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佐野元春

さのもとはる

日本のシンガーソングライター・ビート詩人。作詞・作曲・歌に留まらずスポークンワーズなども行う。社会貢献に熱心な事や独特な喋り口でも知られる。
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概要編集

1956年3月13日、東京都千代田区神田生まれ。立教高校及び立教大学卒業。広告代理店への勤務やラジオ番組のスタッフなどを経て1980年3月にデビュー。


純愛や青春の葛藤、さらには政治批判や反戦などを題材とした詩を得意とする。代表曲として「アンジェリーナ」「ガラスのジェネレーション」「彼女」「SOMEDAY」「Young Bloods」「約束の橋」「La Vita é Bella」「君がいなくちゃ」「純恋(すみれ)」などがある。ロックンロールのビートに乗せた曲やバラードが主に知られているが、ニューヨークへの滞在経験を基に制作されたアルバム『VISITORS』のようにラップヒップホップの手法を取り入れたり、「リアルな現実 本気の現実」などのようにポエトリーリーディング・スポークンワーズを取り入れた楽曲も存在する。


軽妙なトークも特徴の1つであり、『元春レイディオ・ショー』(NHK-FMで1980年 - 1986年、2009年 - 2014年。TBSラジオで2015年9月 - 2016年3月)を始めラジオDJとしても活躍した。歌詞や話の中に横文字を使う事が度々ある一方、基本として日本語の美しさに敬意を払っている事を語っている。


HEY!HEY!HEY!』『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!』『ダウンタウンなう』などに出演した際には「子供の頃は『鉄腕アトム』に憧れ、将来の夢は空を飛ぶ事だった」「鉄腕アトムを自分だと思っていた程ハマり込み、最終回の地球を救う為に太陽に突っ込むシーンを見て家が壊れるくらい泣いた」「海岸で自分を見ている動物に向かって『こっち来いよ』と呼びかけた」「佐野元春という名前に飽きており、『隼ジェット』に改名したい」といった話の内容の独特さからダウンタウンら出演者を翻弄させている。


楽曲提供に関しては本名の佐野元春名義でした曲だけでなく、松田聖子伊藤つかさの楽曲での『Holland Rose』やANDY'S「FREEDOM」での『MOTO』のようにペンネームでクレジットされた曲も存在する。


かつてはエピック・ソニーから作品をリリースしていたが、CCCDに対する見解の相違により2004年に契約を解消。自主レーベル「Daisy Music」を設立。販売をメジャーレーベルに委託している(※1)。1986年には「エムズファクトリー音楽出版」が設立されており、エピック時代・Daisy Music時代を含め全ての佐野の楽曲の管理を行っている。



インターネットでの表現に対しても早い段階から積極的で、1995年の自身の誕生日に公式サイトを開設。これは日本のアーティストでは初めての試みだった。このサイトはファン有志によって作られており、現在もボランティアスタッフにより運営されている。


2001年5月には非営利組織「Naked Eyes Foundation」を設立。団体の理念を「個人的な社会貢献活動を支援する非営利組織」とし自身の活動による収益の一部を社会貢献(子供の貧困問題や後述の戦地の子供達や医療機関への救援金、スマトラ島中越地方東北震災被災地への義援金など)に還元する。佐野はこの団体の設立以前から社会問題に関心を持っており「日本ハンガー・プロジェクト」「地雷撲滅キャンペーン」「チベット自由と人権の集い」などに賛同している。


2001年の9.11のテロ事件をきっかけに非戦の想いを込めて作られた「光」(※2)や2020年の新型コロナウイルス流行に伴う外出自粛期間中にリモートで作られた「この道」のように、リスナーを励ます意図から商業ベースに乗せずに楽曲をリリースする事もある。


  • ※2:自宅のスタジオでレコーディングした曲で、テロ事件の数日後に期間限定で無料配信。8万件を越すユーザーにダウンロードされる。翌年の9月11日から18日まで再び無料で配信。2005年8月17日にはミックスし直した音源の有料配信を開始。売り上げを前述の非営利組織「Naked Eyes Foundation」を通じて、アフガンイラクの戦争で傷ついた子供たちのために寄付する事になった(参照)。

爆笑問題松本人志(ダウンタウン)、石橋貴明(とんねるず)、野茂英雄山口智充スガシカオ武田真一などの著名人が佐野のファンである。佐野も彼らに対等に接しており、特に石橋や山口にはテレビ番組の企画で楽曲を提供した経験がある。


高校と大学の1年先輩に古舘伊知郎、高校の1年先輩にルー大柴がいる。佐野はインタビューでこの2人の事を「2大うるさいやつ(笑)」と冗談交じりに語っている。また、自身の横文字を入れた喋り口調についても「ルー大柴と違って無節操に横文字を入れたりはしない」「ルー大柴と一緒にするな」としている。


オリジナルアルバム編集

1.BACK TO THE STREET(1980年)

2.Heart Beat(1981年)

3.SOMEDAY(1982年)

4.VISITORS(1984年)

5.Café Bohemia(1986年)

6.ナポレオンフィッシュと泳ぐ日(1989年)

7.Time Out!(1990年)

8.Sweet16(1992年)

9.The Circle(1993年)

10.FRUITS(1996年)

11.THE BARN(1997年)

12.Stones and Eggs(1999年)

13.THE SUN(2004年)

14.COYOTE(2007年)

15.ZOOEY(2013年)

16.BLOOD MOON(2015年)

17.MANIJU(2017年)

18.或る秋の日(2019年)


関連動画編集

これから佐野元春を聴くリスナー達へ

これから佐野元春の音楽に触れる若者へ向けた動画。佐野のこれまでの写真や過去のライブ及びミュージック・ビデオの映像などで功績を振り返りながら、佐野がどのようなミュージシャンなのかを片寄明人が解説している。BGMとして「約束の橋」が使用されている。


アンジェリーナ

デビューシングル。1980年3月21日発売。当時TBSラジオで放送された『林美雄のパックインミュージック』の看板コーナー「ユア・ヒットしないパレード」では1位にランクインされ紹介された。佐野本人もこの放送を聴いており「“ヒットしない”というのは複雑な気持ちでしたが(※3)、僕の曲がラジオから流れてきたときは、嬉しかったですね」と語った。


  • ※3:佐野の発言通り聞きようによっては失礼と受け取られるタイトルではあるが、佐野の他にも荒井由実(現:松任谷由実)、山崎ハコ、斉藤哲夫、RCサクセションなどのミュージシャンを紹介した功績を持ち、後のヒットや知名度の向上に繋げた企画でもある。また、コーナー名は当時文化放送で人気だった番組『ユア・ヒット・パレード』のパロディだった。

彼女

2作目のアルバム『Heart Beat』収録曲。2013年には映画『劇場版 SPEC〜結〜 爻ノ篇』の挿入歌として使用。佐野はテレビシリーズの一部に主人公・当麻紗綾(演:戸田恵梨香)の父・天(そら)役で出演もしている。


SOMEDAY

4作目のシングル。1981年6月25日発売。佐野の父親が初めて『いい曲だな』と褒めた曲。1989年にJR東海「ファイト!エクスプレス」キャンペーンのCMソングに起用。翌年に8cmCDで再発売される。2019年2月16日に放送されたTBS系テレビアニメ『新幹線変形ロボ_シンカリオン_THE_ANIMATION』の挿入歌に使用され、前述のCMに関するセリフも登場した。


ちなみに、映像で佐野が使用していたギター(Takamine NPT-115)は後年に『ガキの使い』の企画『クイズ佐野元春の500のコト』の優勝賞品として田中直樹(ココリコ)に贈呈された。


COMPLICATION SHAKEDOWN

4枚目のアルバム『VISITORS』収録。1ヶ月後の1984年6月21日にシングルカットされる。タイトルの意味は「物事が複雑化してゆれ動いていること」。それまでと異なるラップ・ヒップホップ調である事と純愛や青春を題材とした作風と対照的なシリアスな内容により、リリース当初はリスナーから戸惑いの意見が多く寄せられていた。


約束の橋

1989年4月21日発売。当時スランプに陥っていた自分自身を励ますために書いた曲。当時は最高順位20位で4万枚しか売れなかったが、フジテレビ月9ドラマ『二十歳の約束』の主題歌への起用により録り直され、1992年10月28日に再発。最高位4位を記録。70万枚以上を売り上げ自身最大のヒット曲となった。佐野はこの手のひらを返したような結果に最初こそ納得がいかなかったが、ファン層が増加し他の持ち歌も聴いてもらえるようになった為最終的には受け入れた。


La Vita é Bella

2012年8月29日に配信リリース。翌年のアルバム『ZOOEY』にも収録。トヨタMARK XのCMソングに使用された。桑田佳祐は自身のラジオ番組のランキング企画でこの曲を1位にし高く評価している。


君がいなくちゃ

2015年3月4日に配信リリース。アルバム『或る秋の日』にも収録。デビュー前の立教高校在学時に書かれ当時から話題になった曲。佐野の吹き込んだテープを貰い持ち帰った学生が転校先の香川県高松市の一部の人々にこの曲を教えた結果、ギタリストの小倉博和にも発売前からこの曲の事が知られていた。桑田佳祐が高く評価した曲の1つでもある。


純恋(すみれ)

2017年6月30日に配信リリース。同年7月19日に発売されたアルバム『MANIJU(マニジュ)』にも収録された。思春期を迎えた少年たちに贈る、瑞々しくポップな楽曲と語られている。


Live at Le Poisson Rouge, N.Y. 'Not Yet Free(まだ自由じゃない)'

スポークン・ワーズは音楽に乗せて歌詞、詩、物語を語りかけて表現するパフォーマンスであり、佐野はこれを行っている数少ない日本人である。映像は2017年4月28日にニューヨークのライヴ・ヴェニュー「LE POISSON ROUGE」で行ったもの。日本語に対する信頼や誇りの気持ちを持っている事から、敢えて佐野の口からは英語に訳さずそのまま表現している。英語は挨拶とバックモニターの映像につけたテロップのみとなっている。


愛が分母

2019年8月14日に配信リリース。ダンサブルなスカ・ナンバーとなっており、NARGO、北原雅彦、GAMO、谷中敦(From 東京スカパラダイスオーケストラ)がブラスセクションで参加している。


この道(Social Distancing Version)

2020年4月8日にYoutubeにて無料公開。新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出自粛期間中に、佐野とコヨーテバンドのメンバーが誰にも会わずにそれぞれの自宅でインターネットを介してマルチレコーディングと自撮りを行い制作され、コロナ禍で疲れた人たちを応援する目的から販売を前提にしない形で公開された。曲の制作から動画の公開までかかった期間はわずか2週間だったという。


関連タグ編集

シンガーソングライター 詩人 デイジー

大瀧詠一:佐野の音楽性を真っ先に理解した恩人である。一方で佐野自身は大瀧が在籍していた音楽グループのはっぴいえんどの作風には思うところがあったといい「教師としても、反面教師としても見ていた」と語っている。

桑田佳祐:同じ1956年の早生まれ。互いの才能を認め手紙で文通をする仲。

時代遅れのRock'n'Roll_Band:2022年に桑田、佐野、世良公則Char野口五郎により発表されたチャリティーソング。

アップフロント:佐野がかつて所属及びマネジメントを委託していたヤングジャパンの子会社。佐野を担当していたマネージャーが後に松浦亜弥の担当になっていた事が2004年2月17日放送の『爆笑問題カーボーイ』(TBSラジオ)で言及された。

手塚治虫:佐野が幼い頃から尊敬している漫画家。小学生の頃に虫プロダクションを見学しセル画を貰った事もある。1989年に発表した楽曲「雪-ああ、世界は美しい」は『ブッダ』からインスパイアされた事を明かしている。


関連イラスト編集

佐野元春3バージョン

佐野元春

佐野元春

佐野元春


外部リンク編集

Moto's Web Server - 公式サイト

佐野元春 Web - MWS - 佐野の公式サイトの運営によるTwitterアカウント。

佐野元春 - Daisy Music - Daisy Musicの運営によるYoutubeチャンネル。

Wikipedia

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