「拙僧の名はテッチュウ。ドン・アルマゲ様の家臣にして、フクショーグンが一人」
「喝っっ!!」
「危険なのは鳳ツルギだけにあらず。貴様ら全員を抹殺する!」
データ
役職 | フクショーグン(キュウレンジャー担当) |
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出身 | 惑星サビナイン(ケフェウス座系) |
身長 | 242cm(ヒカエオロー身長:55.7m) |
体重 | 218kg(ヒカエオロー体重:501.4t) |
装備 | テッキュウ |
分類 | 鋼鉄宇宙人 |
CV | 土田大 |
スーツアクター | 伊藤茂騎 |
概要
宇宙幕府ジャークマター最高幹部・フクショーグンの一人。ケフェウス座星系・惑星サビナイン出身。同格であるアキャンバー・ククルーガと共にショーグン・ドン・アルマゲからの勅命を受け、アルマゲが危険視する鳳ツルギ/ホウオウソルジャーを抹殺せんとする宇宙の破戒僧。
長い首と力強い手足を有した鋼鉄の体に髭を蓄えた顔を持つ、老僧のごとき威厳と貫禄を感じさせる戦士で、一人称は『拙僧』。「喝っ!」が口癖。
外見の特徴である長い首はサビナイン星人特有の『鉄骨ピラー』で、生半可な攻撃はこれによりかわすまでも無くどっしりと受け流してしまう。左腕より長い鎖で繋がれた棘鉄球『テッキュウ』(※通常時は左肩に置かれ、鎖は左腕に巻き付けている)を軽々と振り回して敵を薙ぎ払う圧倒的な戦闘力を持ち、テッキュウをロケットランチャーの様に勢い良く発射する事も出来る。
その他にもスパイクが付いたナックルを装着した右手から火球を生成して投げ付ける、左腕の先端から機関銃を発射、胸の前で両手を合わせて紫色のエネルギー弾を生み出して放つ等、攻撃手段も豊富。
また、デスワームの亜種・メタルデスワームや自身の右腕であるジャークマターの処刑人・ギャブラー等、独自に保有する戦力も侮れない。
ツルギとはかつて300年前に交戦した経験があるらしいが、「昔より強くなってねえか?」というツルギの問いに「昔?お前のような男、会ったことはない!」と返しており、アルマゲによる歴史改竄の謎が影響している様子。
武骨な外見に違わず、淡々と勅命を果たそうとする実直な性格ではあるが、武人肌の持ち主とは言えず必要とあれば味方を犠牲にする戦いや不意打ちも辞さない。
また、己の実力を過信する傾向もあって、交戦によってツルギ以外のキュウレンジャーの危険性を理解したにもかかわらず、単身で12人のキュウレンジャーに真正面から挑んでしまう無謀さが命取りになった。
あまり饒舌で無い故に誤魔化されていたが、彼の本性は非常に自尊心が高く傲慢。己の実力を過信する傾向の他に、ジャークマターに反抗する者達を『小さな存在』と十把一絡げにして切り捨てる口振りよりもそれが滲んでいる。
同胞に先んじ、単独でツルギやキュウレンジャー討伐に乗り出したのもこの本性に突き動かされた面が大きく、彼の最後はこれが裏目に出た自業自得な物だったとも言える。
各話の行動
Space.23
ドン・アルマゲによって召集され、鳳ツルギを抹殺する為にその一番手としてチキュウへ来臨。ジャークマター放送局でメディアツヨインダベーと戦っているキュウレンジャーへ割り込む様に襲来、ツルギ/ホウオウソルジャーと交戦し抹殺しようとする。
テッキュウを豪快に振り回しながら、ホウオウソルジャーのみならずキュウレンジャーも追い詰めて行き、その際に民間人を守ろうとしたワシピンクに傷を負わせ変身を解除させるが、民間人を避難させながら未知なる強敵と戦うのは危険と判断、一時撤退の命令を下したショウ司令の言葉を受けたキュウレンジャーは逃走。これを追おうとしたがソルジャーがホウオウシールドの能力『アマノガワ』を使い目晦ましをして来たので結局逃してしまった(※この直後、滅多に公へ現れないフクショーグンが来訪した事に興奮したメディアツヨインダベーの突撃インタビューを受けたが、興味無いと言いたげな感じで邪険に振り払っている)。
その後、キュウレンジャーとツルギの力を確かめる為に戦いには参加せず、代わりに配下のメタルデスワームを仕向け、シシレッド・ホウオウソルジャーと戦わせる。
結局メタルデスワームはホウオウソルジャーに倒されてしまったが、「その程度か、鳳ツルギ」とあれだけ強いツルギがまだ力を出し切れていない事を仄めかす様な言葉を呟いた。
Space.24
自身の配下である処刑人・ギャブラーを召喚。彼と共に破壊活動を行ってキュウレンジャーやツルギを誘き出して交戦。大半のキュウレンジャーをギャブラーに吸収させ、お互いの折り合いが悪く互いに足を引っ張り合ったラッキーとツルギを圧倒し変身解除へ追い込む。
そのまま2人へ止めを刺そうとした所で、ツルギを挑発すべくアルマゲが立体映像越しに登場。彼へ一旦引く事を促されたのでギャブラーと共にその場は撤退する。
その後ギャブラーが吸収したキュウレンジャーを救うべく単身現れたツルギを2対1で仕留めようとしたが、ラッキーとショウ司令の横槍で失敗。しかもラッキーの言葉で彼等と肩を並べて戦う事を決めたツルギが3人で挑んで来たので2対3の戦いに。テッチュウはソルジャーに加えシシレッドと交戦するが、『戦う盾となる』事を決めたレッドのタテキュータマを使った戦法とソルジャーの攻防一体の動きに押されてしまう。
そして程無くギャブラーが倒されたので、彼へ活を入れる事でヒカエオローを促して巨大化させた上で自身も巨大化。キュウボイジャーへ搭乗したレッドとソルジャーを圧倒するが、直後にキュウレンジャー全員のチェンジキュータマがレッドとソルジャーの元へ集結、その力によりキュータマジンが完成。
これにギャブラーごと圧倒された為、止めを喰らう直前にギャブラーを盾にして攻撃を凌ぎ自分一人逃走した。
もっとも、こうして側近を犠牲にして生き延びた事はテッチュウ本人も許せなかった模様。
Space.25
前回の戦闘でツルギは勿論それ以外のキュウレンジャーも脅威に値すると判断し、自らキュウレンジャー全員を抹殺する作戦に変更。実行する為トケイ座星系・惑星トキへ赴き、先に来ていたラプターとスパーダを襲撃するも、そこで到着したラッキー達の妨害を受ける。しかし、そこで全員を叩き潰さず、一人ずつ嬲り殺す事を宣言すると一旦姿を消す。
そこで彼が暴れた影響で惑星トキの時間に歪みが発生した事で母・佐久間暁美との再会を果たした小太郎を襲撃するも、遅れて駆け付けたスティンガーやチャンプ、ツルギが小太郎へ加勢したのである程度交戦した後に逃走する。
その後いつの間にか回収していた破片からマーダッコを再生、各々ネジを締め終えて合流を始めた他のキュウレンジャーに嗾ける。しかし以前よりも遥かに強くなったキュウレンジャー相手にマーダッコ単体ではもはや足止めにすらならず軽くあしらわれた為、そのマーダッコを引き連れて一旦変身を解いたキュウレンジャー達の前へ自ら姿を現す。
だが直後に救世主として、母と再び別れてでも宇宙を救う事を決意した小太郎を始めとした残りのメンバーも参戦、そうして12人揃ったキュウレンジャーは一斉スターチェンジ。
勿論、怯む訳も無く応戦し、小太郎/コグマスカイブルーのマフラーで絡み取られ他のキュウレンジャーに追撃されつつも、「貴様らのような小さな存在が何人束になろうが、ジャークマターの巨大さには太刀打ちできん!」と挑発し攻撃するが、「俺は小さくなんかない!」と反論された上でオオグマキュータマを使った巨大化攻撃や仲間のキュウレンジャーとの連携で圧倒される。
そしてマーダッコも倒された上で、12人が放ったアルティメットオールスタークラッシュを喰らい敗北する。
しかし、「認めん!認めん!ジャークマターは不滅なり!!」と叫びつつヒカエオローを果たし巨大化。これに対しキュウレンジャーはキュウボイジャー全機を発進、その力を結集させたキュータマジンを完成させ全員で操縦する事で対抗する。
テッキュウの振り回しや紫色のエネルギー弾等で波状攻撃を仕掛ける物の、ツルギを司令塔としたキュウレンジャー全員の操作で悉く防がれた上、それ以上の波状攻撃を仕掛けてくる相手に自身が圧倒されてしまう。
そして最期は、止めに放たれたキュータマジンアルティメットメテオブレイクをテッキュウの射出で食い止めようとするが結局押し負けて直撃。
「ジャークマターよ、永遠なれ!!」と言う言葉を残し爆散・戦死した。
Space.42
肉体はジャークマターラボへ回収されており、アントン博士の手により自分に遅れて戦死したアキャンバー、ククルーガと混ぜ合わされる形でサイボーグ体・アキャチューガへと改造される。
惑星サザンクロス内部へと突入したキュウレンジャーに対して投入され、先の復讐戦とばかりにスペースロボ達相手に暴れ回るが、負けじと使える限りの巨大戦力を投入した相手との総力戦に敗北。他の2人と共にジャークマターを讃える言葉を叫びつつ、本当の最期を迎えた。
過去Ver.(Space.29、30)
トケイキュータマの力で333年前へ渡ったラッキーの前に姿を現した過去のテッチュウ。左腕のテッキュウが無く左右対称の姿をしていて、左の剛腕を伸長させてのパンチが得意技(テッキュウはこの技を参考に作られた追加武装の模様)。この時代のアキャンバーやククルーガと共に、ドン・アルマゲを倒し損ねて弱体化した過去のツルギ一派や未来より来訪したキュウレンジャーを抹殺しようとする。
Space.29
アルマゲにオリオン号ごと撃墜されたキュウレンジャーへ止めを刺す為チキュウへ来訪。墜落したオリオン号の傍らで動かなくなっている目標を狙ったが、ラッキーや彼と邂逅したオライオンに妨害された隙に意識を取り戻したキュウレンジャーがオリオン号に乗って逃走。ラッキー達もタイヨウシシレッドの放つ光で目晦まされ逃してしまう。
その後、過去のツルギ達に攻められ弱体化している筈のこの時代のアルマゲを倒す事を決めたキュウレンジャー、及びそれへ同調したオライオンと対決。フクショーグン3人ともキュウレンジャーに食い付かれる中、テッチュウは状況打破の為ククルーガの指示でヒカエオローを行い巨大化。それに対抗してリュウコマンダー達が繰り出したリュウテイオーと交戦する。
しばらく相手を圧倒して転倒させた物の、シシレッドとオライオンによりアキャンバーが倒された事で戦力に余裕が出来たキュウレンジャー側がギガントホウオーを繰り出して来た事で形勢は逆転。
その勢いで追い込まれた上でリュウテイオーメテオブレイクとギガントホウオーブレイジングを合わせた一撃を喰らい、爆散した。
Space.30
シシレッドオリオンにククルーガが瞬殺された事で動揺したアルマゲの手により、他のフクショーグンと共に巨大化した状態で復活、対抗してキュウレンジャーが繰り出したキュウレンオー・ギガントホウオーと交戦。だが死の淵から蘇ってパワーアップを遂げたラッキーの姿に士気の上がった相手には敵わず圧倒された後、他の2人諸共キュウレンオーメテオブレイクとギガントホウオーブレイジングを喰らう。それでも何とか耐え抜いたが直後に爆風を突っ切って来たギガントホウオーのギガントブレードで止めを刺され、3人纏めて爆散した。
余談
声を演じる土田氏は、かつて忍者戦隊カクレンジャーでサイゾウ/ニンジャブルーを演じ、以降のシリーズでも幾度と無くゲスト怪人の声を演じた戦隊OB声優の筆頭格である。
設定ではカロー以上の地位と思われる最高幹部だが登場期間はSpace.23~25の3話だけで、今作の1号幹部怪人であるエリードロン(Space.1~5、登場期間5話)を下回る記録を更新してしまった。更にエリードロン自体、彼の退場回であるSpace.25でラッキーの過去の記憶から具現化された存在として再登場した(これにより総登場話数が増えた)。
後の再登場回を含めてもまだエリードロンの総登場話数に届いていなかったが、Space.33で同じくカローのマゲラーが1話で退場したので最下位は免れる(※それ以降のカロークラスも通常怪人扱いでさらに最下位タイは増えた)。そしてSpace.42において再々登場した事で総登場話数は6話となり、何とかエリードロンとタイになった。
更に彼のみ本格登場前の自身に関する伏線は一切存在しなかった(アキャンバーはホシ★ミナトの洗脳に関わり、ククルーガはラッキーの幼少期に故郷を滅ぼした因縁を持っていた)。その一方、Space.24で彼がツルギを一度追い詰めた事が終盤でのアルマゲの行動の切っ掛けになっている可能性が有る。
モチーフはインド・デリー市郊外に立つ遺跡の柱、デリーの鉄柱(アショカ・ピラー、チャンドラヴァルマン・ピラーとも)。1500年以上前から立ちながらも殆ど錆びない高純度の鉄柱で、当時の技術では有り得ないレベルの鍛造で作られたとされオーパーツとして扱われる事がある。
また、出身星座であるケフェウス座とは、ギリシャ神話の英雄の一人ペルセウスの妻・アンドロメダの父であるケフェウス(ケペウス)を模した星座。自身の妻・カシオペアの愛娘に関する大言が神の怒りを買った為、それを鎮めるべくアンドロメダを海の怪物ケートス(くじら座のモデル)へ捧げる羽目となった男で、娘が海岸から逃げ出さない様に彼女を鉄の鎖で岸壁に繋いだとされる。
デザインはシンプルな過去Ver.から描かれていて、そこへ追加装備を描き足す形で完成している。
関連項目
宇宙戦隊キュウレンジャー 宇宙幕府ジャークマター フクショーグン
他作品の関連怪人
デーボ・カリュードス:土田氏が演じた直近の戦隊怪人。イカモチーフの相方(デーボ・シノビンバ)と登場したタコモチーフ怪人でもある為、イカーゲン・マーダッコの刺客コンビとは共通点が多い直接の先輩・後輩関係に当たる。前述の様に退場回ではマーダッコと共闘しているが、上の経緯を考えると意味深長とも言える。
ガチレウス:2年後の幹部怪人。こちらも戦隊側の実力を理解してから単身で挑み返り討ちに遭い、僅か3話で一時退場。しばらくして中盤で復活するも更なる醜態を晒し続け、最後は新幹部の冷酷さを示す生贄となって屈辱に塗れつつ戦死した。