───僕は人を好きになったりしないよ。絶対に。
CV:花江夏樹
概要
ベネリットグループ内の御三家ペイル・テクノロジーズが擁立するパイロット。
アスティカシア高等専門学園パイロット科3年生。決闘委員会にも所属。搭乗機はザウォート、ガンダム・ファラクト。
ペイル寮の筆頭だが、学園内の誰にも心を開かない孤高の人で、曰く「人を好きになったことはない」。
そんな状態だからか、同じ決闘委員会に属し、コミュニケーション能力が高いシャディク・ゼネリぐらいしか交流がなかったが、後にスレッタ・マーキュリーに対して興味を抱き、彼女の乗るMSエアリアルを見てGUND-ARMと看破しつつある。
ペイル社からは『強化人士4号』と呼ばれており、人工的に肉体を強化されている。
4号と呼ばれる以上は彼より前に1号、2号、3号がいる、もしくはいた意味になり、早くも先行きが不安視されている。
人物像
上記の通り『孤高』の体現者であり、基本的に他者とは必要最低限のやり取りしかしない。
そのせいかスレッタとは別方向でコミュ障かつKYであり、相手を心情を慮らない率直かつストレートな言動が多い。
だが、第5話でエランの胸中の一端が明かされ、それを見るに「“自分が不遇”だと自覚している」「同じ境遇の人物とそれを分かち合いたい」と、本心では孤独を抱えている。
だが、それと同時に「自分と境遇が異なる存在に排他的意識が働く(=違う境遇の人間には自分を理解できないし、自分もそんな相手を理解したくないとする拒絶)」「自分を“裏切った”と判断した相手や、明確には敵意を向ける存在には、攻撃性を剥き出しにする」などの歪みも併せ持っている。
各話の動向
- スレッタに興味を抱いているのか、第2話では半ば幽閉状態のスレッタに食事を差し入れした。
- 第3話ではスマホ式の生徒手帳でスレッタと連絡先を交換(スレッタは夢であった『連絡先交換』を達成)。その後グエルとスレッタの決闘の誓いを取り仕切り、スレッタが勝利した時は真っ先に祝福と思われるメッセージを送った。
- 第4話では追試のためのメンバー集めに苦労するスレッタの前に現れ、自身が属するペイル寮へ案内しようとしたが、直後にミオリネ・レンブランに邪魔される。その際、ミオリネから「御三家の関係者は私を手に入れたがっている」と息を荒げるが、エランは「僕は君に興味はないよ」と即座に一蹴。予期せぬカウンターを受けたミオリネだったが、負けじと「私もアンタみたいな『マネキン王子』に興味なんてない!」と返したら、ミオリネの言動に我慢ならなかったのか、スレッタが「エランさんはそんな人じゃありません!」と珍しく荒い調子で抗議した。スレッタに擁護されるエランだったが、結局スレッタはミオリネに連れて行かれてしまった。
- 第5話ではニューゲンたちペイル社CEO陣の『ガンダム・エアリアルの調査』の指示を受け、スレッタを「〈決闘委員会〉の執務の手伝い」として呼び出し、エアリアルのコックピットに潜入したエランは「1人でエアリアルを操縦させて貰えないか?」と頼んだ。スレッタが一応了承したため、エランは早速エアリアルの実態の調査を始めると、身体に負担がかからない事実から「自分が知るGUNDフォーマットではない」「君は僕とは違う」とショックを受ける。実は彼は「エアリアルがガンダム=ガンダムを操縦できるスレッタは自分と同じ強化人士」「スレッタが自分と同じ『恵まれない境遇の中で戦っていた』」と思い込んでいたのだ。そのためエアリアルから降りたエランは、身勝手にも「スレッタに裏切られた」と八つ当たりした挙げ句、スレッタの「(エアリアルは)家族」発言を「鬱陶しいよ君は。モビルスーツを家族?……あんなもの僕にとって〈呪い〉だ」と吐き捨て、スレッタを傷つけた。そこへ駆けつけて来たグエルがスレッタの涙を見て「コイツに何をした? 事と次第によっては……!」と喧嘩腰に絡んできたため、ファラクトの実戦テストも兼ねて彼との決闘を了承。ファラクトを操縦しグエルを完膚なきまでに打ち負かした後、スレッタにエアリアルを賭けた〈決闘〉を申し込むのだった……。
スレッタとの関係性
- 性別以外に性格や肌の色、機体カラーリングなどスレッタと対になっているので「これから彼女とは何かしらあるのではないか?」と推測がされている。
他にも
などから「組織的な繋がりがあるのではないか?」と見る声も。
余談
- スレッタとの邂逅シーンも、歴代ガンダムヒロインの要素を連想するファンも多く、その行く先を心配する声が多いが、第5話では『強化人士4号』と呼ばれるなど、明らかに常人ではない存在のように扱われている。
- デザインを担当したモグモ氏曰くデザインコンセプトは「人形のような儚げな王子様」。
- 時折、感情の見えないチベットスナギツネめいた表情を見せる。かんたん作画などの作画カロリー節約の一環だろうか。
- なお、第1話で読んでいた本はアルトゥール・ショーペンハウアー著の哲学書「意志と表象としての世界」。
- 彼のCASTは他のキャラクターに囲まれる形で中央に存在した。奇しくも4番目である。
- 各話で卒なくスレッタからの好感度を稼ぐ姿から、一部のファンからは(スレッタが「水星たぬき」と呼ばれているのもあり)「Pontaポイントを貯めてる」と評されている。
- 第5話ではベルメリア・ウィンストンから「あなた、ひょっとして嬉しいの?」と内心を見透かされており、スレッタに対し「自分と同じ境遇の者」として好意を持って接していた実態が判明している。
- ※下記のイラストは好意の方向性が違います
- 第5話ではベルメリア・ウィンストンから「あなた、ひょっとして嬉しいの?」と内心を見透かされており、スレッタに対し「自分と同じ境遇の者」として好意を持って接していた実態が判明している。
- ミオリネからは『マネキン王子』との渾名で呼ばれる展開があった。その渾名はデザインコンセプトの「人形のような儚げな王子様」と微妙に重複しているため、案外スタッフ間の内輪ネタが由来かも知れない。
- 後に学園内の生徒から『氷の君』と呼ばれていると判明したので、上記の『マネキン王子』はミオリネの思い付きの可能性が高くなったと思われる。
関連タグ
〈決闘委員会〉
ガンダム作品
トロワ・バートン:射撃寄りタイプのガンダムのパイロット、感情の起伏に乏しい、特定の女性と繋がりがある等の共通項がある。
カリス・ノーティラス:ビット兵器使いである点や、強化人間(人工ニュータイプ)、自分と同じと思っていた存在が実際は全く違うものだった事実に絶望する展開、熱血キャラを打ち負かす点が共通。こちらは生存。
ビスケット・グリフォン:中の人&強化人間繋がり。
他作品
ジン=キサラギ:容姿に加えて、対象への興味の有無で言動が豹変する点も似ている。
以降から第6話並びに〈エラン・ケレス〉の実態=ネタバレが記されます!
ネタバレが嫌なユーザーはブラウザバックを強く推奨します!
〈エラン・ケレス〉の実態(ネタバレ注意)
現在、学園内で活動する『強化人士4号』と呼称されるエラン・ケレスは、実は“エラン・ケレスの影武者”であり、オリジナルのエラン・ケレスに精巧に似せて整形された赤の他人である。
「よう、久しぶりだねえ、俺。」
オリジナルは『強化人士4号』と異なり、饒舌だが尊大な態度を隠そうともしない。
詳細はこちらを参照。
『強化人士4号』の〈エラン・ケレス〉
本物の〈エラン・ケレス〉の実績を上げつつ、GUNDフォーマットがもたらすデータストームを受け止めるために用意された替え玉かつ捨て駒(つまり、上記の『人物像』に書かれた言動などは『強化人士4号』のものを意味する)。
既に3人が使い潰されているらしく、4人目である自身も限界が近いのを悟り、「スレッタとの〈決闘〉が最後の任務になる」のも自覚していた。
〈エラン・ケレス〉となる過程で「全てを失った」らしく、それ故に自分の境遇をコンプレックスにすると同時に、自分と違い『何かしらを持っている人間』に敵意を抱くようになる。
スレッタに対するに憎しみは、エアリアルがGUNDフォーマットの完成形=自分のような犠牲の果てに成り立っていると看過し、本物の〈エラン・ケレス〉と自身の関係を重ねたと思われる。
決闘後の『強化人士4号』は、後日スレッタと会う約束をしていたようだが……
更なる余談
- 上記にある様に『強化人士4号』の方がトロワとの共通項が多いが、上記の実態から名無しかつ(経緯は違うが)選民思想を持っている上級国民の代わりをしていたなどの、新たな共通点も判明した。
更なる関連タグ
ジン・ジャハナム:機動戦士Vガンダムに登場した指導者の影武者。こちらは当初は「置き物」呼ばわりされる程の無能だったが、終盤戦で意地と覚悟を示し、志しを同じとするクルーと共に、母艦で特攻する壮絶な最期を選んだ。
ミーア・キャンベル:機動戦士ガンダムSEEDDESTINYに登場した上層部の都合で整形し、国の重要人物を演じた人物。ミーアも最終的には死亡するが『強化人士4号』と違い、
・ミーアは(彼女なりにデュランダルの思想を共感・理解した上で)自らの意志で影武者になった
・今際でオリジナルと邂逅し、互いに理解し合えた
などと、このケースと比較して救いに満ちた最期を迎えた。
ギュネイ・ガス:機動戦士ガンダム逆襲のシャアに登場する強化人間。こちらも(いずれも事情が違うが)名前が変わった、ある少女との交流によって最期が決まったなどの共通項がある。
ゾルタン・アッカネン:話すと長いが『ある人物の代理品を作る』過程で出来た失敗作。強化の影響で極めてエキセントリックな容姿と言動をしているが、そのパーソナリティは絶えず「本物への劣等感」「捨てられる事態への恐怖」が占めており、敵のファンネルが実はインコムだと分かった途端に「俺を二流と侮辱するのか!?」とブチギレる。なお、劇中詳しく明言されなかったが、彼もまた容姿もろとも経歴を抹消されている点がエランと一致している。
綾波レイ:『新世紀エヴァンゲリオン』及び『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズのヒロイン。
彼女もエランと同じようにロボットのパイロットであり、他人に無関心で無機質な性格を持ち、所属する組織の命令に忠実な「人形」のような存在。しかし、彼女はエランと異なり、この世を去ったオリジナルの遺伝子に基づいた身体に、この世界の人間の「母」たる存在の魂を入れた存在である。
4番目関連
フォウ・ムラサメ:機動戦士Zガンダムに登場したムラサメ研究所4番目の強化人間。こちらは劇中で主人公をバイアランからかばう形で犠牲となる悲劇的な最期が知られる。その他に黒ベースに黄色と赤色が入ったガンダムのパイロットの共通項があり、オマージュ元の可能性がある。
プルシリーズ:こちらは機動戦士ZZガンダムに登場するクローン・モデルの強化人間。機動戦士ガンダムUCの小説版では、回想で4番目のプルが登場する。なお、オリジナルと2番目の個体の劣化コピーでしかなく、1人を除いてほとんどの個体がキャラ・スーンの駆るゲーマルクと相討ちになり撃墜された(※)。登場機体は量産型キュベレイと思われる。
(※この作品も正史に加えた場合に限り、後3人が生存している)