言えば仕方ないのだが。)
グランビークル
巨大戦で超星神に乗り込まなかったメンバーが乗り込む支援戦闘機。
合神獣王ダイセイザー
第22話より登場。五体の超星神が合体し怪獣のような姿となった、超星神の最強戦闘形態。
非常に高い戦闘力を持ち、巨大ルシアやダイロギアン等、多くの強敵を葬った。
操縦は4人の内1人(基本はタリアス)が行うが、全員の心が揃っていないと機能停止、または暴走してしまう。
必殺技は胸から発射する七色の光線「ハイパーバースト」。鳴き声はスペースゴジラの流用。
放送リスト
第一部
話数 | サブタイトル | 登場キャラクター |
---|---|---|
1 | 目覚めよ!星の戦士 | |
2 | 発動!ドルクルス | |
3 | 結成!炎のトライブ | |
4 | 死闘!大地の戦士 | |
5 | 燃えろ!警官魂 | |
6 | 激突!風と炎と大地 | |
7 | 走れ!命を救うため | |
8 | 降臨!天空の龍 | |
9 | 戦慄!カリンの正体 | アケロン人 |
10 | 侵略!アケロンの罠 | アケロン人 |
11 | 結集!九人のセイザー | アケロン人 アケロン大星獣 |
12 | 決戦!超星神対大星獣 | アケロン大星獣 |
第二部
話数 | サブタイトル | 登場キャラクター |
---|---|---|
13 | 襲撃!インパクター | インパクター・ルシア インパクター・ラディア |
14 | 覚醒せよ!水の戦士 | インパクター・ルシア インパクター・ラディア |
15 | 立て!水の超星神 | インパクター・ルシア インパクター・ラディア 巨大ラディア |
16 | 非情!司令官ロギア | インパクター・ロギア インパクター・ルシア |
17 | 危機!人類抹殺計画 | インパクター・ロギア インパクター・ルシア |
18 | 最強の敵!ガントラス | インパクター・ロギア インパクター・ルシア 超星神ガントラス |
19 | 出撃!ガンシーサー | インパクター・ロギア インパクター・ルシア 超星神ガントラス |
20 | 激闘!バトルレディ | インパクター・ルシア |
21 | 迫る!地球最後の日 | インパクター・ロギア インパクター・ルシア |
22 | 見よ!合体超星神 | インパクター・ルシア 巨大ルシア |
23 | 復讐!ロギアの挑戦 | インパクター・ロギア ダイロギアン |
24 | 脅威!ダイロギアン | インパクター・ロギア ダイロギアン |
第三部
話数 | サブタイトル | 登場キャラクター |
---|---|---|
25 | 暗躍!新たなる敵 | シュオール星人ステュークス |
26 | 異次元の囚人 | ビズル星人 |
27 | 怒れ、炎の必殺剣! | ビズル星人 |
28 | 美しき逃亡者 | クローンアケロン人 |
29 | 出動!五式支援機士! | クローンアケロン人 クローンアケロン大星獣 |
30 | ヴェルソー、暴走! | ストーン星人ジャド ストーン星人ラモン |
31 | お嬢様危機一髪! | キラード星人 |
32 | 宇宙飛行士の悪夢 | フェドラ |
33 | 復讐鬼、ロギア再び | インパクター・ロギア ダイロギアン |
34 | 倒せ、ダイロギアン! | インパクター・ロギア ダイロギアン |
35 | ダンシング・ドリーム | ガダル星人 |
36 | さらば相棒! | アジャンデ星人フリード クリミネル星人 |
37 | イルカの日 | ゴルフィン星人 |
38 | 超古代からの来訪者 | オメガ |
39 | プロジェクト・オメガ | オメガ 巨大オメガ |
40 | 逆襲!漆黒の戦士 | インパクター・ロギア ダイロギアン |
41 | 対決! | インパクター・ロギア ダイロギアン |
第四部
話数 | サブタイトル | 登場キャラクター |
---|---|---|
42 | 甦る!古代生命 | ボスキート マリウス星人ルカ |
43 | 絶滅者ボスキート | ボスキート マリウス星人ルカ |
44 | 解明!超古代戦争の謎 | ボスキート |
45 | ボスキート最終決戦 | ボスキート 巨大ボスキート |
46 | 終末の始まり | ガルバ星人ブライトン ガルバ星人ゴーギャン アケロン人ルビー |
47 | 滅亡の序曲 | ガルバ星人ブライトン ガルバ星人ゴーギャン 大怪獣トロイアス アケロン人ルビー |
48 | 龍の記憶、天の意思 | ガルバ星人ブライトン ガルバ星人ゴーギャン 大怪獣トロイアス アケロン人ルビー |
49 | 宇宙連合軍進撃開始! | ガルバ星人アルゴウル アケロン人ルビー |
50 | 天馬、死す! | ガルバ星人アルゴウル アケロン人ルビー 宇宙巨獣キャブレオン |
51 | 復活の日 | ガルバ星人ベルゼウス 宇宙巨獣キャブレオン アケロン人ルビー 宇宙の意思ウオフ・マナフ |
主題歌
OP
Life goes on
作詞・歌:浅岡雄也
作曲:Eddyblues(織田哲郎)
編曲:沢崎公一
ED
きみをつれていく
作詞:326
作曲:筒美京平
編曲:井上ヨシマサ
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超星神グランセイザー→幻星神ジャスティライザー→超星艦隊セイザーX