概要
ゲーム本編におけるリンクの活躍はこちらを参照。
主に漫画版について掲載。多くが古い作品のため現在では入手困難である。
物語の要点やネタバレまで含めて記載しているため、これから読みたいという方は閲覧注意。
いずれも作者なりの独自解釈によって描かれるため性格が異なる。
コミックス版『ゼルダの伝説』
こばやし将著「ゼルダの伝説」
「おにぎりのうらみ思い知れ~~っ」
トゥーンリンクのような二頭身のデフォルメ姿で登場(ただしずんぐりむっくりした体形)。なぜかゼルダ姫だけ八頭身なので身長差がすごいことになっている。
なお、この作品のハイラルは、過去の地球にあるどこかの地域という設定である。リンクがおにぎりを購入したのもコンビニである。
ストーリーもあるが、主に原作ゲームの攻略を解説しながら進行する物語となっている。
モリブリンたちに追われていたインパを助けるも衰弱死してしまう。
その際に闇の大王ガノンがトライフォースを集め、地球を破壊しようとしていることを聞かされる。そして連れ去られたゼルダ姫を救って欲しいと頼まれた。
その後、洞窟の老人からアドバイスをもらうのだが、密かにゼルダ姫のブロマイドをくすねてしまう。その写真を見たことでゼルダ姫にゾッコンとなる。
最後の戦いでは姿を消して攻撃してくるガノンに苦戦を強いられるが、やぶれかぶれの攻撃で運よく位置を特定し見事勝利してゼルダ姫を救い出した。
エンディングでは姫から感謝され、見送られながら再び当てのない旅に出るのだった。
沢田ユキオ著「ゼルダの伝説」
「トライフォースはあと6こ! ゼルダ姫、まっててくで~」
ファミコン必勝まんがの読み切り作品。二つ目のダンジョンでドドンゴを倒すところまで描かれている。
当時の沢田の作風は『スーパーマリオくん』とは大きく異なっており、リンクの性格も熱血キャラになっている。オクタロックに捕まっていた妖精を助けるなど正義感も強いのだが、「死ね、ゾーラ!」と口にするなどちょっと物騒な部分もある。
ちなみに剣ビームのことを「ビームソード」と呼んでいる。
物語開始早々オクタロックから助けた妖精が仲間に加わり、彼女の協力を得ながら最初のダンジョンを攻略。
二つ目のダンジョンでドドンゴと戦うが、ビームが通じないためバクダンを食べさせることに。
玉だと思ったドドンゴは余裕でバクダンを食べてしまい、おかしいと思った時には手遅れで丸焦げになってしまうのだった。
勝利したリンクだが爆風に巻き込まれて自分も黒コゲになるという、スーパーマリオくんのお約束を披露した。
乱丸著「ゼルダの伝説」「リンクの冒険」
「知恵のトライフォース。光もて悪のまやかしを打ちくだけ!!」
「正体を現せガノン!!」
ゼルダの伝説(初代)~リンクの冒険に登場。全3巻(初代1巻+冒険2巻)。最終巻は掲載紙の都合により刊行されておらず雑誌のみの掲載となる。
赤(ピンク寄り)の髪に青い服を着ていたが、リンクの冒険からは緑の服になる。正義感が強く直情的だが、常に物事を冷静に見ることができるクールさも兼ね備えている少年。お供にはオウムのワットがいる。
実力は相当なものだが最強というわけではなく、敵味方問わずリンク以上の実力の持ち主が多く登場している(幸運が味方して勝つ事が多い)。リンクの冒険からは魔法も駆使するため実力を大きく引き上げている。
原作同様に旅人だが、独自設定として過去に剣を教えてくれた師「ガンプ先生」が登場する(後述)。
当初はパチンコを使って戦うイタズラ小僧という感じで、インパを追いかけていたガノンの手下たちを「痴漢、おいはぎ」とからかった末にカラシ玉パチンコで撃退した。
インパからトライフォースの存在に反応するお守りを託され、お守りから投影されたゼルダ姫の姿を見て一目惚れする。そしてインパとゆかりのある老人から剣と盾を託され、トライフォースを集めてゼルダ姫を救出する冒険に向かう。
ワットからは何の得にもならない、やめようと言われ続けたが、ゼルダ姫に惚れたのを気づかれてからはそこまで言われなくなった(愚痴は言われ続けたが)。
パチンコなんかよりも強力な剣の威力に酔ってしまい、トライフォースの欠片を手にしたことで慢心。そこへ「ガノンの親衛隊が山に集結している」という嘘の噂で誘き出され、ライネル軍団と戦いとなる。多勢に無勢でだったがワットの援護で兵隊ライネルたちを次々と打ち倒し、隊長ライネルはお守りが発した輝きによって一瞬目が眩み、相討ちとなる。
この時に一度死亡するが、ゼルダ姫が身代わりとなることで死後の世界から救い出された。慢心を自覚した後は無理はしないと誓い、道具屋の老婆から託されたホワイトソードで戦い、すべてのトライフォースを手にした後はマジカルソードに変化した。強力な剣を手に入れたがリンクが力に溺れることは決してなかった。
道中、ガノンの手下たちがリンクを探して町の人たちを痛めつける場面に遭遇(リンクを匿っていると決めつけ拷問していた)。見過ごせなかったリンクは町の人たちを助けるが、感謝を示す者は誰もおらず迷惑そうな顔で遠巻きに見ているだけだった。
唯一イタズラ小僧ビリーだけは興味本位からリンクに協力してくれた。別の町でも町民から煙たがられてしまい、義憤に駆られたビリーは本気でリンクに協力するようになる。更に町の女の子たちが親に黙って差し入れを持って来てくれた。
ガノンの神殿に乗り込む際にはリンクとビリーの姿に触発された大人(中年・老人)たちが集結。リンクを援護するべくガノンの手下たちを次々と打ち倒していった。しかしガノンには到底歯が立たないと道具屋の老婆に諫められ、決戦はリンクに任せることに。
そんな中、リンクは最後の刺客である親衛隊長ゾッドと一騎討ちを繰り広げる。ゾッドはハイラル宮を守護していた親衛隊長だったがトライフォースの力に目が眩みガノンに寝返った男だった。
実力はゾッドに分があったが、リンクの知恵のトライフォースを見て罪悪感に一瞬怯む。その隙を突いたリンクの一撃により喉を貫き逆転勝利を果たす。
ガノンとの戦いでは姿を消す術に苦戦を強いられるが、カラシ玉パチンコを当てて目印にすることで逆襲に成功。胸を貫いてダメージを与える。しかしガノンは「力のトライフォースがある限りガノンは死なぬ!」と言い残して飛び去ってしまう。
「トライフォースよ。マジカルソードよ」
「1つとなって悪を打ちくだく刃となれ!!」
逃がすわけがなく、リンクはクスリによって巨大化したワットに乗って追跡。
知恵のトライフォースとマジカルソードを合体させた槍によりガノンの眉間を貫いて止めを刺したのだった。
エンディングではゼルダ姫を生き返らせるために、老師に頼んで魂の交換を行おうとする(ゼルダ姫が死んだことは薄々勘づいていた)。しかしその前にゼルダ姫は意識を取り戻しリンクと再会を果たす。
それは勇者と姫の想いが起こした奇跡だったのか……老師にも答えはわからなかったが、大勢の人々がハイラルの英雄たちを祝福する中ではどうでもいいことであった。
数年後を描いた続編『リンクの冒険』にも主人公として登場。回転斬りやジャンプ斬りといった後の本家に登場したアクションが描かれている。
ゼルダ姫と一緒に城で暮らしていたが、見聞を広めるために再び修行の旅に出る。掌にトライフォースを模した紋章(あざ)が現れたことで嫌な予感に駆られ、ゼルダ姫の元へ帰還する。
その紋章は、魔法使いによって魂を抜き取られた初代ゼルダ姫を目覚めさせる者に現れる印だった。リンクには6つのクリスタルを集め、各地の守護神を倒して石像にはめ込むことで勇気のトライフォースを得、初代ゼルダ姫を復活させるという使命にあった(クリスタルを封印した箱は紋章を持つ者でなければ開けられなかった)。
亡き老師の弟子である少年クスクス(ネズミの亜人)を仲間に加え、最初の神殿へと向かう。クスクスは自前の爪や牙を忌み嫌っており、「頭が良く魔法も使える」人間に憧れていた。そのため魔法で戦うことにこだわっていたのだが、力量不足のためリンクの足手まといになっていた。
しかし最初の守護者との戦いでピンチのリンクを助けるべく鋭い牙を突き立てる。反撃を受けて致命傷を負うも勝機を掴んだリンクは逆転勝利を果たす。
クスクスに対しリンクは「爪も牙も使って戦う。それがキミなんだ」と励ましながら最期を看取ったのだった。
次の村では村娘のビリーナが神殿の案内役として加わる。だが道中、魔物の攻撃によってビリーナは瀕死の重傷を受けてしまう。ビリーナは自分に構わず神殿に向かってほしいと言う。
リンクが神殿を攻略して戻った時、ビリーナはその命を散らしていた。しかし大好きだった樫の木に看取られ、一体化する形で生まれ変わるのだった。
道中、ガノンの残党たちに苦戦したことで力不足を感じ、強豪たちを相手に武者修行を始める。そんな中、旅人時代に剣を教えてくれた師であるガンプ先生と再会。ガンプから「久しぶりにどうだ?」と言われたこともあり一戦交える。ガンプの技を真似して放つも着地の瞬間が無防備だと言い放たれあっさりと一本取られる。
ガンプの申し出もあり同道することになるが、彼はダンジョンで見つけた金銀財宝に目が眩んだり、リンクの旅の目的がトライフォースを手に入れることだと知ると目の色を変える。
直後、背後から斬られそうになったリンクは間一髪のところで回避。するとガンプは「クリスタルを寄こせ!」と迫って来たため、やむなく交戦する。実力は師に分があり、リンクは胴に一撃を喰らうがポケットに忍ばせていたクリスタルが弾き、その間隙を突いた刺突によって勝利する。
ガンプは「世界一の剣士になる」という想いを抱いており、トライフォースがあればそれが叶うと欲に駆られてしまったことを語る。そして死の間際に「強くなれ…お前の…敵は…」と言葉を送り、息を引き取った。ガンプもまたクリスタルを所持しており、死後に愛弟子の手に渡った。
すっかりやさぐれたリンクはクリスタル集めを放棄しようとするが、ふと眠りについてしまい《仮面王》なる人物が悪逆の限りを尽くす光景を目の当たりにすることとなる。破壊活動はもちろん、人間を亜人に変身させたり、捕らえたゼルダ姫に対して「最も醜いモノに変えさせる」と宣言するなどしていた。
そして仮面王の正体は「トライフォースの力に魅入られた自分自身」であった。
悪夢から目覚めたリンクは、自分がハイラル国王の墓の前で眠っていたことに気づく。そして先の悪夢を戒めとして見せてくれたことも。
王の墓前の前でもう道を踏み外したりしないと誓い、悲しみを乗り越えてクリスタルを集めに向かうのだった。
その後も幾多の犠牲を乗り越えながら使命を果たし続け、ゼルダ姫と近衛兵となったビリーと合流。フ船に乗ってハイラル東部を目指す。
しかし魔法使いが放った竜巻によって船は転覆。ゼルダ姫と離れ離れになってしまう。
ビリーと合流して島を探索するリンク。ダンジョンの前にゼルダ姫の姿を認めるが、遠目からだったためか声をかけても無視されてしまう。ダンジョンの中へ入ったゼルダ姫を追いかけるが、これはリンクを誘き出すための罠であった。
ダンジョンではビリーがゼルダ姫の偽物に騙されて捕まってしまったり、守護者に対抗できる術がないため苦戦を強いられる。守護者から逃げた後、不意打ちを仕掛けて来たゼルダ姫の偽者(魔法使いの配下)を返り討ちにしてビリーを救出。しかしマジカルソードが破損してしまった。
ゼルダ姫はダルニアの町で保護され、指揮官としてガノンの残党と戦っていた。
合流したリンクはダルニアの長と共にマジカルソードを超える新たな剣を鍛え上げるが、そこへガノン軍が大挙して押し寄せて来る。鍛冶の最中で動けないリンクに変わり、ゼルダ姫がリンクに化けて出撃する。
ゼルダ姫ではガノンの配下一人も倒せなかったが、間一髪のところでニューソードを手にしたリンクが参戦。ガノンの配下を倒し、敵勢を撤退させたのだった。
2巻の終盤では、巨大なトカゲ型の魔物にいきなり襲われそうになる。しかし背中にモリブリンの槍が突き刺さっていて怒っているだけだとゼルダ姫が気づき、手当てをしたことで和解する。
その後、リンクたちはガノン軍の砦に乗り込むも多勢に無勢となる。ゼルダ姫は変身魔法でリンクに化けて敵の目を引き付け、その間にリンクは負傷したビリーの手当てを行う。
ゼルダ姫の救援に向かうリンクだった時すでに遅く、ゼルダ姫は「リンクの血を」求める怪物たちに血を抜かれてしまっていた。
ゼルダ「私…もう、あなたといっしょに…行けそうも…ないわ」
リンク「何をいうんですしっかり!!」
ゼルダ「いいの。こうなるのはわかっていたの…」
ゼルダ「ハイラルを…お願い…ね…」
リンク「だれか…姫を…」
ゼルダ「あなたとの旅……楽しかっ……」
リンク「ゼルダ……!? ゼルダ姫――――ッ!!」
こうしてリンクが最も愛した女性はこの世を去った。しかし入れ替わるように先の魔物が駆け付け、リンクたちのピンチを救ってくれた。
ついには最も大切な女性まで犠牲となってしまったが、ビリーにゼルダ姫の遺体を任せ、使命を果たすべく旅を続ける。トライフォースが揃えばゼルダ姫を生き返らせられるかもしれないと一縷の望みを賭けて……。
3巻ではゼルダ姫とビリーに代わって魔物が仲間に加わる。
ついにクリスタルを揃え、最後のダンジョンとなる大神殿を前にするが、そこへゼルダの血によってゾンビのような状態で復活したガノンが襲来。リンクの血を以て完全なる復活を果たそうとする。
ピンチのリンクを救うべく魔物が飛び掛かり、ガノンと共に溶岩の湖へと落下してしまう。その間にリンクは大神殿へと足を踏み入れるのだった。
その最奥にてリンクは最大の敵と対峙する。それはトライフォースの欲望に駆られた「もう一人の自分自身」であった。その顔は紛れもなく悪夢の中で見た仮面王のものだった。
ダークリンクは「お前の動きは読めている。なぜならオレは、お前なのだからな!」と言い放ちリンクを圧倒する。
更にはこれまでの冒険でリンクの仲間たちが死んだことを告げ「今のハイラルにはおいぼれとガキばかりだ。これでもまだ守る物があるのか!? まだお前をささえる物があるというのか!?」とトラウマを刺激しながら攻め立て「今のハイラルには征服者こそ必要なのだ!! トライフォースはオレがいただく」とリンクにトドメを刺そうとする。
しかしリンクの相棒のオウム・ワットが我が身を挺して助け「オマエガ、ホントノリンクダ」と励まされたことで心身ともに立ち直る。老人たちが築き、子供たちが受け継ぐ未来……仲間たちが命を懸けて守り抜いたもの……そのためにリンクは戦うと奮起。
邪悪なリンクは一刀両断にされるが、それでも不死身のため死ななかった。しかし格付けは済んでおり、リンクから「消えろ!!」と怒鳴られたことで卑屈で臆病な表情のまま消え去った。
リンクの中にある悪い心……それは、仲間のいない今のハイラルを守る価値があるのかという疑問と、トライフォースの力を我が物にしようとする独占欲だったのかもしれない。
リンクが勇気のトライフォースを手に入れたところでガノンが現れ、ビリーとゼルダ姫の遺体を見せ交換を迫る(ガノンも大神殿に乗り込んだが、術が使えない上に身体が思うように動かず、しかも数々のトラップを前に不利を余儀なくされた。そこでゼルダ姫の遺体と、それを輸送中のビリーを捕まえに行って人質にした)。
しかもガノンは「わしの血をゼルダに与えれば生き返るかもしれない」と語りリンクを悩ませる。だがゼルダの遺体が聖なる力でガノンを苦しめる。
リンクは手放されたビリーを助け、続けて溶岩の湖に落下するゼルダの遺体にも手を伸ばす。しかし救助は叶わずゼルダは溶岩の中へと姿を消した。
怒れるリンクはガノンと空中戦を展開するが、不利を悟ったガノンに逃げられてしまった。
その後、ビリーと共に初代ゼルダ姫が眠る部屋へと帰還。勇気のトライフォースによって目覚めさせた。この際、初代ゼルダ姫はリンクを見て「お兄様(当時のハイラル王)」と見間違えている(上記の悪夢の一件などリンクがハイラル王の末裔の可能性もあるが、そこは最後まで不明だった)。
そこへゼルダ姫の使用人であるワンパが現れ、ビリーから荷物を預かろうとする。だが態度がおかしかったことからビリーは偽物と見抜く。その正体は、ワンパに化けた悪の魔法使いだった。
この魔法使いこそ初代ゼルダ姫を眠らせ、以後もトライフォースを得るべく数百年を生き続けた黒幕であった。
魔法使いを見た初代ゼルダ姫は「ガノン」と呼んだ。
実はリンクたちが戦っていた「怪物のガノン」は、「魔法使いのガノン」から生まれた分身であった。
魔法使いはトライフォースを手に入れるために長い時間を生きており、その内に悪の心が人格を持ち始めていた。それが実体化したのが「怪物のガノン(分身)」だった。
魔法使いのモデルになったのは説明書に登場する魔術師であり、魔法使いの正体がガノンというのは独自設定である。
次の瞬間、魔法使いは急激に老化。そして体内に潜んでいたガノンが肉体を破壊して現れ、驚くリンクからトライフォースを奪い取ってしまう。分身がオリジナルを見限った瞬間であった。
飛び去ったガノンを追ってリンクは壮絶な空中戦を繰り広げる。互角に渡り合う中、ガノンは「わしを殺せばゼルダは生き返らない」と口にするが、ハイラルをガノンに渡してまで復活は望まないと一蹴。ゼルダ姫を失った怒りからガノンを圧し始め、逃げを打った隙を見逃さず巨大化した剣で頭部を貫いて勝利する。
全てのトライフォースを手にしたリンクはそれを高々と掲げる。そこから放たれた輝きはガノンの軍勢たちを若者の姿に変え、溶岩の湖を清浄化して普通の湖へと変えた(ハイラルには老人と子供ばかりのため、ガノンの手下の正体は変異した若者たちだったと思われる。変異の理由は不明)。
リンクは二度とこんな争いが起こらないようにとすべてのトライフォースを湖へと投げ込んだ。そこはゼルダ姫の遺体や魔物が沈んだ場所でもあった。
リンクが立ち去った直後、湖から一つの影が現れる。それは笛の音が好きな魔物であった。そして魔物を撫でるもう一つの影……それは紛れもなくハイラルのために命を投げ出す覚悟を持った優しい女性のものだった。
ゲームブック「新・ゼルダの伝説」
「うおおッ、ドラゴンめ! ブッ倒してやるぞ!!」
リンクの冒険が発売されてから約二か月後に刊行されたアドベンチャーヒーローブックス。
漫画形式の作品であり、選択肢によってルートと結末が分岐する。登場人物たちが語尾に「~ネ」を付けるなど夢をみる島以降のゼルダシリーズに通じるものがある。
リンクの見た目は精悍で、帽子はかぶらず鉢金を撒いている。
黙っていればイケメンだし、実際に戦闘では熱血ぶりを発揮する。しかしダメージを受けた時やバツの悪い時の顔がギャグマンガのそれであり、随所で残念ぶりを見せつけてくれる。
基本は剣や術で戦うが、タイム・ストラールの術によって相手の時間を停止させるという離れ業も行う。この他、ラスボスに対してブレーンバスターをかますなどなかなかパワフル。
複数の小王国が一つにまとまり「大ハイラル王国」を築いた時代。人々は平和で豊かな暮らしをしていたが、大魔王ガノスが率いる魔物の軍勢に攻め込まれる。幾多の勇者がガノスに戦いを挑んだが誰一人として生きて帰って来た者はいなかった。
やがてガノスは、国王の一人娘であるゼルダ姫に目を付け花嫁にと要求する。国王が断ると怒ったガノスは、ゼルダ姫をクリスタルに閉じ込め自由を奪ってしまった。
誰もが絶望する中、武者修行中の若者がガノスの討伐とゼルダ姫の救出を申し出る。その若者こそがリンクであった。
国王から金貨3ルピーもらったリンクは旅に出るが、間もなくそれを少年コムにスられてしまう(酷い金額のように思えるがリンクは特に不満はなく、それよりもお店がやっていないことを愚痴っていた)。
追いかけた際に魔物から助けたことでアニキと慕われるようになり、旅のお供に加えることに。
バッドエンドではガノスが生み出した闇に閉じ込められてしまったり、ガノンに敗れて命を奪われてしまう。
ハッピーエンドでは見事ガノスを打ち倒し、ゼルダ姫の救出に成功する。しかしまだハイラルには魔物が残っているため、コムと共に討伐に向かう。
全ての秘宝を集めることでトゥルーエンディングとなり、コムの正体が「コミィ=インパ」という女の子であると判明する。コムは養女としてゼルダ姫に引き取られることとなった。
使命を果たしたリンクは、彼女たちと再会を約束するとハイラルを旅立つのであった。
しごと大介&みなづき由宇著「リンクの冒険」
「この治療費、おまえにはらってもらうぜ!!」
ゲームの攻略法を紹介しながらストーリーを楽しむ漫画作品。1巻はしごとが、2巻と3巻(最終巻)はみなづきが担当した(しごとは病欠のため、みなづきに交代した)。
ストーリーは原作通りだが、ガノンの魂が配下をけしかけてリンクの血を狙うという独自設定がある。ただしガノンは復活しないため戦闘にはならずラスボスでもない。
しかし死して尚ガノンの呪縛はハイラルを蝕んでおり、天候異変によって農作物は荒れ、人心は乱れ、国の秩序はあってないようなものになっていた。
ハイラルを救うため、そして初代ゼルダ姫を救うため、リンクは勇気のトライフォースを求めて旅立つこととなる。
全体的にコミカルかつ軽いノリで描かれており、ストーリーは真面目なのに登場人物たちがどこかふざけているのが特徴。
特に1巻は、新・ゼルダの伝説と同様に登場人物たちが語尾に「~ネ」を付けるなど夢をみる島以降のゼルダシリーズに通じるものがある。
しごとリンクはシリアスな時はシリアスだが、基本的にはギャグキャラなので顔芸がとんでもないことになっている。初代ゼルダ姫との掛け合いも終始コミカル。
というか登場人物のほぼ全員がふざけており、味方側で最後までまともだったのはインパのみだったりする。後は敵だけどガノンとか。
ちなみに初代は永遠の眠りにつかされているはずだが、当時の国王が施した魔法によって精神が実体化しているため普通に話しかけて来る。
繰り返すがこれから助けるはずの相手が普通にピンピンして話しかけて来るのである。シリアスもへったくれもない。
みなづきリンクはショタ全開のキャラ付けがされているが、やはり決める時はキチっと決める少年である。
初代ゼルダ姫との絡みでは天然ボケを発揮するため突っ込まれることが多い。笛を吹くのがものすごくヘタで、聞いた魔物たちが逃げ出してしまったほど(初代にも「へたくそ~」とコメントされている)。
とはいえ、しごとリンクと比べるとまともなキャラ付けである。
ラスボスであるブラック・リンク戦ではさすがに終始シリアスに話が進み、すべての攻撃が盾によって捌かれるため劣勢となる。
そしてブラック・リンクの凶刃が迫るが、迷いもなく自分を殺そうとしたことから「相手を倒すために戦っている殺人マシンに過ぎない」と気づく。
「今、わかったぞ……おまえは相手を倒すために戦っている殺人マシン!!」
「だが、ボクは違う!! ゼルダ姫のため、そして、ハイラルの人々を救うために戦っているんだ!!」
「ハイラルの人々の願い!! それが、ボクの力になるんだ!!」
リンクはハイラルの人々の想いを背負い、そして初代ゼルダ姫を助けるという決意を胸に渾身の一撃を見舞う。それはブラック・リンクの盾を破壊し、瞬く間に攻守を逆転させた。
リンクは一気呵成に攻め立て、最後は全身全霊の突きによってブラック・リンクを仕留めたのであった。
その後、リンクが勇気のトライフォースを手にしたことで三つのトライフォースが効果を発揮し、ガノンの魂を永遠に封じ込めることに成功する。
ラストシーンでは目覚めた初代ゼルダ姫&現代のゼルダ姫から腕を引っ張られて「リンクはあたしと結婚するんです!」と取り合いをされるという、まさに両手に花な状態になっていた。
未将崎雄著「ゼルダの伝説」「リンクの冒険」
「僕、トライフォースを探しに行く! 行かなくちゃいけないんだっ!」
ショタ全開の幼い少年として登場(年齢は恐らく10歳前後)。種族はエルフと人間の間に生まれたハーフエルフ。一人称は普段は「僕」。怒った時は「俺」。
森の中に捨てられていたところをジジとインパに拾われて育てられた(ということになっている)。
現在はハイラル城と隣接した小屋の中でジジと一緒に暮らしている。庭木の手入れをしていることから庭師見習いのようである。
リンクは耳の形が「皆とは違う」として町の悪ガキ3人組から虐められていた。
「俺がハーフエルフだから」と独白するなど差別意識に気づいているが、親代わりのジジやインパの育て方がよかったのか暗い性格ではない(ただし結構なビビリ。また原作の無口設定を反映してか「事情を話せば巻き込むかもしれない」として沈黙を守ることが何度かあった)。
年齢も外見も原作とは全く異なっていたり、素性も大きく変更されていたり、今で言うラッキースケベ的な展開で幼女のパンチラを目の当たりにするなど、コミカライズ版の中でも異色なリンクである。
リンクはジジの手伝いをしてその日を過ごしていたが、悪ガキたちに虐められていたところをゼルダ姫に助けられたことで一目惚れする。
ゼルダ姫を見ようと城にやって来たところ、魔族討伐のため城を抜け出したゼルダ姫と再会。これにより数奇な運命を辿ることになる。
共に魔族の偵察に向かうが、リンクの方はデート気分のような軽い感じであった。二人で一緒に馬に乗ってハイラル辺境に向かったところ、突然魔族に襲われる。
ゼルダの力で撃破するも直後に現れたガノンには敵わず捕まってしまう。リンクにもガノンの魔手が迫るが、ゼルダが最後の力でガノンの両目を潰して阻止。
更には知恵のトライフォースを飛ばして各地に分散する。そこへゼルダを連れ戻すために騎士団が駆け付けたことでリンクは見逃される。
しかしゼルダ姫は連れ去られ、去り際にガノンは「ゼルダ姫と各地に散ったトライフォースの交換」を告げていた。責任を感じたリンクは自分一人の力でトライフォースを集める旅に出る(リンクにはトライフォースの存在を感じ取ることが可能だった。これは彼本来の能力なのだが、リンクはゼルダ姫がトライフォースを集めるために託した能力と思っている)。
この時点ではガノンを倒すとか、魔族と戦うとか、そういうつもりはなかったのだが……。
前述のようにハーフエルフということで宿屋の親父さんに宿泊を拒否されたりしたが、その娘のティアが叱りつけたことで宿泊を許される。
やがて魔族に襲われていたグレイとペルという兄妹を助けたことで交友を深める(特にペルには一目惚れされており、リンクもまんざらでもない態度であった)。
そこへ兄妹の祖父である元騎士の老人ジェナードと出会い、ホワイト・ソードを託される。それは古の昔、ゼルダの一族が魔を討ち破る剣として鍛えたものだった。
これによりビビリのリンクでも魔族と渡り合えるようになった。またリンクが旅立ったと聞きつけたエルフの叔母カナン(父の妹)が駆け付け、手を貸してくれたことでトライフォースも次々と集めることができた(ただしリンクは彼女が叔母であることは知らない)。
初めは剣の力に頼っていたが、知恵と勇気で戦い抜く内にすっかり慣れてしまい心身ともに本物の剣士へと成長を果たす。更には集めた知恵のトライフォースとホオワイトソードの相乗効果により強力な破魔の力を得る(これら過程はモノローグで一気にカットされ、ガノンとの決戦まで話が飛ぶ)。
終盤では自力で手にした古代遺物マジカルソードを用い、町を襲っていたガノンの軍勢を倒して人々を救出。魔族に追われていたティアとオヤジさんを助ける。
その際に魔族の死体から眼球が生え、それを通してガノンから「ゼルダ姫を助けたれば7日後までにデスマウンテンに一人で来い。さもなければゼルダ姫は殺す!」と告げられる。リンクは妖精たちの力で姿を消し、ガノンの間まで乗り込むことに成功する。
ガノンとの最終決戦では圧倒的な力量を前に劣勢を強いられる。しかも剣ビームも力のトライフォースによって吸収されるため通用しない。またゼルダ姫は、ガノンの額にある水晶の中に閉じ込められており、リンクは手も足も出せなくなっていた。
剣ビームも破魔の力もガノンには通じない。今のリンクはただの子供も同然であった。
そんなリンクが用いた最後の武器は、知恵と勇気であった。
あえて知恵のトライフォースを投げ渡すことでガノンの注意を引き、攻撃の手が緩んだところで煙幕を張って接近。額を貫き、至近距離から剣ビームを撃ち込むことでバリアを貫通して頭部を破壊し逆転勝利を果たしたのだった。
疲れ果てたリンクはその場で眠りについてしまう。ゼルダ姫はそんな彼を見守りながら感謝の言葉を告げる。
「ありがとう、お兄ちゃん」と。
この言葉が示す通りリンクの正体はゼルダ姫の異父兄である。
ゼルダ姫の母(16代ゼルダ)は、娘を生む前にエルフの少年ルーンと逢瀬を重ねていた。その時に身ごもったのがリンクである。だが「先代ハイラル王はエルフに偏見を持っている。ハーフエルフの皇子など認めないだろう。追放はもちろん、最悪暗殺されることもあり得る」と判断され、内密にジジとインパに預けられたのだった。
魔族の出現を知った父ルーン(カナンの兄)は、魔族と戦う一方で2年前にホワイト・ソードを探し出した。だがルーンの身体は魔族との戦いの日々により余命幾ばくもなく、どこかにいる我が子に託すつもりだった。
やがて限界を迎えたルーンはこの世を去ってしまい、その時に看取ってくれた老人ジェナードに剣を託したのだった(ジェナードは現役時代にゼルダ母の護衛騎士を務めていたためリンクの正体は知っていた。
探し出して剣を託すこともできたが、平穏に暮らしているであろうリンクの生活を乱す危険があったため沈黙を保っていた。だがリンクとの出会いから運命を感じ取り、父のことは黙って剣を託した。カナンが叔母であることを黙っているのも事前にジェナードから事情を聞いたため)。
リンクは最後までこれらの事実を知ることはなかったが、ゼルダ姫は兄だと気づいていた(ゼルダの一族の繋がりを感じ取ったらしい)。
3年後を描いた「リンクの冒険」でも主人公として登場。少し成長しているがまたビビリに戻り、代わりにラッキースケベには磨きがかかりゼルダ姫を相手にドギマギしている(妹だと気づいていない)。
ゼルダ姫を救った英雄ということで町民から「リンク様」と呼ばれており、差別する者はいなくなっている様子。
怒りを見せることは殆どなくなり、一人称も「僕」で固定された。
ある日、手の甲にトライフォースの紋章が浮かび上がり、伝承通りゼルダ姫と共に北の城へと向かう。そこは初代ゼルダ姫が眠る墓所でもあり、幽体となった初代ゼルダ姫と遭遇する。彼女の口から「3年前に倒したガノンは本体の一部(分身)に過ぎないこと」「本体は魔界の大神殿に眠っており復活が近いこと(初代の肉体もガノンの魔力を封印するため大神殿に残っており、分離した魂を力と知恵のトライフォースに宿していた。このためかリンクたちの事情を知っている)」を告げられる。
リンクは初代の幽体を魔界の大神殿まで連れて行き、肉体に戻すことで再び魔界を封印する使命を与えられる。そのためには各地にある聖水晶(クリスタル)を集め、魔界の扉を出現させる必要があった。
その使命を果たせるのは、ガノンの分身を倒しゼルダ姫を救い出したリンクしかいない――と初代から頼み込まれる。
ビビっていたリンクだが、初代とゼルダ姫から頼み込まれ、かなり迷った末に新たな冒険に出ることを決意する。
初代の魂は子犬へと乗り移り、更に自身の力によってリンクが持つマジカルソードをハイパーマジカルソードへとパワーアップさせた(剣ビームの威力がダンジョンを崩壊させるほどになっており、ぶっちゃけ使い勝手はかなり悪くなった)。
その後、前作で倒したガノンの一部が生き延びていることも判明する。ガノンはリンクそっくりの姿となって人々を襲っては復活のためにエネルギーを集めていた。機は熟したと見てホワイトソードを吸収するべく叔母カナンらを襲撃。
カナンたちはハイラル忍軍と妖精の力によって難を逃れ、ティアの宿屋にてリンクとその仲間たちが集合する。
ティアは結婚しており、新たな宿屋の主人はゼルダ姫が来たということでガチガチに緊張していた。リンクに恋い焦がれるペルもまた久しぶりの再会を喜んだ。
だがしかし、その場には招かれざる客も現れた。リンクの居場所を突き止めたガノンが宿屋に襲撃を掛けて来たのだ。
ホワイトソードを取り込んだガノンの力はリンクを超えており、ハイパーマジカルソードごと吸収されそうになる(斬撃を与えてもダメージにならず剣を取り込まれてしまう)。しかしゼルダ姫と初代によって阻まれ、更に駆け寄ったゼルダ姫から知恵のトライフォースの援護を受けた剣ビームによって逆転勝利する(エネルギーをガノンに吸われているため剣ビームを撃てなかったが、知恵のトライフォースで不足分を補ったため至近距離から発動できた)。
だがガノンは満身創痍ながらも健在であり、魔界にて決着を付けることを告げて姿を消した。
既に封印の解けた魔界はハイラル上空に姿を現し始めており、そこから溢れ出る魔気によって地上の魔族たちは活性化していた。魔界は刻一刻と地上に迫り、このままではハイラルが魔気に汚染され、人類は精気を奪われて廃人と化す危険性があった。
更には魔気によって活性化した魔族たちが暴れまわり、このままでは地上がめちゃめちゃになってしまう。
ゼルダ姫はハイラル全軍の指揮を執るべく離脱することになり、自分の代わりにと短剣をリンクに託した。この一振りがリンクを勝利に導くこととなる。
やがて聖水晶を集め終えたリンクは大神殿への道を出現させ魔界へと乗り込む。
だが初代は既にガノンの一部と成り果ててしまい、解放するためにはガノン本体を倒す必要があった(ガノン本体を封印する内に術の影響で取り込まれてしまったとのこと。主導権を握られたことでいつしか封印術が破られてしまったようだ)。
そこへガノンの一部が現れ、自身の正体がガノンの心臓であることを明かす。
ガノン「オレは大ガノンの心臓だっ」
ガノン「オレが合体することによって大ガノンは蘇る」
ガノン「いよいよ貴様の最後だ。リンク!」
リンクは草原に立っていると思っていたが、実は大ガノンの背中に過ぎなかった。
山のような巨躯の前には剣ビームも通用せず、リンクは逃げの一手を強いられる。それでも足が遅いことや先の戦いで心臓がダメージを受けていることに気づき、そこが弱点であることを見抜く。
その後、逆転を図るも失敗し一度は喰われそうになるが、初代が心臓の位置を教えてくれたことで奮起。死に物狂いで反撃し、口から体内へと侵入を果たす。
剣ビームで体内を破壊しながら進み続け、ついに心臓と対面。
リンク「や、やっとたどり着いた。ガノン覚悟!!」
リンクはトドメの剣ビームを放とうとするが、ハイパーマジカルソードはその輝きを失わせてしまう。
ガノン「このわしの体内でトライフォースの力がいつまでも長続きするものか」
ガノン「このままわしの養分にしてやるわっ」
勝ち誇ったガノンはリンクを吸収するべく触手を伸ばす。しかし、触手はリンクに触れることなく切り裂かれる。
リンクはハイパーマジカルソードを投げ捨て、ゼルダ姫からもらっていた短剣に持ち替えたのだ。
実の妹から託されたその刃は、リンクの勇気に呼応するように光り輝いていた。
ガノン「なにっ」
リンク「ハイパーがなくったって!」
ガノン「うおお」
リンク「最後だ! ガノンッ」
ガノン「ガアアアアー!!」
虚を突かれたことで怯んだガノンはリンクの一撃によって心臓を斬り裂かれ、今度こそ塵一つ残すことなく消滅したのだった。
そして主を失った魔界は、リンクの勇気から生み出した勇気のトライフォースを用いた初代よって再び封印された。
確かにガノンはリンクとゼルダ姫の両親を手に掛け、ハイラル征服という野望に後一歩のところまで迫っていた。
しかし、初代の導き、16代目から色濃く受け継がれた真のゼルダとしての血、実の妹である17代目から託された短剣。そして、ここまで助けてくれた仲間たち。
一族の想いが、仲間たちの絆がリンクを導き、最後の勇気が見事大ガノンを打ち倒したのであった。
坂岡のぼる「ゼルダの伝説 神々のトライフォース」
1992年の小学2年生に掲載された読み切り漫画。攻略本としても機能している。リンクがゼルダ姫を救出してマスターソードを手に入れるまでを描いている。
このリンクはいい意味で熱血な少年でありバトルマンガの主人公に相応しい人格者である。倒れていたおじさんから剣と盾を託されて戦いに出るが、実はおじさんは倒れた振りをしていただけでしっかり元気だった。こういう狡賢さに騙されてしまう位純粋で真っすぐなのだ。
小野敏洋「ゼルダの伝説外伝 クオークと妖精女王(フェアリークイーン)」
小野敏洋のデビュー作。1992年2月の別冊コロコロスペシャル44号に掲載された読み切り。
舞台は神々のトライフォースだが初期段階のプロットを物語にしており、リンクの名前が「トップ・クオーク」になっている。ストーリーは、お城を脱出したクオークが紋章を探す前のサブクエストという位置付け。
小野敏洋らしくヤンチャで活発なショタ。冒頭ではこどもリンクばりの悲鳴を上げるシーンがある。
クオークは凄腕の戦士レプトンから手ほどきを受けながら旅を続け、マスターソードの元まで案内される。しかし引き抜くことは叶わなかった。
それから妖精の女王がアグニムの手先であるグラビトンに魂を奪われていると知り取り戻しに向かう。グラビトンに圧倒されトドメを刺されそうになるクオークだがレプトンが庇いに入り致命傷を負う。クオークは怒りの感情から引き出した必殺技によってグラビトンを一刀両断する。
実はレプトンは既にこの世の存在ではなく、クオークの成長を見届けたことで満足しながら消えていった。女王の魂を取り戻したクオークは、3つの紋章を集めマスターソードを引き抜くに至る。
そしてゼルダ姫を助けるべくアグニムの元へ向かうところで終幕となる。
PROLOGUE OF ZELDA
名前の通り神々のトライフォースの冒頭を主軸にした短編漫画。リンクがサハスラーラの元を訪れるまでを描いている。
本多将「オープニングストーリー」
「どうしても助けてほしいんならさぁー。へっへっへ。キスしてくれる?」
ファミコン&スーパーファミコンゲームマガジン スーパーファミコン20号付録『ザ レジェンド オブ ゼルダ パーフェクト ファン ブック』に掲載された読み切り漫画。名前の通り神々のトライフォースの冒頭を主軸にした物語。主人公の名前は「ロビン」となっており、容姿も黒髪の少年と異なる。ちなみにかなりのスケベ。
ゼルダ姫の声を聴いて目を覚ますとおじさんが出かけるところに直面する。一人でキャバクラを楽しむつもりだと勝手に考え尾行をしようとする。そこへゼルダ姫の幻影が現れ待ったをかける。そんなことより自分を助けてほしい、このままではアグニムによって賢者の封印が解かれてしまう、と。
しかしそんな義理はないとロビンは拒否。どうしても助けてほしいなら頬キスをしろと要求する。ゼルダは怒りをこらえながらも承諾し、こうしてロビンの冒険が始まったのだった。
道中、負傷したおじさんから武具を託されゼルダ姫の救出を引き受けることに(おじさんは動けないだけで死んではいない)。
ゴリラのような屈強な兵士が牢番をしていたが、ゼルダ姫が気を引いた隙を突き、ロビンのジャンプ斬りで勝利する。
ゼルダ姫を助けた後はしつこいくらいにキスを要求するが誤魔化され続ける。神父と合流した後、今度はマスターソードを手に入れてアグニムを倒すように言われるがキスをしてくれないという理由で拒否しようとする。
それを察知したゼルダ姫から「司祭を倒したらもっといい事をしてあげる」と言われたことで性欲とやる気を爆発。ゼルダ姫にいい事をしてもらうべくマスターソードを求める冒険に出る。
そしてゼルダ姫誘拐犯の汚名を着せられながらもサハスラーラと接触して情報をもらい、マスターソードを前にするところで幕を閉じる。本当の冒険はここから始まるのだ。
西野司「ゼルダの伝説」
「はいっ。わかりません!」
ファミコン&スーパーファミコンゲームマガジン スーパーファミコン20号付録『ザ レジェンド オブ ゼルダ パーフェクト ファン ブック』に掲載された読み切り漫画。初代ゼルダの伝説を描く。
外見はいつもニコニコしているド天然ショタ。実力は相当なものだが、冒険の目的を忘れていたり、妖精が話をしている時に涎を垂らしながら眠ったり、ゲームで言うレベルが存在しないのに敵を倒しまくって冒険を進めないなど、どうしようもない性格。怪我をするたびに生命の泉を訪れ、口の悪い妖精の世話になっている。
ゼルダ姫を助けるべく知恵のトライフォースの欠片を集め、ガノンを倒すためにデスマウンテンの迷宮を目指す――という目的を思い出した後は、妖精のアドバイスを受けながらも成長を遂げ、ガノンの配下たちを次々と倒して全ての欠片を集めるに至る。
そして妖精に見送られながらデスマウンテンへと向かい、ガノンとの死闘を制して弓矢を撃ち込み勝利した。こうして魔物たちは姿を消し、ハイラルは平和を取り戻したのだった。
エンディングでは新たな冒険が始まったことで生命の泉を訪れ、口の悪い妖精と再会を果たすこととなる。
高長歩「魔性の影」
「魔物は心の中にいつもいて…それとの戦いは常に続くんだ。これからも……」
ファミコン&スーパーファミコンゲームマガジン スーパーファミコン20号付録『ザ レジェンド オブ ゼルダ パーフェクト ファン ブック』に掲載された読み切り漫画。リンクの冒険を描いており、ダークリンクとの死闘を制して勇気のトライフォースを手にするまでの物語。
上記二つと比べるとまともな性格のリンクであり、割と標準的な主人公らしいタイプである。左の手の甲には力と知恵のトライフォースを宿す。お供には美少女な妖精がいる。
設定が変わっており、勇気のトライフォースでハイラルにかけられた呪いを解くために冒険に出ている。このため初代ゼルダ姫は登場しない。
リンクが勇気のトライフォースに近づくと自身の影から腕が伸び勇気のトライフォースを横取りする。瞬間、腕は人の形を取り、リンクを模した魔性となった。
それはリンクの影を名乗り、自分と協力して三つのトライフォースでハイラルを征服しないかと持ち掛ける。当然拒否するリンクだが、影の力は凄まじく一時は追い詰められてしまう。リンクは左手の甲に力と知恵のトライフォースを宿らせていたが、このままでは奪われると警戒して妖精に託そうとする。
そして相討ち覚悟の攻撃を決意するが、トライフォース同士が共鳴を起こしたことで影が一瞬怯む。その間隙を突いたリンクは一気に間合いを詰め、影の剣を弾き飛ばし一刀両断にして逆転勝利を果たすのだった。
こうして全てのトライフォースを揃えたリンクだが、トライフォースには謎が残ったままであった。しかも世界にはガノン以外にも脅威が存在している。
リンクにはトライフォースの謎を解くことも全ての脅威を取り除くこともできない。これからも戦いは続くのだと考え、今は仲間たちのところへと帰るのであった。
田口順子著「神々のトライフォース」
捻くれた性格だが困っている人から頼まれると断り切れないお人好しでもある。ゼルダ姫から頼まれてハイラルを救うという使命を渋々受けるが、闇の世界の人たちの姿を見て世界を救うことの大切さを自覚する。性格も改善されて行き、エンディングでは自分が素直になれるようになったことを「我ながら成長した」と述べている。
いかなる困難を前にしても決して諦めず、戦いにおいても無益な殺生は好まない。ただし命のやり取りをためらうようなお人好しではない。悪知恵も働き、ガノンの騙し討ちを逆利用して見事勝利した。
なお、この作品に登場するリンクは「かつてガノンに殺されたナイト一族リンクの子孫(当時のマスターソードの使い手)」という設定。
原作では封印戦争の時期にマスターソードの使い手は見つかっていないので独自設定である。
4コマランド
神々のトライフォースと夢をみる島の4コママンガを複数の作家で描いていたもの。病欠から復帰したしごと大介も参加している。4コママンガ劇場とは別の内容となる。
カカリコ村の仲間たち
1993年~1994年に火の玉コミックスに連載されていた短編漫画。著者は阿川あけみ。
掲載紙が3冊目で終了してしまったため全3話で打ち切りとなってしまった(打ち切りは急遽決まったのか当時の雑誌には4話に続くと書かれていた)。
平和になった神々のトライフォースの世界を舞台としており、農民として暮らすリンクのドタバタな日常を描いている。作画は夜麻みゆきのようなデフォルメ調だが、急に真面目な作画になると8頭身のイケメンになる(劇中でも突っ込まれている)。
本人は真面目にやっているつもりなのだが、不良コッコにすら負けてしまうほど腕っぷしは弱く、何をやらせてもええかっこしいで終わってしまっている。
かぢばあたる著「夢をみる島」「神々のトライフォース」
生意気でお調子者だが正義感の強い熱血漢として描かれている。加えて極度の負けず嫌いでもある。
このシリーズのリンクは原作よりもやや幼い容姿で描かれており、劇中でたびたび「子供」扱いされている(しかし神トラのリンクも「幼い」と言われているので独自設定とは言い難い)。
ハイラル最強の剣士であるザンジ伯父さんから剣の手ほどきを受けており、既に伯父を超えるほどの実力者になっている。奥義である回転斬りもザンジから伝授されたもの。
いくつかバリエーションがある上に表現がゲームと大分異なる。詳しくは該当記事を。
盾やアイテムの類は使用せず基本は剣を中心に戦う。オリジナル技としてリンクダイナマイツキック(ただの飛び蹴り)がある。技名を叫びながら放つギャグ的なものであり、劇中でも二度しか使っていない(夢島1巻、神トラ2巻で使用)。
初登場となる夢をみる島では命の恩人であるマリンに好意を寄せ、一人の女の子に恋した少年としてコホリント島を冒険する。相棒にはオリジナルキャラクターとして妖精のフェリサが登場した。
当初は「マリンのために」魔物たちと戦い、自分は島の平和を守るために遣わされたのだと考えるのだが……。
ちなみに第1巻ではラネモーラ戦で砂の上に盾を置いて足場にすることで逆転勝利を果たしている。この「盾の上に乗るリンク」はブレスオブザワイルドや厄災の黙示録のリンクが行っている(こちらでは盾でサーフィンをする)。
また独自設定として島から脱出するためにイカダを造っており、これはティアーズオブザキングダムで実際にできるようになった。
神々のトライフォースでは伯父ザンジの元で修行をしながらその日を過ごしている少年という設定で登場。カカリコ村に住む幼馴染のラスカ少年はライバルでもある。
お互いに実力と才能は非常に高いが命のやり取りをする真剣勝負はしたことがなく、相手の殺意に怯えるという描写がされた。また伯父の仇であるアグニムを倒した後は覇気が薄れていた。
旅の仲間には3人のオリジナルキャラクターが加わる。
リンクの伯父と親交があり、伯父亡き後は忘れ形見であるリンクを見守る騎士団長アルジュナ(画像左上)。
己の無力さを誤魔化すために頭脳労働をうたうが、内心ではリンクたちの強さに嫉妬していた青年カニカ(画像右上)。
なお、この作品に登場するリンクは「600年前にガノンと戦ったマスターソードの使い手の子孫(先代はマスターソードに宿る霊魂となっている)」という設定(ガノンは賢者たちによってピラミッド内部に封印されている)。
原作では封印戦争時代にマスターソードの使い手は見つからなかったので独自の設定である。
1巻では原作通りの展開でハイラル城へと侵入。そこで伯父がアグニムに殺されたことを知り、仇討ちのため戦いに赴くが逃げられてしまい失敗。しかも「すでにゼルダ姫はこちらの手に落ちている」と騙され、ゼルダ姫の寝所へと突撃してしまう。結果、ゼルダ姫からアグニムの手先と誤解を受け斬りつけられる。
そこへアグニム率いる兵士たちが現れ、リンクは「ゼルダ姫を襲った賊」として捕縛されそうになる。だが機転を利かせ、ゼルダ姫を抱きかかえると塔の窓から飛び降りて窮地を脱した。しかし助け方が荒っぽかったことでゼルダ姫から平手打ちをお見舞いされてしまう。
その後、教会まで逃げ延び騎士団長アルジュナと合流。「アグニムの目的が600年前に封印された魔王ガノンを復活させようとしている」ことを聞かされる。
伯父とアルジュナは、アグニムが賢者の娘たちを拉致していることを知り、魔王復活を阻止するために挑んだが返り討ちに遭っていた。
話の大きさに戸惑うリンクだがアルジュナから諭されたことで伯父の死に涙を流しながらもアグニムを倒すことを決意する。
しかしその姿を見たゼルダ姫には「家族の死に涙する男子は信用できない」と軽蔑されてしまった(アルジュナがフォローしてくれたがあまり納得した様子ではない)。
このように当初はゼルダ姫に嫌われていたのだが、ホームシックにかかったゼルダ姫は「身内の死を乗り越えて戦うリンクさんは強い人」と見直すようになる。
マスターソードを求める道中、立ち寄ったカカリコ村で幼馴染ラスカと再会。ラスカはお尋ね者になったリンクに関わると自分も……と協力を嫌がっていたが、父親から諭されたことで「リンクを助けたい」という想いに従い、リンクの仲間となった。
ラスカと共に試練を乗り越えたことでマスターソードを手にする資格を得、最後の試練として先代勇者の霊魂と一騎討ちを行う。自分とよく似た戦い方をする相手に戸惑いながらもなんとか認められた。
2巻ではラスカとアルジュナが兵士たちを引き付けている間にハイラル城へと突入。
ゼルダ姫を拉致したアグニムは用済みとなった国王を殺そうとしており、そこへ駆け付けたリンクが助けるという展開が描かれた。これにより国王は真の悪は誰なのか理解する。
ゼルダ姫は闇の世界へと送られリンクは激昂。怒りによりアグニムを倒して伯父の仇討ちを果たす。しかし二人の仲間と共に闇の世界へと引きずり込まれてしまう。
そこで出会った青年カニカから現状を教えられ、仲間に加えて賢者の末裔たちの救出へと向かう。カニカは封印戦争時代(600年前)のガノンの参謀だったが、村を滅ぼされて無理やり側近されたに過ぎない立場だった。カニカもハイラルへ戻りたがっており、目的が一致しているなら手を組むべきだと誘われ承諾する。
なお、賢者の娘たちは先祖の血によって自動発動した結界(クリスタル)によって身を守られており、アグニムたちは手が出せなくなっていた。それを破るにはマスターソードが必要となる。このためアグニム側は、マスターソードを狙いながらもリンクがその力を引き出せるように誘導していた。
今のリンクでは十全にマスターソードを使いこせているとは言えず、勇者としてはまだまだ未熟だった。リンク自身も覇気が薄れていたことから暢気に構えていた。
しかし、仲間たちが壁の罠で潰されそうになった時「守りたい、助けたい」という想いに呼応して力を発揮。壁の一部を破壊して救出した。
2巻の終盤では「ガノンの偽物(ガノンを模倣したレプリカモンスター)」に蹂躙されてしまう。3人掛かりでもまったくダメージが与えられず歯が立たなかったが、リンクが頭部の制御帯を偶然破壊したことで機能停止・勝利する。
3巻ではガノンのレプリカを倒すも崖から落ちて仲間たちと離れ離れになってしまう。しかも満身創痍のところをガノン配下の魔物たちに狙われ絶体絶命となる。
そこへ先祖の霊魂が現れ、敵を引き付けている間に逃げるように告げられる。だが先祖であっても多勢に無勢であり、見捨てることなど到底できなかった。
その想いはマスターソードの力を引き出し、剣ビームを放つことで魔物の群れを一蹴。先祖と共に共闘して蹴散らしたのだった。
先祖からは「お前は私より少々優秀なようだ」とひねくれ半分にリンクを認めた。
去り際に自分がガノンと戦った先代勇者であることを明かし、天へと昇って行った。これによりリンクは、自分がガノンと戦った勇者の末裔であることを知る。
一方、ラスカとアルジュナも賢者の娘たちの救出を済ませており、リンクが合流した時には全員の救出を終えていた。一行はガノンの塔へと乗り込む。そこで待ち構えていたのは、光の世界で倒されたはずのアグニムであった。
実は光の世界のアグニムもまたレプリカモンスターに過ぎず、目の前にいるアグニムこそがオリジナルであった。
しかもカニカはアグニムが送り込んだスパイであり、リンクたちを罠に掛けるために行動していた。そのことを知らなかったリンクは「人質の振りをしたカニカ」に騙されマスターソードを手放してしまう。
更にアグニムは二体のレプリカアグニムを従えて戦力を固め、リンクたちは絶体絶命となる。
それでも3人で食い下がり続け、その姿を見たカニカは勇気をもらい、命を懸けてレプリカの制御装置を破壊し、マスターソードを拾い上げリンクに手渡した。
反旗を翻したカニカはアグニムによって背中を貫かれるが、そのアグニムもまたリンクの怒りの刺突によって胸を貫かれこの世を去った。
カニカの死の間際、リンクたちはなぜ裏切ったのか問う。カニカは「大人しく従えばトライフォースの願いで両親を生き返らせ元の世界へ帰してやる」と脅されていたことを明かした。
同じく伯父を失っていたリンクも「それなら仕方がない」としてカニカの裏切りを許し、その最期を見届けた。カニカは両親を生き返らせることはできなかったが、リンクたちに看取られたことで悔いを残すことなくこの世を去った。
アグニムが倒された直後、ガノンの封印に乱れが起こる。このままではいつ復活してもおかしくないという状況になる(原因は不明。アグニムの死が関係しているのかもしれないが確証はないとのこと)。
リンクたちは一度撤退して戦力を固め、ガノンを迎え撃つという方針に決定。賢者の娘たちをクリスタルから解放し、彼女たちと現代の賢者たちとの協力によって元の世界へ戻るための転移術を発動させようとする。
だがここで魔物の群れが出現。リンクは仲間たちと協力して迎え撃ち、転移術が発動するまでの時間を稼ぐ。ゼルダ姫たちは光の世界へ戻ったが、リンクはまだ帰るつもりはなかった。
術が発動する直前に立ち去り、勇者として魔王を倒すべく一人で決着を付けに向かう。
ガノンの封印は既に解けており、リンクが封印地点(ピラミッド)に近づくといきなり攻撃を加えられ、床を破壊されて内部へと引きずり込まれる。
ガノンとのラストバトルは2話に渡って描かれている。
トライフォースへの願いで不老不死になったガノンにはあらゆる攻撃が通用せず、一方的に蹂躙される。しかし仲間たちの声援によって立ち直り、届いた想いによりマスターソードが光り輝き更なる力を引き出し、不老不死のアドバンテージを破ることに成功する。
ガノンには「仲間たちの想いなど一人では戦えない弱者のざれ言に過ぎない。戦っているのは貴様自身だ」と否定されたが、リンクは護るための剣によって死闘を制し、最期は回転斬りによって胴体を斬断して逆転勝利を果たすのだった。
リルトの誓い
本作では珍しくサブキャラクターという立場に置かれている。なお、この作品のリンクは青年である。ゼルダ姫も大人の女性になっている。
数百年前にガノンを闇の世界に封印した勇者であり、ゼルダの伝説、リンクの冒険、神々のトライフォースのリンクと同一人物とされる。既に死亡して天上界で過ごしているが、幾度か妖精の力で現世に復活をしては世界を救っていたようだ(原作のように転生していたわけではないが、それに近くはある)。
現在は賢者の始祖であるモートネじぃさんの元で過ごしており、祖父と孫のような間柄となっている。
口が悪く礼儀知らずであり、年端も行かない少年リルトがマスターソードの使い手に選ばれた時は「弱い奴」「ヘナチョコ」「マスターソードを引き抜いたのにあっさり死んだ」と散々下に見ていた(かぢば版に登場するリンクとラスカに近いキャラ付けである)。
ただしリンクの機嫌が悪かったのは、リルトが不甲斐ないばかりに村長とカリンに被害が出たからである(マスターソードを持ちながら村の人たちを守れなかったため)。
しかしモートネの依頼でリルトに回転斬りを教えるなど師として世話をする内にその人柄を気に入り、実力的にはまだまだだが心意気は十分だとして後継者として認めるようになる。また武闘家ラーダッハとの死闘で驚異的な反射神経を見せたことから素質もあると見込んでいる。
物語中盤では『夢をみる島』のうるりらじいさんのように、電話を使うことで天上界からリルトに声援とアドバイスを送っている。
現在では妖精が絶滅しているためリンクは復活できず、またマスターソードの使い手としての資格も失っているため戦力にはならなかった(リンクがマスターソードを手にしても錆び付いた姿になってしまい、また素質もリルトの方があるらしい。このためリンクは落ち込んでいた)。
だが素手で放った回転斬りで木を切断するなど力は健在。ジャンプ力も凄まじくリルトを抱きかかえた状態で飛翔している。
ちなみにリンク初登場の回で背景にこの人がしれっと登場している(作者は鳥山明の影響をかなり受けているようで、キャラデザや戦闘シーンにも『ドラゴンボール』や『ドラゴンクエスト』の特徴が現れている)。
エピローグでは同じく天上の住民となったゼルダ姫が妖精を隠し持っていたことが判明し、「今までどこで何をしていたんだ?」とツッコミを入れている(ゼルダは賢者の血筋を失わせまいとして生き返らせるために妖精を保護していた)。
4コマ航海記
風のタクトの唯一のコミカライズ作品。原作の序盤から終盤に差し掛かる辺りまでのストーリーを4コマ形式で描いている。著者はOYSTER。
原作の設定を反映してかトゥーンリンクは基本的に無口であり、身振り手振りで意思疎通する。ただしわずかだが声を出すシーンがある。
ラストまでは描かれていないが諸々の謎が判明するので、ゲームを未プレイの人にとってはネタバレになってしまう。
姫川明版
登場作品は異なれど、ほぼ一貫して「少年のリンクは明るく元気で優しいお調子者」、「青年リンクはクールでシリアスの度合いが強い」キャラクターとして描かれている。特に『トワイライトプリンセス』のリンクはシリアスの度合いが強い。作品によってはギャグ色の強いものもあれば、リンクがヒロインに恋する内容もある。『時のオカリナ』ではゼルダ姫に好意を抱き、『ふしぎの木の実』ではディンに惚れている。
基本的に絵柄は原典を意識しているが、『4つの剣+』のみ猫目ではない時のオカリナ等の絵柄に近い物になっている。
時のオカリナ
子供時代はヤンチャだが正義感溢れる性格として描かれている。ゼルダ姫に頬キスをされて舞い上がり城中を駆け回ってインパにとっ捕まるなどコミカルな面もあった。一方で強敵との実力差を「子供では勝てない」と嘆くシリアスな面も。逆に大人時代はそういった「子どもでは勝てなかった」というコンプレックスを克服したものの、今度は「俺には七年間がない。だからゼルダ姫と普通に接することができるか自信がない」と新たなコンプレックスが生まれてしまっている。
自分を助けてくれるシークのことは、正体不明として怪しんでいたもののコンプレックスを打ち明けるなど少しずつ信頼するようになる。シークの正体を知った後は、“友達”と思っていたことをゼルダに打ち明けている。
外伝ではナビィと仲違いしてしまい、苦戦するという展開もあった。
ムジュラの仮面
冒頭でハイラルの騎士たちと手合わせをするという原作にない展開が描かれた。当初は「こども」ということで甘く見られていたが、騎士たちでは相手にならず、騎士団長で互角に戦えるという有様であり、騎士たちを驚愕させた。序盤でデクナッツにされてしまった時は、優しく手を差し伸べてくれたアンジュに恋するが、時間が巻き戻ったことでアンジュはそのことを忘れてしまい、リンクを落胆させた。
最後の戦いではスタルキッドの心を踏みにじったラスボスに激しい怒りを抱き、鬼神リンクとなって終始圧倒した。
ふしぎの木の実
大地の章では、ハイラルにある片田舎出身の少年として登場。代々王家に仕える騎士の家系であり、祖父からは厳しく接され騎士になることを望まれている。しかし祖父の敷いたレールに従うことに抵抗を感じているため反発していた。
逆にやりたいことも見つからないため悩んでいたが、祖母から経験や体験を積んで見出して行けばいいと告げられ、ひとまず騎士試験を受けに向かう。
受付では騎士志望の少年から田舎者と馬鹿にされたことで挑発しケンカに発展してしまう。技術もパワーも少年に分があったが、リンクは素早い斬撃で少年の頬に傷を付ける。危うく警備兵に捕まるところだったが少年に庇われて城内へと逃げ込んだ。そこでトライフォースと接触し、試練と称してホロドラムへと飛ばされてしまう。
実はリンクの左手の甲にはトライフォースの紋章が浮き出ていた。これは邪悪な存在に向けることで金縛り状態にという絶大なアドバンテージを誇るのだが、リンクにこの力の自覚はない。また動物と意思疎通が可能となっている。
ホロドラムでは投げた木の枝がたまたま闇将軍ゴルゴンが乗る馬に当たってしまったことで怒りを買い、生気を抜き取られ仮死状態になってしまう。しかしディンが大地集めた大地の生命力を注がれたことで息を吹き返す。以後はディンが所属する劇団の一員となって旅を続け、給料をもらいながら団員たちと中を深めていった。特にディンに対しては一目惚れしていた。
しかしディンはゴルゴンに連れ去られてしまい、リンクは劇団を離れ救出に向かう。その道中でヒヨコのピヨコ、カンガルーのリッキー、魔女のメイプルと言った仲間たちと出会い、ゴルゴンの居城へと乗り込む。
成長したリンクはゴルゴンと互角以上に渡り合う。だがゴルゴンはディンを盾にすることでリンクの攻撃を封じるという卑劣な手段に出る。想い人を攻撃出来ず苦戦させられるリンクだがメイプルが士気のロッドでディンを引き寄せ救出する。
人質作戦も破られたゴルゴンは真の姿である巨大なドラゴンへと変貌。圧倒的な力の前にピヨコが犠牲になり、リンクも炎に焼かれそうになる。しかしリッキーのパンチに助けられ、更にトライフォースから発する光がゴルゴンを怯えさせる。
正気を見出したリンクたちは総攻撃を仕掛け、最後はリンクの一撃によってゴルゴンの額を斬り勝利する。
ディンの手に士気のロッドが戻ったことでホロドラムの大地に生命力が戻り、更にピヨコもコッコに成長する形で復活を遂げる。そして一部始終を見ていたゼルダ姫からホロドラムを救った功績により正式に騎士に任命された。
リンクのやりたかったこと。それは困っている人たちを助けるために戦うこと。今のリンクには騎士になることへの抵抗はまったくなかった。
時空の章は後日談に当たる。
騎士になったリンクは賭け試合で巨漢を破り、商品の牛を手に入れるがそこをインパに見咎められる。騎士とあろう者が賭け試合などと怒りを向けられるが、田舎で働く祖母に送るつもりだったと話し、なんて孝行者なんだと許してもらえた。
直後、様子のおかしくなったインパはリンクを森の中へと連れて行き、不思議な紋章の刻まれた岩をどかすように告げる。その先には美しい女性ネールが動物たちを前にハープを奏でていた。
実はインパは闇の司祭ベランに憑依されてしまっていた。まんまと騙されたリンクはネールを守っていた聖なる岩をどかしてしまい、こうしてベランはネールの肉体を奪い取ったのだった。
ベランは過去の時間へ飛び、リンクを消し去ることを宣言。各地で歴史が変わり異変が起き始める(どれもコミカルなものだったが……)。
途方に暮れるリンクの前にネールの幼馴染ラルフが現れる。リンクをヘボいやつと呼び、ネールは自分が助けると言って、ネールが遺したハープを奪い取ろうとする。怒ったリンクはラルフを蹴り飛ばし、ハープを用いて時間を遡る。
過去の時代ではアンビ女王に取り入ったベランが人々を奴隷のように扱い、暗黒の塔を建造させていた。逆らった者たちは捕らえられ処刑されてしまっていた。リンクは運悪く転移した先が建設現場だったため兵士たちに奴隷としてコキ使われることに。
脱走を試みたリンクだが、女王の護衛騎士レバンにあっけなく取り押さえられてしまった。
地下牢に放り込まれたリンクだが落ちていた釣り針を用いて脱走に成功。なぜか見覚えのあるレバンのことが気になり後を付ける。
実はレバンはレジスタンスの一員だった。女王に逆らって処刑されるはずだった者たちを密かに助け匿っていたのだ。リンクが脱獄出来たのも彼が釣り針を置いたからだった。
リンクはレバンからアジトである廃村まで案内される。
ベランの下へ単身乗り込んだリンクだが使い魔にすら歯が立たず劣勢となる。そこへネールの幼馴染ラルフがハープの力で転移して来る。寸でのところでリンクはハープの力でラルフと共に窮地を脱した。
神々のトライフォース
素直で明るい性格の心優しい少年として描かれ、原作にない設定としておじさんと共にリンゴ農園を営んでいる。
本作ではゼルダ姫とは主従関係に収まりつつも、お互いに意識し合っており、同時に漫画版オリジナルキャラの盗賊の少女ガンティからも想いを寄せられている。
ガンティは王家に仕える騎士に両親を殺害されており、リンクの素性が封印戦争時代に存在していた騎士団(ガーディアン)の末裔だったことで命を狙われる。一度決別するが闇の世界にてガンティと再会し、そのままダンジョン攻略をして仲を深めていく。
最終的に自力でクリスタルの封印を破ったゼルダが、ガンティに両親の死の真実を話したことで和解となった。ガノンとの決戦ではリンク、ゼルダ、ガンティの3人で戦った。エンディングではリンゴ農園で働く日常に戻り、ゼルダ、ガンティと共に平和な時間を過ごす。
夢幻の砂時計
テトラとはケンカ友達のような間柄となっている。自分を船の新人として扱うテトラに不満を抱いたものの仲がこじれることはなく、拉致されたテトラを助けるため奮闘する。
胡散臭いラインバックから利用されていると思いながらも共に行動し、その純真さがラインバックに勇気を与え改心させた。最後の戦いでは仲間たちの援護を受け、大回転斬りで勝利する。
トワイライトプリンセス
リンクとミドナの信頼関係(恋愛感情に近い)に比重を置いて描写されている。このためゼルダ姫とは恋仲にはならない。
独自設定として「勇気のトライフォースに込められた時のオカリナのリンクの記憶」を持っている。
今作では人間の醜さと美しさを描いており、リンクもまた一貫した正義の味方とはいかず堕落した面を見せている。マスターソードの力に魅入られて敵を倒す快感に酔い痴れ、ザントに惨敗を喫す。ミドナにまで見限られてしまう。しかし多くの人たちの支えによって立ち直り、ミドナと共にザントへのリベンジを果たした。
ザントもまたミドナに対して歪んだ愛情を抱いており、反乱を起こす前は求婚したことで伴侶という立場だった。このためリンクとは恋のライバルという側面も持つ。
原作と同じくトアル村で暮らしていたが、砂漠の国境警備都市の出身という設定になっている。
いつかは国境を守る騎士になってゼルダ姫に仕えることを夢見ていた。幼馴染にはガキ大将のダルパ、温厚で太っちょのゼウ、小柄で臆病なリオマがおり、いつも4人で特訓に明け暮れていた。
しかし2年前、ダルパが「魔術を上回る剣」があると口にし、安置されていたガウロフの剣を引き抜こうとする。ダルパは失敗に終わったが「これが抜けたら英雄になれるかもしれない」と言われたリンクが挑戦。勇気のトライフォースの影響もあって引き抜けてしまった。
直後、都市も人々も地の底へと消え去り、リンクもまた不気味なガイコツに腕を掴まれて引きずり込まれそうになる。
ただ1人だけ助かったが、自分のせいで多くの人たちを殺してしまったと思い込み、以後は「誰かを守る使命感」を捨て、剣を握らなくなった。
その後、牧童と称してトアル村にやって来たのだった。
1巻ではこれらの過去を兄貴分のモイに話し、自分がずっと抱えていた苦しみを理解し慰めてもらった。しかし次の瞬間、キングブルブリン率いる一隊がトアル村を強襲。平和な村は一転して地獄絵図となる。
イリアを襲っていたキングブルブリンに手傷を負わせるが大したダメージにはならず、配下のボコブリンたちに襲われた隙を突かれ、左腕(利き腕)を切断されてしまう。
倒れ伏したリンクはボコブリンに頭を押さえ付けられて溺死されられてしまうが、何者かの声により意識を取り戻す。不思議なことに失ったはずの左腕が戻っていた。
だが影の者に襲われたことで影の領域に入ってしまい、ウルクリンクに変貌。囚われたところをミドナの言いなりになるという条件で助け出され、彼女に利用されながらもハイラルの脅威に立ち向かう。
小説作品版『ゼルダの伝説』
ゲームブック「蜃気楼城の戦い」
小説形式で進むゲームブック。選択肢を誤ると死亡してしまう。仲間には妖精のファニーが登場する。
ガノンを倒したことでゼルダ姫とは恋人同士になっていたが、ガノンの弟魔将軍ガイアによって二人揃って呪いをかけられてしまう。リンクは昼にしか動けず、ゼルダは夜にしか動けなくなるという者だった(クリスタルムーンと呼ばれる水晶に閉じ込められてしまう)。
ガイアの目的はゼルダ姫を妃として迎え入れることだった。嫉妬心から今回の事件を起こしたのだ。
最後の戦いではガイアにゼルダ姫を拉致されてしまい蜃気楼城(ミラージュキャッスル)まで乗り込み、直接対決となる。選択肢を誤ると敗北し、焼き尽くされて灰となってしまう。ゼルダ姫は催眠術で操られているため彼女の洗脳を解き、更にはゼルダ編で手に入れたバイブルを使うことが勝利条件となる。
巨大な鴉として正体を現したガイアに対し、マジカルロッドとバイブルの合体火炎弾で全身を燃やして勝利となる。バイブルがない場合は、鋭い爪で切り刻まれて敗北する。
しかし、自我を失った魔将軍は最後の勝負を挑んで来る。ここで剣で倒すか銀の矢で倒すか分岐する。
剣で倒すを選んだ場合、倒すには至らずハートの数での判定が行われる。規定以上のハートがあれば銀の矢を突き刺してトドメを刺すが、足りなければゼルダ、ファニーと一緒にムシャムシャと食べられてしまいゲームオーバーとなる。
実は最初から銀の矢でトドメを刺すを選べばハートの判定は発生しない。最期は剣で倒したいという読者の心理を突いた罠である。
見事勝利すれば魔将軍は消え去り、ゼルダ姫にキスをしてエンディングとなる。
ゲームブック「ハイラル英雄伝説」
アドベンチャーヒーローブックス。小説形式の作品であり、選択肢によってルートと結末が分岐する。また語り部のリンクはたびたび読者に対して話しかけて来る。
帽子こそかぶっているが体中にプロテクターや装飾品を付けていたり、黒髪だったりとイメージが大分異なる。
舞台は並行世界のハイラル。魔王ガルゴアによってこのハイラルは滅びの世界となっており、ガルゴアが寿命で倒れた後は側近のデオーが魔物たちを率いている。現在は生き延びた人間たちが魔物に蹂躙されながらも頑張っていたが、そんな中ゼルダ姫が昏睡状態になってしまう。
人々は勇者リンクに救いを求めたが、この世界にリンクは存在しない。しかし一つの想いが時空を超え、それに応えたリンクが並行世界のハイラルを救いにやって来るところから物語は始まる。
ゼルダ姫のためにトライフォースを探す冒険に出発し、道中で出会った黒騎士に助けられながら共にデオーを打倒したのだった。
デオーを倒すエンディングの場合、ある真実が判明する。それは語り部のリンクこそ「この世界のゼルダ姫」であり、魔物たちの目を欺くために男装してリンクを名乗っていたのだ。ではリンクはこの世界に来なかったのかというと、実は黒騎士こそが本物のリンクである。彼もまた素性を隠してゼルダを守っていたのだ。デオーを倒した後は共にハイラル王国へと帰って行った。
ゲームブック「暗黒トライフォース伝承」
選択肢によってルートが分岐する小説作品。
ガノンを倒したリンクはある日、園遊会に招かれ勇剣士ダヌークと手合わせを行う。そこで不慮の事故により負傷したことでハンカチに「リンクの血」が染み込んでしまう。
その後、邪悪な司祭によって「リンクの血」がガノンの灰に捧げられ、死の山デスマウンテンに霧が立ち込め、墓地から蘇った死者が生者を襲うという異変が起こり始める。
しかもゼルダ姫が突如昏睡状態に陥り、事態を重く見た国王は数年前に倒されたガノンが復活したと勘付くのだった。
国王に呼ばれたリンクは、復活したガノンを討つべく再びデスマウンテンへと向かう。そこで王の側近である賢者ハルデナーハから地図を、予言者ジハドから魔力の杖を、勇剣士ダヌークから剣と楯を授かった。そして駆け付けたインパからはゼルダ姫のルビーのペンダントを渡される。
しかしこの異変は、ガノンの復活も含めてリンクを誘い出すための策謀であった……。
リンクは魔物に閉じ込められていた泉の妖精ティンクルを助け、アドバイスと共にフェアリーマジックを授かる。それは言葉そのものに魔法をかけ、その言葉を発することで不可思議な現象を起こすというものだった。
ゾンビの群れに襲われるが、洞窟内に差し込んでいた光を「みたす」魔法によって一気に増幅させ、ゾンビを倒すことに成功する。
そしてデスマウンテンにてガノンを倒すが、死に際にガスを噴き掛けられ動きを封じられてしまう。そこへ現れたのは、予言者ジハド……闇の司祭だった。
「ガノンはわしの呪力でよびさました。おまえにふたたび倒させるためだ。よくやったぞ、わしの筋書きどおりにな…」
ゼルダ姫が覚めない眠りについてしまったのはジハドの手によるものだった。そう、ガノンは表向きの黒幕(傀儡)に過ぎなかったのだ。
ジハドが呪文を唱えたその時、リンクは彼が持っていた邪のトライフォース(ブラックトライフォース)に閉じ込められてしまった。直後、リンクの体と負の感情(ガノンへの怒り)を利用する形で「ブラック・リンク」が誕生する(邪のトライフォースそのものがブラック・リンクに変化した)。しかもリンクの命はブラック・リンクの糧にされてしまった。
ブラック・リンクはハイラルを蹂躙し始め、リンクは夢という形でそれらを知る。しかもリンク自身も闇に侵食されて行ったのかその夢を心地よいものとして思うようになっていた。
しかし危機を察知したティンクルが駆け付けたことで正気を取り戻す。更にゼルダ姫のペンダントは命の器としての機能を持っており、それを利用してティンクルが命を注ぎ込んだことで復活を果たす。
そして「とかす」魔法によって邪悪な空間を消滅させ、リンクは現世に舞い戻った。
(ここでゼルダのペンダントを所持していないと邪のトライフォースから出られずゲームオーバーになる)
既にハイラル地方はジハドに手に落ちていた。ブラック・リンクを従えたジハドは王と賢者を人質に取り、ダヌークを脅し付けて言いなりにし、城を乗っ取っていたのだ。
ダヌークからそのことを聞いたリンクはブラック・リンクに挑むが、ジハドから余裕ぶって見下されてしまう。
「ふふふ、みずからの影に勝てるか、おまえ自身の生みだした邪に…」
その言葉の通りブラック・リンクの力量はリンクを上回っており、ダヌークから逃げるよう告げられる。
逃げた先でインパと遭遇し、ハルデナーハならいい知恵を貸してくれるかもしれないと聞き救出に向かう。そこで飛行器具(ペダルを漕いで空を飛ぶ)を授かり、ジハドが待つ塔の中へと入り込む手段を得た(塔の入り口はゾンビ兵士が守っているため正面突破は不可になっていた)。
続けて救出した王の口からジハドの正体が語られる。
その昔、王家と対立する一族がいた。彼の一族は闇の力を崇めていたが、人々は闇の存在を認め
なかった。結果、彼の一族は王位継承の争いに敗れ、やがて滅亡したと伝えられた。
だが密かに生き延びており、その末裔は予言者を名乗って王家に入り込んでいたのだった。
邪のトライフォースと魔力の杖(邪力の杖)は一族に伝わる象徴であり、それを受け継いだジハドこそ一族最後の生き残りであった(邪力の杖で邪のトライフォースの力を起動させていた)。
闇から生まれた者は闇へ還すしかない。王はそうリンクに告げて送り出すのだった。
(別のルートではダヌークたちの協力によってジハドが待つ塔に侵入できるが、その場合は王を救出する選択肢がないためジハドの正体が不明のままになる)。
責任を感じたリンクは、必ず自分の手でブラック・リンクを倒すという決意を胸に塔内に侵入する。
そこにはジハドが待ち構えていた。
あろうことはブラック・リンクはゼルダ姫に憑依し、身体を操ってリンクに襲い掛かって来た。リンクにゼルダと戦うことはできなかったが、「はなす」魔法によってゼルダとの対話に成功する。
ゼルダ姫には「私を倒してもブラック・リンクは倒せない。これはあなた自身。だから逃げて」と言われる。
その言葉を聞いたリンクは、ブラック・リンクを滅ぼす方法を悟る。それは自分自身の命を絶つ事だった。
リンクは自らの剣で胸を貫いた後、ブラック・リンクを消滅させ最期の力でジハドを道連れにした。
こうしてリンクは闇の化身諸共この世を去った。だがゼルダ姫もまた眠りから覚めることはなく……。
インパは「(リンクの死というつらい現実を知らないままでいられるなら)姫の眠りが解けぬのは幸せなのかもしれない」と独り言ちるのだった。
ティンクル「リンクよく考えて。相手はあなた自身なの。自分を殺す? それでもいいわ。だけどもうひとつ方法があるのよ…封印するの、あっちのあなたを」
しかし選択肢によってハッピーエンドにも分岐する。
リンクはジハドから邪力の杖を奪い取り、フェアリーマジック「おもいだす」によって一つの呪文を思い出す。
「ヤミヨリウマレシモノハヤミニカエレ」
杖から発した極光がブラック・リンクをゼルダ姫から引きはがし、光に飲み込み、元の形へ……邪のトライフォースへと戻した。ブラック・リンクを、自らの闇をトライフォースに封印したのだ。
そして万策尽きたジハドもまた、怒れるリンクが投擲した邪力の杖によって仕留められたのであった。
残された邪のトライフォースは先の呪文によって勇気のトライフォースへと生まれ変わりを果たしていた(闇が封印された影響)。そしてその輝きはゼルダ姫の呪いを解き、目覚めの刻をもたらしてくれた。
こうしてハイラルを襲った恐ろしい陰謀は、闇の勢力の敗北という形で幕を下ろすのだった。
余談だが、ティンクルという妖精の名前がこの人とよく似ているが特に関連はない。
また「フェアリーマジック」という呼称はゼルダ無双でも使われている。
ゲームブック「魔界からの逆襲」
ガノンを倒した後日談的作品。怨念となったガノンによってゼルダ姫と共に過去のハイラルへと連れ去られてしまう。
ゼルダ姫は大神殿に幽閉されており、リンクはこの時代のハイラル王(初代ゼルダ姫の兄)に事情を話して力を借りることに。最初は信じてもらえなかったが紋章を見せたことで認めてもらえた。
終盤では最後の敵ボルガを破り、見事ゼルダ姫を救出した。ガノンはこの時代でリンクを始末することで「自分が倒される」という歴史を無くして復活を目論んでいたが、ご破算となったことで恨み言を残して消え去った。
ゲームブック「ゼルダの伝説 神々のトライフォース」
選択肢によって結末が分岐するゲームブック。ほぼ原作通りの設定だが、清楚可憐なゼルダ姫に惚れていたり、ゼルダ姫を救出したらそのままアグニムを倒しに向かうなど変更点がある。
この時点では勝てる訳もなく、ゼルダ姫を教会まで送り届けてからマスターソード入手後にアグニムと再戦となる。撃退に成功するが選択肢次第では床を崩されて道連れにされゲームオーバーとなる。
サハスラーラから未熟者扱いされるとムキになってしまうなど子供っぽく、それで上手く誘導されてあれこれさせられている。
最後の戦いではアグニムから抜け出したガノンを追ってピラミッドにて激突。
勇気を剣に込め、知恵で道具を使いこなし、自らの力で道を切り開いてきたリンクはついにガノンを追い詰める。そして魂を込めて光り輝くマスターソードを構え、大ジャンプからの斬撃でガノンの脳天を叩いて勝利した。
……かに思われた。骸となったはずのガノンだが怨念がそうさせるのか、全身から邪悪な炎を噴き出して最後の勝負を挑んで来たのだ。
ここでハートが足らないと体が動かないためガノンの攻撃に対応できず、全身を炎に焼かれてゲームオーバーとなる。
しかしハートが足りていれば冷静に銀の矢を構え、ガノンを撃ち抜いて決着を迎える。
エンディングは3種類あり、オカリナを入手しているかで結末が大きく分岐する。
オカリナを入手していない場合、ゼルダ姫の力で最後の戦いの場まで転送される。しかし、エンディングにてゼルダ姫は力尽きて死亡したことが語られる。リンクは巫女の一人から恨み言としてそのことを伝えられ、最愛の人を護れなかった自分を「僕はゼルダ姫の剣に過ぎなかった。命を賭けて戦っていたのは彼女だった」と後悔の念を抱く。
ノーマルエンドではゼルダ姫は死亡こそしていないが、トライフォースを見つけるという展開がないため犠牲になった人々は生き返らない。リンクはハイラルを救った勇者として城に招かれ歓待を受けるが、救えなかった者たちのことを考えると素直に喜ぶことはできなかった。城を出て元の日常に戻るが、おじさんのいない小屋の中は彼に孤独感をもたらした。
条件を満たしたハッピーエンドでは、トライフォースを発見して「平和だった頃のハイラルに戻してほしい」と願うことで犠牲となった人々が生き返ることとなる。すべてを終えたリンクはおじさんやサハスラーラと剣の稽古を行い、一人前になったことを褒められるのだった。
小説「黒き影の伯爵」
年齢12歳。幼少期に父親と共に生き倒れになっていたところをホビット族に保護された少年。親は既にこと切れており、リンクは深山幽谷にあるホビット族の村で育てられた。
現在は村の水車小屋で猟師(弓使い)としておじじと一緒に暮らし、スターウッドの森を狩場にして生計を立てている。
幼馴染にはホビットの村医者の娘マイアがおり、旅の仲間には漁師グレッグ、妖精のファニーが登場する。
ある日、森の中でインパがモリブリンたちに追われているのを助けたことで魔王ガノンの復活を知ることに。
既にガノンはアッサム城を滅ぼして国王を殺害し、力のトライフォースを奪い取っていた。ゼルダ姫も連れ去られたが、ただ一人脱出したインパによって知恵のトライフォースは4つに砕かれ秘匿された。
そのことをインパの口から知った長老は、リンクをアッサムへの遣いにする(ホビット族は人間の街に行くことを禁じられているため)。
リンクは村から出たくないと拒否するが、ここで村長はリンクの父親の遺言を告げる。それはリンクの素性に関するものだった。
リンクの正体は、1000年前に魔王ガノンを打ち倒した勇者の子孫であった。父親は旅の商人だったが、その血統は途切れることなく続いている。
突然勇者の子孫と告げられたリンクは困惑しつつもホビットの遣いとしてアッサム城へと向かうのだった。
これがきっかけとなってリンクは魔王ガノンとの戦いに身を投じることとなる。
アッサム城でも僧侶から「ガノンを滅ぼせる現代の勇者」として認められるが、リンク自身は「僕はただの人間」と言い続けていた。しかしゼルダ姫を救う旅に出る内に前向きになり始め、持ち前の正義感から勇者としての心を手にしていく。
道中では魔物の襲撃にピンチとなるが、妖精ファニーが弱点の位置を教えてくれたことで逆転勝利を果たす。ファニーは魔王の呪いによって湖に閉じ込められていたが、恩を感じたリンクによって救出され、そのまま仲間となる。
船を出してもらうために漁師たちの協力を得ようとするが、海はゾーラたちに荒らされて出航できなくなっていた。漁師たちは酒浸りになっておりリンクを追い払おうとするが、グレッグという大男だけは「船を出すなら高い料金をもらうが、腕相撲に勝てばタダで船を出してやる」と口にする。
リンクの細腕では勝てないのは目に見えていたが、それでも勝負を受けたリンクにグレッグはあっさりと負けてしまう。
グレッグはリンクの瞳に強い決意を感じ「将来間違いなく大物になる」と見込み、わざと負けてくれたのであった。
その後はグレッグをゾーラから助けるなどして絆を深め「相棒」とまで呼ばれるようになった。ただしグレッグは海の男のため、基本的には地上の冒険にはついてこないのだが……。
終盤ではガノンの塔に乗り込み、ゼルダ姫が見守る中でガノンと対峙する。当初ガノンは人間の伯爵に化けていたが、真の姿である醜い怪物へと変貌する。
ガノンに弓矢を放つも全く通用せず、一蹴されたリンクは塔から落ちそうになり壁に剣を突きさして持ち堪える。だが今度はゼルダ姫がガノンに殺されそうになる。
直後、土壇場で駆け付けたグレッグによって知恵のトライフォースの最後の破片が手渡され、その力を上乗せした銀の弓矢によってガノンの額を貫き、今度こそ悪の魔王を滅ぼしたのだった。
小説「ゼルダの伝説2 神々のトライフォース」
「ゼルダ姫。あなただったのですか。毎晩僕の夢に現れるあの少女は、ゼルダ姫。あなただったのですか」
高い耳を持ったハイリア人の末裔であり、退魔の剣を引き抜く資格を持つ(この作品ではハイリア人と普通の人間が共存しているという設定。ゼルダ姫はもとより封印戦争に参加した七賢者と騎士団もハイリア人の末裔)。
外見こそリンクだが名前がポールに変更されている。原作で名前を変えられるシステムを反映したのだろうか?
ポールは叔父アトラスから剣の技を学ぶ日々を過ごしていた。本当に叔父との間に血縁があるのか疑問に思うこともあったが、それでも叔父を尊敬して剣を学んでいた。
後にアトラスの正体が判明する。彼は封印戦争の記憶を継承して来た秘密結社【剣士の翼】の一員であった。彼の組織は闇の世界に封印されたガノンに備え、秘密裏に活動をしていたのだ。神父も同志であり、賢者サハスラーラ老はそのトップともいう立場であった。
叔父はゼルダ姫を助けに向かったが力及ばず瀕死となる。ゼルダ姫の声を聴き、叔父の後をついてきていたポールはその最期を看取ることとなった。
死の間際、叔父から残された技である回転斬りを学び、ゼルダ姫の救出を託されたのだった。
夢の中で何度も見た清楚可憐な巨乳美少女のゼルダ姫にはすっかりほの字であり、彼女に対する想いを抱きながら司祭アグニムの陰謀に立ち向かうことに。
やがて長老の孫サハラと出会う。後に親友となる彼はスピアの名手でもあった。未熟なポールだったが、サハラの協力によってマスターソードの試練を乗り越える。そして【剣士の翼】の面々が見守る中、儀式を通して正当な継承者となった。
サハラは死すらいとわぬ覚悟を以てポールを助けてくれていたが、ポールにはなぜ彼がそこまでしてくれるのかわからなかった。そこで思い切って聞いたところ、ポールのためではなく神と崇めるゼルダ姫のためだという。
そう、サハラもまたゼルダ姫に恋い焦がれていたのだ。それも幼少の頃に一度だけ会った姫に対して。
サハラ「きさまは、ゼルダ姫が好きか」
ポール「ああ。好きだ。きみは」
サハラ「きさま以上に」
サハラ「よし。正々堂々とやろう」
ポール「わかった。抜け駆けは無しだ。剣に誓おう」
しかし、ゼルダ姫の言葉を聴いて導かれたのも、マスターソードを手にしてガノンと戦う資格があるのもポールだった。サハラは内心では嫉妬しながらもゼルダ姫のためにとポールを支える。
中盤ではハイラル城の戦いにてアグニムと対峙。サハラはすぐに無力化され、ポールも何もできないまま闇の世界へと落とされてしまう。今まで共闘して来た二人は離れ離れになってしまうのだが……。
ハイラル城を奪還したサハラは、同志たちと共に徹底的に封印戦争について調べ上げる。当時の騎士団がどうやってガノンを撃退したのか。そこにガノン攻略の鍵があるはずだと信じて。
そこへジーロックに囚われていた娘が光の世界へ現れ、ジーロックから「ガノン様は銀が御嫌いだ。銀の髪飾りは外していけ」と口にされたという情報が入る。
ポールはジーロックを始めに各地の魔獣たちを倒して次々と娘たちを救出し、ハイラルへと帰らせていた。そして娘たちが体内に宿した“ガノンの封印を解く波動”を結晶化させたクリスタルを渡されていた(つまり娘たちが狙われる理由は無くなった)。
各地のボスを倒してクリスタルを揃えたポールは、ゼルダ姫からテレパシーを受けてガノンタワーまでやって来る。なぜかゼルダ姫は「助けに来て」「来てはいけない」という相反するテレパシーを送り続けポールを混乱させた。
実はテレパシーは二人の人物が行っており、「助けに来て」と言っていたのがゼルダ姫の声真似をしたアグニムであり、「来てはいけない」と言っていたのが本物のゼルダ姫であった。
まんまと誘き出されたポールはクリスタルを賭けてアグニムと死闘を演じる。アグニムの魔法を跳ね返して勝利するが、アグニムは死の間際にクリスタルを利用し、封印されていたガノンを解放してしまう。
しかし最後の封印は強力だったためガノンは両足を地面に縫い付けられ動けずにいた。
だが最後の封印の鍵となるゼルダ姫はガノンに捕まってしまい、無理やり封印を解放させられそうになる。このままでは完全復活は時間の問題だった。
ゼルダ姫を捕らえたガノンはすさまじい巨体を誇る巨人であった。ガノンからすればポールなどアリも同然に過ぎない。
ポールはガノンを倒すべく立ち向かうが、足元を這うアリにガノンは興味など示さない。その様を見たポールは「ガノンは神だ」と錯覚してしまうのだった(なお、サハラはゼルダ姫を神と見て慕っており、心情は別として対照的でもある)。
ガノンは猛毒の雨を降らせポールは近づく前に体力を奪われて力尽きてしまう。しかし光の世界から駆け付けたサハラが妖精に「俺の命をポールに」と願ったことで復活。
更にサハラは、ガノンの弱点が“銀”であることを突き止めていた。サハラは死の間際、大量の銀によって生み出された銀の弓矢をリンクに託す。リンクはそれを使ってガノンの両目を撃ち抜き毒の雨を封殺。そのまま断崖絶壁と見まごう巨体を登り切り――
「魔王ガノンよ。きさまの悪はその醜さにあるのではない」
「むさぼることしか知らぬ暗黒よ、血反吐を吐け。与え続ける光の前に、きさまらは、必ず費えることを今こそ知るがいい!」
最期はマスターソードの一閃によってガノンの首を切り落としたのだった。
ゼルダ姫は風船のような膜に閉じ込められていたが、ガノンが倒れたことで解放されていた。ポールは親友の側に彼女を連れて行き「僕の親友です。ともに戦いました」と紹介する。
ゼルダ姫は冷たくなったサハラの頬にそっと触れる。その時、一陣の風がゼルダ姫の金髪をなびかせた。その様を見たポールは、ハイラルに平和が戻ったことを感じ取るのだった。
なお、あとがきにて著者は、
「ポールはゼルダ姫のために思う存分戦えたが、サハラにはそれができなかった。
それでもサハラはポールと同じ道を歩もうとして命を落とした。
しかしこの二人に決定的な差はあっただろうか?
ゼルダ姫を救うことが最大の目的ならば、それを果たしたのはポールなのか?
より美しく生きたのは、英雄の振り子が振れたのは、どちらだったのか」
と述べている。
絵本「リンクの大冒険」
「ゼルダひめ、いま たすけにいきます。」
小学一年生で連載されていた絵本。イラストは斎藤純一郎。
リンクの冒険ではなく神々のトライフォースの物語を絵本にしたもの。子供向けということでリンクが幼い少年として描かれているため見た目は完全にこどもリンク。しかもミニスカ衣装なのでなかなかキワドイシーンが多い。
ガノンを倒した後はゼルダ姫にキスをされるのだが、彼女の方は原作通りの外見(王女服)なので完全におねショタになっている。
タイトルがどこかで聞いたような名前と言ってはいけない。
ゲームブック「ゼルダの伝説」
「な、なんでボク、ウサギになっちゃったの~~~~~!?」
初代ゼルダの伝説ではなく神々のトライフォースのゲームブック。アグニムによって闇の世界に引き込まれたところからスタートする。ダンジョンを攻略するたびにゼルダ姫を含めた賢者の娘たちが解放されて行き、リンクに宿って力になってくれる。
ゲームオーバーになっても死亡せず、長老サハスラーラの力で転送されてから体力を回復してもらえる。
ガノンを倒した後、ゼルダ姫と共にマスタソードの返還にやって来る。リンクはもう二度と退魔の剣を引き抜くような事態にならなければいいと願った。
関連タグ
ダイ(ダイの大冒険):ダイの大冒険の主人公。未将崎の作品に登場するリンクと設定が近い。
ポップ(ダイの大冒険):ダイの大冒険の主人公。未将崎の作品に登場するリンクと設定が近い。