概要
スペシウム光線のエネルギーをリング状に高速回転させて投げつける切断技。
バルタン星人二代目やレッドキング二代目も一発で真っ二つにしてしまう程凄まじい切れ味を誇る。
連射が可能であり、空中で分裂させて複数の八つ裂き光輪で相手をバラバラにすることもできる。
飛行しながら発射する事も出来、Uキラーザウルスの触手を切断している。
元々はスペシウム光線より強力な技(スペルゲン反射鏡を破壊できる)だったのだが、近年の作品ではあまりそういった描写はない。『ウルトラ銀河伝説』でのベリュドラへの最後の一斉攻撃で八つ裂き光輪をひたすら投げていたことくらいだろうか。
最近では追尾機能(?)を得てメフィラス星人を攻撃したり、連続発射していたり、手に這わせた状態で手刀のように敵に叩き付けて切断したり(実は漫画『ウルトラ怪獣かっとび!ランド』でこれをやって岩山を削り取るシーンがある)、横に90度回転させて相手の光線を盾のように防いだりと、ウルトラマン自身が数々の戦いを経て成長したのかバリエーション豊富になっている。
映像作品で披露して以降は度々、手持ち武器状態として光輪技を使うウルトラ戦士もそこそこ出てきており、新たなスタンダードとなる可能性もある。
欠点としてはリングの中央部には切断力が無いようで、グビラのドリルやキーラの尻尾に嵌り込んでしまい跳ね返された事がある。
またゼットンのバリア(ゼットンシャッター)の様に八つ裂き光輪の威力を上回る防御力を持つ対象物に対しては、弾かれたり砕け散ったりする(本体に直撃させた場合は倒している例もある)。
メフィラス星人三代目との戦いではなんと同時に飛んできた二つの光輪を素手で砕かれている。
なお、ゼットンがバリヤーで八つ裂き光輪を砕くシーンは絶望感を煽る演出として歴代でも印象深いシーンであり、割れる際の効果音が流用されたり、光輪系の技が砕かれる演出があったり、バンダイの『特撮ギャラリー04 ウルトラマンVSゼットン』ではゼットンに対して光輪を放つシーンが立体化された(この商品ではしゃがんだ状態で光輪を発射しているが、劇中では立った状態で発射している)。
『スーパー特撮大戦2001』でも必殺技として登場するが、この技で倒しても敵が切断される演出はない(被弾モーションも光輪が貫通するというもの)。
『ウルトラマン Fighting Evolution Rebirth』では両手を胸に添えるモーションは省略され、いきなり腕を振りかぶるモーションから始まる。スペシウムエネルギーが丸鋸に変化する様がわかりやすく表現されている。なお、ウルトラマンの攻撃技では2番目に強い技となっている。
カオスロイドUもカオス八つ裂き光輪というコピー技を有するが、こちらは右腕を巨大光輪に変化させるという演出になっている。
『ロストヒーローズ』では「八つ裂き光輪コンボ」という技が登場。ベリュドラ戦同様に連続で発射し、トドメにスペシウム光線を放つ技となっている(なお、この作品のスペシウム光線の効果音はオリジナルとは異なる。)。
どうやら高威力でありながら、素早く繰り出せるというメリットがあるようで『マイポケット×ウルトラマン 愕然!バックアップしてなかった!篇』ではゼットンに対し、ゼットンシャッターを張り切る前に発射して倒した(なお、光輪はゼットンに刺さってしばらくすると回転を止め、その状態のまま後ろに倒れている)。
一峰大二版
雑誌『ぼくら』に掲載されていた一峰大二による漫画版では周囲のギザギザが無く、よりチャクラムに近い形状になっている。
また、切り裂くよりも貫通性能に重きを置いており、腕を交差させて2発動時に投擲しアボラス&バニラの胴体をぶち抜いて倒す、両手を使ってフラフープのような巨大な光輪を作り出しレッドキング・マグラー・チャンドラーを纏めてぶち抜くなどの様々な攻撃方法を見せた。
ケムラーとの戦いでは八つ裂き光輪に八つ裂き光輪を当てて起爆させ、毒ガスを払っている。
スカイドン戦では普通に使っても弾き返され、無数の光輪を並べてチューブ状の力場を作りスカイドンを宇宙まで打ち上げようとしたが20万トンのメガトン怪獣相手ではそれでも足りず失敗。最後の手段として無防備であろう口の中へ投げ入れても一発では足りず、大量の光輪を飲み込ませて体内でビリヤードの如くかち合わせることでようやく撃破した。
タンギラーとの戦いでは、八つ裂き光輪で氷山を削って凸レンズを作り、それを利用してスペシウム光線を集束させることで胸にダメージを与え、最後に傷口へ八つ裂き光輪を撃ち込むことでトドメを刺した。
ウルトラスラッシュ
八つ裂き光輪の別名…だったのだが、近年は「八つ裂き」という単語がよろしくない為か、児童向けの書籍やビデオでもこちらの単語が採用されている。なお、「八つ裂き」という言葉が物騒だからこちらの名前に変更されたという誤解やデマがあるが、こちらの名前も当時から存在する(台本の他『ウルトラファイト』でのナレーターの実況では最初からウルトラスラッシュと解説されていた)。
ゲーム『大怪獣バトル』では派生技の「八つ裂き光輪チョップ」を含めて『八つ裂き光輪』で統一されている。
そもそも劇中で一度も八つ裂きにしていない技だったりするが、そこはツッコんではいけないのだろう。
ウルトラマンジャック、ウルトラマンエース、ウルトラマン80も同名の必殺技を持っているが、現在はウルトラスラッシュで統一されて表記されている模様。ただし初代ウルトラマンが使うものは特別扱いらしく、今でもハッピーセットの宣伝で「八つ裂き光輪が放てる」などと書かれてたりする(ウルトラマンZの超全集にて『大いなる陰謀』での使用技が記載された際に、初代マンとジャックのものは「八つ裂き光輪」、エースのものは「ウルトラスラッシュ」と分けて表記されていた)。
80のものは初代マンの直伝という設定を持つ。
平成ウルトラマンでは、ウルトラマンスコット、ウルトラマンパワード、ウルトラマンダイナ、ウルトラマンネオスが同様の技を持っているが、こちらはそれぞれ「ウルトラ・スライサー」「パワードスラッシュ」「ダイナスラッシュ」「ネオ・スラッシュ」という名称で区別されている。
ウルトラマンオーブ・スペシウムゼペリオンは元々八つ裂き光輪系列の技を主軸にしていく予定(諸事情でTVシリーズでは難しいとして主軸にはならなかったが)だったこともあり、八つ裂き光輪系の技の使用回数は特に多い。
初代ウルトラマンの力を授けられたスペシウムゼペリオンも同様の技「スペリオン光輪」を持っている(発動の際にはティガのゼペリオン光線のような溜めポーズをとる)。こちらも手に掴むことが可能で、初使用した第1話では、マガバッサーにかわされた光輪をスカイタイプの能力を利用した高速移動で追いかけてキャッチし、再度相手目掛けて投げつけるという荒技を披露した。マガパンドンの戦いでは巨大化させるなどの応用を見せたが、以後はゼッパンドンやマガタノオロチに食われるなどの不遇な扱いを受けた。
また、サンダーブレスターも同様の技「ゼットシウム光輪」を使用可能で、初戦ではこれでマガオロチの尻尾を切断した。
オーブオリジンも同様の技「オリジウムソーサー」を使用でき、第21話のハイパーゼットンデスサイス・リザーバーとの戦闘で使用している。
『THE_ORIGIN_SAGA』のオリジン・ザ・ファーストも同様の技「オリジウム光輪」を使うがオリジウムソーサーと同一の技かは不明。
さらに3人のウルトラマンの力を借りた形態・オーブトリニティではなんと最強技が八つ裂き光輪系列の技である「トリニティウム光輪」となっている。こちらはギンガ・ビクトリー・エックス・オーブのマークをモチーフにした巨大な光輪をギンガサンダーボルトのようなポーズでオーブスラッシャーから放つ技となっている。
オーブの力を基に生み出されたウルトラマンオーブダークもオーブダークカリバーからカリバースラッシャーという光輪を発射していた。
ウルトラマンジード・マグニフィセントも、他とは形状が違うが、手裏剣型の「メガスライサークロス」を使用する。
ウルトラマンルーブはオーブトリニティ同様に八つ裂き光輪がモチーフである名前もそのまま「ルーブコウリン」という武器を使用する。
『ウルトラマンタイガ』では18話でタイガが八つ裂き光輪に似たタイガ光輪を使ったほか(ゼットンに白刃取りされて砕かれた)、フーマがそれ以前より八つ裂き光輪と同系譜の技と思しき技「極星光波手裏剣」を使用している。
ウルトラマンゼットはジャック、ゾフィー、ウルトラの父のウルトラメダルを使った必殺技として、巨大なエネルギーの刃で竜巻を起こした後、吹き飛ばされた敵を巨大な光輪でZの字に切り裂く「M78流・竜巻閃光斬」という技を使っている。
ウルトラマンリブットはウルトラスラッシュなどの切断技やゼロスラッガーを基に「リモートカッター」という技を開発している。
このようにかつてはウルトラスラッシュに属する「~スラッシュ」という技名が多かったが、オーブ以降は特に「~光輪」という名称も復活しつつある。……さすがに「八つ裂き」は今は初代限定のようだが。
ULTRAMAN版
ULTRAMANSUITが有する必殺技で、スペシウムエネルギーをリング状にするという点では全く同じ設定。
ゲーム『Be_ULTRA』では通常攻撃として使用する。
小説『ULTRAMAN_SUIT_ANOTHER_UNIVERSE』の「特別編 Episode 29 ヒーロー×邂・逅 後編」ではリミッターを解除して発動。16枚同時に展開し、アルテリク星人の吐き出す粒子を防ぐ盾とした。
誕生秘話
提案者はバルタン星人の登場回を複数手掛けた飯島敏宏監督。合成は中野稔氏が担当されている。
「スペシウム光線が効かないバルタン星人に対して、ノコギリの刃をつけたスペシウムの手裏剣を飛ばす」というコンセプトの下、作られた。同回で披露されたテレポーテーションも中野氏が手掛けており、電送をイメージした電波がずれていくようなイメージのアニメーションに仕上げた。
中野氏はこれ以外にも第2話のバルタン星人の分身や、ウルトラセブンの変身エフェクトなどにも携わっている合成界のレジェンドの一人である。
(以上の出典:同書の『ウルトラマン オフィシャルデータファイル』・「トピックインフォメーション SERIES2 ウルトラマン SHEET 13」(111-28・デアゴスティーニ)より)
関連項目
仮面ライダークロノス:同様の技、クリティカルサクリファイスを使用する
ドラゴンボール: クリリンの気円斬をはじめ、本技と同様に円盤状に「気」、あるいは「エネルギー」を練り合わせ、切断能力を持たせた技を使うキャラクターが複数登場する。
グリッドナイト:同様の技グリッドナイトサーキュラーを使用。『戦姫絶唱シンフォギアXD UNLIMITED』の風鳴翼も彼の力を借りて使ったことがある。