豊聡耳神子
とよさとみみのみこ
「人間が私の存在を否定し、伝説となる時を待っていたわ! さあ私を倒して見せよ そして私は生ける伝説となる!」
「それはそうと、千四百年も経った外の世界で私の偉業はちゃんと伝えられているのかい?」
概要
種族 | 聖人 |
---|---|
二つ名 | 聖徳道士(神、求) 宇宙を司る全能道士(心) 天資英邁の仙人(茨) 怪奇!二色マント魔人(深) 全能で人の為に動く道士(憑) |
能力 | 十人の話を同時に聞くことが出来る程度の能力 |
危険度※ | 低 |
人間友好度※ | 極高 |
主な活動場所 | 神出鬼没 |
登場作品 | 『東方神霊廟』Stage 6ボス 『東方心綺楼』自機 『東方茨歌仙』 第18話「宗教家としての仙人」 『弾幕アマノジャク』最終日 『東方深秘録』自機 『東方憑依華』自機 『秘封ナイトメアダイアリー』悪夢日曜ボス |
テーマ曲 | 聖徳伝説 ~ True Administrator |
※ただし危険度や人間友好度などの評価は作中の登場人物である稗田阿求による。
命蓮寺の墓場の地下にある霊廟から復活した仙人。別名、聖徳王。
最近急に架空の人物にされかかっているので幻想郷に引越ししてもらった。(ZUN談)
青娥は彼女の事を「豊聡耳様」と呼び、布都には「太子様」と呼ばれる。
「豊聡耳」の逸話の通り、馬小屋にて生まれ(※)、幼い頃から役人の訴えを全て聞き理解し、的確な指示を出すことが出来た。
このため聖人として持て囃されるようになるが、死んでいく人間の運命に不満を持つ。そこへ評判を聞きつけてやってきた霍青娥から道教を伝えられ、信奉する。だが道教では誰でも修行すれば仙人になれるため、政治には向かないと渋ったところ、青娥は表では仏教を普及させ、裏では神子たち権力者のみが道教を信仰すればいいという策を練る。
それを採用し、自らは道教の研究を進め超人的な力を発揮し、数々の伝説を作り上げた事は知るところである。また不老不死の研究も行い、その過程で錬丹術にも手を出した。
だがそれが祟り、錬丹術に用いる危険な薬剤(水銀など)によって逆に体を壊してしまう。
尸解仙(しかいせん)となる決意をするも、尸解仙になるには一度死ななければならず、仮にとはいえ死ぬことに恐怖した彼女は同志であった物部布都に頼んで実験台となってもらった。そして死してなお朽ちることのない布都の亡骸を見て成功を確信すると彼女もまた宝剣を身代わりにして尸解仙の法により眠りについたのだった。
しかし仏教の力ある僧侶達は神子の死を怪しみ、復活を恐れて霊廟の上に寺を建て、彼女の復活を妨げ続けた。それを知る由もない本人は焦ることはない、いつ復活しても良い、と眠り続けていた。
やがて彼女の伝説が架空のものだと言われ始めるようになり、信仰を求め霊廟ごと幻想郷に移転する。
すると今度は妖怪の味方である聖白蓮が神子の復活を阻止しようと霊廟の真上に命蓮寺を建ててしまう。それでも復活を目指す彼女の周囲には自らの欲を叶えてもらおうとする神霊が集まる。これが神霊異変の発端となった。そして聖は彼女の力を抑えきれず復活を果たす。
実は本人はもう少し眠っててもよかったらしい。復活した理由は聖がその真上に寺を建ててしまった事だという。
聖は寺の立地をナズーリンに相談したところ、人間の里の近くの地下になにかヤバイものが埋まっていると教えられた。調べて行くうちにそれがかなり強大なものだと分かり、聖はそれを封じるつもりで真上に寺を建てた。だが力不足で完全に封印することはできず、逆に神子を刺激してしまい、結果的に復活を早めてしまう結果となってしまったのだ。
ちなみに響子はこの一部始終について何も知らなかった。また聖も地下に埋まっていたのが聖徳王とは知らなかったようだ。幽々子も妖夢から異変の詳細を聞かされた際彼女の感想は「1400年前の人が蘇ったの 素敵で羨ましい」であり、どうも彼女も知らなかった様子。
※実際に馬小屋で生まれたわけではなく、聖人としての格を上げるために十字教の聖人のエピソードを拝借して作った話らしい。
『東方心綺楼』では、人間の里の秩序が乱れ、人間の心から希望が失われているという異変を察知。邪魔な同業者を倒して人心を掌握し、自らが希望となり世界を救おうと考えた。
しかし、活動を行っている最中で異変の原因が感情を司る能力を持った妖怪、秦こころが希望の面を紛失し、能力の制御が効かなくなったためと判明。
更にその妖怪が、過去に神子が部下に贈った自作のお面に宿った付喪神である事を知り、ならば新しいお面を作ってあげようと本人に対して提案し、異変は終息に向かい始める事になった。
後日、約束通りお面を作って本人に渡したが、そのお面のデザインがとてもすごい物であったため新しいお面を見た霊夢をドン引きさせる事に。(作った本人は自信満々でドヤ顔を決めていた)
一応、ちゃんと精魂込めて作ったものらしくこころも出来に関しては「完璧」だと評していた。
余談だがこの作品での神子は上記の件も含め、やたらとネタな要素が多い。
具体的には立ち絵がやたらとキラキラしている(布都もそうだが神子ほど多くは無い)、神子に変身したマミゾウが「たわむれはおわりじゃ」という巨大化するスペカを使う、戦闘勝利後にどこかの悪役を彷彿とさせるような妙な高笑いをする、特技ケージのアイコンが外人四コマになってるなどと盛り沢山。
ちなみにアホの子扱いされる事が多い布都の方は、そういう要素は寧ろ控えめになっている。どうしてこうなった。
お面を作った本人であるため、関係としてはこころの親という存在に近い。こころ曰く「神様」。
続編の『東方深秘録』では都市伝説の「赤マント青マント」を使用しており、「オカルトアタック」ではマントを使って相手を取り込み、左右に表示される「赤(打撃強化)」か「青(射撃強化)」かを選択させるのだが、バージョンアップにてそれまでワンパターンだった選択肢が増え、赤青の左右逆表示から赤色で青マントを、青色で赤マントを表示するという悪質なひっかけ問題まで登場した(おまけに選択時間も減少している)。
ただし、今作の神子はストーリーとしては聡明な振る舞いをしている面が強く、裏の答えとして「黄色」を選んだなら「ミカン」をあげようと用意していたなどお茶目な一面も垣間見えている(VS神子のレア勝利台詞より)。
作中ではその聡明さと現地調査とで独自にオカルトボールの仕組みの理解や影響のメカニズムの理解に到達しており、あとは一連の騒動の元凶とその目的を直接知るまでの段階となっていた。作中では本作以前から縁の深い命蓮寺関係者や神霊廟関係者以外のストーリーにも重要な位置づけで登場することもある。特に白蓮との意見の対立と対峙は本作でも描かれており、互いの「らしさ」を認めつつも手段や過程を異にする二人の様子が見られている。例えば先述のように神霊廟が「 蓋 」をされていた件なども持ち出して白蓮の姿勢に皮肉を飛ばす一幕もある。
先述のように雰囲気に合わせたノリの良さや勝利ポーズの三段笑いといった表情の豊かさもまた本作でも健在。またこちらも先述のように『心綺楼』では巨大化したのは他人だったが、本作ではついに本人の巨大カットが登場した(<*世紀の怪人 赤マント青マント*>)。
時には予想外に金銭の話題となって驚いたり、自身の功績が外の世界で以後きちんと伝承されているかについて気にかける一幕もあるなど、神子の様々な表情が描かれている。また『心綺楼』ではこころの存在や行動に驚かされたが本作でもこころの思わぬ成長に驚かされることとなる。
デザインとしては先述のようにオカルトにもマントと深く関係したものを選んでおり、立ち絵においても上半身をマントでくるみ、その内側から手で裾を口元に寄せるポーズがあるなどマントを応用した特徴的なカットもある。
さらにPS4版『深秘録』ではオカルトボール消失以後も引き続いた都市伝説の怪異の調査を続けているうちに神子は永遠亭へとたどり着いている。その際には神子は永遠亭の無限回廊の仕組みを見破り、本気かブラフかは不明ながらその術を破ることができるとしている。永遠亭勢力の内実や当日の鈴仙の発言からするに、永遠の術は輝夜の手によるもの。
神子はこれ以前から永遠亭には警戒的に目をつけており、霊夢が別の怪異の調査のために神子のもとを訪れた際には、永遠亭の面々を指して「 何を企んでいるのか判らない上に 味方とは限らない奴ら 」と評して霊夢の視点を永遠亭へと向けさせている(『茨歌仙』)。
『東方憑依華』では異変調査のためにコンビを組んだ白蓮とともに幻想郷を回って完全憑依の調査をはじめ、勝利を、時には敗北も重ねながら完全憑依の真相に迫っていく。神子らの調査には布都や一輪も同行しており、完全憑依の仕組みを探る実験には二人の力も用いた。
さらにドレミーとの接触を通してはPS4版『深秘録』時点で神子が予測していた都市伝説異変から生じるより大きな混乱の実態も知ることとなり、危機感と解決への意思を新たにしている。
また本作でも支持者拡大に余念がなく、後述のような演説を通して「 営業 」も行おうとしている。
一方でその超然として自信に満ちた姿勢と聡明さのゆえに弁も立つ立ち振る舞いから針妙丸からは「自分のことを最も偉大だと思っている仙人」とされたり、PS4版『深秘録』で防衛体制を敷いていた永遠亭に踏み込まれたこともあって夢の世界の鈴仙からは「 口から生まれた邪仙 」呼ばわりされたりもしている。
『東方求聞口授』における白蓮や神奈子らとの対談の際には今日の幻想郷の人間の里における人間の統治者の不在を指摘し、為政者として起つこともやぶさかではない様子も見せた。霊夢などは上記のようなその後の『心綺楼』騒動もあって神子が人心掌握に走る可能性を命蓮寺の動向と併せて警戒している(『東方外來韋編』)。
神子個人は講演活動もしている様子で、「文々春新報」が取材した機会によれば、神子は自身の敵対勢力の存在とその陰謀を訴えつつそれらに屈せず自らが人間を統治すると発言した、とされている。
その主張やセリフは外の世界のどこかの「 大統領 」と酷似している。
余りに酷似しているのには理由があり、それは「文々春新報」発刊自粛という結果に結びついてもいる。
要は、神子はそんなことは「一言も言っていなかった」のである。
神子の主張は、射命丸文によって完全に「 捏造 」かつ別人物の「 丸パクリ 」に変えられてされてしまっており、後に文もその暴走を反省している。
実際の神子の講演会のテーマはもっと別のところにあった(『東方文果真報』)。
種族
容姿
獣耳かと見紛うほど2つに尖った金髪ないし薄い茶色の髪に「和」の文字が入った耳当てをしている。これはヘッドホンではなく遮音用イヤーマフであり、能力による聞こえすぎのリミッターであるらしい。ちなみにケロ帽と同じく、バネが仕込んである模様。特定の場所や方角に絞って音を拾うという機能もあるらしい。
ノースリーブ(腋神子)の薄紫に、スカートの紫色は聖徳太子の制定した冠位十二階の最上位の色に対応しているものであろう。ちなみに元からこの服装なのではなく、蘇った時に現代風にアレンジした服装が今のこれらしい。
髪型のモデルは、十七条の憲法の二条、「篤く三宝を敬え、三宝は仏法僧なり」の一節のように、「仏法僧(ブッポウソウ)」と啼く鳥、コノハズクの羽角のようだ。恐らく色と羽角の形からインドオオコノハズク(→参考リンク)と思われる。なおコノハズクなどのフクロウの仲間は猛禽類にあたり生態系のトップに位置する。ZUN氏曰くこの髪型はヘッドホンで隠れた耳の代わりにつけたとの事。
腰には柄に太陽を象った剣(通称、七星剣)を携え、手には笏(しゃく)を持つ。この聖徳太子の笏は、ZUN氏のイメージでは根性棒で「戯れは終わりじゃ バシバシ」とあれで叩くイメージだと語っている。
『東方心綺楼』ではマントを羽織っている。→心綺楼神子
性格
一人称「私」、二人称「君」。しかし実力者と認めた者に対しては「貴方」を使う。聖人に相応しく物腰丁寧で礼儀正しい。
『心綺楼』含めそれ以後の作品では「お前」との呼び方を使うこともある(例えば『深秘録』や『茨歌仙』。それぞれ白蓮等や霊夢に対して)。
地位相応で責任感も強い。『心綺楼』の異変で希望の面の紛失が異変の原因と気付いた時も「私が新しい希望の面を作ってやろう。そもそも河勝のお面は、元をただせば私が作った物だからな」と発言し、その後こころが暴れた後は「元をただせばこいつの不始末は私の責任だ。今すぐただの道具に戻してやろう」と発言するなど、自分が原因で起こった不祥事は自分の力で解決しようとする姿勢が見られる。(ちなみにその部分はこころの方にも受け継がれている)
『神霊廟』でも戦闘後に、霊夢に対しては引越しの挨拶も兼ねて対戦時の非礼を詫び、仙界に建てた自身の家に招待するなどその様子がちらほらと見受けられる。
早苗は違う未来では異変後圧倒的なカリスマの持ち主である彼女に当てられ、改宗したと解説されている(最初は自身の信仰模索もあったのだがいつの間にか信仰してしまった)。一時彼女の道場で修行をする(道教も仏教も知らずして自身の信仰増大はないとも悟る)。
また戦後魔理沙が欲の小神霊を扱えるかどうかの欲を受け止めるレクチャーをするなど気さくな一面も見せる。(結局魔理沙は小神霊の欲の声を捌ききれず扱えなかったが)
霊夢、魔理沙、早苗に関しては本質の把握は正しかったが、それを踏まえて勝手に話を進めていき、特に最初から生と死の欲が無い半人半霊の妖夢に関しては本質の把握を間違え、間違っている事を妖夢が指摘しても全く話を聞かず勝手に話を進めていた。その理由を妖夢自身は「自分は既に半分死んでるから」と語ったが彼女の主の亡霊の幽々子は異変後尸解仙の話を彼女から聞いて自分も試みようとするなど(独学でやり数日で飽きたが)死んでいるから生死の欲はないなどは不明。
本編では寝ぼけていた、欲が見える能力に目覚めたばかり、という事も手伝ってか相手の話を聞かずに話す、というパターンが目に付く。Stage5ボスしかり。彼女自身も霊夢に神社を訪れた際寝起きで判断力が鈍っていましたと謝罪している。
設定上は上記にもある通り相手の話を聞いて理解し的確な指示を出すことが出来る。ただし復活後もなかなか寝ぼけが抜けないらしい。
『心綺楼』や『深秘録』などでは『神霊廟』や『茨歌仙』初登場時とはまた異なる表情が描かれており、こちらでは話し方を含めより中性的。『心綺楼』では先述のような柔和な語り口も見られるが、『深秘録』ではほぼカリスマフルな振舞いである。
特に『深秘録』の様子では「 尊大 」と評されることもある(針妙丸評、『深秘録』)。
実際の聖徳太子の言葉として「和を以て貴しと為す」があり、神子についても『神霊廟』STAGE6のステージタイトルの「和を以て貴しと為す」などでこれを見ることが出来る。
神子は「和」について見解を述べており、例えば『憑依華』では次のようなものだとしている。
「 いつも和を尊べって言ってなかったっけ? 」(華扇)
「 それは 我に逆らうなと言う意味だ 」(神子)
「 ああ、そういう…… 」(華扇)
この他神子もまた他の存在達と同じように夢の世界にも神子の存在があり、ドレミーは夢の世界の神子の姿を通して現側の神子に「本当は排他的に幻想郷を支配したい」のではと問うている(対神子勝利セリフ、『憑依華』)。夢の世界の神子はドレミーによる人物評の通り排他的、あるいは「 悪 」に対しては過激な立場も辞さないもので、夢の世界の神子は天道に対する使命感が先鋭化した形でも表れている。その一方、夢の世界の神子は現の神子は清濁併せ呑み、神子の思う「 悪 」でさえ上手に活用しようとするであろうことを予想している。
またこの他の神子の感情面も垣間見ることのできるものとして『憑依華』において先の『深秘録』から語られている都市伝説異変の発端が月の都のもので、幻想郷は騒乱の巻き添えの被害をうけていると知った際には強い不快感、あるいは神子には珍しく怒りも示しているといったケースもある。
自分達の研究の成果部分だけを掠め取ろうとした八雲紫には強い失望の念を表明したりもしており、人々の前で健康について熱弁し、お菓子の管理の大切さを懇々と説く神子(『文果真報』)とはまた異なる表情である。
能力
十人の話を同時に聞くことが出来る程度の能力
文字通り人間の話を十人同時に聞いて同時に理解するだけでなく、適切なアドバイスまで与えられる能力。人間のみならず神霊の話も10体同時に聞くことができる。
彼らの欲を10体同時に理解することによってその欲が本人を形成してきた要因を瞬時に読み取り、その者の本質を把握できる。それによってその者の過去を遡って調べることができるどころか、近未来の予知まで行うことができるようだ。ただしそれはその人が本来持つ10個の欲がすべて聞こえている時だけ可能であり、欲が無かったり欲が欠けていたりすると予知が歪んでしまうという欠点がある。
書籍『求聞口授』によると、この能力は「人の欲している事を察する力がずば抜けて高い」ことによってもたらされるものだと推察されている。
こう書くと古明地さとりの心を読む程度の能力と似ているように見えるが、心を読む力が記憶や今の考えを読むのに対し、神子の力は対象の資質と未来を読み取るものだとされている。
四季映姫の「浄玻璃の鏡」の能力にも似ているが、亡者の生前の所業を全て明らかにする鏡に比べると正確さには欠けている。とは言え寝惚けて判断力が鈍っていた事と信仰補正で手に入れたばかりの能力のため、まだ使い慣れていないのかも知れない。
順序立てて聞くと考えが変わってしまうため、十の話を同時に聞ける彼女ならではの能力である。彼女曰く「人の考えは時と共に変わり 順序づけて聞くと結果が変わってしまう。そのため十欲同時に聞かないと本当の姿が見えてこない」とのこと。また十欲聞かないと何もかもがわからないわけではなく妖夢の十欲の内二つが足りないと指摘するなど十欲の個々の欲望の把握はできる模様。
また能力とは別に超人的な聴覚の持ち主であり、普段は聴こえすぎるためにリミッターとしてヘッドホンを着用している。
◆道教による超人化
白蓮の封印を破ったことによって生まれた可能性。
早苗の言によれば、欲の小神霊を集める事は人間の強い欲や祈りを集める事と同じで、それは信仰を集める事と同義であると話している。それに従うならば、その幻想郷中の欲の小神霊を全て吸収した事と、神霊という神と同じく信仰が強くなると力を強める種族特性もあわせ相当力が上がっていると思われる。
また完全吸収前でも青娥は霊夢に弟子入りする為に神社を訪れた際に彼女に「(あなたの力が)豊聡耳様にも引けを取らないとは」という旨の発言をしている。(戦後も小神霊はまだ集まってきており彼女が人里に来るまで現れ続けたようである)
更に、バッドエンド時とはいえ霊夢は強い力に幻想郷の危機を覚え本格的な準備が必要と一旦撤退し、魔理沙は今までの敵とはオーラが違うと言い知れぬ物を感じ一旦撤退。早苗は聖徳王と知り手に負えないと撤退し、妖夢は投げやりになるなど破格の評である。伝説・通説などからも計り知れない力が窺い知れる。
後日談
『神霊廟』の異変時に集まった神霊は、本当の意味での神霊ではなく、欲霊の小神霊である。まだ神様になる前の段階の霊で、祈りから生まれ、現れては消えるを繰り返す儚い存在である。
幽々子によると神霊の子供・欲の塊・霊ではない。とのこと。本物の神霊になろうとしており、神子の復活の恩恵に与ろうと霊廟に集まってきている。それはまるで星空のように見えるほどの数である。
それは妖夢の話によると自身の体からのみならず幽霊含め幻想郷中の全ての生き物から生まれているとの事。原因は神子曰く「毎日十の欲望を同時に聞かされている為か自分の元に独りでに欲望が集まってくる」からとか。
異変時に集まった小神霊は祈りや強い欲から生まれ、意思を持ち、言葉を話し欲を訴えてくる。神子はこの小神霊から能力で欲を読み、様々な情報を得たようである。そのため幻想郷中から小神霊が霊廟に集まってくるこの状況を指して、霊廟のことを「幻想郷のアカシックレコード」と評した。幻想郷中の強い欲や祈りの念が具現化した小神霊の過去 現在 未来を読む事で幻想郷中の情報を入手した。
その後は神子が人里に現れるとぱったりと小神霊は消えてしまい、彼女という本物の神霊に全て吸収された。つまり彼女はありとあらゆる欲を訴えてくる小神霊達を全て受け入れてしまったわけである。
青娥も「たくさんの欲を包容できるお方でそのため欲の方から集まってくる」と彼女の事を評している。
人里の人々の間では今、十の話を同時に聞き、理解する事ができる彼女の噂で持ちきりである。彼女達は住居を霊廟から、新しく異空間を作ってそこに建てた道場に引っ越し、悠々自適な生活を送っている。招待された霊夢によるとその道場はとても大きくきらびやかで、建物や道具類、小物類は月か天界かどこかで見たことのあるようなものだったという。
死神撃退はいい刺激程度らしい。
この異空間はわずかな隙間から無限の広がりを持てる世界で、これによりどこでも瞬時に移動できる、幻想郷かはわからない世界だと言われている。
彼女がお詫びも兼ねた引越しの挨拶に霊夢の神社を訪れた際には、神社の境内の石を片手で持ち上げて現れた。これは聖徳太子の投げ石→参考リンク(兵庫県太子町)に因んだものと思われる。
東方神霊廟
スペルカード名 | E | N | H | L | EX | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
名誉「十二階の色彩」 | ◯ | ◯ | ||||
名誉「十二階の冠位」 | ◯ | ◯ | ||||
仙符「日出ずる処の道士」 | ◯ | ◯ | ||||
仙符「日出ずる処の天子」 | ◯ | ◯ | ||||
召喚「豪族乱舞」 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ||
秘宝「斑鳩寺の天球儀」 | ◯ | ◯ | ◯ | |||
秘宝「聖徳太子のオーパーツ」 | ◯ | OVERDRIVE | ||||
光符「救世観音の光後光」 | ◯ | ◯ | ||||
光符「グセフラッシュ」 | ◯ | ◯ | ||||
眼光「十七条のレーザー」 | ◯ | ◯ | ||||
神光「逆らう事なきを宗とせよ」 | ◯ | ◯ | ||||
「星降る神霊廟」 | ◯ | ◯ | ||||
「生まれたての神霊」 | ◯ | ◯ |
OVERDRIVE
- 「神霊大宇宙」
東方心綺楼
スペルカード名 | 備考 |
---|---|
仙符「日出ずる処の道士」 | |
道符「掌の上の天道」 | |
人符「勧善懲悪は古の良き典なり」 | |
「詔を承けては必ず慎め」 | ラストワード |
ストーリーモード専用
スペルカード名 | 備考 |
---|---|
徳符「聖徳のプレスティージ」 | |
光符「無限条のレーザー」 | |
「たわむれはおわりじゃ」 | 神子に化けたマミゾウのスペルカード |
「信仰心増大祈願の儀」 | 霊夢との共同スペルカード |
「面霊気大調伏」 | 霊夢・白蓮との共同スペルカード |
「最後のトリニティリリージョン」 | 霊夢・白蓮との共同スペルカード |
弾幕アマノジャク
スペルカード名 | ステージ | 備考 |
---|---|---|
「我こそが天道なり」 | 10日目 シーン2 | |
「十七条の憲法爆弾」 | 10日目 シーン7 |
東方深秘録
スペルカード名 | 備考 |
---|---|
*特別に両方選ばせてやろう!* | 怪ラストワード |
ストーリーモード専用
スペルカード名 | 備考 |
---|---|
怪人「ヘルメティックマント」 | |
怪人「ブラッディマント」 | PS4版 |
怪人「カーシング赤青マント」 | PS4版 |
「死生有命 ~自らの意志で最期を選べ」 | PS4版 |
*大怪人の動脈と静脈* | 怪スペルカード |
*世紀の怪人赤マント靑マント* | 怪スペルカード |
東方憑依華
プレイアブル時のスペルカードは『心綺楼』時と、ラストワードは『深秘録』時と同様。
ストーリーモード専用
スペルカード名 | 備考 |
---|---|
光撃符「君を導く王道のヴァジュラシュート」 | 白蓮(スレイブ)との完全憑依コンビ時 |
光風符「レイディアント風水マント」 | 布都(スレイブ)との完全憑依コンビ時 |
光符「君を導く夢王道の威光」 | ドレミー(スレイブ)との完全憑依コンビ時 |
撃光符「スカンダの王者の威光」 | 白蓮(マスター)との完全憑依コンビ時 |
蹴斬符「ガルーダの聖徳斬」 | 白蓮(マスター)との完全憑依コンビ時 |
光仙符「日出ずる国の僧侶と道士」 | 白蓮(マスター)との完全憑依コンビ時 |
秘封ナイトメアダイアリー
スペルカード名 | 備考 |
---|---|
星神符「十七条の超人」 | 聖白蓮との合同スペカ。 |
紅神符「十七条のカタストロフ」 | フランドール・スカーレットとの合同スペカ。 |
神紅符「ブラッディ十七条のレーザー」 | レミリア・スカーレットとの合同スペカ。 |
余談
- 架空の人物?
前述の「最近急に架空の人物にされかかって~」というのは、聖徳太子の伝承はその後の平安時代において、皇室と実質政権を握っていた藤原氏が行動し易い様にそれまでの歴史を自分達の都合の良い内容に編纂して伝えた際に多分に脚色された疑いがあるといった言説が近年有力視されてきており、ついには『聖徳太子と言う存在自体が実は架空のものだったのでは?』という極論まで浮上してきている事に由来する。
実在しなかったとまでは行かなくともやはり、最早神格化の域に達しているその逸話等には疑問が浮かぶというのが大抵の見方であり、藤原氏が天皇主権(つまりは藤原氏にとっての『虎の威』による主権)の政治体制の基礎を固めた厩戸皇子(聖徳太子の本名)と言う実在した者の人物像にアレコレ色々くっつけて都合良く伝えた疑いは濃厚と見る論者もいる。ただし、藤原氏が歴史伝承の改変・脚色に関わったことを示す積極的な根拠が存在せず、これを裏付けることもできないとする反論も出されている。
また、この藤原氏による歴史改変を唱える立場の論者から見たとき、ある意味もっと被害を受けたと言えるのは蘇我氏(勿論この人の家系のモデル)であり(大化の改新において失脚した彼らに悪役を担わせる必要があったため)、現在では聖徳太子と蘇我馬子はこれまでの様に対立関係ではなく共に協力して政治を行っていた同僚だったのではという説が有力になっている。まぁ、その悪役にすら正面切って負けてしまった物部氏(言うまでも無くこの人の家系のモデル)なんかはもっとヒドイのかも知れないが・・・
ちなみに現在、藤原氏による歴史改竄の中心人物となっていたとされている人物の最重要容疑者の一人は藤原不比等である。 つまり・・・?
こう考えると、神子達と『永夜抄』勢との間に浅からぬ因縁がある様に思えて興味深い。ただし不比等一人に記紀の歴史改竄を考えることは、不比等の権力に対する過大評価のし過ぎであり、記紀においてその遠祖である中臣氏の活躍がほとんど見られないなど、藤原氏の改竄を唱えるわりにはその根拠が弱いともされる。加えて、中臣氏宗家の氏上であった中臣勝海は崇仏論争において物部氏に同調しており、蘇我氏や聖徳太子とは敵対関係にあったことも忘れてはならない。
その存在性があやふやになった状況は教育場面にも影響を及ぼしており、一時期は歴史などの教科書から姿を消したり肖像画とされる絵画に「(伝)」と注が付いたり存在性が「厩戸王」に吸収統合されたりと、21世紀に入ってから「聖徳太子」は波乱の時代を送ることとなった。
混乱はしばらく引き続いていたが、2017年の学習指導要領(同年2月公開)では「聖徳太子」表記が復活し、「厩戸王」表記への統合または両名称の併記が棄却されている。この変更の実施は小学校は2020年、中学校は2021年から。
現場では併記した名称などは「教えづらい」と不評だった模様である(日本経済新聞電子版・2017年3月31日付参考)。
- 少女化
浄土真宗開祖である親鸞聖人の伝記「御伝鈔」では、夢で聖徳太子から「行者宿報設女犯 我成玉女身被犯 一生之間能荘厳 臨終引導生極楽」(意訳:君が色欲に負けそうになったときには私が女体化して一生受け止めてあげよう、そして死後は極楽へ導こう)というお告げを受けたという逸話が伝えられている。太子の女体化の元ネタなのかもしれない。
- 勢力の長
最初は屠自古と布都ぐらいしか明確な部下がいなかったが東方鬼形獣にてペットが一大勢力を築いていたことが発覚。
この為、東方でも数少ない「登場後に自身が率いる勢力が登場したキャラ」となった。
登場したばかりの頃は、礼儀正しく聡明だがまだまだ控えめなところがあり、現在ほどキャラクターは立っていなかった。
しかし以降の作品では、登場する度にどんどん愉快なキャラになっていき、派手好き、人間の味方、そして何より神子を印象付けた高笑い・格好つけといった属性も獲得。少しずつネタの尽きないキャラと化している。
普段はカリスマ全開な頭脳と聖人要素を足したチートキャラだが内面はヘタレのようにも扱われ、カリスマブレイクの頻度が多い。
口調も心綺楼以降をベースにしてるものが多く、神霊廟の時のような女性口調はかなりレア。
魔王様ルックでキャラが立ち過ぎた感がある。
元ネタが男であり、初登場以降の中性的な口調や立ち振る舞いから、魔理沙や妹紅とはまた違ったタイプの「男」としての側面を強く持ったキャラクターとして描かれやすい。
タイプとしては、生まれついての聖人であること、高慢な上に自信家で、心綺楼などで人々の人気を集めたり、上に立って民衆を正く導くことを理想として掲げる政治家のような描写から、ハイスペックなイケメンと化したり、歯の浮くような台詞を素で言う女たらし(神子も女だが)になってたり様々。
東方のイケメン担当の座に入りつつある。
ただ、自信家とはいえどこぞの覚妖怪ほど慢心してはないため、割と神霊廟ファミリーの中では良識人ポジション。他の面子がアホの子やサイコパスみたいなキャラ付けをされているのもあるが。
シリアスな方面では、原作からして神霊廟の人間関係は(一部の部外者を除いて)かなり複雑である。
よって大抵は尸解仙になる前やキャラ達の出会い、そして現在までを焦点に当てているものが多い。
カップリング
自機経験はないにも関わらず、作品が進みにつれ自分の過去の関係者やライバルが登場し、カップリングも多岐に渡る。
まず蘇我屠自古は元ネタからして妻であり、女性を口説いては文字通り雷が落とされ、彼女には頭が上がらないパターンが多い。
物部布都は原作で主従関係が何度も描かれていることもあり、比較的セットでいる。ただ布都との関係は主従というより熱心な信者のようなものが多数。
霍青娥とは友好的だったり青蛾のトラブルメーカーの被害に遭う常識人枠に収まりやすい。
「心綺楼」にて登場した秦こころと元ネタが彼女の生みの親ということで娘のような存在、聖白蓮とは宗教上のライバルという関係性を得た。また白蓮が母性的なキャラクターを強調されやすいせいか、こころを取り合っていることも。>ひじみこころ
さらに、「天空璋」では摩多羅隠岐奈が登場、元ネタの一説では元側近だった人物がなんと幻想郷で賢者をやっていた。
その後は「鬼形獣」では、元ネタで自分のペットだった驪駒早鬼が登場、かつての愛馬が地獄の一つの組織の組長をやっていた。対面が楽しみである。
今後も増えるかもしれない。作品毎に関係者が増えるのでまた守矢かを一人でやっている。
最近では、かわやばぐ氏の「ミミズクとコウモリ」の影響かレミリア・スカーレットとのカップリングも人気。
レミリアはスペルカードのネーミングセンスを、神子は希望の面のデザインから美的センスをお互いネタに弄られやすい。最近じゃファッションセンスがおかしい変Tも加入。
タイプは違うのだがレミリアに近いオールマイティーなキャラ。いわゆる芸人枠。