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デスティニーガンダムSpecⅡの編集履歴

2024/10/19 13:54:13 版

編集者:さといも

編集内容:記事の手直し

デスティニーガンダムSpecⅡ

ですてぃにーがんだむすぺっくつー

劇場版アニメ『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』に登場するモビルスーツ(MS)、ZGMF/A-42S2 デスティニーSpecⅡ。

シン・アスカ「この間はジャスティスだったから負けたんだ!デスティニーなら、お前らなんかにっ!」

機体データ

型式番号ZGMF/A-42S2
全高18.08m
重量79.44t
装甲材質ヴァリアブルフェイズシフト装甲
動力源???
所属モルゲンレーテ社世界平和監視機構コンパス
パイロットシン・アスカ

概要

第二次連合プラント大戦中の最終決戦である「メサイア攻防戦」にて激闘の末大破し月面に放棄されたZGMF-X42S デスティニーターミナルが秘密裏に回収、モルゲンレーテ社にて機体の修復と改修が施された物である。

本機は新型融合炉と新装備の性能評価試験に使用するテスト機として運用されていた。コントロールシステム(コクピットの内装やM.O.S)が最新のものにアップデートされたが、駆動系と武装構成は旧デスティニーからは変更されていない。さらに、同じく改修機であるストライクフリーダム弐式インフィニットジャスティス弐式と異なり、装甲形状やスラスター類にも変更点は一切ない

1年前まで最新鋭の機体であったデスティニーが旧式と評されてしまうほどにファウンデーション側の技術力は高く、機体の改修を担当したエリカ・シモンズによるとファウンデーションの新世代モビルスーツと戦うには心許ないとされていた。

とはいえ、(当時の)ザフトの最高技術を盛り込んだサードステージシリーズの高いポテンシャルは未だ健在であり、実際にはファウンデーションMSとの性能差を感じさせないほどの戦闘力を秘めている。

シンは、多くの戦場を共に駆け抜けてきたデスティニーに愛着を持っていたらしく、約1年ぶりとなる本機との再会では「デスティニー!」と感嘆するほど喜んでおり、上記のエリカの発言に対しても、「いや…これさえあれば、あんな奴らなんかに!」と自信に満ちた笑みを浮かべていた。

型式番号

型式番号は(ザフト正規軍の機体でなくなったにもかかわらず)ザフトの法則に則って整理され、対艦・対要塞用の高火力装備を持つことから任務記号に攻撃機を示す「/A」が追加された。

一方、インパルスSpecⅡと同様に実戦を想定した試作機に付けられる「X」は外された。その代わりとして末尾にはSpecⅡを示す「2」が足されている(額の刻印は改修前と変わらずに「X-42S」「DUE」となっている)。

所属

シンに引き渡された本機はストライクフリーダム弐式やインパルスSpecⅡ共々ミレニアムの艦載機となったことで、各種媒体では世界平和監視機構コンパスの所属機として扱われている。

ただし、ミレニアム自体をアレクセイ・コノエが「今はコンパスではない、言わば海賊」(要約)と明言していたり、本機の受領時点で公的組織としてのコンパスは活動が凍結されていることからも、正式なコンパス所属機とは言い難い複雑な面を持つ。強いて言えば、コンパス構成員が私的に調達して乗り回した機体ということでコンパス所属となっている(かつての三隻同盟所属機に近い)。

機体構成

旧デスティニーから変化している部分を中心に記載。

カラーリング

ヴァリアブルフェイズシフト装甲(以下VPS装甲)の電圧配分が調整され、頭部のブレードアンテナが黄色から本体と同様のグレーかかった白となった他、胸部のライトブルー部分が本体より明るい白に変更されている。おそらくはより最適化されたものと思われる。

頭部

原型機はハイパーデュートリオンエンジンを搭載していた関係上、額にデュートリオンビーム送電システムの受信機能を備えていたが、SpecⅡでは新たに友軍機へ向けて額からデュートリオンビームを照射する機能が追加された。

ただ、流石にミネルバほど長い距離での照射はできないようで、対象に最接近して行う必要こそあるものの、随伴機体であるインパルスSpecⅡをはじめとするデュートリオンビーム対応機へ電力供給を行い、わずか数秒間でバッテリーを全快にして戦闘へ復帰させるなど、強襲と補給のどちらもこなせる万能機としての一面を持つようになった。

なお、デュートリオンビームを受信する機能が残されているかは不明である。

コクピット

最新型であるライジングフリーダムイモータルジャスティスに採用されたタイプと同様の全天周囲モニターへと交換されており、視認性と機能が更に向上している。

動力

詳細は不明だが、VPS装甲色の変化、デュートリオンビーム照射システムの搭載、ストライクフリーダム弐式の武装の大半が(原型機と比べて)変更されていること、劇中でのエネルギー消費描写(レクイエム破壊直前で半分程度)などから、本機は新型融合炉のテストを担当していた可能性が高い。

フレーム

後述の戦闘中にはフレームが赤く発光する現象が確認されている。しかし、エリカの「駆動系(と武装)は昔のまま」という発言を考慮すると、発光中はストライクフリーダムと同様に超過駆動状態に至っていた可能性が考えられる。

元々、デスティニーのフレームは「VPS装甲の技術を応用した特殊素材」により製造されているため、色が変わっていても何ら不思議ではない。

なお、(ストライクフリーダムとは異なり)デスティニーのフレーム全てが光っていたわけではなく、両手と首(襟のようなパーツ)、胸部ダクトは発光していない。

武装

旧デスティニーより引き継いでいる武装は本体の出力向上に伴って各武装も幾分か出力が上がっているようだが、武装自体に変化は見られないため簡潔な解説のみとする。詳細はデスティニーの記事を参照。

  • MMI-GAU26 17.5mmCIWS

両側頭部に内蔵された近接防御機関砲。

本機の標準装備で唯一の実体弾兵装であり、数少ない固定武装だが旧デスティニー時と同様に劇中未使用。

  • MA-BAR73/S 高エネルギービームライフル

固有のビームライフル

SpecⅡへの改修後も用意こそされていたが、相対するブラックナイトスコードのフェムテク装甲にビーム射撃が通じないため後述のレールガンが手持ち武装として代わりに装備され、劇中未使用な上に登場すらしていない(キットには付属)。

  • RQM60F フラッシュエッジ2 ビームブーメラン

両肩に装備されているビームサーベル兼用の簡易ドラグーン式のビームブーメラン。ビームサーベル機能は劇中未使用。

右ウェポンラックに装備されている大型ビームソード(対艦刀)。

本装備のみカラーリングに変更があり、水色から明るめの白色に変更されている。

左ウェポンラックに装備されている大型ビームランチャー。

両手に装備されている高出力ビーム砲。

接射時の威力は依然としてMS用ビーム兵器としては破格の火力であり、VPS装甲製のマニピュレーターによる手刀をはじめとする物理攻撃と同時に使用できることから、実質的にビーム兵器無効のフェムテク装甲を貫通できる

  • MX2351 ソリドゥス・フルゴール ビームシールド発生装置

両手甲に装備されているビームシールド。

劇中未使用。

  • 対ビームシールド

左腕に装備されている実体シールド。

劇中では装備こそされているがシールドとしては未使用。

背部ウイングに搭載されている、レーザー光を推進力(光圧)に変換する自発的なレーザー推進システム。使用時には桃色の光の翼(量子被膜)が発生し、本機の機動性を高める。

この機能自体は、上記の武装と同じく旧デスティニーの時と変わっていないが、最大出力によって発揮される機動力は同じ原理を扱うブラックナイトスコードすら凌駕している。実際、ルドラ4機がかりですら本機を捉え切れず、傷一つさえ付けられなかった。

劇中ではミラージュコロイドの光線屈曲技術との併用で瞬間移動とも評せるような機動を見せており、更に残像形成とは別に、「DUPE粒子」と呼ばれる粒子によって静止状態からでも分身を形成している(恐らくは劇中で分身時にデスティニーの周りに見られた金色の粒子を指す)。

オプション装備

  • 試製35式改レールガン

フェムテク装甲対策として採用された追加武装で、「MA-BAR73/S 高エネルギービームライフル」の代わりに2挺装備。1挺は手持ち、もう1挺は予備としてリアスカートに装備して出撃している(発進シーンでは手持ちの個体しか確認できないが、後のシーンでは一貫してリアスカートにもマウントされていたため、発進シーンの方が作画ミスと思われる)。

C.E.73年にデスティニーと同時期に開発・完成していたとされる追加武装。名称からしてシルエットシステムの一種と思われる代物で、事実上のデスティニー用ミーティアと言っていい程の大型大火力装備。

本編公開当初は当時の関連書籍でも特に呼称されておらず、この名称はMETAL ROBOT魂での情報解禁により判明した。

劇中の活躍

オーブ連合首長国・アカツキ島の地下格納庫でストライクフリーダム弐式インパルスSpecⅡと共に改修・保管されていたところ、エリカ・シモンズの手により先の戦闘にてイモータルジャスティスを失ったシン・アスカに充てがわれ、他の2機と共にミレニアムに積み込まれる。

宇宙へ上がったミレニアムがファウンデーション軍と戦闘を開始し、先発隊としてルナマリア搭乗のインパルスSpecⅡ、ヒルダ搭乗のゲルググメナースと共に出撃しミレニアム防衛を担当する。

ブラックナイトスコード(以下ブラックナイツ)は、シンを一度撃破している上、現在では旧式であるデスティニーを持ち出してきたことに対し、「ふざけた連中」「少しは殺し甲斐がある」「兵隊どもの訓練には丁度良い」と歯牙にもかけていなかった。

しかし、ブラックナイツの認識とは裏腹にシンと本機は鬼神の如く大暴れを見せる。

艦隊と会敵した本機はブラストインパルスSpecⅡと共にこれを攻撃する。大量のジン-Fによるミサイル弾幕を物ともせずに高エネルギー長射程ビーム砲の一発でジン-Fを3機撃墜、さらに遠方からファウンデーション軍戦艦のブリッジ部分を的確にビーム砲で薙ぎ払って無力化、そこに持ち前の機動力で接近してエンジン部を的確に撃ち抜いて爆散させた。

ブラックナイトスコード ルドラ4機が現れると、レールガンを左手に持ち替え、フェムテク装甲に対して最も有効打となるアロンダイトを右手のみで展開、有効打となる武装2種を手にして全機を単機で相手取る。

全身のスラスターを吹かした状態にて、サファイア(ダニエル機)の重斬刀をアロンダイトで受け止め、すぐに弾いて左脚で蹴り飛ばす。サファイアを踏み台にする形で加速してスピネル(リュー機)からのビームを回避しながら接近、即座にビームライフルを斬り飛ばし、一瞬で反転してガーネット(リデラード機)からのビームを避けると同時にそのビームライフルをレールガンで破壊する。そこに斬りかかってきたエメラルド(グリフィン機)の重斬刀もアロンダイトで弾き、レールガンでこれを破壊する。イモータルジャスティスを撃墜したグリフィンですら驚愕する速度で動き、反撃を許さずダメージを与えていった。

なお、この時の本機はヴォワチュール・リュミエール展開である。

シン「この間はジャスティスだったから負けたんだ! デスティニーなら、お前らなんかにっ!」

シンは感情の高ぶりからSEEDを発動、同時にヴォワチュール・リュミエールを展開して突貫(直前にレールガンは投棄)。

背後からのスピネルによるビーム射撃を持ち前の機動力で振り切り、そのままサファイアに斬りかかり一度はシールドにて往なされるが、そこからアロンダイトによる計4回の回転斬りに移行してシールドを破壊、後ろから重斬刀で斬りかかってきたスピネルの攻撃をすんでのところで回避して背後をとり、パルマフィオキーナで振り向きざまに右肘関節を撃ち抜いて重斬刀ごと失わせている。

リュー「思考が見えない……!」

ダニエル「コイツ、考えていないのか!?」

対峙した2人はこのように驚愕しているが、これは思考を読んでくるブラックナイツに対して「SEEDを発現させ、思考を遮断して反射能力のみで戦う」というシンのみが出来る芸当で対抗(小説版では思考の先読みが追い付かない反射速度で、逆にブラックナイツ側の射線が読まれているような動きと表現され、この時点でブラックナイツを半ば恐怖に陥れている)していると説明されている。

その後はビームマントによる残像を解禁したルドラ4機と武器を持ち換えながらのドックファイトを繰り広げていたが、その最中にルナマリアのインパルスSpecⅡが激闘の末にフェイズシフトダウンを起こした為、即座にインパルスSpecⅡの下へ急行する。アロンダイトを一旦格納してレールガンに持ち替え、ルドラの追撃を振り切ってインパルスSpecⅡと合流、左手にてインパルスSpecⅡの左手をとり、額からデュートリオンビームを照射してインパルスSpecⅡの急速充電を行った。言い換えれば、総合性能だけで言えば遅れを取る最新鋭機4機を相手にしながら、こちらは無傷で的確にダメージを与えつつも僚機の補給ができるほどエネルギーに余裕があったという事でもある。

再度ルドラ4機とのドックファイトに移行した際は、対峙した本機は右手に2挺目のレールガン、左手に高エネルギー長射程ビーム砲を装備して応戦した。

想定以上の粘りを見せるシンに、痺れを切らしたブラックナイツはリューの号令でシンクロアタックを仕掛ける。4人で1つの意識体となったブラックナイツは、グリフィンがシンの精神に干渉して行動を掌握しようとするが、彼には戦争で負った心の闇とかつて救えなかった少女の魂があり、シンクロアタックに対するプロテクトとなっていた。

グリフィン「こいつの闇は...」

ダニエル「深すぎる...!!」

シンクロアタックへの反撃に呼応するように、デスティニーSpecⅡの関節部が赤く発光し、瞬間移動の如き挙動を見せ始める。

リュー「奴が消えた!?ありえない!」

シン「そんな寝惚けた分身が、通用するかぁ!」

ダニエル「知らないよ、こんな武器!?」

敵機の分身に対抗し、シンは最大出力の分身を繰り出した。それは「機体の背後に分身が追従する」ブラックナイトスコードや旧デスティニーが使用していたものとは次元の異なるものであった。

シン「分身はッ!こうやるんだぁぁぁーーッ!」

DUPE粒子によって、シンの咆哮と共に本機から複数の分身が生み出される。各分身は本体とは独立して動きながら、更にミラージュコロイドによる残像を形成し、結果として相手視点では 数十機単位のデスティニーSpecⅡが前方から群れを成して襲い掛かるという凄まじい光景が生み出された。

ヒルダ「あいつらの、仇ぃぃぃ!」

余りにも理解の範疇を超えた光景により足を止めてしまったルドラ4機の内、一番孤立していたガーネットを、アコードらによって葬られたマーズヘルベルトの仇討ちとして虎視眈々と狙っていたヒルダのゲルググメナースを分身でアシストしつつ撃墜を譲る(奇しくもヒルダ・マーズ・ヘルベルトがドムトルーパー隊時代に行っていたジェットストリームアタックを彷彿とさせる構図となった)。

この際、ゲルググメナースはいつの間にか本機の分身に紛れており、攻撃を見切ることができずガーネットは胴体部を切り裂かれている。

リュー「リデルーッ!」

グリフィン「うわあああああ!」

ダニエル「いやだあああああ!」

そのガーネットと共に爆散するリデラードから伝番した死の恐怖を生きたまま味わったことで恐慌状態に陥り連携が完全に崩れた所を逃さず───

スピネルを4体の分身に紛れたアロンダイトによる刺突攻撃で───

エメラルドを2体の分身と共に投擲した計6基のビームブーメランでフェムテク装甲を損壊させ、高エネルギー長射程ビーム砲によるゼロ距離砲撃で───

サファイアを2機の分身に紛れた突貫による胴体部への手刀を交えたパルマフィオキーナで───

…デスティニーSpecⅡは、分身・全武装・機動力を用いて3機を同時に撃墜。爆散するルドラを背に激闘を制した。

奇しくもそれはメサイア攻防戦でデスティニーが完全勝利していたら」というもしもの歴史の一幕を描いたHDリマスターのキービジュアルと同じ姿である。

相手が次世代MSであり且つパイロットも高い技量と特殊能力まで備えていた上に1vs4と数的不利もあったブラックナイトスコード戦であったが、メンタル面も絶好調のシンが搭乗する本機にはアコード4人ですら全くと言っていい程歯が立たない結果となり、旧世代MSでありながら新装備や追加装備無しで圧倒的不利な戦況を物ともせずに無傷で圧倒するという、前作の主人公に相応しい超人的な戦果を叩き出した。

激闘の末の本機はエネルギー残量と推進剤を6割ほど消費したものの、冷却材とHi-CAPACITOR(コンデンサ)は満タンであり、僚機にエネルギーを供与してなお余力を残した状態だった。

次世代MSでありパイロットとしての高い技量と特殊能力を備えたブラックナイツ4機でさえ、デスティニーSpecⅡの性能を限界まで引き出し、精神的な成長を遂げたシンの敵ではなかったのである。

その後、インパルスSpecⅡと合流し、レクイエム破壊のため月面のダイダロス基地へ向かった。途中でムウ・ラ・フラガアカツキからゼウスシルエットを受け取り、装備のため背部のアロンダイトと高エネルギー長射程ビーム砲をパージしてゼウスシルエットとドッキング。

ミーティア装備のインパルスSpecⅡ、キャバリアーアイフリッド-0に搭乗したインフィニットジャスティス弐式と共にレクイエムへ接近、発射寸前だったレクイエムの砲門に真正面から地中貫通弾を発射、その超高火力をもってレクイエムの完全破壊に成功するのだった。

ラストはルナマリアが乗るインパルスSpecⅡと共に月面に不時着したアグネス・ギーベンラートを迎えに行くシーンでインパルスSpecⅡの後ろでゼウスシルエットと共にいる姿が確認できる。その後、ミレニアムへ帰還している。

立体物

ガンプラ

総じてHGCEデスティニーガンダムのカラーバリエーションであるためSEEDアクションシステムの表示はないが、HGCEデスティニーガンダムの時点で既にSEEDアクションシステムに相当する関節が採用されている(特に上半身は肩アーマーが腕関節と同軸可動なことと手首接続がポリキャップな事を除けばほぼHGCEのライジングフリーダムやイモータルジャスティスとほぼ同構造である)ため、本機のHGCEもSEEDアクションシステム採用キットと比べても劣らないプロポーションと可動範囲を有している(そもそもデスティニーガンダムのガンプラ自体、アニメでの派手なポージングを再現できるよう可動範囲に力を入れたガンプラになり易い特徴がある)。つまりガンプラとしても『新装備の性能評価実験におけるテスト用機体』だったと言えよう。

最初は劇場限定販売でHGCEがクリアカラーで登場。後にプレミアムバンダイでも発売された。

同シリーズで発売したマイティーストライクフリーダムやインフィニットジャスティス弐式と違い、本体形状に変化が無いので過去に発売されたHGCEデスティニーガンダムの流用キットだが、各部のカラー変更に対応し一部成形色が更新されている。

なお、Aランナーでカラー変更の必要ないパーツである手甲のビームシールド発生装置と対ビームシールドのパーツもアンテナの巻き添えを食い変更されているが、こちらはシール対応となった。

黄色部分はデスティニーガンダム(ハイネ機)とも共通のため、ガンダムベース圏内住まいのファン(主に関東首都圏福岡市圏)からは今や通常版より入手が容易になってしまったHGCEデスティニーガンダム(ハイネ機)のクリアカラー版から手甲とシールド部分のパーツを拝借する者も出てきている。

通常、ガンプラのクリアカラーは本編とは関係の無い限定品として発売されることが多い。

しかし(デスティニー)SpecⅡの場合、劇中で忍者顔負けの分身攻撃を披露したからか、その再現を目的としたファンに大人気で劇場での発売日初日は各地で売り切れが相次いだらしく、残念ながら手に入らなかった人の中には旧デスティニーのガンプラを再塗装してSpecⅡを再現する者もいたとか。

これは2014年のガンプラEXPOで発売されたHGUC F91のクリアカラー版に(残像イメージクリアーVer.)と名付けられて以降、クリアカラー版=分身の代用として複数買いするモデラーが増えた影響といえよう。

プレミアムバンダイでの販売は同年2月20日に受注開始。…しかしながら案の定一瞬で売り切れた。さらに26日に二次受注、翌月18日に三次受注が始まったがどちらも瞬殺となっており、同時受注のHG ライジングフリーダムのクリアカラー以上の争奪戦となっている(もっともライジングフリーダムの方もあくまでデスティニーに比べればマシなだけで、こちらも即完売になっている)。ただ三次受注はライジングフリーダムと比べてもかなり膨大な個数を用意していたようで、幾度か在庫復活と売り切れを繰り返す状態が続いていた。

プレバンでここまで売り切れが早いのは転売屋が紛れていることも想像に難くないが、現地もプレバンも共通して一人(入場券1枚)につき1個の購入制限があるため、むしろ大量の在庫を売って儲けを取る転売屋にはハイリスクな商品となっている。

むしろ、上述の分身再現からすでに1個所持している顧客までもが次の受注でもさらに新たな在庫を求めてしまう事がこのような過酷な争奪戦の元凶と言える。そのため、HG ドアンザクのように短いスパンで定期的に受注を繰り返さないと供給が追い付かない可能性も危惧されている。バンダイ側もこれを理解しているのか、三次受注以降はライジングフリーダム共々、定期的に抽選販売を行っている。

そして、5月8日に行われた「第62回 静岡ホビーショー」にて「HG 1/144 デスティニーガンダムSpecⅡ&ゼウスシルエット」の発売が発表された。2024年11月発売予定で価格は7,920円(税10%込)。

元のHGCEとの差別化のためか本体カラーが濃い目のグレーとなっており、かつてファンの間で言われていたレジェンドの色合いに近いグレーになっている。

光の翼やパルマフィオキーナのエフェクトといったHGCEにあったものは付属する。ただしHGCEデスティニーに付属していなかった(旧HGには長短ともに付属していたが、なぜかHGCEにはない)ビームブーメランの長いビームエフェクトは今回も付属せず。自作するか旧HGから拝借するしかないのが残念。ただしSpecⅡは今回ビームの延長を用いていないため、劇中の再現という面では問題はない。

アクションフィギュア

2024年2月にはMETALROBOT魂が発売。同年7月発送。

造形は2019年に発売されたデスティニーと同様だが、アンテナと胸部のカラーが本作仕様になっている他、全身のカラーも再コーディネートされ、マーキングもコンパス仕様に変更されている。武装も新規にレールガンが付属する(通常のビームライフルも付属)。

光の翼&エフェクトセットもカラーリングを一部刷新して再版され、またデスティニーSpecⅡが装備可能なゼウスシルエットも別売りで販売される。

結構なお値段(デスティニー自体は18,700円でゼウスシルエットは19,800円、光の翼エフェクトは7,150円)なのだが、プレミアムバンダイで予約開始が始まると即在庫切れになっており、即日二次受注開始が告知される程の人気を叩き出した(ただしこちらもオプションセット共々転売屋が紛れていたことは間違いなく、即日定価の数倍の値段で予約を受け付けている販売サイトが続出した)。

余談

  • 作品公開前の公式サイトではインパルスSpecⅡは掲載されていたが、本機は掲載されていなかった。キラアスラン終盤の機体と併せてネタバレ回避の為の措置が取られている。(正式発表は公開から3日後の1月29日)
    • 放映前に「もしかしたら新型のデスティニーが出るのでは?」と考察する者もおり、まさに視聴者にとってサプライズ演出となっている。
    • しかし映画公開日と同日発売・サブスク解禁された同映画サウンドトラックのDISC2 13曲目に「出撃!デスティニー」があったため、サントラがデスティニーの登場をネタバレしてしまっている。なお、この「出撃!デスティニー」は『DESTINY』時代に使われた「出撃!インパルス」のアレンジ版で、大活躍した本機の出撃シーン時に流れたBGMというのもあって、同サントラでも例のズゴックで有名な「援軍」や最終局面で流れた「対決の刻」に並ぶ人気BGMとなった。
  • 機体色がグレーに近い色に変更されたように見受けられる。シンの亡き親友の機体であるレジェンドの色を受け継いだという考察がされ、胸熱な気持ちとなった視聴者もいる。
    • スタッフの射尾卓弥氏の発言より、実際にはデスティニーの時点でグレーかがった白であり、SpecⅡがレジェンドに近付いたグレーかがった白というのは印象補正であるとのこと。該当ツイート
    • 実際、TVシリーズでもストライクフリーダムとの戦闘シーンで比較すればあちらよりも暗めの白であることが明白であり、実際のところはハイライト追加で色味が変わったように見えることと、作画の進化でより設定の色合いに近づいたということなのだろう。
  • 前作では、シンには多くの問題が降り掛かったためメンタルは安定しておらず、旧デスティニーは真価を発揮する状況に恵まれなかった。
    • 今作ではメンタルの問題を乗り越え、劇中前半「キラに頼りにされていないのでは?」という不安も、キラ本人から直々にミレニアム護衛を任されたことで解消。結果的にデスティニーSpecⅡ搭乗時点でのシンのメンタルはこれまでになく絶好調の状態にあり、機体性能を最大に発揮して前作での鬱憤を存分に晴らすかの如き怒涛の暴れっぷりを見せ、今作のMVPと言える大活躍を成し遂げた。
    • その圧倒的な活躍ぶりから公式人気投票の中間結果(2024年2月18日時点))で歴代のフリーダムシリーズを抑えて見事MSランキングの1位に輝いた。該当ツイート
    • そして2024年3月24日に最終結果が発表され、1位のフリーダム、2位のマイティーストライクフリーダムに次ぐ3位という結果となった。
  • 映画の公開前によく挙げられていたデスティニーの弱点として、両腕部を破壊されると戦闘不能になるというものがある。ただし、シン搭乗時のデスティニーの両腕部を破壊できるほどの相手は、(現状では)アスランしかおらず、パイロットの状態が万全であれば(相手が複数の次世代機でも)被弾の可能性は低いことが今回の映画で実証された。
    • 腕部喪失による戦闘能力の喪失は大抵のMSに当てはまることであり、常人なら戦闘不能と判断して撤退するのが常である。
    • 弱点とされた理由は、同期の機体の多くが腕部を必要としない内蔵武器を搭載していたためにデスティニーの仕様が目立ってしまったのだろう。
    • 両腕部を破壊されて戦闘を続行できたのは、前作のラスボス機として登場したプロヴィデンスぐらいであり、そちらはドラグーンという初見殺しかつ汎用性の高い砲塔を山積みした特殊な機体である。
    • 後付けではあるが、デスティニーの内部フレームが『DESTINY』本編では発光しなかったのはシンが(旧)デスティニーの性能を完全に引き出せていなかったからと見ることもできる。逆に言えばシンのメンタルが不調だったにも関わらず、ストライクフリーダムやインフィニットジャスティスに対抗できていたことから、本機の元々のスペックの高さが窺い知れる。
    • ゼウスシルエットを受け取ったシーンのモニターを見るとエネルギー残量が半分を切っているが、これは改良された新型動力である。この描写から推察するにデスティニーは最大稼働を行うと核動力でも供給が追いつかなくなるほどに燃費の悪い機体であることも証明された。
    • 最大稼働時に「VPS装甲・PS関節・光の翼・ミラージュコロイド・高火力武装」とこれだけエネルギーを大きく喰う機能を同時に稼働させていることや戦闘中にフェイズシフトダウンを起こしエネルギーが切れかけていたインパルスSpecⅡにエネルギーが満タンになるほど給電していたことを考えると、この描写は妥当とも言える(C.E.世界のバッテリー機では燃費が悪く運用が困難であるため)。
  • 小説版ではシンが作中前半に搭乗していたイモータルジャスティスのほうがデスティニーより火力が上とされている。
  • 劇中で見せた分身機能に関しては、ミラージュコロイドとは別のDUPE粒子によって生み出されたものであることが小説版にて明かされたが、肝心のDUPE粒子に関する説明がない。ちなみにDUPEとは「複製」や「騙されやすい人」といった意味がある。
    • 多重分身機能を見たTVシリーズからの視聴者は、ダニエルの「知らないよ、こんな武器!?」というセリフを受けて「こっちもこんな武器知らないよ」という感想が見られた。なお、ダニエルのセリフは分身機能を見てのものではなく、その直前の瞬間移動のごとき挙動を見てのものである。
  • 前作ではデスティニープランの切り札として開発された旧デスティニーだったが、今作ではそのデスティニープランを真っ向から否定する切り札として活躍し、デスティニープランによって世界を自分達の手中に収めようとしていたファウンデーションを止めるために戦うことになった。かつての護衛対象であり切り札であったレクイエムをデスティニー自身が破壊するという皮肉めいた結末を迎えている。
    • 一方で(福田監督による意図は全く無いのだが)、ギルバート・デュランダルが構想していたデスティニープランは「誰もが己の持つ素質を最大限に活かすことで、より人類がそれぞれ役割を見出せる幸福な世界を目指すこと」が目的があり、その本質は「適材適所」「個性の尊重」であった。しかし、ファウンデーション側は「能力至上主義」や「選民思想」と捉えてしまい、ブラックナイツの面々を筆頭に「自分達は統治者であり上位の存在」と認識して他の人々を見下す態度を取るなど、本来あるべき形とは程遠い言動をしていた。そんな傲慢な姿勢を取り続けた彼らにプランの象徴だった本機で勝利したことで、ファウンデーションが目指したデスティニープランを否定しつつもギルバート・デュランダルの望んだデスティニープランの守護者」として、プラン本来の在り方を体現したとも解釈ができる。
  • 映画公開前の2024年1月18日にデスティニーインパルスの再販予約が始まったことから、視聴者からは「劇場版にデスティニーインパルスが登場するのでは?」と予想されたが、実際は改修されたデスティニーが登場。後のインタビューでデスティニーインパルスが登場する案もあるにはあったものの、インパルスは装備の換装をしてこそという考えがあったことと、(似通った武装を持っているデスティニーインパルスでは)戦闘方法がデスティニーと被ることが予想されたため没案となっている。

関連タグ

関連組織

世界平和監視機構コンパス:現所属組織。

ザフト:前所属組織。

オーブ連合首長国:本機をサポートしている国家。

モルゲンレーテ社

関連機体

前駆型

ZGMF-X42S デスティニー

関連人物

シン・アスカ エリカ・シモンズ

外部作品

ガンダムF91:「MEPE効果」により装甲表面が剥離して発現した現象。あたかもF91が分身したように見える。質量を持った残像

ゴッドガンダム:分身殺法ゴッドシャドーを駆使して、自身の分身を発生させ敵を翻弄する元ネタ

魔法使い(ワーロック):戦闘中にナノマシンの微粒子を散布し、自身の分身、幻影の蝙蝠などを出現させ敵機体を翻弄する。

アリオスガンダム:作戦行動中において僚機エネルギーを供給して継戦させることが可能である点が共通。

デスティニーガンダムSpecⅡの編集履歴

2024/10/19 13:54:13 版

編集者:さといも

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