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ドフラミンゴ『人身売買』なんてもう古いんだよバーカ…!! 時代は『スマイル』さ」


概要編集

シーザー・クラウンが研究の末に開発したとされる「人造悪魔の実」

オリジナルと同じように食したものに異質な能力を発現させる作用を持つが、SMILEの能力者は「〇〇の実(モデル△△)」ではなく「(動物名)のSMILE」と表現される。


ドレスローザ地下にはこのSMILEを量産するための工場が建造され、シーザーがパンクハザードにて秘密裏に製造していた薬品「SAD(エスエーディー)」を流し込んだリンゴのような果樹に吸収させ、騙して協力させたトンタッタ族にそれを育てさせることで栽培・量産させていた。

トンタッタ族の面々曰く「とても不自然な果実」らしく、あらゆる植物を育てられる栽培能力を持つ彼らが育てて実際に使えるようなものは全体収穫量の10分の1以下しか採れなかったという。

完成したSMILEは裏ルートにて売買され、最大の得意先である百獣海賊団はこれによって500人を超える能力者の獲得に至っている。


しかし、麦わらの一味ハートの海賊団(というよりこちらはトラファルガー・ロー一人)の活躍によって唯一SADを製造できるシーザーは拉致され、パンクハザードのSAD製造室もドレスローザのSMILE工場も完全に破壊。

さらに取引を主立って企てていたドンキホーテ・ドフラミンゴもルフィとローに倒され、ファミリー諸共海軍逮捕されたため、生産と流通は完全に停止してしまった。


裏社会ではSMILEの取引の停止に怒り、その原因となったルフィたちを激しく憎む者が多数現れた。中にはドレスローザ近海まで船団を率いて現れた者もいたものの、彼らはたまたま居合わせた「大将"藤虎"」ことイッショウによって全滅させられた。


オリジナルとの違い編集

オリジナルの悪魔の実が唐草模様を描いているのに対し、SMILEの果実は無数の二重丸のような模様がついたリンゴ、といったところ。

本来悪魔の実は"具体的にどういう味か"は不明ながら、ルフィはシャンクスに詰問されている際「不味かったけど…」と呟いており、CP9のジャブラは「糞みたいな味、マジで糞」と熱弁、カクとカリファは顔を真っ青にして「不味い…」と体調を崩しているなど、常軌を逸してとてつもなくマズイ事だけは明かされている(バギーは丸呑みにしてしまった事や大金が台無しになったことで気が動転していてそれどころではなかったせいか味に対する言及をしていない)が、SMILEを食べたおこぼれ町の住人が「なんてうまいリンゴだ!!」と絶賛しながら食べていた辺り味もそれなりに良質なリンゴのそれに近いと思われる。また、食べた者は海に嫌われカナヅチになるという弱点もオリジナルと同様だが、それ以外にも複数のリスクを伴う。


リスクその1編集

「能力を意のままに扱うことができない」

SMILEの能力者は、オリジナルの動物系悪魔の実の能力者と違い、体の一部分を何らかの動物の姿に変身させる事ができる反面、その全身を特定の動物の姿に変身させる事はできない。また、変身させられる部位は個人によって異なる上、どの部位に変身させられるかはランダムらしい。

そのため腕が羊の角になったり、下半身だけが草食獣のそれであったり、ひどいときには動物の体に人間のボディが生えてるような格好だったりと、最早能力者であることを差し引いても異形且つ異質で、そもそも外見から見ても能力者」というより「キメラ」という表現の方が正しいかもしれない。

また、火を吐くライオンという絶対に普通の動物なら持ち得ない性質を持ったものも確認されている(現状該当者はホールデムのみだがこの先さらに登場する可能性はある)。

 

もっとも、これはオリジナルの動物系悪魔の実の一部にも見られる性質。

そもそもが普通の動物ではない幻獣種はともかくとして、ヘビヘビの実モデルキングコブラは自ら発火でき、ウシウシの実モデル麒麟はキリンのくせに亀のように首を押し込めることが可能(しかもそのぶん手足が伸びる)という奇妙な特性を持つ。


能力者の中には常時変身している者も見られるが、変身を解けば不都合を回避できるはずなのにそれをしようとさえしない点を見ると、変身したまま普通の姿に戻れない者もいる可能性がある……というか、後に「Road To Laugh Tale Vol.4」にてSMILEを食べたニ牙は一生そのままの姿となるとヤマトが明言していたのでその説は確定した。

一応シープスヘッドなど能力のオン・オフの切り替えを任意で行えるSMILE能力者もいるようだが、劇中に登場したキャラの比率を考えるとこれは相当稀有な例であると思われる。

おまけに動物の頭部が現れるものはその頭部が能力者本人とは異なる意志を持っており、そのせいで能力者本人に動物側が反逆したり、勝手な行動を取ったりすることもある

ホールデムは腹の「噛次郎」に股間を殴られドボンは下半身が下顎と一体化しているカバが勝手に口を閉じてその中の上半身が入り込むせいで会話もままならない始末である。


このような性質が前述のリスクの一環を指しているとすればオリジナルの悪魔の実よりはるかにギャンブル性が強い代物といえ、SMILEの能力者は普通の悪魔の実の能力者以上に人間を辞めているようにしか見えない。

お玉能力で作ったダンゴが通用し、懐いてしまう(彼女曰く「人間に効果を発揮した事は無い」と証言している)など、本当に「人間」として認められるのか怪しい描写さえ見られる。

なお、任意で変身させられる部分はまだら状の模様に覆われているのも特徴である。

しかし中には原種の悪魔の実より恵まれた変形を持つ場合もあり、本来飛行能力を持つ動物系悪魔の実の能力者は、腕が翼になる関係上飛行中は手が塞がる。しかしバットマンのように背中から翼が生えて手が自由に使えるなど本来のコウモリの悪魔の実(バットバットの実?)より優れた変形がある場合もある。



リスクその2編集

「食べても必ず能力が得られるわけではない」

悪魔の実の力を人工的に再現・量産したと言えど、それは決して完全ではないため、能力を発現するのはせいぜい10人に1人

そのくせ「既に誰かが食べた状態の実は能力を得られない」事、ハズレだろうと悪魔の実を食べた事に変わりはないので「他の実を口にしようものなら死あるのみ」という欠点はしっかり再現されているのがまた悲惨。

※もし能力者が別の実を食べた場合、能力同士が体内で喧嘩を始め、体が耐え切れず木っ端微塵になって死亡するらしい。(例外はこいつだが詳しい理由は不明)

 

つまり、SMILEは全収穫量の1%しか本来の用途を満たせないのだ

割に合わない商売にも思えるが、彼らの事なのでいくらでも口実は作れるだろうし、トンタッタ族の人件費(実質奴隷なのでゼロ同然)や食費も常人よりはるかに少なくて済むのは間違いない。

そして本来のルートなら悪魔の実は1個1億ベリーを下らないレートで取引されることもあってドフラミンゴとシーザーはボロ儲けしていた(いくらで売ってたのかは不明)。


リスクその3編集

「能力を得られなかった場合、笑顔以外を失う」

一番のリスクがこれ。

能力者になれない者は「笑顔以外の表情を失い、どんなに憤っても悲しくてもひたすらばか笑いすることしかできない」という副作用に死ぬまで苦しめられる

この副作用こそが「SMILE」という名の由来であり、原料である「SAD」は偶然か故意か「悲しみ」を表す単語である。この副作用は既に食され効力が食べた者に移った後も消えない。

つまり、「たとえ食べたとしても能力を得られる確率は低く、得られなければデメリットだけを一生負う羽目になる」のである。

百獣海賊団と協力関係にあるオロチはこれを利用し、圧政と土地の汚染に咽び泣くおこぼれ町(えびす町)の住人に支給される食料にSMILEの食べ残しを混入させ、笑顔以外の表情を奪った(汚染のせいで安全な食料に乏しく飢えていた住民はリスクにうすうす気づいても食べずにはいられなかったという)。

不幸が起ころうともそれを表情に出せないため、日和は「これを地獄と言わずして何というか」と訴えている。

文字通り全ての感情の出力が笑顔になるため、「悲しかったり辛いのに笑ってしまう」→「その事に動揺したり、笑うしかない事に更に悲しくなったりすると笑う時間が長引く」という最悪の誘い笑いの無限ループが発生することになる



以上のように、実を食べた際に能力を得られるか否かという部分を見た成功率だけでも僅か10%程度しかない上で、失敗すれば笑顔以外すべての表情を失う地獄に堕ちる、仮に成功しても高確率でまともな人間としての肉体を永久に失うという、最早ギャンブルとすら呼べないようなリスクだらけの危険物となっている。

ギフターズを相手にしたゾロが「層が厚い」と評していたため、百獣海賊団のような大組織が使い捨て前提のような形で雑兵の戦力増強を図るのには有効であったと言えるが、個人や少数精鋭組織の視点で考えるとただ危険極まりないだけの代物と言わざるを得ないだろう。

実際、SMILEの製造と流通を担っていたドフラミンゴが傘下を含めて自分の部下には誰一人SMILEを食べさせていなかったことや、百獣海賊団においてもギフターズにはそれなりの地位を得た者もいたが、結局上級幹部である飛び六胞大看板にはSMILEの能力者が1人もいなかったことが、この実の本質と限界を物語っていると言えるのかもしれない。

一方でカナヅチ程度のデメリットは大した事は無い上、海に落ちなければ良いだけの話である他、事情を知らない敵からして見れば、ギフターズは異形の敵と戦う事となり、プレジャーズもどの様な状況でも笑いながら集団で敵に突撃する事で恐怖心を与え士気を低下させるなど、集団戦や心理戦ではタクティカルアドバンテージを得られるとも言える。


作中で登場したSMILE能力者編集

以下、特に言及がない場合は百獣海賊団所属。

メンバーの多くはトランプゲームに関する名前が付けられている。


ジャック軍

名前階級動物名発現箇所
シープスヘッド真打ち両腕が角、髪が羊毛風になる(任意発現型)
ホールデム真打ちライオン腹に頭部・前足、尻に尻尾
スピード真打ち耳、下半身(ケンタウロス型)
バットマン兵卒蝙蝠耳、下半身が蝙蝠の体(尻尾が生えて足の間に皮膜、足の外側に翼)
ガゼルマン兵卒ガゼル
マウスマン兵卒耳、後頭部
スネークマン兵卒ヘソから上半身
シープスヘッドの部下兵卒左手が頭部(任意発現型)

この他に腕が蟹の鋏、類人猿の腕、ハリセンボンのように棘状となっている者、胸部がウサギの頭部となっている者、右腕、左腕それぞれが蛇(後者はコブラ)、手先が狼の顔に任意変身できる者も登場している。


クイーン軍

名前階級動物名発現箇所
ババヌキ真打ち「囚人採掘所看守長」胸に頭部
ドボン真打ち「囚人採掘所副看守長」カバ下半身が直接頭部の後ろから生えているカバの口の中から人間の上半身が生えて人間の足が下顎の下から生えている。顔もカバに似ている
ソリティア真打ち「囚人採掘所副看守長」腕が6本、尻尾
クラブマン(名前はアニメより)囚人採掘所の錠の鍵番手が鋏、足が6本、目が本物と同じ形(目の上の部分はへこむ形になっている)
ダイフゴー真打ち「囚人採掘所副看守長」足が6本、髪が尾の形
アルパカマン囚人採掘所看守アルパカ首から上
マジロマン囚人採掘所看守アルマジロ背中に全身が張り付いている、二の腕にも甲羅板らしきものが並んでいる

他アニメオリジナルで熊の能力を(熊の体に口の中に人間の顔)発現したベアマンが登場している


それ以外

名前階級動物名発現箇所
さらへび先生オロチカイドウの部下首が蛇のように伸縮自在で、蛇のような舌と牙を持つ
バオファン真打ちムササビ尻尾以外は未確認
ハムレット真打ちキリン顔のないキリンにハムレット本人が背中からドッキングしたような格好。また頭にはキリンの耳と角がついている
フォートリックス真打ちニワトリほぼ全身。というより後ろ向きのニワトリの尻から顔と腕が出ているような格好
ブリスコラ真打ちゴリラ左腕からゴリラの上半身が出ている
ミゼルカ真打ちゴリラ足のないゴリラの腹に両手と腰が埋まっている
ポーカー真打ちガラガラヘビ左足がヘビの尾、右足が頭、両肩から胴体が生えている
カイマンレディメアリーズワニ足からワニの頭が生えている
ニ牙ナンバーズ下半身が馬になっている
保井さっ左オロチ専属の駕籠舁き下半身が馬になっている


ベガパンクの人造悪魔の実編集

シーザーがSMILEを完成させる前にベガパンクが試作品として作り出した人造悪魔の実。失敗作であったらしく、ガラスケースの中に密閉されて保管されていたが、空腹に耐えかねたモモの助がケースを割って食してしまった。


前述したように「失敗作」という話であったはずだが、これを食べたモモの助はしっかり動物系能力者らしい力(しかも明らかに『幻獣種』)を獲得している。

また、能力を上手く制御できてはいないものの完全な人型と獣型の姿に変身する事ができており、自覚こそないものの獣型であれば幻獣種らしい能力を行使する事もできている。そしてやっぱりカナヅチ。

人獣型への変身は出来ないようだが、この点でもSMILEの「人間と動物の中間の姿にしかなれない」点と正反対である(ただしこれはモモの助自身が変身能力を使いこなせていないだけの可能性が高い模様)。

以上のように明らかにSMILEよりもオリジナルの悪魔の実に近い性質を発揮しているのである


最初の変身時幻覚に駆られて錯乱する描写があったものの、長らくどのような点から「失敗」と判断されたのかについての言及は無く、そもそもベガパンク自身が失敗作と断じたのか、それともシーザーが勝手に失敗作と言っているのかも不明だった。

ただ、この人造悪魔の実から抽出されたデータが「SAD」の製造に利用されていたらしいので、シーザーからすれば誰も手出ししないようにするために「失敗作」と伝え、ガラスケースに入れて管理していた方が都合は良かったのだと思われる。


その後、エッグヘッド編にて開発者であるベガパンク本人が登場し、彼の口から遂に事の真相が語られる。

結論から言って「失敗作」と断じたのはベガパンク本人。そしてその根拠は「悪魔の実の完璧なコピーを作ろうとしたものの、成分まで完全に同じものを生み出す事は出来なかったため」とのこと。しかし、それによって生じた不都合はどうやら「変身時の体色が本来のものとは異なる」程度らしく、逆に言えばそれ以外はほぼ完璧。それでも徹底的な完璧主義者であるベガパンクは出来栄えに納得できず、失敗作として死蔵する事となった模様。


体色くらいどうでもいいのでは?と思われるかもしれない(実際、事の次第を本人から直接聞いたルフィやジンベエもそのような反応だった)。

しかし、作中世界最大の頭脳と超技術を持つベガパンクほどの科学者でさえ悪魔の実の「完全」な再現は未だに不可能である事も事実であり、それだけ悪魔の実が異質な存在であるという証左とも言える。

また、悪魔の実の複製自体はかなり研究が進んでおり、動物系だけでなく超人系も(能力者の血統因子を採取し、そこから特殊な血液を生成し投与すれば)不可能ではない域にまで来ているという。それでも自然系はまだまだ難しかったり、覚醒については未確認であったりと、完全なレベルに至るには現在以上の莫大な研究資金と時間が必要である模様。


なお、ベガパンクに言わせればシーザーのSMILEについては「論外」と一蹴している。自分では納得していないにしても、9割方オリジナルに近付ける事に成功したベガパンクからすればそんな評価になるのも当然か。


ちなみに編集

ギフターズ達が宿すのはいずれも現在生存している実際の動物で、「絶滅動物のSMILE」や「想像上の生物のSMILE」は一人もいない事に気づいた人も多いだろう。

だがそれもそのはずで、SADは「様々な動物から抽出した血統因子を混ぜ合わせた」もの。そのため元々現存していない生物(幻獣種古代種)の血統因子は抽出しようがなく、必然的に現存の動物に限られるのだ。

 

ちなみにパンクハザードにはベガパンクが造った人工ドラゴンがいたので、その気になればそこから血統因子を抽出して「ドラゴンのSMILE」くらいはできたと思われるが……シーザーでも抽出できなかったのか、単にベガパンクに対するプライドが許さなかったのか。なおモモの助が食べた「失敗作」はカイドウから抽出された血統因子を使って作られたものなので、幻獣種に相当する能力を得られたのはそのため。


絶滅種の血統因子の抽出に関してもリトルガーデンに行けば可能と思われるが、作中では行われていなかった模様。

 

関連項目編集

ONEPIECE 悪魔の実 動物系 血統因子 笑顔 鬱展開


開発者

シーザー・クラウン


販売者

ドンキホーテ・ドフラミンゴ


利用者

カイドウ


キリンライアンの角…ある意味SMILEの亜種と呼べるアイテム。


マポマポの実…他作品に登場した人造悪魔の実。味は悪くない、食べた者の精神に異常をきたす点がSMILEと共通しているが、見た目及び能力は超人系であるゴムゴムの実とほぼ同一。また、数日で元に戻る。

リオネル…強制的に笑顔にする飲料。SMILEと違って笑顔は一時的なものだが、もう1つの効果がSMILEとは別の意味で有害となっている。


































???とある登場人物が食していたことが判明した悪魔の実。「獲得した能力が常時発動でオンオフの切り替え不可」「能力者はその時点で抱く感情に関係なく常時笑顔になる」「フザけた見た目と戦い方を展開する」等、SMILEのメリットデメリット双方を融合させたような効果がある。

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