ピット星人
ぴっとせいじん
データ
種別 | 変身怪人 |
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身長 | 1.55~2m |
体重 | 60㎏ |
出身地 | ピット星 |
概要
演:高橋礼子
『ウルトラセブン』第3話「湖のひみつ」にて初登場。
木曾谷近くを拠点とし、木曾谷にある東湖にエレキングを放流して地球侵略を企てた。また、ウルトラセブンからウルトラアイを盗んだ最初の宇宙人でもある。
戦闘能力はさほど高くないが驚異的なスピード自慢の宇宙人で、瞬間的にはマッハ5を出すとされるほどの俊足。
また手からは「ピット光線」(名称は「ウルトラマンオフィシャルデータファイル」より)なる光線を発射出来るらしい。しかも目には透視能力があり、金庫やコンクリートの中も覗けるという高スペックぶり…これで戦闘能力が高かったら、エレキングを使うまでもなくエラい事になっていただろう。
劇中では戦闘能力の低さを補う為か、ペンダントから光線を発射している。
基本的に、映像作品においては女性の星人しか登場していない。
当時の雑誌などによるとピット星は女性しか存在しない星らしく、女性が宝石を求める程度の本当に軽い感覚で地球侵略を企てている…女性しか存在しない種族でありながらどうやって子孫を残しているのかは不明だが、もしかしたらテロチルスとかバードンみたいな単性生殖なのかも知れない。
ピット星の環境についてだが、数種の衛星と湖が存在するとの事(出典:「ウルトラマンオフィシャルデータファイル」より)。
2体が登場し、1体がウルトラアイ奪取の為にモロボシ・ダンとフルハシ隊員を円盤に誘い込み、催眠ガスで眠らせまんまとウルトラアイを奪い取る。
その後は催眠ガスの被害を受けたと勘違いしたフルハシ隊員によってウルトラ警備隊本部に運び込まれ、メディカルセンターに収容されたが友里アンヌと隊員一名を襲撃し、基地内部の計器を狂わせるとウルトラホーク2号を乗っ取り仲間の待つ木曾谷に向かう。
ウルトラアイを盗んだもう一体はエレキングを出現させるが、ダンに妨害されウルトラアイも奪い返されてしまう。
エレキングの死後、「地球の男は可愛い女の子に弱い事が解っただけでも収穫」、「今度はもっと強い怪獣を連れてきて地球人を皆殺しにしてやる」とまるで日常会話を行っているかのように楽しげに話し、変身を解いて円盤で逃走するがセブンに追いつかれてしまう。
光線で反撃するも、エメリウム光線を受け円盤ごと爆死した。
地球人の少女に変身して活動した事、宇宙人の姿で首から下が全身タイツである事から、他のウルトラ怪獣とは違う方面で人気がある。
その後の登場
平成ウルトラセブン
演:実佳
TVスペシャル『太陽エネルギー作戦』に登場。
本編以前に一度セブンと交戦し、瀕死の重傷を負わせて地球に落とす。今回の個体は手から電流を流せるようになった。初代同様少女の姿に変身し、地球人の眼を欺いていた。
二酸化炭素を発射出来るように改造したエレキングを連れ、二酸化炭素による環境悪化での人類の死滅(そこまでメチャクチャ暑い惑星にしてしまったらその後お前はどうやってそこで暮らすんだ、などと突っ込んではいけない)を企む。その為に邪魔なハイパーソーラーシステムを破壊した後、偶然目撃したアンヌの息子、ダン少年を円盤内に監禁。電流で苦しめたがエレキングを倒したセブンに乗り込まれ、ダンを奪い返された後ワイドショットで円盤ごと爆破された。
ウルトラマンマックス
種別 | 変身宇宙人 |
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身長 | 1.7m |
体重 | 52㎏ |
出身地 | ピット星 |
第27話『奪われたマックススパーク』に登場。
「ノヴー」と「レオール」という名の二人の個体が登場し、人間態は美少女というよりは妖艶な美女で、女王様といった印象を受ける。
人間の状態でも格闘戦、特にキック技を得意としており、腕から放つ衝撃波も武器だが、変身を解くと何故か戦闘力が下がってしまう。
こちらでもエレキングを操り、最初に投入したエレキングがウルトラマンマックスに敗れた為第二段階として幼体のエレキングをバラまき調査にやってきたトウマ・カイトを襲撃。彼を格闘戦でねじ伏せマックススパークを奪ってしまった。
幼体の内の一体を巨大化させて街中で暴れさせ、透明化した円盤での援護攻撃と相まってDASHを苦しめたが、宇宙船に乗り込んできたカイトによって二人とも倒された。
ウルトラギャラクシー大怪獣バトルNEO
CV:石嶋久仁子
第1話『レイオニクスハンター』に登場。
ピット星のレイオニクスで、今作では一人だけで登場した。
宇宙の支配を目論み、レイオニクスバトルに参加する為惑星ハマーを目指していたが、乗り込んできたペダン星人ダイルに射殺された。
怪獣を召喚する前に殺害された為、何の怪獣を操っていたのかは不明。
ウルトラゾーン
CV/田村たがめ(コントパート) 人間態/CV:中原知南(ドラマ)
コントパート「怪獣職務質問」、ドラマパート「東京ジュラ紀」に登場。
「怪獣職務質問」では去年の夏に不審者が出て、それ以来警察の巡回が強化された新興住宅地を夜に二人で歩いていたところを警察に職務質問された。最優秀怪獣賞のエレキングをペットとして円盤の中に飼っており、ウルトラアイを奪う事が目的らしく、警官がかけていた眼鏡をウルトラアイと間違えていた。
「東京ジュラ紀」では怪盗赤色からオーパーツ「アカンバロの瞳」を守る為に集められた4人の探偵の紅一点である、ヨーヨーが武器でシャワーを浴びると頭がさえて名推理を行う女子高生探偵の「仲谷マユ」を名乗って潜伏。依頼人である元怪獣特捜隊隊員の白石深月に正体を見破られ連行されたが、暴れ回るエレキングとテレスドンに「地球の怪獣に負けないで~」と応援した。なお、東京ジュラ紀後編と職務質問は同じ回である為、上記のピット星人と同一個体またはグルであると考えられる。
ちなみに、地底人こと歩く怪獣図鑑・西園寺ユウヤの推理によるとDカップらしい。
ウルトラマンオーブ
人間態/CV:秋定里穂
第22話「地図にないカフェ」に「ミュー」という名の個体が登場。
「カフェ★ブラックスター」の常連の1人で、平成セブンの個体と同様、指の先から電撃を放って攻撃する能力を持っており、何らかの理由で他の宇宙人達同様に侵略を諦め、地球を捨てて他の星へと旅立とうとしていた。
その前にカフェの最後の客として訪れると、マスターに自分の船へ乗らないかと誘うが、断られた為、彼の入れるコーヒーを名残惜しみながら、地球から去って行ったようだ。
ウルトラマンR/B
CV:寺田晴名
第18話「明日なき世界」に登場。
宇宙で放送されている報道番組「突撃!隣の銀河系」のキャスターとして登場。
その後は登場しないが、ピット星からクワトロMへTシャツの大量注文の依頼が来た事が語られている。
今回声を担当した寺田晴名は、『怪獣娘〜ウルトラ怪獣擬人化計画〜』で風巻ヨウ/マガバッサー役を演じていた。これにより、(レギュラーキャラクターではないものの)飯田里穂、潘めぐみ、三森すずこ、湯浅かえでに次いで『怪獣娘』とウルトラシリーズ(新世代ヒーローズ)本編の両方に出演した5人目の声優となった。
ウルトラマンタイガ
人間態/CV:岩井堂聖子(第18話)/CV:佐咲紗花(第25話)
第18話「新しき世界のために」に登場。
過去の個体と同様に人間の女性「水野ヒトミ」に擬態し、同じように人間の男性「小森セイジ」に擬態するバット星人と同棲している。
彼と同様、地球での生活に辛酸を舐めさせられた為か、どこかアンニュイな雰囲気を漂わせており、自暴自棄な言動が目立つ。同棲相手を助けた宗谷ホマレに対しても、当初は「住む世界が違う」と一蹴し、遠ざけようとしていた、
だが、後に小森がゼットンによるテロを行おうとした際に、彼の暴走を止めてくれと懇願した。
無事に小森の暴走が治まった後、2人はもう一度やり直す事を心に決め、揃って引っ越しをする事を決意するのだった。
また、この時には自分達に親身に対応してくれたホマレとヒロユキに対して信頼の念が芽生えていたのか、笑顔を見せるようになり、別れ際にヒロユキに対して「(ホマレの事を)しっかり支えてやりな」と声をかけた。
第25話には別個体が登場しており、自分達宇宙人を迫害していたデモ隊の地球人を救助していた。
同話でCVを演じた佐咲紗花氏は前期ED曲を担当していた。
本編第10話のプロットでもピット星人とエレキングの登場が予定されていたが、女性ゲストが続いていた事などからナックル星人オデッサとブラックキングに変更された。
本編第18話の脚本を担当した足木淳一郎は、当初はヒトミの一人称を「あたい」としていたが、プロデューサーの村山和之から「筆が滑りすぎだ」と言われ、「あたし」に改めた。
「水野」という姓は恐らくピット星人の初登場エピソードである「湖のひみつ」の捩りからか。
ウルトラマンZ
第8話「神秘の力」に登場。
『マックス』以来の二人組のピット星人であり、「ファ」という名の姉、「シィ」という名の妹の姉妹が出現した。
カブラギ・シンヤ=セレブロにゴルザ、メルバ、超コッヴの細胞を提供するが、代金を貰う前に洗脳され手駒とされてしまう。
その後、ファはとある大富豪の邸宅を襲撃し、彼が持っていたガンQとレイキュバスの細胞を含んだ隕石を奪い、シィはトライキングが街中で暴れた後にウルトラマンゼットを捜していた所でハルキが落としたウルトラゼットライザーを拾ったユカとヨウコをゼットと勘違いし、自分こそがゼットだと言い合いをする二人を連行・拘束した。
その後、現れたハルキによりヨウコとユカが救出され、そのまま二人と交戦状態に突入、そして拘束された。
ちなみに既に交戦経験があるのか、ユカはピット星人の事を知っていた。
ユカが持っていたお茶らしき液体は冗談混じりで「ピット星人の体液」などとネタにされるが、バロッサ星人との戦いの後にユカに宇宙人を解剖してみたいという願望が判明している為、本当に解剖されてしまった可能性も否定できなかったが、「セブンガーファイト」で拘留されていた事が語られている。その後は姉妹揃って母星に帰ったらしい。
ウルトラマントリガー
CV:大谷美紀
スピンオフ作品『ナースデッセイ開発秘話~特務3課奮闘記~』に登場。TPUの経理部に所属し、技術部・二課の経理を担当している。
第18話では同じく経理担当のテルミに、自身の上司である村上主任の愚痴を漏らしていた。
第21話では、メトロン星人マルゥルが開いた新型戦闘艇の変形に必要なエネルギーを募る第二回宇宙人会議に参加。エレキングの電気エネルギーをアピールした。その後、提供したエレキングのデータはGUTSハイパーキーに変換されたと思われる。
ウルトラマンデッカー
演:中村守里
第5話「湖の食いしん坊」に登場。
劇中で騒動を起こしていたエレキングのエリーの飼い主で、地球では「ユウコ」と名乗っている。
人間態での服装は初代のものと同じである。
1人で宇宙を旅していたが、宇宙船の不調で地球に不時着。
そのまま仲間の救援を待っていたが、スフィアの襲来によりそれが叶わぬ事態となる。
その後、どうにかマンションを借りてエリーと共に地球での生活をスタートする。
右も左も分からず、縁も所縁も無い地球での生活だったが、そんな中でエリーだけが彼女の心の支えとなっていた。
しかしエリーは、自身がつい甘やかして餌を与え過ぎたのと、地球の環境下に晒された影響か、従来より速いスピードでどんどんと成長。
挙句の果てに発電所を襲撃し、電気エネルギーを拝借する事件を引き起こしてしまう。
そして、事情を知ったキリノ・イチカと共にエリーのために奔走する事になる。
なお、ピット星人としての姿を見せたのはほんの僅かで、劇中では終始人間態で活動していた。
ちなみに、上記のTPUに所属している同族の事は知らない模様(これはイチカも同様)。
一方でイチカから事情を説明されたムラホシ隊長があっさりエリーの保護を承諾したり、カイザキ副隊長が作戦の細かい部分には苦言を呈しながらもエリーとユウコの為に地球での餌付け講座を作成するなど、上層部の行動からTPUと上記のピット星人が良好な関係を築いている事が伺える。
なお、ムラホシ隊長の演者も過去にユウコのような宇宙からの難民を演じた事がある。
また、ホログラムという形ではあるが彼女の母親が登場している。
2人のピット星人が姉妹ではない関係性で登場するのは初。
怪獣バスターズ/怪獣バスターズpowered
姉妹で登場。よく見ると頭部の色が微妙に異なるが、どちらが姉でどちらが妹なのかは不明。面と向かって話していたヤガミ隊長にも、どちらが喋っていたのか判らなかった。
ミッション『でんげき大作戦』(poweredでは『電ゲキ大作戦』)をクリアしており、エレキングのデータポイントが一定(無印では500、poweredでは100)以上に達した状態でバイオプラントに入るとイベント発生。
惑星ワッカに出現したエレキングに何者かが襲われてSOS信号を発しているという事で、リク隊員が救助している間にエレキングを討伐するミッション『でんげきからのSOS』(poweredでは『電ゲキからのSOS』)をクリアすると、信号の発信者であるピット星人姉妹が登場。
元は姉妹のペットだったエレキングが、突如凶暴化した理由は不明。
S4が調査している怪獣の大量発生と変異現象の影響が疑われるとの事で、ヤガミ隊長の提案により宇宙船に留まる事となる。
以降はターミナル2Fの自販機コーナーで、サロン開設後はボックス席でティータイムを愉しんでいる。
他の異星人キャラがS4の任務に何らかの貢献をしている(余計な事しかしない印象の強いザラブ星人も、雑用係、戦闘員、時には自ら討伐対象となる事で役に立っている)のに対し、この姉妹は名実共に居候である。
…が、話しかけると低確率で『鉄こう石』10コを欲しがり、これを渡すとお礼の品物を貰える。
彼女達が鉄鉱石を何に使うのかは不明。…茶菓子?
貰えるのはアクセサリ『火』『水』『氷』『雷』『闇』『光』の紋様のいずれか。
六個全てをもらった後は、『ヒールキットS×20』『ヒールキットM×10』『ヒールキットL×5』のいずれかをランダムで貰える。
なお、『星人科学武器研究①』に異星人研究員を参加させる事で、鍔の部分にピット星人の頭部を模した『ピットスティンガー』を開発可能。
ULTRAMAN
アニメ版にて登場。シリーズでは珍しく死骸の状態ながら男性型と思われるピット星人が登場。…少なくともこちらの世界観では単性生殖でなく、アブラムシやアリみたいに短期間しか男性型が存在しない種族なのかも知れない。
ゲーム版「BE ULTRA」ではSD化したかのような小型の個体が登場…ただし、小学生低学年ほどのサイズだがボンキュッボンである。
余談
空想科学読本第2巻(P29〜P44)ではマッハ5で走行するという設定を科学的に考証をした結果、大便をしながら空を飛べるという超解釈に行き着いたというエピソードがある(ご丁寧にイラスト付き)。
というか後述するように猛烈な勢いで排便されるので、それでイヤでも宙に浮くらしい。
しかもなまじ超音速でダッシュできる為にそれが危険すぎると指摘され、巻き上げた木の葉が当たっても致命傷、小石になど当たればまず助からないとの事。
なんちゅう世界だマッハ5……。
というわけで、本当にマッハ5で走りたいならば前方に鉄のカサを向けてガードしながら、ものすごく変なポーズ(出来るだけ頭を下げつつ尻は高く上げ、しかも超高速すり足)でダッシュというトチ狂った結論が……。
ちなみにこれに必要なエネルギーは食料は1万5000tで、それを毎秒180kg食わなければならない。
ウルトラマン諸氏や大多数の怪獣・宇宙人の皆様のような巨体ならばまだしも、ピット星人は我々人類とほぼ変わらない背丈なのでこれは相当なムチャだろう(しかも自分の体重の3倍の量を毎秒掻き込むのだ)。
だが食べれば当然出るものも出るわけで、排便に至っては毎秒28kg出る計算になるとの事。こんなんだから宙に浮くわけだ。
挙げ句には「エレキングなどけしかけなくても、コイツらがダッシュするだけで十分地球には大打撃」的な事すら言われる始末。
地球に降りかかる諸問題はさておいても、心は純粋な乙女であろうピット星人からすれば精神ダメージは甚大なはず。
……というか、食べた側から排便する事になる時点で乙女だろうが漢だろうがあらゆる面で堪えるだろう。
マッハ5のダッシュは艱難辛苦が山積みなのだ。
『オーブ』以降の作品では毎年何らかの形で登場しており、また近年は『Z』を除き、登場したピット星人は個人差はあれど人類やウルトラマンと敵対する気のない者がほとんどであり、善良な宇宙人として扱われる事が多い。