「調停はオレから最も遠い言葉だ。その推測、挑戦と解釈した。」
「――待て、しかして希望せよ」
プロフィール
真名 | 巌窟王/エドモン・ダンテス |
---|---|
クラス | アヴェンジャー |
性別 | 男性 |
身長 | 185cm |
体重 | 75kg |
出典 | デュマ著『モンテ・クリスト伯』? |
地域 | フランス |
属性 | 混沌・悪・人 |
好きなもの | 何が好きかにもはや意味はない |
嫌いなもの | 何もかも |
設定担当 | 桜井光 |
ILLUST | 小松崎類(FGO)、武内崇(MB:TL) |
CV | 島﨑信長 |
概要
『Fate/Grand Order』に登場するアヴェンジャークラスのサーヴァント。レアリティは☆5。
アヴェンジャークラスの登場及び、実装は『FGO』初となる。
初登場はコラボイベント『空の境界/the Garden of Order』の黒幕としてで、この時は黒い影で正体を隠していた。
オガワハイムをかつての監獄島に見立ててダンジョン化し、サーヴァントたち住人として誘い集め、彼らを罪悪と恩讐の化身に仕立て上げる。
その時は直接対決とはならなかったが、上級者向け高難易度クエスト『監獄塔に復讐鬼は哭く』で正式に登場し、魂を囚われた主人公を"脱獄"させる導き手として、共に“大罪の具現”として出現するサーヴァント達と対峙する。
以降、メインストーリーにも度々登場。概ね神出鬼没の助っ人として現れる。
サーヴァントとして人理修復に勤しむ傍ら、戦いの中で主人公の精神に掛けられた「澱みの塊」や「性悪の残滓」などの呪いを密かに除去し続けている模様。
現実のみならず、主人公の夢(のような空間など)の中でも助言や忠告を与える事も多い。
2018年水着イベント『サーヴァント・サマー・フェスティバル!』では水着『モンテ・クリストセレクション』の霊衣開放で登場。いつもの服装だとある婦長さんがうるさかったかららしい。
アヴェンジャーのクラススキルによって、特異点の仕掛けを見破っており、達観した位置から主人公らを見守る。また、同時にモーション改修が行われており、元々躍動感のあるものだったが、よりド派手に仕上がった。
長らく『監獄塔に復讐鬼は哭く』を経験しないまま、メインストーリーで彼が登場する度に「一体何者なんだ……」となる新参プレイヤーが続出していたが、2019年7月17日より『監獄塔に復讐鬼は哭く』がレアプリ限定の常設のストーリーとなり、新規層も彼との出会いを垣間見る事ができるようになった。
さらに、2022年1月19日に実装された第1部インプルーブ第3弾により、第1部4章をクリアする事で誰でも無料で開放できるようになった。
まだ関係の始まりを把握出来ていないプレイヤーにとっては一見の価値がある。
真名
小説『モンテ・クリスト伯』にて巌窟王の名で知られる復讐者、『エドモン・ダンテス』。
若くして地位と名誉を手にし、恋人との結婚も間近という時に、無実の罪を被せられ当時政治犯が収容される監獄であった「シャトー・ディフ」に収監されてしまう。
人生に絶望し自殺を計ったこともあったが、獄中にてイタリア独立運動との関与を疑われて投獄されていたファリア神父と出会う。
彼から自身が謀略の元に無実の罪で投獄されたことを知らされたエドモンは復讐を決意。
神父の持つ膨大な知識を受け継ぎ、シャトー・ディフ収監から14年後、神父の死を利用させてもらう事で遂に脱獄に成功した。
その後、エドモンは神父が生前に財宝を隠していたモンテ・クリスト島にたどり着き、その金で身なりを整え、イタリアの貴族としてパリの社交界にデビューを果たす。
そこで自分を陥れた仇を見つけたエドモンは、待ちに待った復讐を開始する。そのときに名乗っていた名前こそ、モンテ・クリスト伯爵であった。
彼自身の復讐の前日譚としてファリア神父を陥れた者たちへの敵討ちが専門雑誌『カルデアエース』付属の大ボリュームドラマCD『英霊伝承異聞 ~巌窟王 エドモン・ダンテス~』にて語られており、生前のエピソードが作品化されたサーヴァントは、現在アルトリアと彼のみとなる。
ちなみに、投獄されたシャトー・ディフや、彼の師であるファリア神父には、史実にも実在したモデルがいるとされる。
人物
ポークパイハットを被った色白の青年。
復讐の完遂を目前にして成し遂げなかったモンテ・クリスト伯の末路であり、人々に「かくあるべし」と存在を捻じ曲げられた恩讐の化身。
一人称は基本的に「俺」、まれに「私(わたし)」。マテリアルの一人称設定項には記載が無いが、時折一人称が「オレ」になることがあり、この場合監獄棟の巌窟王ではないかという考察も存在する。
傲岸不遜な性格で、態度もやや上から目線だが、マスターの導き手を演じる姿からは世話焼きな一面をのぞかせる。
両儀式に「基本的に人間大好きなんじゃない?」と指摘された通り、世界を憎みこそすれ、人間の全てを怨んでいる訳ではない。むしろ如何なる苦境にあっても、己が意志を貫こうとする人間をこそ、彼は称賛し手を差し伸べる。
安易に彼を憐れみ、救いの手を差し出そうとすることは猛獣の尻尾を踏むのと変わらない愚行だが、その意思が本心からの願いならば、酌み取りこそしないが理解は示す。
また、恩人であるファリア神父への尊敬の念は今なお強く、彼と今の自分を照らし合わせているようなセリフもある他、ファラオン号の持ち主である雇主のモレル氏が苦境に立たされた際には手助けをしているなど、生来の義理堅さは失われていない。
自らを生前のエドモン・ダンテスが被った復讐心や偽悪そのものと定義しているためか、斜に構えた態度を崩さず、他者を試すような詩人めいた言い回しが目立つ。
そのせいか笑顔はなかなか凶悪で、「クハハハハ!!」と特徴的な笑い方をする。
声も相まってむしろ悪役と言われた方がしっくりくる(茨木曰く「クハハの人」)。
プライベートに関心は無いが、一応の趣味嗜好はあり、愛煙家でもある。霊衣開放イラストにある猫の浮き輪が密かにお気に入り。
2016年水着イベント『カルデアサマーメモリー』ではNPCのうりぼうが巌窟王の宝具発動台詞パロディをやらかしてくるという愉快な会話が楽しめる。
能力
宝具を利用した超高速の肉弾戦を得意とし、黒い怨念の炎を打撃の要領で標的へと叩き込む。
この炎は生前の彼が『ある要因』から一時だけ行使できたもので、「復讐者の英霊」として存在を確立した彼の独自の能力として昇華されている。
シエルによると、彼の炎は「第八秘蹟会」に関するものらしく、罪の浄化に特化しているそう。
生前はただの人間であり、ファリア神父に授けられた知識で相手の行動を予測し、拳銃やナイフ、毒、爆薬といった罠で相手を追い詰め、負傷の痛みは秘薬で抑えるという戦術を駆使していた。
その他、東洋の体術も会得しており、侮られていたとはいえ代行者とも辛うじて勝負になるレベルの身体能力を身につけていた模様。
モーション中では、両手から怨念の炎をビームのように放つ他、拳に霞のように纏わせたり、高速移動して魔力で斬り刻んだり、地面に怨念を撃ち込んで足元からプラズマを放射したりする。
ステータス
マスター | 筋力 | 耐久 | 敏捷 | 魔力 | 幸運 | 宝具 |
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藤丸立香 | B | A+ | C | B | ? | A |
保有スキル
復讐者(A) | 復讐者として、人の恨みと怨念を一身に集める在り方がスキルとなったもの。周囲からの敵意を向けられやすくなるが、向けられた負の感情は直ちにアヴェンジャーの力へと変化する。 |
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忘却補正(B) | 人は多くを忘れる生き物だが、復讐者は決して忘れない。忘却の彼方より襲い来るアヴェンジャーの攻撃はクリティカル効果を強化させる。 |
自己回復(魔力)(D) | 復讐が果たされるまでその魔力は延々と湧き続ける。微量ながらもNPが毎ターン回復する。 |
鋼鉄の決意(EX) | この世の地獄とさえ呼ばれた監獄シャトー・ディフ(イフの塔)から脱獄し、復讐の人生を歩んだ鋼の精神と行動力とがスキルとなったもの。痛覚の完全遮断、超高速行動に耐えうる超人的な心身を有している。複合スキルであり、本来は「勇猛」と「冷静沈着」スキルの効果も含まれる。 |
窮地の智慧(A) | 危機的な状況で幸運を呼び込む。ファリア神父から授かった多くの智慧と天性の知恵によるもの。エクストラクラスの特殊性が合わさることで、ランクB相当の「道具作成」スキルが使用可能となる。 |
黄金律(A) | 人生でどれだけ金銭に恵まれたかという、いわゆる財運。Aクラスなら大富豪として一生金に困らず暮らすことが可能。シャトー・ディフにてファリア神父から伝えられた「隠された財宝」を手に入れ、尽きぬ財と権力を得た岩窟王は、まず金に困ることがない。 |
モンテ・クリストの秘宝(EX) | 「黄金律(A)」が変化したスキル。詳細不明。 |
宝具
巌窟王(モンテ・クリスト・ミトロジー)
- ランク:C
- 種別:対人宝具
- レンジ:−
- 最大捕捉:1人
彼は復讐の化身である。基本7クラスの何れにも当てはまらず、エクストラクラス・アヴェンジャーとして現界した肉体は、その生き様を昇華した宝具そのもの。強靭な肉体と無尽の魔力を以って並みいる敵を完膚なきまでに叩き潰す。
自らのステータスやクラスを隠蔽、偽の情報を見せることも可能な常時発動型の宝具。
真名解放の効果も存在し、溜め込んだ怨念が一気に周囲へと撒き散らされ、敵は疑心暗鬼に陥って同士討ちを始めることになる。
オガワハイムや監獄塔で自身の姿を黒い靄で覆って情報を隠蔽したのは、この宝具によるものである可能性が高い。
彼の攻撃手段のほとんどは黒い炎をまとった徒手格闘に傾倒しているが、それもこの宝具の為せる業だろう。
虎よ、煌々と燃え盛れ(アンフェル・シャトー・ディフ)
- ランク:A→A+
- 種別:対人/対軍宝具
- レンジ:1~20
- 最大捕捉:1~100人
「慈悲などいらぬ!」
「我が往くは恩讐の彼方――『虎よ、煌々と燃え盛れ(アンフェル・シャトー・ディフ)』!!」
地獄の如きシャトー・ディフで培われた鋼の精神力が宝具と化したもの。肉体はおろか、時間、空間という無形の牢獄さえも巌窟王は脱出する。
思考を超高速化し、それを強制的に肉体に投影することで、主観的には「時間停止」を行使しているにも等しい超高速行動を実現する。
『FGO』に於いては、高速移動に伴う影分身による同時複数攻撃といった形となる。
詳細は該当記事を参照。
待て、しかして希望せよ(アトンドリ・エスペリエ)
- ランク:B
- 種別:対人宝具
- レンジ:1~50
- 最大捕捉:1人
絶望と後悔に満ちた暗黒の中に在って眩く輝く、一条の希望。人間の知恵は、全てこの二つの言葉に凝縮される。
まさかの回復宝具。自陣のうち一名を、瀕死(戦闘不能状態)からでも完全回復させる上に、全パラメーターを一時的にランクアップさせる。
ゲーム上での性能
“ATK:12,641”という自身のHPを上回る数値を誇り、トップクラスの攻撃力を備えた火力型サーヴァント。アヴェンジャーのクラス特性上ルーラー・ムーンキャンサー・バーサーカーを除き攻守共に等倍で戦うが、素のATK値でも火力水準を満たすことは可能。
その立ち姿も独特で、戦闘グラフィックではまさかの背面立ち。
↑こんな感じ。
戦闘グラフィックで背面立ちをしているのは、今のところエドモンと後に実装されたディオスクロイのカストロの二人だけである。
水着霊衣の場合は正面を向いた立ちグラフィックになっている。
セイントグラフでは再臨の度に衣服を着込んでいき、最終的に上のイラストのようなマントを羽織った姿になる。
《Quick:2/Arts:1/Buster:2》と、カードバランスはランサー型。しかし攻撃性能はQuickの性能が高く、クリティカルスター稼ぎや初手Arts補正に活かしやすいため、本質的にはアサシンに近い。
スキルは「鋼鉄の決意(EX)」(1ターン無敵貫通&攻撃UP/3ターン弱体耐性UP)、「黄金律(A)」(3ターンNP獲得量増加UP)、「窮地の智慧(A)」(敵チャージ減少/自身の弱体解除&スター獲得)と、自己強化を軸にしたもので占められている。
Artsカードは1枚のみだが、高性能なQuickカードと「黄金律(A)」、「自己回復(魔力)(D)」と言ったスキルのおかげでNP効率も優秀。
実はスター生産力の高さに反してスター集中度は低めで、他の仲間へのクリティカル支援が得意。
クリティカルによる火力増強を有効活用できるアーチャーたち、およびスター集中度が最も高いライダー達のサポート、
通常クラスでスター供給役になりやすいアサシンが苦手なキャスターがいる場合の代役など、クリティカル運用パーティでは場面を選ばず活躍できるポテンシャルを秘める。
サポートに回すと非常に守備範囲が広い、ある意味人間を愛しているからこそ憎しみと怒りに呑まれた復讐者らしい性能と言える。
宝具『虎よ、煌々と燃え盛れ』の効果は、【敵全体に強力な攻撃&防御力ダウン(3ターン)&呪い付与(5ターン)】。超高速移動で敵全体に連続攻撃を仕掛けた後、無数の分身が全方位から同時に黒炎ビームを放ってフィニッシュを飾る、クールかつド派手な演出は必見。
防御ダウンと呪いのダメージはオーバーチャージで効果が上がるため、宝具チェインの順番次第で敵に重篤なデバフを押しつけることが出来る。
また、Quick属性であるため、大量のスターを収穫することも可能。
そして、『3周年記念強化クエスト』でついに宝具強化が行われた。強化後は【敵全体に呪厄状態を付与(5ターン)】の効果が追加。「呪厄」は呪いのダメージを倍増させるもので、当然他のサーヴァントが付与させた分も対象となるため、諸葛孔明等と組み合わせればより効果的になる。
エクストラクラスだけあってどんなクラス編成でも通用する攻撃面の汎用性が強みだが、アヴェンジャーとしての最大の得意分野はルーラーに対する鬼札であることだろう。
そうでなくとも耐久性さえ補ってやれば、スター源兼サブアタッカーとして相応の強さを発揮するので、そこはマスターの戦術眼が試されるところだろう。
のちに実装された第二の復讐者ジャンヌ・オルタとは、向こうが火力で優る分、エドモンの方が耐久性とスター生成力で優り、また運用理論も根本から違っているので、上手く棲み分けがなされていると言える。
2018年夏には前述の宝具強化に加えて、待望のQuickサポーターであるスカサハ=スカディが登場。その補助を受ければ、宝具の即時連射も視野に入るようになり、Wスカディ前提であれば、ダメージ等倍でも特攻込みのギルガメッシュに比肩する火力を発揮できる。
弱点は長所でもあるアヴェンジャーというクラスそのもの。前述のようにどんな編成でも通用するが、逆に言えばルーラー、バーサーカー以外には弱点を突けないクラスという事も意味する。
バーサーカーはともかく敵ルーラーが3体出る事はまずないため、極端なクラス相性ゲーである『FGO』においてクラス弱点を突けない全体宝具という点は火力不足に繋がりかねない。とはいえ素のATK自体は極めて高く、クラス補正でATKが1.1倍される点を踏まえれば、弱点を突かれない☆4バーサーカーくらいのイメージで使う事も可能である。
そしてもう一つの弱点は、時として致命的となる弱体耐性の低さ。
元々アヴェンジャーは対魔力等の弱体耐性アップスキルを持たず、クラススキル「復讐者」によって自分以外の控え含むメンバー全員の弱体耐性を下げるというデメリットが含まれているため、スタンや魅了などの搦め手を多用する敵相手では持ち前の火力を発揮させてもらえないまま退場させられてしまう危険性がある(事実、イベントで最後に立ちはだかった彼にステンノとエウリュアレをぶつけて完封したプレイヤーもいる)。
また、やや低いHPを補強する手段が一切ないという点も見逃せない。バーサーカーを除く基本クラスとルーラークラスは耐性でダメージを抑えて戦線を立て直すことができるが、こちらは原則等倍で受けることもあり、一度戦線を乱されると彼本人ではまずリカバリーはできない。
更にWスカディで組む際にもスカディや高レア礼装が必須となるなど構築難易度が非常に高く、仮に組めたとしても相手次第では体力が多すぎて倒しきれない、NPが足りずに宝具が連射できないといった事態になることもある。
確かに高性能ではあるのだが、デメリットも時として致命的なものとなる関係上、考えなしに起用すると思わぬ墓穴を掘る結果となる、マスターの采配が問われるサーヴァントと言える。
また再臨用素材も、最初からレア素材を10個ずつ要求される事から再臨のハードルも高いため、ビギナーマスターでは育成にも苦労する。
他作品での活躍
なんと2022年末のDLCで牛若丸と共に参戦。特殊な英霊故か、向こうとは喚ばれた経緯が違っている模様。そして二度と現れない筈だった因縁を皮肉ってもいる。
なお本作では武内イラストなためやや印象が違い、『社長絵の巌窟王』がトレンドに入った程。
関連人物
生前
ファリア神父(CV:堀勝之祐)
生前の自分を導いた第二の父とも呼べる存在であり、心からの敬愛する相手。
主人公を手助けする理由にも、彼の存在が関わっている。
復讐の過程で救い出した奴隷の少女。
元は高貴な身分だったが、エドモンの復讐対象の一人によって失脚させられ、全てを失った過去を持つ。エドモンを心から愛し、彼の憎悪に塗れた心を癒し続けた。
コンチェッタ(CV:加隈亜衣)
伯爵に忠実な男装の麗人。エドモンを「おじ様」と呼び慕っている。
タランテラに殺害され、エドモンの遺物が覚醒しているきっかけとなった。
アンジェロ・ブラーガ神父(CV:樫井笙人)
ファリア神父を陥れた三賢人の一人。
聖堂教会・第八秘蹟会に所属する代行者で、黒鍵と聖書のページで作り出した籠手を武器としている。エドモンはモンテ・クリスト島の財宝を探す彼と対峙することとなる。
「特殊な訓練」を受けていたため毒殺に失敗したが、地中に埋めた爆薬を使って漸く勝利できた。
聖堂教会・第八秘蹟会に属する代行者。
ファリア神父を陥れた三賢人の一人。アンジェロは彼の配下である。
エドモンが投獄される一因である彼の皇帝がついに現界を果たしたことに驚いている様子。
現状は会う機会がない様子。
フェルナン・モンテゴ、ダングラール男爵、ジェラール・ド・ヴィルフォール
エドモンが投獄される直接の原因を作った三人の男達。
いずれも動機と末路は異なるが、エドモンの報復によって地位や財産を失い果ては家庭崩壊といった破滅の末に、決して消えない恐怖と絶望を刻み込まれた点は共通している。
メルセデスへの想い故にエドモンを陥れたフェルナンは拳銃自殺により三人の中で唯一の死者に、エドモンのエリート街道を妬んだダングラールは監禁と飢餓による極限状態を経て解放されるも廃人同然に、過去の罪を隠すべく己の保身を優先したジェラールは発狂の末に完全に精神が崩壊し狂人と化した。
アルベール
フェルナンとメルセデスの一人息子。エドモンは復讐の足掛かりとして彼に接触し利用する。
原作ではほんのチョイ役程度でしかないが、下記するアニメでは実質彼と並んだW主人公的立ち位置におり、同時にキーキャラクターとも呼べる存在。
両作共に「助言を与え導く」という点では『FGO』の主人公とエドモンの両者を、エデよりもむしろアルベールとの関係性に近いと捉えるマスターも多い。
何らかの形で自身の存在を知り、人生を著作にした文豪(デュマが出会ったのは正確には『巌窟王』のモデルになった人物である)。
彼の人生を作品にした事に対してデュマは『アンタのお陰で、アンタを陥れた悪党どもより遥かに儲けさせて貰ったぜ』と発言しており、悪びれる気持ちはないようだ。曰く、著作にすることにより自身の復讐は完成されるとのこと。
エドモン自身はデュマについて「タチの悪い小説家」と毒づいている。
なお、モンテ・クリスト城はエドモンがデュマを訪ねてくる際に目印になるようにと建てられたものである(出典:『Fate/strange Fake』(電撃文庫)第5巻・P216より)。
Fate/Grand Order
人理焼却の全ての元凶たるグランドキャスター。
巌窟王を召喚し、主人公達を罠に嵌めて抹殺するよう指示するが、巌窟王は彼の空虚な性質を忌み嫌って早々に離反。オガワハイムを自分好みの魔窟に変貌させ、消滅の際も散々に罵倒している。
契約したマスターで、本来は抹殺を命令された標的。
しかしオガワハイムで縁を結び、監獄塔に封じられて行動を共にする内に、かつての自身と重なるものを見出し、最後には監獄塔からの脱出を手助けする。
カルデアに召喚されてからは、主人公の導き手として行動を共にする。
監獄塔の結界に迷い込んだ軍服姿の美女。記憶喪失を起こしており、監獄塔に監禁された主人公の身の回りの世話を申し出る。そこで便宜上生前かつての恋人の名を与えるが、途中から彼女の正体に薄々勘付いていた模様。
カルデアに召喚されてからは、本来の記憶を取り戻したバーサーカーな彼女と再会。普段はナイチンゲールを「バーサーカー」と呼ぶが、つい癖で「メルセデス」と呼んでしまうらしく、頭のおかしい野郎扱いされて追いかけ回されている。
とはいえ彼女の事は彼なりに気にかけており、お互いの幕間の物語に登場するなど交流は多い。
ただでさえ自身が忌み嫌うルーラークラスであり、なおかつ「復讐に足る経験を持ちながらも復讐心を持たない者」として蛇蝎のごとく嫌っている。
「復讐に焼かれる魂を救いたい」という真摯な思いは認めるが、相容れることは決してない。
主人公を救出するために監獄塔に乗り込んできたが、巌窟王に開口一番「帰れ」と怒鳴られる。
彼女の強情な人柄と前線における防御性能についても理解しており、「人間城塞」「女と言うには堅すぎる」と好き放題罵っている。
監獄塔にてジャンヌと共闘し巌窟王の行く手を阻む、気に食わないルーラーのサーヴァント。
ただし、「彼以上に強欲な生き物をオレは見た事はない」と彼を評し、彼の行いも「世界で最も高潔な復讐劇」と捉える等、ある意味での敬意を彼に抱いている。
幕間の物語『それからも邪悪の話をしよう』では、彼の頼みで主人公の意識下に溜まった澱みの塊の具現化を排除するための橋渡し役をする事になる。
ハンス・クリスチャン・アンデルセン、ウィリアム・シェイクスピア
『ネロ祭 再び』でチームを組んだ文化人キャスターたち。
マイルームでの会話からもコーヒーを嗜んだりと親交がある模様。
アヴェンジャー仲間の一人。
ジル・ド・レェが聖杯に願った「復讐に燃えるジャンヌ・ダルク」。
エドモンが思い描く「ジャンヌ・ダルクの闇」という想像図そのものだったが、召喚される頃にはすでに主人公やジャンヌに牙を抜かれていたため複雑な表情をしていた。
アヴェンジャー仲間の一人。
原初のアヴェンジャーのひとりとも言える彼を、エドモンは尊重する。
アヴェンジャー仲間の一人。
マイルームでの会話から、サリエリの曲はオペラが良いとのこと。
フランス出身同士で、「王妃」「伯爵」と呼びあっている。
復讐に足る悲劇を経験していながら、笑顔でいる彼女には複雑な感情を向けている。
サーヴァントになった経緯の他、彼処の世界の自分が今もなお主人公に寄り添っている点がエドモンと非常に似通っている。
その為後述する幕間Ⅱでは、いち早く彼の危うさに気付いていた。
作中で直接の絡みはないが、マスターを自身の復讐劇の共犯者と見ている同士。
彼女のほうは復讐を遂げた直後に殺害されているものの、生前に本懐を成し遂げた点は同じ。
マスターとの関わり方については、彼女は『死想顕現界域 トラオム』のクリア後にマスターと打ち解けると「どこまでもついていく」といった態度を取るようになり、自らマスターを導こうとするエドモンとは対照的である。
共犯者の大切な後輩。
本編ではあまり関りが無いが、『TYPE LUMINA』では帰還できるように陰ながらサポートした。
TYPE LUMINA
今回のマスター。召喚に際して秘蔵の猫缶を3つも捧げたという。当然ノリが合う筈もなく、「ここが地獄だ」と頭を抱えていた。
エドモンを「救世主の山を語る亡霊」と呼ぶが、これは彼の異名である「モンテ・クリスト伯」の事。
エドモンの炎と同じ責め苦を過去に味わった事があるようで……?
生前の敵。正確に言うと月姫の世界のロアと彼が敵対したロアは別物なのだが。
彼によると英霊も死徒も「この星の最終解答」であるとの事であり、カテゴリー的な意味でも相入れないのであろう。エドモン曰く、どんな世界だろうと必ず殺すとのこと。
その他
「ジャンヌが大嫌い」「ナイチンゲールが天敵(?)」という魂の双子みたいなやつ。
嫌すぎる双子だな
余談
「巌窟王」と聞いて、某アニメに関連付けてまさかのGEORGE降臨を期待したり、それに準じて所謂イケおじ系キャラを期待したファンも多い(当のGEORGEは山じじい役を担当)。そのため、この若々しいダンテスの姿と声に違和感を覚えたプレイヤーも少なくなかった。
しかし、奈須きのこは『竹箒日記』にて
- 「王道からの脱却」
- 「青年としての巌窟王を目指した」
- 「あと小松崎さんのサーヴァントが見たかった」
上記のように述懐しており、声が回す方のノッブなのはきのこの意向でもある様子。ちなみに彼のイメージを「ただひたすらにカッコいいダークヒーロー系」と評している。
裏事情として、きのこは「ダンディな巌窟王はGONZOのが最高峰」とも考えていることから、ストレートにダンディな巌窟王をやっても彼の中で納得できるか不透明だったのかもしれない。
『Fate/Grand Order カルデア放送局 Vol.7』にてこの回から始まった箱の中のサーヴァントのイラストを30秒で描いてゲストに当ててもらうコーナーにてゲスト出演した島﨑信長氏(その他のゲストは川澄綾子氏、高橋李依氏)が引いたのがエドモンだった。
なお、イベントクエスト『監獄塔に復讐鬼は哭く』中での発言から、『TYPE-MOON Wiki』ではメタ的なエドモンのモデルとされるフランスの靴職人「ピエール・ピコー」と同一人物なのではないかと考察されている。
関連イラスト
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Fate/GrandOrder アヴェンジャー(Fate) サーヴァント
これより以下、第1部終章『冠位時間神殿 ソロモン』のネタバレ有り。注意
前述の『ネロ祭』以外にはイベントにもストーリーにも絡んでこなかった彼だが、終章において衝撃的な再登場を果たした。
時間神殿に乗り込んだものの、無尽蔵に湧く魔神柱により窮地に陥るカルデア陣営の前に、ここまで七つの特異点で出会った英霊達が現れ、七箇所それぞれの地点で九柱ずつ制圧し主人公達の道を切り開く。
彼らの援護を受け主人公達が魔術王のいる玉座へ進撃するが、英霊達に抑えられていない魔神柱アンドロマリウス率いる残り九柱が、主人公達の前に立ちはだかる。
七つの特異点で出会った英霊達は他の63体の魔神柱を抑える事で手一杯であり、魔術王の撃破を優先すべき状況で9体もの魔神柱の相手はマスターである主人公に負担が大き過ぎるのである。
状況を打ち破る方法を必死に考える主人公達に、暗に「もうこれ以上誰も助けに来ない」と告げるアンドロマリウスだったが、そこにあのクセの強い高笑いが響き渡る。
「ハ。ハハハ。クハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!笑わせるな、廃棄の末に絶望すら忘れた魔神ども!貴様らの同類になぞ、その男/娘がなるとでも!」
超々高速で接近する霊基反応に動揺するアンドロマリウスに対し、主人公だけはその(笑い)声の主に気付く。
魔術王の気まぐれで駒として呼ばれながらも、己が矜持に反するとしてその企みのことごとくを狂わせ、その内の一つである監獄塔シャトー・ディフにおいて、そこへ魂を堕とされた主人公を生前に自らを導いた恩師のように導き、ただ一人の生還者として送り出した盟友である。
「そうだ!この世の果てとも言うべき末世、祈るべき神さえいない事象の地平!確かに此処は、何人も希望を求めぬ流刑の地。人々より忘れ去られた人理の外だ。だが―――俺を呼んだな!ならば俺は虎の如く時空を駆けるのみ!我が名は復讐者、巌窟王エドモン・ダンテス!恩讐の彼方より、我が共犯者を笑いにきたぞ!」
まさかの再会に喜色満面の主人公。しかも、彼の登場を皮切りに、これまでの七つの特異点では無い場所、いわば本来の流れの外で出会った者達が続々と主人公を助けに現れたのだった。
この際にかつて「別人である」と断言した、復讐を終え悪性を捨てた男「エドモン・ダンテス」の名を、その折に自らの真名とした「巌窟王」の名と共に名乗っている。
余談だが、監獄塔イベント終了後に『FGO』を始めたプレイヤーからは「誰?」「なんか突然相棒面で出てきておいしい所持って行った」「ナニモン・ナンデス」と言われるハメになった。
年明けのイベント復刻第2弾で(『空の境界』イベントをすっ飛ばして)監獄塔イベントの再開催が行われたが、これは新規のプレイヤーにも巌窟王がなぜあの場に現れたのかを解り易くするためではないかと推測されている。
人理修復後、さらに人理白紙化後も陰から幾度も主人公に導きの手を差し出しており、特に精神を介して狡猾に立ち回る手合いには、自らも契約を介して精神に入り込んで対抗する。
今ではすっかり、人理修復を目指すうえでは不可欠な心強い味方となっている。
ちなみに上述する『MELTY BLOOD』に参戦したのも、ロアとの因縁以外にあちらの世界に飛ばされた後輩を主人公に請われて迎えに来るためだった事がシナリオで判明する。彼氏面の異名は伊達ではない。
なお、この経緯から「主人公の精神世界にいる彼」と「カルデアのサーヴァントとして召喚された彼」は同一存在か否か?についての議論が長らくマスターの間で交わされていたが、2022年に追加された幕間の物語Ⅱの中で両者の関係がついに明かされる。
簡潔に述べると、精神世界のエドモンは監獄塔で出会った『彼』が残した一欠片の記憶が形を生したもので、サーヴァントとして召喚したエドモンとは別個体にあたる。
ただし、サーヴァントの特性上霊基自体は同じであるため特異点で得た記憶や知識はある程度共有している(一人称が時おり『オレ』と『俺』に分かれるのも、ナイチンゲールを「メルセデス」呼びするのもこのため)のだが、同時に片方の霊核が傷付き消滅の危機に陥った場合、もれなくもう片方も道連れになってしまうリスクが伴っている。事実、精神世界に「残り滓」として溜め込まれた主人公宛ての恨み辛みは、異聞帯の過酷さに比例するかのように日毎に勢いと威力を増しており、精神世界のエドモンは風前の灯火も当然であった。劇中では主人公とサーヴァントのエドモンによって一番の元凶が退けられた事でひとまず危機は去ったものの、それでも精神世界における彼の存在が危うい状況にある事には変わりない。
最も女性版マーリンのバレンタインシナリオによれば、現在は他にも主人公の精神世界の番人を務める者が二名程居るらしく、彼の負担も多少?は減りつつある模様。
『黄金樹海紀行 ナウイ・ミクトラン』の最後にて異星の使徒は『神』を含めて七騎いることが発覚し、その中でもカルデアを監視、誘導するものに『探偵』、『教授』、そして『伯爵』の名前が上がり、一部からは『もしかして』と彼の今までの行動に疑念の種が生まれてしまっている。
しかしラスプーチン曰く、『伯爵』は『TYPE-MOON』作品中でもトップクラスに悪辣な性格をしているらしく、今まで語られてきたエドモンの人物像とは乖離している。
ただ伯爵が悪辣だと述べているのがあの言峰綺礼である事も考えると、常識的な意味合いの悪辣とは違い、彼の語る悪辣が幾度も主人公達を救い、導き手として彼らの旅路を守護する献身を指している可能性もあり、現在は彼が使徒でない事を否定する材料は少ない。
後に実装された「オルガマリークエスト」にて台詞だけながら『伯爵』が顔見せしているが、U-オルガマリーの破片から造った「エレメンツ」についての会話の中で「死霊術のようなものか」との問いには「おおむねそのような認識で間違いない」と回答し、怒れるマシュに対しても「知識無き凡夫に我が秘奥を~」との発言がある。ここから恐らくベースになっている英霊が神秘的な技術面に秀でている存在であろうことが推察できるが、一応巌窟王はこれに当て嵌まらない。
無論この発言自体が出まかせである可能性が残るため、巌窟王への疑惑は晴れないままである。