※種類ごとの詳細は各ウルトラビーストの記事を参照してください。
概要
強大な力を持ち、アローラ地方を脅かすものとして現地で噂になっている謎の存在。
ポケモンであるとも人間であるとも、あるいは別の存在であるとも明言されていなかったが、ウルトラホールから繋がる異世界「ウルトラスペース」に棲む特殊なポケモンの一種である事が判明している。
異なる特徴を持つ複数の種類が存在し、国際警察からはそれぞれコードネームで呼ばれている。
共通して、明らかに自然発生したとは思えない異形の容姿を持ち、程度の差はあれ、皆何かしらの愛嬌を持っていたポケモンと比べると、非生物的または非動物的な印象が目立つ。
また内部的な共通点として、種族値(一部を除く)と技を習得するレベルが素数で構成されており、不自然で歪な能力値を持つ。
鳴き声も独特であり、まるで電波のような残響音が混じるのが特徴。
サン・ムーンにおいては国際警察から危険視されたりコードネームで呼ばれたりしているものの、ウルトラビースト達に積極的にこちらの世界を侵略・破壊してやろうという意図はなく、過剰な攻撃性も見知らぬ世界に迷い込んでしまったがゆえの戸惑いや警戒によるものだと推測されている。そのため、ストーリーでは駆除ではなく保護を優先し、UB達を捕獲していく事となる。
なお、彼らの危険性・特異性はあくまでも従来のポケモン達が住む世界の基準から見たものであり、ウルトラホールの向こう側にある故郷の世界では、ごく一般的な生物として多数生息していると言及されている。
ウルトラサン・ウルトラムーンでは国際警察はバカンスのためにアローラに来ているという設定になり、UBの対策を行う組織という設定は無くなった。こちらの作中ではコードネームで呼ばれる場面は一度も無い。
種類
ウルトラビーストはコードネームごとに異なる容姿と、共通の特性『ビーストブースト』を持ち、バトルではぬしポケモンのように、赤色のオーラを纏って一部の能力を上昇させてくる。
これは、両者ともウルトラホールのエネルギーが由来となっているため。
また、ランダム行動する一般ポケモンとは異なり、タイプ相性やダメージ計算の結果を視野に入れた行動を取る点にも注意が必要である。
ウツロイド
ガラスの身体を持つ儚げな印象のウルトラビースト。他の生命体に寄生し、理性を消失させる神経毒で宿主を狂暴化させてしまう非常に危険な存在。
サン・ムーンとアニメ版でのコードネームはUB01 PARASITE(パラサイト)。英語版のコードネームは「Symbiont」(共生)。
マッシブーン
『サン』『ウルトラサン』バージョンのみに登場。
体液やエネルギーを吸い取り、自身の体液と化学反応させる事で凄まじい筋力を実現するウルトラビースト。何かと自らの肉体を見せつける様な仕草を取るという。
サンでのコードネームはUB02 EXPANSION(イクスパンション)。英語版のコードネームは「Absorption」(吸収)。
フェローチェ
『ムーン』『ウルトラムーン』バージョンのみに登場。
性別関係なくポケモンを魅了し敵意を失わせるフェロモンと、雷すら避けられる爆発的な瞬発力を持ったウルトラビースト。他の世界のものを穢らわしく感じ触ろうとはしない。
ムーンでのコードネームはUB02 BEAUTY(ビューティー)。英語版でも同じ。
デンジュモク
電線に酷似した姿と体組織を持ち、凄まじい電力を蓄え放出する電撃のウルトラビースト。
サン・ムーンでのコードネームはUB03 LIGHTNING(ライトニング)。英語版も同じ。
カミツルギ
『サン』『ウルトラサン』バージョンのみに登場。
全身が恐ろしい切れ味を有した刃物となっているウルトラビースト。狂暴ではないが、襲い掛かってくる者は全てその身で容赦なく切り裂いてしまう。
ウルトラサンではかみつかいという人々と共に暮らしている事が判明した。
サンでのコードネームはUB04 SLASH(スラッシュ)。英語版では「Blade」(刃)。
テッカグヤ
『ムーン』『ウルトラムーン』バージョンのみに登場。
体内に膨大な可燃性ガスを内包する巨大なウルトラビースト。森を焼き尽くし、宇宙まで飛行する程のロケット噴射を可能とする。
ムーンでのコードネームはUB04 BLASTER(ブラスター)。英語版も同じ。
アクジキング
目の前にあるもの全てを無差別かつ無尽蔵に喰らい続け、その全てを完璧に消化してしまうというウルトラビースト。進行方向に立っている人やポケモンは危険なので避難しよう。
サン・ムーンでのコードネームはUB05 GLUTTONY(グラトニー)。英語版では「Glutton」(大食い)。
ベベノム
『ウルトラサン・ウルトラムーン』バージョンのみに登場。
角のような毒針から頭部に詰まった粘着性の毒液を噴射するウルトラビースト。UBの中でも従来のポケモンに近い姿と性質を持ち、現地の住民に使役されているケースも確認できる。
公式PVでの呼び名はSTICKY(スティッキー)。英語版ではコードネームは「Adhesive」(接着剤)と呼ばれたが、ゲーム内ではこの呼称は登場していない。
アーゴヨン
『ウルトラサン・ウルトラムーン』バージョンのみに登場。
上記のUB:STICKYから進化したウルトラビースト。蜂とドラゴンが混ざり合ったような姿で、下半身の砲台のような毒針から、射程1万メートルにも及ぶ強力な毒液砲を発射する。
こちらはPV内でSTINGER(スティンガー)と呼ばれていた。英語版でもこれは同じ。
ズガドーン
『ウルトラサン』バージョンのみに登場。
花火のように破裂する、首が繋がっていない特殊な頭部を持ったウルトラビースト。その頭を爆弾として投げつけ、仰天した相手から生気を奪って自らのエネルギーにしてしまう。
PVではBURST(バースト)と呼ばれていた。英語版でも同じ。
ツンデツンデ
『ウルトラムーン』バージョンのみに登場。
ブロック型の岩石生命体が城塞の如く積み重なっている群体のウルトラビースト。おびただしい数の目で周囲を監視し、怒った時や威嚇の際はそれらを赤く光らせるという。
PV内での呼び名はLAY(レイ)。英語版では「Assembly」(組立)。
コスモッグ
ガス状の身体を持つ幼体のウルトラビースト。非力かつ温厚な存在だが、危険を感じるとウルトラホールを開き、他のUBが迷い込む要因を作ってしまうという。
コスモウム
星の繭とも呼ばれるウルトラビースト。死んだように眠り続け成長の時を待っている。
ソルガレオ
『サン』バージョンのパッケージ伝説。
体内の莫大な光エネルギーを放出し、闇夜も真昼の様に光で満たすウルトラビースト。
太古にその存在を目撃したアローラの民は「生まれ行く命を育む存在」と崇め敬ったという。
書物には太陽を喰らいし獣という名前でその存在が記されている。
捕獲は不可能だが、『ムーン』『ウルトラムーン』にも登場する。
ルナアーラ
『ムーン』バージョンのパッケージ伝説。
周囲の光エネルギーを際限無く吸収し、真昼も月夜の様な神秘へ包むウルトラビースト。
太古にその存在を目撃したアローラの民は「生を終えた命を導く存在」と崇め敬ったという。
書物には月を誘いし獣という名前でその存在が記されている。
こちらも『サン』『ウルトラサン』のイベントで姿は見ることができる。
ネクロズマ
真っ黒な幾何学的な身体を持つ、最も謎めいたウルトラビースト。
常に光エネルギーへの強い渇望に苛まれており、とある世界や太古のアローラを星の光無き闇に堕としてしまったという恐ろしい存在。
アニメ版ではBLACK(ブラック)というコードネームで呼ばれていた。
ネクロズマ(たそがれのたてがみ)&ネクロズマ(あかつきのつばさ)
それぞれ『ウルトラサン』『ウルトラムーン』のパッケージ伝説。
古い書物にその存在が記されており、ストーリーを進行させる際にも光を奪う存在として登場する。
ウルトラネクロズマ
膨大な光エネルギーを取り込んだネクロズマが姿を変えたもの。
ネクロズマ自身も体験した事の無い新たな姿とされており、圧倒的な戦闘力でプレイヤーの前に立ちはだかる。
入手方法
ポケモンSM
このウルトラビースト達は、クリア後に発生するイベントでゲットすることが出来る。
ポケモン図鑑では正体不明のポケモンとして扱われ、GTSでは伝説のポケモンに含められている。ウツロイドら11種類のウルトラビーストはカプ神と同じ準伝説枠であり、バトルツリーでも使用できる。
サン・ムーンではクリア後に8番道路のモーテルに呼び出され、国際警察の一員としてアローラを訪れたハンサムと、かつてホウエンのタワータイクーンであり現在は「国際警察のUB対策特務部門部長」になっているリラから、ストーリー中で開かれたウルトラホールからアローラ各地に散ったウルトラビーストの保護を依頼され、5種類のウルトラビーストを追うというストーリーになっている。
エーテル財団内の協力者であるビッケから「ウルトラボール」を提供され、以降はハンサムの調査で1種類ずつ目撃情報を集め、情報の地点に向かい捕獲する作業の繰り返しとなる。
捕獲方式はシンボルエンカウントではなく、徘徊方式であるため野生のポケモンに混じって出現する。
QRコードが存在せず図鑑のページ数を増やす事が出来ないため、UB本体を捕獲もしくは他のロムから個体を持ってくるなどしてデータを登録しない限りは名前が表示されない。
幸いGTSではページ登録されていなくても種族名を手動入力する事で入手は可能。ただし、個体数が限られている伝説ポケモンである事に変わりはないので、要求される条件もシビアになりがち。
UBの対戦における需要やシナリオ上の入手条件のハードルの高さでも交換成立難度は左右される。
例としてレア度の高い一般ポケモンでも比較的交換成立しやすいのが型が少ないにもかかわらず4匹も入手出来るカミツルギや、同じく個体数が多いフェローチェ、逆に成立しにくいのはレートでも最も使用率が高く多くの型が存在するテッカグヤや、最後に入手出来るようになることから持ってるプレイヤーの絶対数が少ないであろうネクロズマなど。
特にカミツルギの供給過多とテッカグヤの需要過多は割にあっておらず、この2匹を交換条件に出してもなかなか成立しない事すらある。
一方でシナリオを進めていればUBに興味が無かったとしても確実に手に入る存在でもあり、興味を持たないプレイヤーが躊躇わずに交換に出してしまう事も多い。
GTSでモクロー等人気の高い御三家ポケモンで検索するとUBを要求しているプレイヤーが大勢検索に引っかかるが、それはそういったプレイヤーを狙ってのものであり、実際に交換が成立する事も少なくはない。
ウルトラサン・ウルトラムーンでは新たに4種類が追加。ウルトラワープライドでそれぞれのウルトラスペースに行くことができ、スペースの背景やBGMはそれぞれのイメージに合わせた専用のものになっている。
サン・ムーンでは色違いにブロックがかかっていたが、今回は色違いが解禁された。一部は他の野生ポケモンのように何度でも捕獲できるため、運がよければ色違いに巡り会えるかもしれない。またウルトラボールも無制限に購入できるようになった。
ポケモン剣盾
ダイマックスアドベンチャーの舞台・マックスダイ巣穴にホールが開いてしまったらしく、シナリオクリア後、他の伝説に混じって出現するようになる(勿論、1匹ずつ捕獲可能)。
また、前述した「技を覚えるレベルが素数」という特徴は無くなり、ベベノム・アーゴヨン・ソルガレオ・ルナアーラは7の倍数、他は5の倍数のレベルで習得するようになった。
(このように規則的なレベルで技を習得するのはUBだけでなく、剣盾のほぼ全ポケモンがそうである。)
ポケモンGO
イベント「GOフェスト2022」にて、ウツロイドが第1弾として登場(それ以前から、近日中にウツロイドが登場するらしきことが公式から仄めかされていた)。
その後、フェローチェ、マッシブーン、デンジュモクの3種がやはりGOフェスト限定のレイドボスとして登場。
さらにイベント終了後に始まった「光のシーズン」にて、コスモッグ、カミツルギ、テッカグヤ、アクジキングが実装され、SMで登場したウルトラビーストはネクロズマを除き全員実装済みとなった。
他の伝説ポケモンと同様、★5のレイドバトルのレイドボスとして実装されている。レイドの内容自体は通常の★5レイドと同じなのだが、バトルが開始される前にジムに出現するのが卵ではなくウルトラホールになっており、レイドバトル開始時にそこから出現する演出が取られるという相違点がある。また、わざわざ専用のBGMが用意されているという謎の優遇も受けている。
コスモッグ系統は2進化系という伝説ポケモンとしては珍しいその性質上、スペシャルリサーチの報酬として実装される模様。今後レイドボスとして登場するかどうかは現状不明である。
ちなみに、出現のきっかけとなったのは今作でもウルトラホールの発生なのだが、現時点では何が原因でホールが発生したのかは判明していない。
また、ウルトラビーストの出現に先駆ける形で、本来アローラの土地神であるカプ神が世界各地に出現するという異常事態が発生しているが、ウィロー博士は「なんらかの危険を察知した可能性がある」と考察しており、後にどうやらウルトラビーストの襲来を感知して行動を起こしていたらしいことが判明している。
余談
ポケモン作品においてコードネームが付けられた存在は他にXD001(ダークルギア)がいる。
生息している世界が判明していないのはBURST(バースト)とLAY(レイ)の2匹、ゲーム中で捕まえに行く世界が本来生息している世界ではない可能性があるのがGLUTTONY(グラトニー)の1匹。複数種類のウルトラビーストが生息している世界は作中では1つだけ確認されている。
昔の小説版では、「ポケモンそのものが、それまでいた生物と入れ替わりになって出現した存在」であると異次元的な存在として描写されているので、こういう意味ではやはりウルトラビーストもポケモンなのかもしれない。
- 大都市を壊滅させた事があるギャラドス
- 船を沈没させて乗組員を糧にしてしまうブルンゲル
- 人間に乗り移って凶暴にさせた事があるゴース
- 隠された本体を見ると死んでしまうといわれるミミッキュ
- 体当たりでダンプカーを粉砕するというココドラ
- 怪力で相手の背骨をへし折ってしまうキテルグマ
……などの様に、一般ポケモンの中にもUBと張り合えるほどの被害を引き起こした実例はそれなりに有り、こうしたもの達との共存に成功しているポケモン世界において共存は難しくはない筈である。
実際ゲンシカイキやディアルガ・パルキアの様にたった1匹で世界を滅ぼし作り変える力は流石に持っていない。ある1匹を除いて………
ポケモンカード版で持っているワザには、それぞれの名前や雰囲気から連想されるカクテルから名称が取られているものがある。
マッシブーンなら「スレッジハンマー」、カミツルギなら「カミカゼ」「ダイキリ」など。
興味がある人はバーなどで注文してみよう。
関連イラスト
関連タグ
有賀ヒトシ:漫画家。SMにおいて幾つかのポケモンのデザインし、公式サイトのウルトラビーストの集合絵を描いた。
カセキメラ:デザインの特異性がコイツらとは別ベクトルで目立つポケモンたち。
ムゲンダイナ:そのデザインの特異性から、『ウルトラビーストの一種なのでは?』と推測されている。
???:極めて酷似した経緯・異質さ・危険性を持つ者たち。リンク先ネタバレ注意。
偶然か意識したのかは不明だが、一部のウルトラ怪獣と似た要素が多い。ウルトラビーストという名称も「超獣」の英訳になる。
- スペースビースト・・・ウルトラマンネクサスに登場する人類に敵対的な生物群。『ウルトラ』怪獣の一種であり、『ビースト』と人間側に呼称されコードネームで区別される、人間に寄生・支配したビースト・ザ・ワン、生態系を脅かす脅威となる、クラゲのような地球外生命体が関係する…など酷似する要素が多い。本来は共存不可能な存在だが、ガルベロスなどはポケモンよろしく宇宙人に使役されている事も。
- シルバーブルーメ・・・UB01に外見が似ているほか、襲来時に宇宙空間をガラスのように突き破る描写がある(バキシムなど超獣でもある描写)など類似点が多い。