基礎データ
全国図鑑 | No.0201 |
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ジョウト図鑑 | No.061 |
シンオウ図鑑 | No.114 |
ヒスイ図鑑 | No.142 |
英語名 | Unown |
ぶんるい | シンボルポケモン |
タイプ | エスパー |
たかさ | 0.5m |
おもさ | 5.0kg |
とくせい | ふゆう |
タマゴグループ | タマゴみはっけん |
概要
『ポケットモンスター 金・銀』(第2世代)から登場した、ラテン・アルファベットの一文字を変形させたような姿のポケモン。
英単語の「unknown(アンノウン):不明な、謎の」と同じ発音の名前が示すとおり、非常に謎が多い存在である。
全てのアンノーンは1つの丸い大きな目玉から、手足とも角ともつかない棒状のものを何本か枝のように生やしており、身体全体で文字を表している。
『金・銀』当初はA~Zの26種類だったが、『ルビー・サファイア』(第3世代)から「!」と「?」が加わり計28種になった。「!」「?」の2種は他と表情が異なり、目玉の上半分が黒いまぶたのような物で覆われジト目になっている。
アンノーン28種にそれぞれ対応した文字があるが、もともとアンノーンが存在しそれを模して文字が作られたのか、あるいは文字ができてからアンノーンが誕生したのかはいまだ謎に包まれており、世界七不思議の一つにまで数えられているという。
形がそれぞれ違うのも発揮できる能力が違うからとされているが、ステータスに差異はない。
ゲーム作中には、アンノーンに酷似した文字が壁面に書かれた遺跡がいくつも登場し(※)、地理的に大きく離れたこれらの遺跡から同一の文字・言語が発見されたことは驚愕に値しよう。
アンノーン達自身も、ポケモン中最も薄い身体を常に壁などに張り付け、それらの文字に擬態している。また、固有のテレパシーで意思疎通を行なっており、基本的に複数の群れで行動する。
ゲームや劇場版を見ると、伝説のポケモンたちと密接な関係があることが示唆されている。
曰く、1匹だけだと何の力もないらしいが、2匹以上が何かしらの法則で並ぶと、他のポケモンでは成し得ない未知の力を芽生えさせるという。
劇場版においては第3作目ではエンテイの姿と力を正確に再現した分身ともいえる存在を生み出し、第11作目ではディアルガとパルキアが対決した彼らの拠点である時空間にも多数生息しており、ゲーム『ハートゴールド・ソウルシルバー』では、アルセウスが真の力を発揮するとその場所へ集まってくる様子などが見られる。
ズイの遺跡の最奥部では「FRIEND すべてのいのちはべつのいのちとであいなにかをうみだす」という古代文字が記されており、シンオウ時空伝説にもなんらかの形で関わっているものと思われる。
なお、出現する世代は第2世代、第3世代(FRLGのみ)、第4世代、第6世代(ORASのみ)。どういうわけか日本をモデルとした地方にしか出現していないのが興味深い所。元ネタはアルファベットなのに。
そのため遺跡が点在するイッシュ地方やアローラ地方、ガラル地方にはいそうなのにいないという奇妙な立ち位置にある。
(※)ジョウト地方のアルフのいせきやシンオウ地方のズイのいせき、ナナシマのアスカナいせきがそれである。ジョウトやシンオウではアンノーンを模した古代文字を使用していたが、これは『HGSS』にて古代のジョウト地方の人々がシンオウ地方と交流を持っていた為だという事が示唆されている。
ただし、アンノーンの出現する地方でアスカナいせきのあるナナシマのみ、アンノーンを模した古代文字ではなく、ホウエン地方と同じ点字の文化圏となっている。
ゲームでの特徴
HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早さ | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|
48 | 72 | 48 | 72 | 48 | 48 | 336 |
覚える技は「めざめるパワー(以下めざパ)」だけ。
遺伝で覚える技が無ければ、技マシンで覚えられる技もなく、なんと教え技で覚えられる技すらない。
そのため「とくこう」と並んでアンノーン最大の「こうげき」種族値72がまったく意味を成さない残念なポケモンである。
ただし第2世代~第3世代までではめざパのタイプで物理か特殊かが変化したため、めざパのタイプ次第ではアンノーンの攻撃種族値が生かされていた。今となっては過去の話だが……
『ポケモンXY』でめざパの威力が60固定となった。
もともと最大威力70の技だったため、厨ポケですらないのにアンノーン自体がここに来てまさかの弱体化。
他のポケモンはめざパ以外にも他の技を覚えられるのでまだ救済されているのだが、アンノーンはこれしか覚えられないため、仕様変更によるある意味一番の被害者となってしまっている。
まあ、実際のところは威力60すら出なかった全国の75%のアンノーンが歓喜の声を上げているのだが……どうでも良い話か。
もっとも、アンノーンは存在自体がアイデンティティなのでバトルは度外視しても構わないといえばその通りではある。
第7世代では、Zワザの習得により、「ウルトラダッシュアタック」という「めざめるパワー」と「わるあがき」以外の技も手に入れた。
そして第8世代。『ソード・シールド』にアンノーンは直接登場しないが、なんと「めざめるパワー」の廃止という重大事件が起こる。
その後2020年2月からはポケモンホームで過去作からのポケモンを一部連れて行けるようになったが、「めざめるパワー」は誰がどうやっても使用することもできず忘れるように勧められる廃止技になってしまっていたのである。
剣盾ではアンノーンを連れてくることは出来ないが、このままだとわるあがきしか出来ないお飾りになってしまうことは確実。
その後、発売された『BDSP』ではめざめるパワーは復活はしたが、わざマシン(当時のわざマシン10)はふるいたてるに変更され、他のポケモン(ミノムッチやトリトドンなど)は習得しなくなった事から、実質アンノーン専用技になった。
LEGENDSアルセウスではめざめるパワーが相手に有利なタイプのどれかにランダムに変化するようになった。
なお、図鑑を完成させるには「紅蓮の湿地」でのイベント後に各地にいるアンノーンを全て見つけて捕獲しなければならない。…のだが、物干し竿に引っ掛かってたり、ポケモン像の目になってたり、地面に突き刺さったり…と突っ込みどころ満載である。
番外作品
『ポケモンGO』
2017年2月の金銀本格実装より登場した。当初は伝説ポケモン同様に除外されていたものと思われていたが、後に野生で出現することが判明した。
しかし問題はその出現率であり、あのラプラスより桁1つ小さい確率である。
どれくらいかというと実装開始から10日間の日本全国での平均出現数が24.4匹/日であり、これは単純計算して約120km四方の範囲に1日1匹出現する程度。しかも出現場所の傾向が一切分かっていない。
さらに、金銀での26タイプの姿が存在しており、図鑑にはタイプごとにマークが記録されるほか、アンノーンの規定数の収集が対象となるメダルがある。
1匹見つけるだけでも相当な運ゲーなのに26種全部集めるとなるとどれだけの時間とお金がかかるのか……
更に2018年夏以降「!」と「?」も追加され更に難易度が上がってしまった。
いくら何でもこのままでは無理ゲーなので、開発側からもイベント等では救済措置が取られることがある。
2017年夏にアメリカのシカゴと神奈川県の横浜市で行われたイベントでは、アンノーンの出現率に大幅な上方補正がかけられ、対象区域を歩き回るだけで結構な数のアンノーンと出会うことができた。ちなみに、出現するタイプは開催地にちなんだものになっており、シカゴの場合はC, H, I, A, G, O、横浜の場合はY, O, K, H, A, Mの個体がそれぞれ出現した。
これ以降、大小さまざまなイベントでアンノーンがピックアップされており、また交換機能実装で複数手に入れていた場合お裾分けを貰うこともできるようになっている。
後は全種類均等に出てくれればコンプリートもしやすいのだが。
『ポケモンカードゲーム』
- 世代ごとにデッキに組み込める枚数が異なるという違いがある。第3世代までと第5世代以降は「アンノーン」という名前のカードだったため、アンノーンの形状に関わらず1デッキに4枚までしか入れられない。一方で第4世代では「アンノーン+形状名」名義になったため、各形状につき4枚までデッキに入れられるようになっている。
- また、第7世代以降、特殊勝利の効果を持つ特性がいくつか登場し、アンノーンにもそういった特性を与えられたカードが「超絶インパクト」にて数枚登場したが、アンノーンに与えられた特性の発動条件は癖の強いものが多く、それゆえに独特の作戦が次々と考案されることとなった。特に、以下に示す2つのカードは考案された作戦があまりに反則級だったため、使用禁止となってしまった。
- ①特性「DAMAGE」のカード
- 特性の効果:自分がバトル場にいるときに、気絶していない味方ポケモンの被ダメージ合計が660以上になると特殊勝利
- <考案された作戦>
- ①手札に「爆熱の闘士」収録のクレッフィを用意する。
- ②バトル場に当該アンノーンを出したうえで、「ダブルクライシス」収録のスタジアム「マグマ団秘密基地」(お互いのたねポケモンはベンチ入りするたびに20ダメージ)を展開する。
- ③ベンチを、以下の条件を満たすように組織する。
- 「冷酷の反逆者」収録のマニューラと「マスターデッキビルドBOX EX」収録のランクルスを含む4枚以下(つまり、空きが1個以上ある状態)
- 自分の場に出ている全カードのHPの和が660+(ベンチの枚数+1)×10よりも高い2つ目の条件は一見難しそうに見えるが、HPが300もある「タッグボルト」収録のコイキング&ホエルオーGXを1枚でも使えば意外と簡単に満たすことができる。
- ④手札からクレッフィ召喚(スタジアム効果でクレッフィに20ダメージ)。
- ⑤ランクルスの特性「ダメージスワップ」(味方のダメカンを付け替え)を発動し、他のポケモンにダメージを付け替える。
- ⑥クレッフィの特性「ワンダーロック」(このカード(クレッフィ)自体を「ポケモンの道具」扱いにして他のポケモンに持たせる。この状態のクレッフィを持っているポケモンはメガシンカ済みの相手カードからの攻撃を無効化する)を発動、適当なポケモンに持たせる。
- ⑦マニューラの特性「ひっぺがす」(味方カードが持っている道具1つを手札にリターン)を発動してクレッフィを手札にリターンする。
- ⑧再びクレッフィ召喚。
- ⑨以下、⑤~⑧を33回繰り返し、味方の被ダメージ量が660になったらアンノーンの特性「DAMAGE」を発動して特殊勝利。
- 当該カードたちはいずれも発売時期・方式共にバラバラであり、それらの歯車が偶発的にかみ合ってしまった恐ろしい例である。
- ②特性が「HAND」のカード
- 特性の効果:自分がバトル場にいるときに自分の手札が35枚以上あると特殊勝利
- <考案された作戦>
- 先ほどの作戦と比べるとバリエーションが多く、手札を加速する様々なカードと組み合わせることができる。特筆すべき作戦として、「DPt」収録のカードが使える大会で考案された以下のものがある。
- ①バトル場に当該アンノーンを出し、ベンチに「コールドフレア」収録のカメックスと「ポケモンチャレンジひろば2010/6」の特典として手に入れられるツボツボを用意する。
- ②カメックスの特性「ばくりゅう」(水エネルギーであれば1ターンに何枚でもつけることができる)を利用してツボツボに水エネルギーをつけ、ツボツボのポケボディー「はっこうえき」(エネルギーを得るたびに山札1枚ドロー)を使って山札を引く。
- ③以下、②を手札が35枚になるまで繰り返し、アンノーンの特性「HAND」を発動して特殊勝利。
- 手札に「タイダルストーム」収録の「アオギリの切り札」(手札がこのカード以外になければトラッシュから水ポケモン1体を無償召喚。「水ポケモン」の表記のため進化カードでもOK)などがあれば1ターン目から成立してしまうため、非常に凶悪な戦法であった。
- 先ほどの作戦と比べるとバリエーションが多く、手札を加速する様々なカードと組み合わせることができる。特筆すべき作戦として、「DPt」収録のカードが使える大会で考案された以下のものがある。
『大乱闘スマッシュブラザーズDX』
モンスターボールから登場。仲間を呼んだあと、(原作では覚えない)「とっしん」で地形を無視して集団で襲い掛かってくる。
『ポケモン不思議のダンジョン』
『探検隊』では「ばんにんのどうくつ」に出現するだけでなく、このダンジョンの謎解き要素にもなっている。それぞれの間の石碑に書かれたアンノーン文字と同じアンノーンの石をトレジャーバッグにいれておき、石碑を調べることでその間のボス(レジ系)と戦う事で先に進めるようになる。
『超』ではアンノーンを連れて冒険すると経験値にボーナスがかかるようになった。
アニメ版
前述の通り劇場版ではキーポケモンを務めた。更にED曲「ポケッターリモンスターリ」では『P』の個体が登場した。
- 無印263話
- 体調を崩した『G』の個体がヨーギラスと交流する。こちらでは「人やポケモンの心に触れられるらしい」というオリジナル設定が加えられ、実際に心情風景を具現化させるなどそれを裏付ける展開がなされた。
- DP60話
- ズイの遺跡で謎のキューブを守護していたが、ギンガ団が持ち込んだ3枚のプレートをはめ込んで謎のキューブを取り出した時に現れ、ギンガ団によって混乱させられてしまい、時を同じくして遺跡に閉じ込められたサトシ達に対し無差別に襲いかかって来るが、サトシ達の攻撃を受けて正気に戻り、ヒカリのポッチャマの説得でサトシ達を解放した。
- XY112話:観客のシャツのマークがアンノーンG。
- 新無印83話
- 久々の再登場。ジョウト地方に住む少女・キララの「星となった自身のピィをいつまでもずっと見ていたい」という願いに呼応し、N、I、G、H、Tの個体が出現。これら5体が合わせて示すNIGHT(夜)の通り、町一帯を朝が来ることがない輝ける星空へと変えて見せた。
- 真相を知ったゴウやシロナがキララの説得を試みるも、彼女は説得を拒否。アンノーンたちが彼女を守る形でサトシたちに襲い掛かり、彼らの手持ちを再現した幻を用いて戦闘を有利に運ぼうとするが、シロナの戦略によって敗北し退散した。
- その後、エピソードのラストでIの個体が再び出現。木の後ろから様子を見ていたが、結果的にキララが元気を取り戻せた為、どこか満足気な表情でいずこかへ去っていった。
余談
公式イラストにおいては、登場当初は「G」の形態が単体で使用されることが多かったが、『FRLG』発売に合わせて新しく書き起こされて以降は「F」の形態が単体で使用されるようになった。
「F」の方は『FRLG』の頭文字に合わせたのだろうか?
ちなみに『G』と『V』に相当するアンノーンは、元となったアルファベットと似ていない(大文字・小文字共に。『金・銀』当時の制作陣曰く、「最初は適当にデザインしていたが、だんだん文字に見えてきたのでアルファベットと対応させた」とのこと)。
なお、コナミのbeatmania 4thMIX並びに5thMIXの「MODE SELECT」「SOUND SELECT」の文字がアンノーンとものすごくそっくりだったりする。
関連イラスト
関連タグ
0200.ムウマ→0201.アンノーン→0202.ソーナンス
ポケモン関連
アルセウス・ディアルガ・パルキア・ギラティナ:密接な関係が示唆されている。