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時代劇の編集履歴2022/08/28 14:30:28 版
編集内容:消されてたところを直しました。理由は前の時↓と同じ。

時代劇とは、日本の創作におけるジャンル。

解説

主に近世前後の日本を舞台とした作品を指す。実写アニメ漫画演劇などを包括する。小説については「時代劇」ではなく「時代小説」と呼ばれることが多いが、このジャンルに包括して考えることができるであろう。

昔(戦前)は歌舞伎などの要素を色濃く残した時代ものは旧劇と呼ばれ、一方で現代劇は新劇と呼ばれていた。旧劇に新劇の要素を取り入れつつ昔を舞台とした作品を新時代劇と呼ぶようになり、後に時代劇という呼称になった。

基本的に戦国時代明治維新辺り(特に文化・文政期の江戸幕末)を舞台としたものを指す。広い意味では古代・中世を舞台にした作品も含まれるが、南北朝時代以前や明治時代中期(西南戦争)以降を題材とした作品は「時代劇」というより「歴史ドラマ」とカテゴライズされることの方が多い。西郷隆盛大久保利通ら幕末と明治にわたって活躍した人物が登場する作品などはこのジャンルに含まれるか曖昧である。

時代劇に多く見られる特徴

  • 戦国時代明治維新前後までの日本を舞台としている。
  • 必ずしも時代考証に縛られない。「史実の再現」ではなく、「細部まで完成された虚構世界」を志向する。
    • お約束」(人情劇、勧善懲悪、「雨降って地固まる」の筋書き)に則った設定・シナリオで物語が動く。
    • 江戸時代といっても260年以上に及び前期と後期では風俗が大きく変わっているが、時代劇世界の人物の衣装や髪型は、元禄も文化文政期もほとんど同じである。
  • 特定の人物よりも、集団や事件を中心に物語が進む。

……等々(無論、例外は数多くある)

作品一覧

※明治維新以前を題材にしたもの。五十音順。

テレビ時代劇・絶滅の危機

マンネリ化

テレビ時代劇はバブル期以降、衰退が目立つようになり、時代劇出身の若手俳優も出なくなって視聴層の高齢化が進んだ。1996年に発売された必殺シリーズサウンドトラック(オリジナル・サウンドトラック全集15)のジャケットの作品解説(必殺仕事人Ⅳ)の冒頭で「時代劇が完全に高齢者向けになってしまった現在では考えられないことだが(以下略)」と書かれており、既にその頃から将来の存亡が危ぶまれる状態になっていたのである。全盛期に高視聴率を稼ぐ定番に頼り過ぎ、新たな視聴者層を狙った作品の創作を怠った事が、平成の時代劇の衰退に繋がった。

技術の衰退

高度経済成長と生活の洋風化による文化の断絶、大道具・小道具等の制作や調達の困難化、開発による日本の景観破壊によりロケ地の確保が困難になったことなどから、時代劇の製作数は先細りの傾向にあり、実写時代劇作りのノウハウが失われつつある。

実際、時代劇に使用された舞台セットの制作技術・技法は非常に緻密かつ高度なものが多く、CG技術では補い切れないリアリティある質感を表現することが出来ることから、技術の喪失を惜しむ声は多い

フィルムとビデオ

テレビ時代劇も1990年代に35mmフィルムによる撮影からVTRに移行し、2000年代にはデジタルビデオカメラによるHD撮影になったが、フィルム撮影の質感を再現する補正が加えられていたりする。これまでの色彩設計だと色が派手に出過ぎてまるでコスプレ衣装のようになってしまう、夜のシーンの撮影だとくっきりしすぎてしまう、メイクやカツラの形跡が映り込む等、リアリティや迫力に欠ける画になってしまうのである。

またコマ数の違いも問題になる。特にチャンバラシーンにおいて顕著で、コマ数が1秒間30コマの普通のビデオカメラの場合、体のふらつきが映りやすくなり、格好が悪くなってしまう。

作り手としてはフィルム時代に負けないリアリズムを出したいところではあるが、地デジ画質に慣れた視聴者側からは「画面が暗い、地味」などと敬遠されやすい(代表事例がNHK『平清盛』を巡る騒動)。

作品の減少

21世紀には、地上波テレビ放送を前提とした新作時代劇は少なくなり、新作はBS映画へと移行する傾向がある(例:武田鉄矢主演の『水戸黄門』(BS-TBS)、東山紀之主演の『大岡越前』(NHK BSプレミアム))。地上波では現代人がタイムスリップするなど従来の時代劇の様式から外れた特殊な設定のものが多くなった(例:JIN-仁-)。しかしこれらの路線も減少を食い止めるには至っていない。

復興を求める声

JAC(ジャパンアクションクラブ 現:JAE)などをはじめとしたアクション俳優や殺陣師を輩出している芸能企業や団体は、若手の育成にも必要な大きな活躍の場の一つを奪われる状況を憂いている。

近年は『十三人の刺客(三池崇史)』『超高速!参勤交代シリーズ』『のぼうの城』『実写版るろうに剣心シリーズ』など、新たな試みで製作された時代劇のヒット作も多々見受けられる。こうした作品が一定の人気を博していることからみても、新たな時代劇作品が求められているのは確かだろう。

ライトノベルと時代劇

ライトノベル業界では和風ファンタジーはできても「ラノベに時代劇は無理」というジンクスが存在する。

これは読者だけでなく作り手側までもが、「中世ヨーロッパ風」世界観には子供の頃からゲーム等で慣れているが、「似非江戸時代」「似非戦国時代」を舞台とした時代劇には馴染みがなく、NHKの大河ドラマのような歴史ドラマと『水戸黄門』『暴れん坊将軍』のような時代劇は似て非なるジャンルである事を未だに理解出来ない、もしくは理解出来ても受け入れられないからである。だから「水戸黄門は諸国漫遊などしていない」「将軍時代の吉宗は独身どころか子持ち」「そもそもそれらの時代の江戸城に天守閣は無い」等の野暮な突っ込みが入る。それでいて考証がちがちの時代小説とは異なる「ラノベらしさ」は外せない、という板挟みになり、これでは身動きが取れなくなるのは必然である。

もっともラノベの時代劇(戦国・江戸モチーフのラノベ作品)は皆無と言うわけではなく、『腕白関白』、『戦国小町苦労譚』などがあり、女性向けの作品でも『つくもがみ貸します』シリーズなどがある。しかし、前近代の中国(国民革命の前)や近代欧州(産業革命以降)や近代日本(明治大正)をモチーフにしたラノベが多数あるのに比べその数は遥かに少なく、どのタイトルも大きなヒットには至っていない。

2017年から大きなムーブメントを巻き起こした蝸牛くもの『ゴブリンスレイヤー』も、『天下一蹴今川氏真無用剣』の代案としてやる夫スレで執筆していた当作が起用されたという経緯があり、少なからず「時代劇のタブー」が出自にかかわっている。

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