概要
第五世代から登場したポケモンの新要素。
第三世代以降、ポケモンは1つまたは2つの特性を持っていたが、これに新たな特性が加わった。
といっても通常では中々手に入らず、限られた方法でしか手に入れることができない。
経緯
ポケモンBW発表時、「インターネットサービス『PDW』を経由して夢で会ったポケモンをハイリンクから連れてゆける」という情報が公開。
さらに、後の情報で夢で出会ったポケモンは通常とは違う特性を持っている事が発表された。
この時明かされたのは、シャワーズのうるおいボディであった(通常特性は「ちょすい」)。
このように夢で出会える特性であることから、ネットでは公開当初から夢特性と呼ばれるようになった。
(といっても、実際にはPDW以外にもいくつか入手方法がある)
夢特性による種族の格差は凄まじく、第4世代では不遇だったのが一気に強ポケ、厨ポケにまでのし上がった者もいれば、ぶっちゃけなくても困らない死に特性を与えられた者もいる(口述)。
BW発売後に一部プレイヤー達の手によって解析されたため、どんな種族がどんな夢特性を持っているかは攻略サイトを見ればすぐわかるようになっている。
公式では後に「隠れ特性」という名称で発表されたが、現在でも「夢特性」と呼ぶユーザーの方が多い。
特徴
- 「てんきや」などの専用特性持ち、ふゆう持ち(ドーミラー、ドータクン、ヨマワルのぞく)、さなぎポケモンに夢特性はない(特例は後述)。
- 夢特性持ちのポケモンが♀の場合、同じタマゴグループの♂と預ければ一定の確率で遺伝する。
- BWでは、メタモンと預けた場合夢特性を遺伝させることができない。また、夢特性持ちが♂であった場合でも遺伝させることができない。
- XYでは、夢特性持ちが♀、♂、性別不明いずれの場合でもメタモンと預けることで一定の確率で遺伝する。
- ハイリンク、隠し穴、ARサーチャーで手に入る夢特性のポケモンに色違いは存在しない。
- X・Yで登場した特性を変更できる使い捨てのアイテム「とくせいカプセル」では「通常特性⇔夢特性」間の変更ができない。
BWでの入手方法
PDW
告知されていた通り、PDWのミニゲームをこなし仲間にする事で入手できる(一回のゲームシンクにつき一匹)。仲間になったポケモンはハイリンクの森に送られる。
また、PDW内の夢ポイントを増やすことで行き先や出会えるポケモンの数も増えてゆく。
シナリオ内で入手
BWのゲーム内ではムシャーナ系列とヒヒダルマ系列が入手可能。
雑誌や攻略本の付録
雑誌に収められたシリアルナンバーをサイトに入力する事で特定の夢特性持ちを入手することができる。
早い話が抱き合わせ商法で、夢特性ポケモンのために攻略本を複数買いする人が続出した。
タマゴでの増殖防止、GTSでの放流防止のためか、基本的に性別は♂固定で、例外はファミ通のコットンジュペッタのみ。
御三家は全てこの商法で解禁されており、解禁されていないのはジョウト御三家とイッシュ御三家のみ。
ちなみに韓国ロムだとBWのケースの中にカントー御三家のシリアルナンバーが封入されていた(韓国人国籍でないと受け取れないが…)。
屋外イベント
ポケモンの屋外イベントでもまれに夢特性を配布する。
特に影響が大きかったのは2011年の夏休みに配信されたうたうピカチュウの存在で、特別な技「うたう」「フラフラダンス」を覚えているだけでなく、
- 夢特性「ひらいしん」持ち
- しかも♀固定なので遺伝可能
- 通常では入手できない「でんきだま」持ち
という笑えないレベルの超豪華仕様でイベントが開かれなかった地方民は涙をのんだ。
その他ではポケモンセンターで配信された強力タッグのキュウコンやルカリオ(どちらも♂固定)が夢特性持ちである。
また、ハピナスのように屋外で配布されたカードのシリアルコードを入力して入手する方法もあった。
BW2での入手方法
PDW
継続して使われ、かつイッシュのポケモンも何種族か手に入るようになった。
ゲーム内
シキジカがNPCから貰えるほか、ブルンゲルやウォーグル、バルジーナが固定シンボルで登場した。
隠し穴
シナリオ内でベルが教えてくれる新要素(最初に出会うのは♂のチラーミィ)。
全20ヶ所が存在し、ポケモンが出てきた場合、そのポケモンは必ず夢特性である。
しかし隠し穴内部の復活率が異常に低く、普通にやっていればこやしやモンスターボールを大量に拾わされる場合がほとんど。
あまりにも低すぎるので、粘るなら隠し穴パワーを持っていないとほぼ無理ゲーとも。
さらに強力なポケモンほど出現率が低く設定されており、その確率は1パーセントにも満たない者もいる。
出現するポケモンはここでしか出てこないものもいれば、PDW内の既存ポケも一部出現する。
ネット環境を持ってない人への救済措置とPDWサービス終了の際のクレーム防止(実際に第6世代移行の影響で終了した)も兼ねている為なのか、ロコンやニョロゾ、カイリューなどPDWでも特に人気の高い種族も出てくる。
フェスミッション限定で手に入る種族もあり、ブラック2なら夢特性のスカンプーを、ホワイト2なら夢特性のニャルマーを入手できるフェスミッションがある。
屋外配信では隠し穴でブイズが手に入るフェスミッション、レアコイルやハクリューなどが手に入るフェスミッションがあった。
ポケモンARサーチャー
3DS対応のダウンロードソフト。300円。
PDWと違い種族を問わず仲間に出来れば好きなだけ夢特性ポケモンを連れていく事が出来る。
夢特性のリオルやポリゴンなど元々限定ものだったポケモンも手に入る。
ここで入手できるコピペロスは化身フォルムに戻すといずれも夢特性を持っている。
また、第4世代でゲームのパッケージを飾ったポケモン(ディアルガやルギアなど)の夢特性も対応のソフトを3DSに挿す事で入手可能。
BW2にポケモンを送り、「ニンテンドー3DSリンク」から受け取った時点で個体値や性格などが決まってしまうため、厳選そのものが出来ないのが難点。
ルリ、テツとの交換
ライブキャスターを返した後、特定の回数ライブキャスターで電話をかける事で交換を持ちかけられる。
性別はランダムなので、♀を粘れば増殖する事も可能。
ルリとテツでは交換されるポケモンが一部違うが、いずれもPDWで出会えるポケモンである。
XYでの入手方法
群れバトル
XYから追加されたバトル要素で、5匹からなる野生ポケモンの群れの中に夢特性持ちが混じっている場合がある。特に、夢特性持ちメレシーはこの方法でしか出現しない。
モンスターボールを投げられるのは最後に残った1匹のみなので、数の暴力に耐える覚悟と運、
そして「スキルスワップ」や「なやみのタネ」等の技を覚えたポケモンが必要である。
フレンドサファリ
これもXYで追加された要素。殿堂入り後に行ける「フレンドサファリ」で3DS本体に登録されたフレンドコードに対応した3種のポケモンが出てくる。
出てくるポケモンのレベルは30で固定され、夢特性持ちも出てくる事がある。
……が、相手のコードで出てくるポケモンは判るのだが、自分のコードで出てくるポケモンが何なのかを調べるのはその性質上非常に困難。
しかも相手も殿堂入りした状態でPSSでオンラインになってくれないと夢特性持ちが出てきてくれない。
ポケムーバー
前作までのポケモンの一部夢特性(「てつのこぶし」ローブシンなど)は上記2つの方法を使っても出てこないので、前作から送ってくるしかない。
夢特性によって強化されたポケモン
元々高めだった耐久を底上げする「マルチスケイル」を取得し、氷4倍をヤチェなしでも余裕で耐えられるように。
さらに「しんそく」の強化も拍車をかけて使用率が激増、現在はトップメタに。
その影響は、それまで猛威を振るっていたボーマンダの使用率が激減するほど。
XYでは特性と相性のいい「じゃくてんほけん」まで登場。弱点を突いたら逆にこちらが倒されるという意味の分からないことになっている。
第五世代になって、ただでさえそれなりに良い技を与えられているのに、自身の微妙な素早さを補う「かそく」を取得。
元々攻撃面ではステータスとタイプの両方に恵まれていたのもあり、素早さを克服した事で劣化ゴウカザルから一気に要注意ポケにまでのし上がった。
ただ、第六世代ではメガバシャーモにメガシンカすることで普通のバシャーモもかそくを使えるようになった。もっとも、こちらには持たせる道具が縛られるという制約がある。
いずれも天候を変える特性「あめふらし」「ひでり」を入手し需要が急増。雨パ、晴れパの必須なポケモンに挙げられている。
「テクニシャン」を入手したことでマッハパンチ、タネマシンガンなどの威力が底上げされた。
特にマッハパンチの威力はあのハッサムのバレットパンチと同等と言えばどれだけ脅威か分かるだろう。
当然キノコのほうしも健在であり、害悪ぶりに益々拍車がかかった。
ゴーストのお家芸である豊富な補助技との相性がいい「いたずらごころ」を習得。
さすがに上記ポケモンほどの脅威にはなってないものの、先制で「おにび」「ちょうはつ」が飛んでくる恐怖は半端なく、「じこさいせい」まであるので一度パターンに嵌ると中々抜け出せない。
何よりミカルゲとの大きな差別要素を手に入れ、ダブルでは完全に立場が逆転したとの声も。
ヤミラミ同様「いたずらごころ」を習得。
「ねこだまし」位しかなかったダブルバトルでの強さが、先制「アンコール」「いばる」「うそなき」「でんじは」と一戦級で戦えるほどの強さに。
シングルでは控えが限定されるものの、先制「ねこのて」→「キノコのほうし」で相手の素早さを無視しながら先制で眠らせることが出来、「みがわり」+「いばる」+「イカサマ」で相手をハメつつ殴っていく戦法が強力。
「ねこのて」+「ふきとばし」でひたすら時間切れまで相手を吹き飛ばす糞ゲー戦法も一時期話題となった。
夢特性「かわりもの」が解禁されたことで、へんしんに1ターン費やす必要がなくなった。
何より強いのが「こだわりスカーフ」を持って能力変化で強くなっている相手に変身することで、先制でそいつや後続を叩き潰すことができること。
この戦法が編み出されたことで積み技を使うポケモンの天敵と呼ばれる要注意ポケモンにまでのし上がった。
無性別ではあるが入手はPDWではなく隠し穴なのでシンクロが効き個体値厳選しやすいのも強
み。
XYでもフレンドサファリではノーマルタイプのテーブルで出現することがあり、そこでは個体値が2V確定という事もあって、メタモンが出現するフレンドサファリは皆の人気者である。
(ただし通常特性のポケモンと「かわりもの」メタモンを預けても夢特性にはならないので注意!)
第五世代では「はやあし」というタイプ上微妙過ぎる夢特性だったが、XYではまさかの「かそく」に修正。
無論バシャーモで有名な凶悪特性だが、こいつの場合「バトンタッチ」で生かせる技が多く、「かそく」の分の「すばやさ」も一緒に引き継いで後続に繋げられる。
もちろんそのままぶん殴るのも十分強い(ちなみに攻撃種族値が10上がった)。
夢特性が死に特性のポケモン
- デリバード特例
夢特性は通常特性の「やるき」と効果が全く同じ「ふみん」。どう考えても需要がない。
強いて需要があるなら厳選時に「はりきり」を引きたくない時に役に立つ程度。
次回作で進化後があるなら、特性が変わる事に期待するしかないだろう。
同じく埋葬鳥のカモネギが「まけんき」というそこそこいい特性を貰ってるだけに益々悲惨である。
元々不遇なテントウ虫。豊富に覚えるパンチ技の威力を底上げする「てつのこぶし」を取得したが、そもそも攻撃種族値たったの35では焼け石に水。
体重が半分になる「ライトメタル」自体が死に特性なのだが、メタグロスは特にこの特性の効果を殺している。
はがねタイプ自体「くさむすび」が半減な上にそもそも550kgもあるメタグロスでは体重が半分になった所で受けるダメージは変わらないという…
進化前のメタングに輝石を持たせればまだマシかもしれないが、それでも100キロオーバーなので恩恵は薄い。
メタグロスと同じく「ライトメタル」、だが幸いこちらはメタグロスより体重が軽いのでけたぐりのダメージを少しだけなら減らすことが出来る、それでもハズレ特性なのに変わりないが……。
ちなみにストライク時の特性は「ふくつのこころ」であっちもあっちであまり役に立たない特性を与えられている。
上記の2匹とは逆にこちらは体重を増やす「ヘヴィメタル」元の体重が重めなだけあってけたぐりのダメージが更に増えてしまう(幸い素の防御力は高いが)。一応ヘビーボンバーが使えるがそれだったらボスゴドラでやった方がいいという始末。
- ペンドラー(五世代)
アタッカーにとってはそれなりに恩恵のある「はやあし」だが、ペンドラーは自身がどくタイプを持つのでどく状態にならないし、だからといって「かえんだま」でやけど状態にすれば物理一本のステータスであるペンドラーの攻撃が半分にガタ落ち。もう一つのまひはというとそれに対応する道具は存在せず、仮にあったとしても紙耐久のペンドラーには25%で行動が封じられるのはかなり痛手……
ぶっちゃけ唯一王のこんじょう以上に特性を活かしづらい。
爆発技の弱体化により他のポケモンが持っても残念特性とされている「しめりけ」だが、
ゴーストタイプであるブルンゲルには爆発技自体相性で無効なので封じる意味がない。
一応ゆうばくにも効果があるが、ブルンゲル自身が直接技をほとんど使わないのでこれまた無意味。
せいぜい自爆技持ちの色違いを足止めする際に使えるくらいか。