概要
『艦隊これくしょんの感想・評価タグの一つ。
「おまえのようなババアがいるか」・「お前のような駆逐艦がいるか」タグからの派生で、とても空母とは思えない絵に使用される。
複数のパターンが見られる。
実際(pixiv)の例
なにかあざとい意図を持って空母娘(主としてあの艦)と衣装交換した別の艦種(胸部装甲厚め)だったり、
同音異義語だったり、
生体兵器化してたり、
そもそも根本的な部分で何かが間違っていたり、
と、様々である。
史実の例
名前に「空母」とついてはいるものの……
あるいは、紛れもなく「空母」ではあるものの……
所属が変わっているだけで下記の連中に比べたら普通の強襲揚陸艦である(当時としては革新的な艦であっただろうが)。
同時期のアメリカ軍も“海兵隊空母”なるものを運用している(CVE-106ブロック・アイランドなど)。さらにアメリカ陸軍は戦車揚陸艦を改造したこんなものやこんなものを運用していた。
- 輸送船兼航空母艦
MACシップ(イギリス)と特TL船(日本)。
船団護衛と輸送任務が両方できる一石二鳥かつ自力更生な航空母艦たち。
要は民間の商船に飛行甲板とアイランドなんかを載せただけ。陸軍特TL船(山汐丸)にいたっては、搭載機用の燃料(ガソリン)をドラム缶に詰めて船内に並べておくという、おいばかやめろな仕様(鳳翔と同じく、格納庫内はタバコも吸えない火気厳禁になったはず)。
搭載機もMACシップはソードフィッシュ、特TL船は海軍が九三式中間練習機、陸軍が三式指揮連絡機と、これまたカタパルト不要なお手軽機ばかり(海軍特TL船は烈風などの搭載も考慮されていたようだが)。
いずれも民間船籍のまま、民間人によって運用される「民間空母」という点でも特異な存在。
いかにも「間に合わせ」臭の漂う船ばかりだが、大戦初期に登場したMACシップはそこそこ活躍した一方、大戦末期にようやく仕上がった特TL船は、全く動けなかった。
間に合わせは、間に合わなければ意味がないのである。
ついでに言うと
- イギリス「ソードフィッシュソードフィッシュやかましゃー!! ちゃんと単葉機シーハリケーンも運用できるわ!! お前らこそなんだそのザマ。後うちの直弟子笑うんじゃねぇ元植民地」
とのこと。
…くそっ さすが英国紳士だぜ!
戦後に請求されたであろう補償金を考えると当初の作戦(パナマ運河攻撃)を変更してくれてよかった。
(補足)
この「潜水空母」。ある程度見込みがあると考えられているのか、(実現こそしていないものの)戦後も何度か噂に上がっている。
近年では、オハイオ級原潜に無人機(UAV)を搭載する構想が明らかにされている。
さらにアメリカは搭載機の開発も大真面目にやっていた(XF2Yシーダート)。
- 空中空母(飛行空母)
アメリカ海軍のアクロン号(ZRS-4)とメイコン号(ZRS-5)。
歴史上極めて希有な「船でない空母(飛行船)」。
戦闘機(専用設計)を5機搭載できるだけで攻撃能力は皆無に等しかったが、現代の早期警戒機と同等の活躍が期待されていた。
2隻とも悪天候のために墜落、短命に終わったが、そのまま実用化に成功していたらたぶん日本海軍は真珠湾攻撃を諦めていた。
なおこれとは別にソ連もTB-3爆撃機ベースの空中空母SPBを開発しており、独ソ戦で実戦参加し戦果を残しているがなぜかプロジェクトは中止になる。
制空用の戦闘機や近接航空支援用の攻撃機の生産が優先されたとか。
アメリカも懲りずに戦後B-36ベースのGRB-36Dを実戦配備している。
- 練習専用空母
アメリカ海軍の空母ウルヴァリンと空母セーブル。
一応空母と呼ばれるが、艦種上は雑役船の扱い(艦番号IX-64と81。非公式には“T-CV”の呼称も使われた)。その実、五大湖の客船(つか遊覧船)に喫水線ぎりぎりで飛行甲板を載せただけ。しかも外輪船。機関は石炭炊きのレシプロ。
そして二隻とも湖から一度も出た事がない。
(とはいえ、五大湖は“北米の地中海”と呼ばれるほどだだっ広く、2隻が主に活動したミシガン湖だけでも琵琶湖の86倍、1都6県+福島、山形に匹敵する。加えて荒波もUボートの脅威もないため、訓練にはうってつけだった)
MACシップ以上にやっつけ感漂う空母だが、多くのパイロットを養成し、第二次世界大戦におけるアメリカの勝利に貢献した。その数、両艦合わせて実に17,820名。着艦は116,000回を数えた。後に大統領、さらには原子力空母(CVN-77)の名にも冠せられたジョージ・H・W・ブッシュ(パパ・ブッシュ)もその一人。
ある意味、アメリカ海軍版のお艦である。
- 航空母艀
英国のSeaplane Lighter。
Aircraft Carrierと呼称しているのでフューリアスよりも早い世界初の空母にして実戦投入された最小の空母。
第一次世界大戦でドイツ軍の飛行船やUボートと戦った。
カサブランカ級航空母艦。
デ〇ゴスティーニの分冊百科ではない。本当に創刊されたら、1年で陳列棚が空母で埋め尽くされてしまうだろうが、大戦中のアメリカは1/1スケールでリアルに実現してしまった。
戦後は艦種を“雑役空母”なるものに変更される。
エセックス級航空母艦。
隔月刊正規空母とも言われるが後期の建造ペースを見る限り月刊正規空母でも差支えがない。
なお初期型は舷側カタパルトなる面白ギミックを搭載していた。
さらに加えて、臨時増刊軽空母・インディペンデンス級/サイパン級、決定愛蔵版・ミッドウェー級が続々刊行。
と言っても、エセックス級自体は別に本当に2ケ月で完成させていたわけではない。多くの造船所で同時に起工して順次竣工しただけの話である。日本も戦いは数だよ!ってことにもうちょっと早く気付いてればなぁ。
- 雲龍型空母は計16隻の予算が通過し、うち9隻が着工している。やればできたのだ。やらなかったから負けたんであって。
- その代償として戦艦は全部キャンセルされた。一方、アメリカは未練たらしく戦艦を10隻も建造し続けている。もし雲龍型が先に太平洋を泳ぎ回っていたら、「アメリカの敗因は戦艦偏重主義から抜け出せなかったこと」となっていただろう、とも。
(珊瑚海海戦の折、全速回避中に、潮ほか護衛の駆逐艦を振り切ってしまった)
人殺し長屋空母に焼き鳥製造機空母。
近代化改装前は重巡洋艦並の火力を持つ三段甲板式空母。改装後は無理が祟って艦内がダンジョン状態な空母になった。
赤城・加賀に限らず、黎明期の試行錯誤の時代の空母の数々も、今から見るとかなりのゲテモノ仕様ぞろいでキリがない(のでひとまず割愛する)。
HMS Unicorn, I72
工作艦兼航空母艦という時点で?マークが付くのに水上戦闘艦に混じって対空砲で地上支援の艦砲射撃をするとかわけがわからないよ。
わざわざ対空用の艦載砲で敵艦船と接近戦をやるような空母が他にいるかっ。
他にいた。(→「孤軍奮闘艦」の項も参照)
上司「そんな空母がいるか」
アーチャーフィッシュ艦長「」(ちなみにだが信濃の姉妹艦である大和を攻撃した潜水艦スケートも艦長が目撃しただけで信じてもらえなかった。この両艦も姉妹艦である。)
大本営「もうあの空母はいないから…」(震え声)
余談だが、アメリカ海軍では戦没した(戦功のあった)艦の名を、新造艦に受け継がせる例は普通に見られる(レキシントンCV-2→CV-16、ヨークタウンCV-5→CV-10など)が、当時の日本海軍にとっては“非常識”な話だった。
なので、無線でこれら“復活艦”の名を傍受すると、「沈めたはずの艦が活動している!」と驚いた(震え上がった)とか。
だが、エンタープライズ(CV-6)は復活でも化けて出たのでもなく、本当に生き残っていた。
ちなみに、日本によるエンタープライズの“死亡宣告”(撃沈の報道。もちろん誤報)は9回にも上った。
大戦中、日本陸軍はフィリピン・ネグロス島の航空基地を“空の要塞”と称し、
「米軍がレイテに押し寄せたら、こちらは不沈空母、向こうは可沈空母。あっという間に叩いてみせるわ!」と豪語していた。
……実際には要塞どころか、掩体壕もろくになく、航空機は藪の中にカモフラージュされていただけ。高角砲はわずか三門。
完備していたのは“慰〇所”だけだったという。
・日本
全長約3,300km、最大幅約300km、100本以上の離着陸可能な滑走路を有する航空母島。
ヘイスタック・カルホーン……って、誰が覚えてる。
構想そのものの沈没回数は群を抜く不動空母。
(逆パターン)「空母だろお前!?」
以下は、「お前のような〇〇がいるか(空母だろお前!?)」な方々。
(連邦崩壊によりソ連の系譜は途絶えたが、日本の伝統は戦後も連綿と受け継がれている)
大鯨「潜水母艦です」
ロンドン海軍軍縮条約「(変な煙突だけどまあいいや)よし、通れ」
剣崎「給油艦です」
高崎「同じく」
ロンドン海軍軍縮条約「…よし、通れ(なんであんな所にエレベーターがあるんだ?まあいいや)」
千歳「水上機母艦です」
千代田「同じく」
ロンドン海軍軍縮条約「…よし、通れ(あの屋根は何に使うんだ?まあいいや)」
出雲丸「同じく」
ロンドン海軍軍縮条約「お前らここ窓口違う(変なところに竪穴があるけどまあいいか)」
~時は流れて~
艦これ以前からのウォーゲーマー「お前らのような軽空母がいるか!!」
- 尚、彼女ら以前にも新田丸級貨客船という前例はあった。
キエフ「巡洋艦です」キリッ
モントルー条約「…よ、よし、通れ」
アドミラル・クズネツォフ「巡洋艦です…ほらグラニート積んでるし…」
モントルー条約「…」
ひゅうが「ヘリコプター搭載型駆逐艦(DDH)です…ほらVLS積んでるし…」
内外の関係者「せ、せやな…」
やっぱり空母だったじゃないか!
いずも「…」
内外の関係者「…」
かが「……失礼します。」
内外の関係者「!?!?」
のちに、F-35Bを運用するための改装を行うことが決定した。
いずも「いえ、常時戦闘機を積むわけではありませんので、攻撃型空母ではありません」キリッ
内外の関係者「まだ言うのか……」
かが「こちらにも諸々と事情がありまして」
ヴァリャーグ「航空母か…重航空巡洋艦を卒業してマカオでカジノデビューするから通してっちょ」
モントルー条約「…」
ちなみに、中国への売却時は艦船ではなくスクラップの扱いだったので、嘘は言ってない。嘘は……。
「MiG-29K載せてますけど、まあ、もう“海峡”も通過する必要はありませんし」シレッ
(補足)
モントルー条約は「ダーダネルス海峡の航空母艦の通過を禁じている」と勘違いされがちだが、実際はざっくり言うと「海峡を通過できるのは合計排水量1万5千トン未満の軍艦のみ」と制限している(他にも直衛艦などで細かい規定がある)
これには例外規定があり「黒海沿岸諸国は1万5千トン以上の主力艦を1隻のみ通過できる」とされ、ソ連はさらに例外として4万5千トンまで容認されているが、現在の常識と異なり、条約内では巡洋艦は主力艦扱いだが、空母(主として海上における航空機の搭載と離着陸を行う船)は主力艦ではないのである。
だから、排水量4万3千トンのクズネツォフは、「空母」を名乗ると海峡を通過できない。あくまで「(補助的に)航空機も搭載・運用できる巡洋艦」と言い張る必要があったわけである(条約締結当時も、巡洋艦などに水上機を搭載する例は普通にあった)
なお、日本もモントルー条約批准国であり、当時の枢密院で審議された際の和訳資料が、現在もアジア歴史資料センターで閲覧可能である。
ちなみに、日本も前述の“例外規定”があり、当時の練習巡洋艦3隻は通過を容認されている。浅間・八雲・磐手のうち2隻で、合計1万5千トンを超えてしまうためらしい。
(サンフランシスコ講和条約で同条約による“利益”は放棄しているが、正式に条約を破棄した形跡は無い)