概要
かつて「世界最強の海賊団」の名をほしいままにした伝説の一味。
海賊島「ハチノス」にて、1つの儲け話の為にかき集められてできた凶悪な集団であり、粗暴かつ独立心の強い個性豊かなメンバーばかりが揃い、ガープに「ロジャー以前は間違いなく奴らの時代じゃった!!」と称されるほどだったが、船員同士の仲が悪く、仲間同士の殺し合いが絶えなかったとされる。
海賊旗は2本の角の様な炎が着いた赤いドクロで、「ROCKS」の文字のOの部分にドクロが位置している。
メンバーは後に四皇と呼ばれるようになる白ひげ、ビッグ・マム、百獣のカイドウ、他にも金獅子のシキやキャプテン・ジョンなど、今では伝説と称される程のビッグネームの多くがこの海賊団に所属していた。
この錚々たる面々をまとめ上げていた船長がロックス・D・ジーベック。
彼は海賊王ゴール・D・ロジャーにとって最初にして最強の敵だったと言われる実力者であり、「世界の王」を目指した恐るべき海賊であった。
非常に好戦的で凶暴であったらしく、海賊行為よりもテロ活動に重きを置いており、ロジャーとの戦いでは、ロックスが先頭に立って白ひげやビッグマムがそれに続く様子が描かれている。
これほどの一味が現在では名も知られていない理由は二つある。
一つは、船長ロックスが世界政府自体を狙っていた為、彼らが関わった事件の殆どは政府の情報操作によって徹底的に揉み消されている事。
もう一つは、所属メンバーの仲があまりにも悪かった(上記の様に仲間殺しが日常茶飯事な「チームワーク」が壊滅した集団だった)為、ロックス海賊団時代を半ば黒歴史として封印し誰も口外しない事が挙げられる。事実、ロックス海賊団が壊滅した際に、他の海賊に「仲間割れだろう チームワーク"0"だからなあいつら・・・」と言われ、白ひげはおでんの回想でメンバーのチームワークの無さを苦々しく思っていた模様。
チームワークの悪さは白ひげが酷評しているように船員の殆どが人の下につかないタイプ(人を率いる才能がある)が集まりすぎたことが起因していると思われる。
実際、若かりし頃のリンリンは初対面のカイドウに対して船長について「ロクでもねェ男だ 信用はするな」と自分を頼るよう言い添えており、船長の人望すらまるでなかったことが覗える。
逆に言えばそれだけの理由があり、世界政府の強固な情報統制が当時から敷かれていたにもかかわらず、ロックスが悪の代名詞として通じるレベルで暴れまわっていた規格外な連中の集まりであったともいえる。
一方で、イッショウ(藤虎)やシャーロット家の上の子供、百獣海賊団のメンバーの一部もその存在を認知している他、センゴクがロックス海賊団の詳細を若い海兵達に教える事をサカズキは止めなかった事から、特に緘口令等は敷かれてはいない様で海賊の歴史として知っている人物もそれなりに存在するものと思われる。
与えた影響
海賊団自体は38年前に起こったゴッドバレー事件において壊滅。
ロックス、白ひげ、ビッグ・マム、カイドウという強大な面々のロックス海賊団を相手に、後の海賊王ゴールド・ロジャーと海軍中将モンキー・D・ガープが手を組む事でこれを退けた。この事件がガープ中将の「英雄伝説」の始まりとされている。
ロックスは既に死亡しているが、上記の通り生存した白ひげ達が独立して活動を続け四皇と言った大海賊の船長に上り詰め、世界に大きな影響を及ぼす事になる。
その結果か海軍は「船長を失っても力は増している」「復活すれば脅威」と評しており、現在もロックス海賊団への懸念は続いている模様。
現在、拠点にしていた海賊島ハチノスは、元船員で有る王直がナワバリにしていたが、ロッキーポート事件で王直が敗れた事で、“黒ひげ”ことマーシャル・D・ティーチ率いる黒ひげ海賊団の拠点となっている。
ルフィたちに似ている?
なお、これらロックス海賊団の有する特徴は、容易に人へ従うわけではない人物が顔をそろえていることや、世界政府にケンカを売るも同然の信じがたい所業、クルー同士の傍から見れば殺し合い同然のケンカ、並びに(あくまで平時の航海に限定すればだが)クルーから船長への信頼がゼロに等しく、船長を通さず自分に相談するよう助言するクルーがいるという点で、実情を詳しくない者から見た場合の麦わらの一味もほぼ同類であるという点を指摘する向きもある。
ここから発展して、ロックス海賊団も実際には麦わらの一味のような集団だったのではないか?とする考察も散見されるが、内情をよく知る人物からも半ば黒歴史として封印されていることや、その後のクルーが様々な内心と立場を抱えつつも加入前から親交があった例を除いてほぼ全員敵対状態にある点、また、ガープ・ロジャーという麦わら一味のような集団が相手であれば組織を壊滅させるまでに敵対するとは考えにくい両名と完全に戦闘状態へ入った点から考えにくいものと思われる。
メンバー
船長
ロックス海賊団船長。現在は故人。
うねり逆立った髪が特徴で、身長6mを越える白ひげたちに比べると体格はかなり小柄。
詳細はリンク先を参照。
船員
ロックス海賊団当時については、「人の下に付けないタイプの人間が集まり過ぎたチームだった」と酷評しており、その当時の経験がますますニューゲートの「家族」を望む意思と自身の海賊団に仲間殺しの禁止のルールを強くした事が窺える。
また、カイドウをロックス海賊団に推薦したのも彼。
超人系悪魔の実「ソルソルの実」の能力者。
当時のロックス海賊団として描かれたシルエットやSBSで明かされた28歳時の姿、カイドウの過去回想の24歳時の姿を見る限り、当時から彼らの中でも特に高身長かつ、現在とは似ても似つかない程の美女だった。
……時の流れは残酷である。
超人系悪魔の実「フワフワの実」の能力者。
全盛期は同じ船員の白ひげやビッグ・マム、後の海賊王・ロジャーと世界の覇権を争ってきた。
莫大な財宝を残した事で知られる伝説の海賊。バギーがその財宝を狙っている。
既に故人であり、遺体はゲッコー・モリアがゾンビ兵として従えていた。
- 王直(おうちょく)
通称以外の詳細は不明。しかし近年まで存命ではあり、ハチノスに拠点を構えていた模様。
ロッキーポート事件を切っ掛けにティーチと激突して敗北、ハチノスにおける地位や権威を失った。現在の生死は不明。
- 銀斧(ぎんぷ)
現在は名前のみ。白ひげや金獅子らと共に並び称される大海賊。
自称"科学者"の女性。ロックス壊滅後はこの組織に居候している。
私情で海へ飛び出したアマゾン・リリー先々々代皇帝。恋煩いにて海へ飛び出した、九蛇の戦士の裏切り者。
- 兜を着用し右手に銃剣(ライフル)、左手に爪(または多重ブレードナイフ)を握った男
- 帽子とサングラスを着用し斧を背負った男
- 四本腕の男(画像上は不正確)
- 鉤爪を装備した男(画像上は不正確)
- ロジャー海賊団のシーガル・ガンズ・ノズドンに似た大柄の男
原作1096話におけるゴッドバレー事件の回想で登場したメンバー。
(このうち数名はモリア配下のゾンビの中に酷似した個体がいたため、既に故人と考える考察が散見される)
見習い
通称“百獣のカイドウ”。後の百獣海賊団総督。当時の懸賞金(初頭手配)は7000万ベリー。
15歳の時に訪れたハチノスにて、白ひげのスカウトで入団した海賊見習いで、当時は白ひげやリンリンの弟分だった。
以降、個人の強さのみで凶暴な海賊たちの尊敬を集め成り上がったという、ある意味では最も「ロックスらしい」男。
海賊団壊滅の際にリンリンから動物系悪魔の実「ウオウオの実 幻獣種 モデル“青龍”」を受け取り能力者となった模様。彼女はこれを「一生の恩」と呼んでいるが、カイドウはそれを突っぱねている。
関係性が示唆された人物
メンバー候補
通称“美食騎士”。後のビッグ・マム海賊団総料理長。
超人系悪魔の実「ククククの実」の能力者。
リンリンと幼少期から行動を共にしていたため船員(恐らくコック)だった可能性が高い。 ゴッドバレー事件では若かりし頃の彼らしき人物が移っているコマがあった。
黒炭オロチを導いた謎の老婆。
超人系悪魔の実「マネマネの実」の前能力者。
「(ワノ国の)国外にいた」と言う本人の発言と、マネマネの実のメモリーに若い頃のシキと思われる人物と、ある組織で製造されたクローンのオリジナルである元ロックスの船員の若い頃らしき人物が有った事や、作中から28年前にゴッドバレー事件を「あの事件」と発言していた事や、ロックス海賊団の存在そのものを認知していた事、そして「これからはロックスの残党達が台頭してくる」と言う発言から、元ロックスの疑惑がかけられている。
オロチの側近の1人。
超人系悪魔の実「バリバリの実」の前能力者。
その発言から元はひぐらしと共に海賊をしていたのでは?と予想されている。
元九蛇海賊団船長にしてアマゾン・リリー先々代皇帝。現在は海賊を引退し、シャボンディ諸島13番GRにある酒場「シャッキー'S ぼったくりBAR」の女店主をしている女性。
「40年ほど前に足を洗った」「若い頃暴れてガープに追われた」という発言や、上記のグロリオーサがロックス海賊団の船員だった事から、元はロックスのメンバーかその関係者だったのでは?と疑問視されている。90巻SBSでもその事をほのめかす文章が…
その他関係者(候補)
原作14話の東の海のオレンジの町で町長を務めたプードルによると、ルフィ出航時の時点で40年前(現在の時間軸は出航後2年経過したため42年前、センゴクから発言の38年前のゴッドバレー事件より4年早い)にオレンジの町を壊滅させられたらしいが、ロックスがゴッドバレー事件時の海賊団を結成する前に単身あるいは初期の無名メンバーの烏合の衆で略奪の限りを尽くしたのか、あるいはゴッドバレーと同じく真犯人は天竜人でミスリード狙いなのか自体は不明。少なくともオレンジの町に古代兵器やポーネグリフやワンピースと関わる秘密は確認されていないが、海賊にやられた古い町のことは忘れてと過去に奴隷せず前向きに最善を尽くしたい本人の性格からすれば、センゴクや世界政府から言われるまでもなく、“ロックス”の名は死んでも口にしたくないと思われる。
現在の時間軸で52年前(ルフィと合流時は50年前)に-ルンバー海賊団所属時、原作443話にて運悪く、恐ろしく強い同業者に壊滅させられたと語っていたが、それこそがその時点で名を出すのも忌々しいルーキー時代のロックスの可能性もあるかもしれない(ロックスはゴッドバレー事件以前から世界のタブーに触れすぎているため。)一方で原作506話にてブルックはルーキー時代のロジャーを思い返してはいるが恐れてはいないため、ルンバー海賊団を壊滅させた犯人はロックスは候補であれどロジャーではないことは確か。(原作488話によると武器に毒を仕込まれてルンバー海賊団の大敗となったが、今のところロックス海賊団の毒仕込みシーンは未確認。)
- リンリンの上の子供
カイドウの加入時期を鑑みると、少なくとも45歳のクラッカーから38歳のモンドールまではリンリンがロックス在籍中に誕生した計算になり、実際に該当者のプロフィールは出身が万国では無く「ある港」や「船上」となっている。
また、そういう話になると父親がロックスの船員の誰かという可能性まであり得る。
- 白ひげ海賊団関係者
年齢によってはロックスに所属していた頃のメンバーが解散後そのまま白ひげと行動を共にした可能性もある。
自身の率いる海賊団の本船に「サーベル・オブ・ジーベック号」と名付けていたり、現在は王直を倒してハチノスの元締めをしているなど、年齢を考えると船員ではなかったと思われるが、全くの無関係と見るのも怪しいところ。
少年時代から見習いとしてロジャー海賊団に所属してきた。
光月おでんの子供であるモモの助や日和を見て、ロジャーは「赤ん坊なんて久しぶりだな!!」と言っており、これがゴッドバレー事件の時点で1歳だった2人のことを指すとなると、ティーチよりは可能性は低いが関係があると思われる。
海賊だった親に、ウォーターセブンに捨てられた孤児。ゴッドバレー事件が38年前であり、彼の年齢が36歳である為、ロックスの船員の子ではないかと言う声がある。
だがファンブックによる情報から別の人物の子供で、ロックスとは無関係ではないかという声もある。
天竜人の最高位である五老星をも従える程の権力を持つ世界の王。その存在は世界政府の上層部のごく限られた者しか知らないが、ロックスの目的は彼の存在を知った上でその座と覇権を奪う事だったとも考えられる。
ロックスは幾つもの世界のタブーに触れたと言われているが、古代文字が読める彼等とは秘密裏に手を組み「Dの意志」や「空白の100年」、「古代兵器」等の真実を暴こうとしていたのだろうか?
また、当時の彼等は「空白の100年」に執着した冒険家にして、海軍による逮捕・投獄を10回も繰り返していたとの事だが……?
かつてゴッドバレーで活躍した「王者」とされる神の騎士団の最高司令官を務めている天竜人。
「ロックスが壊滅したゴッドバレーで活躍した」という点から、事件当時は何かしらの関わり(船員の誰かと交戦した?)が有ると見られている。
ロックス海賊団のメンバーであるキャプテン・ジョンをゾンビ化して従えていた。また将軍ゾンビにはロックス海賊団のメンバーを想起するゾンビがいると考察する人が散見するが関連性は不明である。
――と、考察界隈では概ね40~50年ほど前の出来事、特に海賊が絡むものならとりあえず片っ端からロックス海賊団の仕業にされる傾向がある。
無論、リンリンの上の子たちのように作中やSBSなど公式からある程度示唆されているものがあるのも事実だが、ルンバー海賊団のように当時から海賊は決して珍しい存在ではなかったことがうかがえるのもまた事実。その上ワンピースの存在も知られていなかった以上、現在の『ロマンを求める冒険家』という部分を然程持たない略奪者としての要素が大きい海賊団も多かったであろうという点も加味すると、必ずしもすべてがロックス海賊団とつながるものではない点には気を付けるべきだろう。
関連タグ
デービーバックファイト:この海賊団の結成地である海賊島ハチノスが発祥地のゲーム。この海賊団の結成の経緯や仲の悪さ、メンバーの豪華さ等から、ロックス海賊団のメンバーの大半はデービーバックファイトによってかき集められた、又はロックスの活躍がデービーバックファイトの原点や基盤となった可能性まであり得る。
船頭多くして船山に登る:詳細が判明しているだけでも船長レベルの人間がほとんどである。そういう意味ではウソップ脱退の一件でゾロが語った「いざという時に船長を立てられない奴は一味にいない方が良い。船長が"威厳"を失った一味は必ず崩壊する」という言葉通りの最期だったとも言える。