ムウマージ
むうまーじ
基礎データ
概要
『ポケットモンスターダイヤモンド・パール』(第4世代)から新たに追加された、ムウマの進化系。
名前の由来も恐らく「ムウマ+マージ(mage)」から。
どこからともなく現れる神出鬼没のポケモンで、呪いの言葉とも言われる呪文の様な怪しい鳴き声を呟き、聴いた相手を頭痛や恐ろしい幻覚に陥れ苦しめる。
その呪いや祟りを振りまく生態から人々に恐れられているが、稀に聴いた相手を幸せにする鳴き声もあり、気まぐれに人を助ける事もあるらしい。
恋の願いが叶う呪文もあるらしく、命がけでムウマージを狙う人もいる。
『LEGENDSアルセウス』の図鑑説明によると、凶事を祓う呪文を唱えるので家に招く風習が有るらしいが、機嫌を損ねる行動を取ると災いをもたらすとの事。
ポケモンカードゲームでは『くろまじゅつ』と言う技を使う個体がいる辺り、人間が扱う類の魔法が使えるのだろうか。
ゲーム上の特徴
HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早さ | 合計 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
ムウマージ | 60 | 60 | 60 | 105 | 105 | 105 | 495 |
ムウマ | 60 | 60 | 60 | 85 | 85 | 85 | 435 |
進化した事で「とくこう」・「とくぼう」・「すばやさ」が上昇したが元々低かった「HP」・「こうげき」・「ぼうぎょ」はそのまま据え置かれ、変化はない。また上昇量も各+20ずつとあまり上がっていない。
石進化では最も能力の合計上昇値が低いポケモンとなってしまっている。ムウマ自体がもともと種ポケモンでなかったための調整と思われるが・・・。
また石進化系の宿命なのか、進化してしまうと進化前の技が習得出来なくなる点に注意。
分類が「マジカルポケモン」ということで「マジカル」がつく技を全て覚えるという特徴がある。ムウマージ以外でこの特徴を持つのは、ほぼ全ての技を覚えられるドーブルとミュウのみ。
でも特性は「ふゆう」だけ。どうも「マジック」はダメらしい(「マジックコート」「マジックルーム」が第8世代で覚えられなくなっている)。
攻撃技は「マジカルフレイム」、「エナジーボール」、「10まんボルト」、「あくのはどう」、「サイコキネシス」、「マジカルシャイン」など。意外に「パワージェム」も覚えられる(宝石のような部位があるからか?)。
タイプ一致の「シャドーボール」も当然覚えるが、第9世代ではなぜかわざマシンでしか習得できない・・・というか進化前も含めて特殊ゴースト技を一つも自力習得できない状況になっている。
はがねタイプには打点が無かったためめざめるパワーでほのおタイプを粘るトレーナーが多かった。
『BW』のPGL限定で威力100のほのお技「れんごく」を習得したが厳選難易度がかなり高いうえ、命中も50とかなり低いので安定はしない。一応当たれば確実にやけどに出来るので不安な物理耐久を補える点では優秀だが。Zワザにするのもよいだろう。
第6世代からはタイプ相性の見直しによりゴースト技がはがねに等倍になったので一応止まらなくはなった。またこの世代から苦手なあくタイプに有効な「マジカルシャイン」を手に入れた。
更に『ORAS』からは命中安定のほのお技として「マジカルフレイム」を習得。確実に相手の特攻を下げられるので特殊耐久が高めのムウマージには相性の良いほのお技である。
ゴーストタイプ特有の補助技の多さも特長で、バフデバフ共に豊富。
「ほろびのうた」と「くろいまなざし」を両方覚えられるが、耐久速度ともにあまり高くないためムウマージではやや使いづらいコンボ。
『HGSS』からは「わるだくみ」を習得可能になり、火力も上がった。
難点としては(他のゴースト特殊アタッカーにも言える事だが)「単純なアタッカー」にするだけならゲンガーの劣化になりかねない。そのためゲンガーには出来ない補助技の優秀さを利用する必要がある。
第7世代にてゲンガーの特性がふゆうからのろわれボディに変更されたことにより新たに弱点が追加されたため、もともと特殊耐久はこちらが上だったがさらに受け性能で有利となった。
前述のマジカルフレイムも威力が65→75にアップしている。
第9世代では自身のタイプを変更できる新システム・テラスタルが登場。タイプ変更によって特性「ふゆう」をより有効に扱える可能性が出てきた。ただ、元々「ふゆう」ゴーストとあって3タイプ無効なので、一概にテラスタルで優良耐性に変わることができるとは限らない。
技面では「くさむすび」を獲得している。ひとまずキョジオーンやヘイラッシャへの打点には困らない上に、その技を覚えないゲンガーと明確に差別化できるようになった。ゲンガーはキョジオーンやヘイラッシャが覚える「じわれ」が有効なので、そういう意味でも差別化できるだろう。
使用トレーナー
ゲーム版
- メリッサ:ジムリーダー(シンオウ)
- マツバ:ジムリーダー(ジョウト)
- シキミ:四天王(イッシュ)
- フヨウ:四天王(ホウエン)
- ルザミーネ:エーテル財団代表
- リラ:ポケモントレーナー
- ムベ:ギンガ団(ヒスイ)
- ナンジャモ:ジムリーダー(パルデア)
- ノウヒメ:ブショー
アニメ版
漫画版
- メリッサ(ポケスペ)
- ルザミーネ(ポケスペ)
- リラ(ポケスペ)
- リリ(快盗!ポケモン7)※
※厳密にはギンガ団のポケモン
VC版から7世代に輸送した時の問題点
何故か、ムウマージはVC版で覚えたマシン技(わざマシン39のスピードスターで確認)を覚えていると「問題のあるポケモン(不正な手段で覚えた技がある)」とみなされ、バトルに参加できなくなる。
具体的には、「VC産(ゲームボーイの形)のマーク」+「第三世代以降のわざマシンに収録されていない技」の両立が不可能ということ。
同じ追加進化組であるトゲキッス、ベロベルトなどでは、第二世代限定のマシン技を覚えていても問題なく通り、
VC産マークのついていない4世代産(教え技に同技が存在する)や、進化させずにムウマのままであれば通ったため、単純に不具合が起きているようである
(※3世代やDPt産などの別世代でのムウマから進化させたムウマージ、第二世代限定技を覚えた上記以外の別の追加進化ポケモン、スピードスター以外のマシン技で確認出来たわけではなく、例外もあると思われるため、さらなる検証が求められる)。
番外作品
『ポケモンカードゲーム』
拡張パック「ダブルブレイズ」収録のムウマージのカードが、一時期環境を荒らしまくった。
このカードは特性として「ふしぎなことづけ」が設定されている。効果は「このカードをきぜつ状態(=ゲーム版における「ひんし」に相当する状態)にしたうえで山札から手札を7枚獲得する」というもの。
ポケモンカードゲームは相手のカードをきぜつ状態にすることで取ることができる「サイドカード」をすべて取り切れば勝ちとなるゲームなので、一見するとデメリットを払いつつ強力なカードを山札から回収するためのハイリスク・ハイリターンな特性に見えるだろう。
このカードが禁止された理由はいくつかあるが、最大の理由が、拡張パック「ジージーエンド」収録のグッズカード「リセットスタンプ」の存在である。
このグッズの効果は「相手の手札をすべて山札にリターンして山札を切った後、残りサイドカードの枚数と同じだけ山札を引かせ、手札にする」というもの。
そう、
ムウマージを生贄にすればするほどリセットスタンプで相手が引き直す手札を削ることができるのだ。
同じポケモンは最大4体、サイドカードは最大6枚のため、ムウマージがこの特性を連発すればサイドは2枚となる。その直後に「リセットスタンプ」を使えば相手の手札は瞬く間に2枚となってしまう。運悪くそこでエネルギー×2を掴まされた暁にはもう…
というわけで、当該カードは使用禁止となってしまった。
『ポッ拳』
本編では廃止になってしまった「あやしいかぜ」を使用するサポートポケモンとして登場。
バトルポケモンに攻撃力アップを付与したのち、紫色の風を纏いつつ相手に向かってゆっくり移動する。相手に向かって飛んでいく打撃技という特徴があり、飛び道具無敵が効かないので射撃と混ぜることで遠距離戦を強化できる。
しかし発生が80Fと異様に遅く、移動スピードもだいぶ遅いので扱いには工夫が必要。また攻撃力アップはバフの持続時間が短く、ほぼオマケ。
『ポケモン不思議のダンジョン』
時・闇・空では、ある重要なボスの配下として登場するためか、同ダンジョンの道中の最下層近辺にも普通に出現するのだが……
なんとそのダンジョンというのが火山の火口内部(正式なダンジョン名は伏せる)であるせいで、数多の炎タイプに紛れて唯一ゴーストタイプであるこいつはというと、マグマの流れる壁を何食わぬ顔で通過移動しながら床のマグマに飛び込んで火傷する事態が多発する。
アニメ版
アニポケでは『ダイヤモンド&パール』第43話『ムウマージ!悪夢からの脱出!!』では自らが作り出した世界のレックウザと合体(融合)してゲームにも実装されていない紫色のレックウザへ変化した。公式の合体ポケモンは他にも前例があり、無印に登場したゴースがフシギバナとカメックスを合体させ、フシギックスを召喚したりとやりたい放題だった。何の因果かこれらの合体ポケモンを作り出したのはいずれもゴーストタイプの面子だったりする。