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第16艦隊(コミ艦隊)

だいじゅうろくかんたいかっここみかんたい

第16艦隊(コミ艦隊)とは「古見さんは、コミュ症です。」と銀河英雄伝説がコラボした「古見さん×銀英伝」に登場する架空艦隊ならびに世界設定。
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古見さん達が宇宙世紀時代。自由惑星同盟のイタン星に住んでおり、神々の黄昏作戦にて少年兵として帝国軍と戦うという設定。

古見さん×銀英伝も参照


設定編集

本題に入る前に世界線の設定を先に説明する。


イタン星系編集

イタン星系は自由惑星同盟領に属する惑星帯で。位置はハイネセンとリューガス星系の中間地点にあり、航路から少し逸脱した場所にある。イタン星系に到達するにはクマノ回廊と呼ばれる隕石や小惑星帯が集まった円形状の狭い回廊を通らなければならなかったが、地形が複雑で事故も多い事から、イタン星系に行くのを拒む商人が後を絶たなかった(という設定)。


イタン星ならびにイタン自治政府編集

イタン星は多人種、多民族が主体の自由惑星同盟とは異なり、日系人のみで統一された単体民族惑星であった。

約300年ほど前。帝国の圧政で奴隷階級に落とされた日系人達は、かつて地球時代の栄光と誇り。民族復活と独立国家建国を悲願した。

帝国暦146年。当時18歳のイタン・シロウは約120万人の人々(日系人100万・他人種20万)を連れて流刑惑星からの脱出に成功した。無名の惑星で恒星間航行宇宙船「カンリン丸」を建造するとフェザーン側から帝国領を脱出し、同盟領に入った。

帝国暦195年。47年の放浪の末(逃亡の47年間とも言う)。ついに居住可能な惑星を発見。この時イタン・シロウは67歳、人口は90万人ほど減少していた。

惑星に降り立った日系人は指導者イタン・シロウの名を取ってイタン星と名付け、皇紀を復活(皇紀3961年)した。宇宙暦の場合だと504年なので、宇宙暦528年に建国した自由惑星同盟より23年早くに建国した(この建国日の違いが日系人の「独立」を導いた)。

皇紀4061年(宇宙暦601年)。同盟との接触後。同盟はイタン政府に加盟を求めたが、イタン星政府側は当時外務局局長だったワカツキ・テツロウから「国家として対等に扱うべき」として独立国家の容認を要求して加盟を拒否した。

交渉の末。イタン星政府は同盟の歴史改善、イタン星主要生産物であったイタン米の輸出・納税と軍事行動の積極的な参加などの条件を受け入れ、同盟はイタン星政府の自治権と領土保有の保証と、内政干渉禁止、技術提供などの条件を受け入れ日進条約を締結させた。これによってイタン星政府はイタン自治政府として正式に独立が認められ、西暦1945年の大東亜戦争敗北以来約1200年ぶりに独立を成し遂げた。


人口編集

総人口は皇紀4259年(宇宙799年)時点で3億5000万人。ほとんど日系人を占め少子化問題は今のところない。イタン星出身の多人種はわずか2000人程度(絶頂期は700万人前後いたが皇紀4160年に起きたイタン戦役によって半数以上が死亡。辛うじて生き残った者は国外追放もしくは密かに生存した)。

移民政策も行っていないため、移住者の人口は100年経過しても全く増えていないと言われる。


社会・思想・政治体制編集

社会体制は国民民主主義の立憲民主制

主な政策として国会議員の定年制度。選挙の義務化。国民皆兵制度。経済政策と税制改革。などである。


思想は基本的に民主主義資本主義であるが、愛国主義、伝統保守主義、国家保守主義、民族主義、日系型集団主義右翼的な思想が根強い。

また自治政府が加盟当初から「鎖国」を行っており(鎖国惑星と渾名されている)、観光や要人以外の他人種および移民難民の受け入れはおろか、移民への永住権、参政権、生活保護制度を全面的に禁止もしくは廃止にしている。

これはかつて西暦時代。移民政策の失敗と移民によって祖国を滅亡されかけた経緯から、外交と観光、軍事共闘以外は外部からの接触を極力避けている(同盟と交わした人道支援法によって不法滞在者、亡命者、遭難者などは一定期間保護されるが、一定期間を過ぎると同盟に保護もしくは強制送還される。)

さらに同盟の輸入品に依存しないよう、同盟からは情報、技術のみを取り入れて日系人独自で開発し、生産体制の強化と自給自足率の向上に努力した。なお、形式上加盟国であるため、自治政府軍は軍服・階級章・宇宙戦艦は同盟と同種に統一された。


公用語・通貨編集

公用語が英語としている自由惑星同盟でイタン星のみが「ニホン語」と呼ばれる漢字と平仮名文字を混合した言語を公用語として使っている(もちろん英語、帝国語も話せるが政治家や入管職員、軍人のみに限る)。

通貨錢、圓(現実世界の日本円とは異なる)1錢→1円。5錢→5円。10錢→10円。50錢→50円。100錢→100円。1圓→千円。5圓→五千円。10圓→一万円)。

食文化編集

主食は「イタン米」と称する穀物類で、首都郊外にはスイデンと呼ばれる穀物地帯が広がる。その他にも「ソウメン」「ナットウ」「ラーメン」「ソバ」「スシ」「ウドン」といった同盟おろか帝国、フェザーンにもない独特で豊富な食文化も存在し、興味を持つ同盟人は少なくない(逆にパン文化は衰退している)。

特にイタン米は主要生産物の1つで、同盟が生産・輸入する米の約70%がイタン米に依存している。また自治政府は他の惑星でイタン米の生産・売買させないために「特殊穀物生産惑星」という特許を同盟の了解なしに日進条約に無理矢理積み込ませて締結し、イタン米生産業の独占に成功した。

宗教編集

宗教思想が消失した宇宙世紀において唯一の宗教組織が地球教であるが、イタン星にはかつて失われた仏教神道が復活している(当然地球教も多少信仰しているが地球の栄光と威厳を取り戻す地球教に対し、イタン星の日系人は場合は単なる一民族の復活と独立国家建国のみで、双方との意志、目的は全く異なっている)。

暦法編集

皇紀」と呼ばれる日系人独特の暦法を使用しており、地球時代から続く人類史上最も古い暦法として知られる。銀河連邦時代に復活し、銀河帝国時代に一時失われるが、イタン星建国と同時に再び復活した。当初は「皇紀◯◯年」のみだったが、同盟加盟後は「宇宙暦◯◯年」(皇紀◯◯年宇宙暦◯◯年)も追加された。


地形・その他編集

イタン星は4つ(ヤマト、ムサシ、エミシ、オワリ)の大陸と、3つ(アキツシマ、ワ、ニホン)の海洋で構成されており、それぞれ大陸府と呼ばれる行政機関が置かれる。

首都はムサシ大陸にあるエド市。中央政府をはじめ、宇宙港や靖国神社などあり。トネ川という巨大な川が流れ、運河としても利用されている(フジヤマという巨大な山もある(という設定)。


 同盟領に属しているものの、完全な独立国家体制から同盟側では「第二のフェザーン」。帝国側では「第2の自由惑星同盟」とも呼ばれている(帝国側の呼称は神々の黄昏終了後に付けられた)。



第16艦隊(コミ艦隊)編集

本文は編成までの経緯を説明する。


第16艦隊(英16th fleetまたは16th Starfleet)は古見硝子中将が率いる自由惑星同盟軍最後の艦隊。司令官の名を取って「コミ艦隊」と愛称された。本来はライオネル・モートンの第14艦隊とラルフ・カールセンの第15艦隊が事実上最後の艦隊であるが、本作品ではランテマリオ星域会戦終結後に組織された臨時編成艦隊という設定で登場する(という設定)。


なお、第16艦隊はランテマリオ会戦直後に編成されたのと、ハイネセン包囲ならびに統合作戦本部がミサイル攻撃で半壊し、等艦隊に関する資料が喪失した。そのため「幻の艦隊」とまで呼ばれたという。

戦後。イタン自治政府防衛局に唯一保管されていた「第16艦隊公式運用記録」とワーレンの証言が存在を証明したので。「幻の艦隊」は訂正されている(なお、当事者だったシュタインメッツはおろか、司令を下したビュコック。評価したヤンはすでに故人になっており、残る証言者はワーレン提督しかいなかった)。


人事編集

 司令部

艦隊司令官・古見硝子中将

艦隊副司令官・只野仁人少将

主任参謀長・潔清子少将

参謀副長・上理卑美子准将

戦艦アキツシマ艦長・万場木留美子大佐

砲術長・牛路田影子中尉

砲術副長・前田・ジュクジョスキー・星雄少尉

情報通信長・地洗井茂夫中尉

通信兵・忍野裳乃少尉

従兵・日岐こもれび二等兵

従兵・井中のこ子一等兵

従兵・阿瀬志吹一等兵

従兵・左藤甘美一等兵

従兵・名野田キアラ一等兵

後方支援部隊総長・尾根峰ねね中将

後方支援部隊副官・尾鶏楓大尉

 分艦隊

第1分艦隊司令官・長名なじみ少将

第2分艦隊司令官・加藤三九二少将

第2分艦隊副官・佐々木あやみ大尉

 小艦隊

戦艦トサ艦長・矢田野まける大佐

巡航艦タカオⅡ艦長・成瀬詩守斗中佐

巡航艦タカオⅡ副長・米谷忠釈大尉

巡航艦ウジ艦長・京ノ古都大尉

駆逐艦カゲロウ艦長・小宅優司中佐

駆逐艦ユキカゼ艦長・鍬田リリー大尉

 独立艦隊

河合独立艦隊司令官・河合羅美少将

 陸戦部隊「古見遊撃連隊」

連隊長・山井恋准将

副連隊長・鬼ヶ島朱子少佐

大隊長・岸姫子大尉

中隊長・片居誠準尉

 空戦部隊 「コミリア空戦隊」

空戦隊長・中々思春少佐

空戦副隊長・園田大勢大尉

隊員・椎名むずか少尉


規模編集

第16艦隊はイタン星防衛局の管轄下に置かれた。正確な艦艇数は7517隻から7863隻とされ、艦別は以下の通り。

戦艦3440隻(3500隻という説もある)。巡航艦2380隻。空母30隻。駆逐艦1613隻。砲艦、ミサイル艦、輸送艦、強襲揚陸艦、補助艦艇約400隻。艦載機約4570機。

これらは古見中将の本艦隊長名少将の第1分艦隊加藤少将の第2分艦隊河合少将の独立艦隊矢田野、成瀬詩、小宅の小艦隊にそれぞれ配備された。


兵員数約85,4527人~85,5200人

(うち古見遊撃連隊所属が1,700名)

このうち700,429人がイタン星出身者(日系人)で、残りの250,000人はランテマリオからの生き残り、等艦隊に吸収された多人種であった。なお多人種の中にも日系人も含まれていたが、イタン星出身者ではないため数には含まれない(鎖国政策を行っていた日系人は、他人種対して憎悪心を持っていたが、古見さんらの世代はそうした思想が薄れていたため、指揮系統の構築には若干苦労した)。

艦艇、人員数はヤン・ウェンリーの第13艦隊創設時より一回り規模は大きかった。


歴史編集

自治政府警備艦隊編集

第16艦隊の前祖は、イタン星系ならびに周辺を巡回する警備艦隊であった。旗艦は歴代順に戦艦ミカサ戦艦ナガト戦艦アキツシマである。

日進条約締結後。帝国との戦争に備え、自治政府も軍事力の保有と増産が急務とされた。

同盟から寄与された宇宙戦闘艦の性能、設計を元に国産型を完成させた。

皇紀4129年(宇宙暦669年)。コルネリアス1世による同盟領侵攻作戦が自治政府軍の初陣となり、第一次ティアマト会戦(敗北)クマノ回廊の戦い(勝利)では挫折と成長を同時に味わった(なお、ダゴン星域会戦は戦力不足で参戦できなった)。


自治政府軍の主要任務はフェザーン回廊の哨戒任務や同盟から帝国に逆亡命する者やサイオキシン麻薬の密入売買などの取締り、検挙などだが、小規模な戦闘から、730年マフィアが指揮した第二次ティアマト会戦をはじめ、第一次イゼルローン攻防戦、第三次イゼルローン攻防戦、ヴァンフリート星域会戦、第四次ティアマト会戦と大規模な戦闘にも参加している。


またヘルクスハイマー伯の亡命事件で同盟領に密かに侵入していた当時艦長だったラインハルト・フォン・ミューゼル中佐乗艦の巡航艦ヘーシュリッヒ・エンチェンとも交戦している。


第175警備艦隊(フェザーン方面軍)編集

帝国領侵攻作戦(宇宙暦796年/帝国暦487年8月~)では後方支援部隊として参加し、フェザーン方面軍第175警備艦隊に編入されて同盟領内にとどまった。

フェザーン回廊の出入口周辺の警備を同隊の第176警備艦隊と共に担当した。

11月から12月には回路内にて8回も帝国軍警備隊と遭遇しているが、両軍とも威嚇射撃(射程外)のみで損傷艦、死者は皆無だった。


クーデター事件編集

宇宙暦797年/帝国暦488年4月。同盟のクーデター事件では、首都星ハイネセンと各星域で一斉に蜂起したが、イタン星では航路の封鎖とその影響による一時的な経済不況に陥っただけで何も起きなかった。

一説によると救国軍事会議はイタン自治政府に参加を求めたが、「サイオキシン麻薬密輸犯の摘発で忙しい」という理由で参加を拒否されたという。(もともと鎖国惑星である上に、自治政府の腐敗政治はすでに清浄化されていたため、政府官僚は「知らぬ存ぜぬ」を貫いた。ヤン艦隊にも動向しなかった。)


神々の黄昏作戦編集

(宇宙暦798年/帝国暦489年8月~翌年5月)

12月24日。帝国領に属していながらも半ば中立的な立場を取っていたフェザーン自治領ミッターマイヤー率いる帝国軍によって突如侵攻。占領されるという前代未聞の事件が起きた(フェザーン侵攻作戦)。この情報は首都星ハイネセンよりもイタン星が先に入手した。


フェザーン侵攻と同盟領侵攻作戦(神々の黄昏作戦)にともない。統合作戦本部では宇宙艦隊司令長官のアレクサンドル・ビュコックが大将から元帥に昇進。総参謀長にチュン・ウー・チェン大将が就任し、帝国軍を迎え撃つ準備に追われた。

各星系の警備隊。廃棄寸前の老朽艦。旧型艦、新型艦とありとあらゆる戦闘艦が集められた。

当然イタン星警備艦隊も対象下に入り、イタン星小艦隊として参加を要請した。

ビュコック本艦隊とはランテマリオ星域で合流する事になり、2月1日。古見硝子少将は戦艦アキツシマ以下総数5100隻を引き連れてイタン星を出発した。

2月7日。集合場所のランテマリオ星域にて艦艇数約15万隻以上の帝国軍艦隊を発見。12時40分に「我レ帝国軍発見セリ」の第一報を進軍中のビュコック艦隊に通達した。

この時、帝国軍の大軍を目撃した古見少将、只野准将ならびに全将兵達はその圧倒的戦力差の前に意気消沈したという。


ランテマリオ星域会戦編集

ランテマリオ星域会戦では主に後方に配備され、初陣ながらも帝国軍と奮闘した。ビッテンフェルト黒色槍騎兵艦隊による猛攻を受けたが、只野准将の転機によって小艦隊は全滅を免れた。(他の艦隊は壊滅的打撃を受けた。)

窮地に陥ったものの、イゼルローン方面から駆けつけたヤン艦隊の来援もあってからくも戦線から離脱できた。

ヤン艦隊と合流できた本艦隊は一旦ハイネセンに後退するが、ランテマリオ方面を放棄することはすなわちイタン星系の孤立化を意味していた。軍事的、政治的影響を危惧した国防議長のアイランズはビュコックを通じて、古見少将を艦隊司令官兼イタン星系方面軍司令官に任命し、比較的軽傷だったイタン星小艦隊を第16艦隊として正規部隊に再編させた。


この指令にビュコックは「わしやヤンならともかく、初陣で経験も浅い若者を戦場のド真ん中に置き去りにして逃げろと言うのか!!わしより先に死んでこいとでも言わせるつもりなのか!」と激怒して反対した。しかし古見、只野両名はビュコックを慰める形で「私達は元警備隊です。故郷を守る任務があれば当然だと思います」と言って説得させ、この危険極まる指令を了承した。古見硝子は自治政府防衛局の指示で少将から中将に、只野仁人は准将から少将に昇進。ほかの幹部もそれぞれ昇進した。

ここにラインハルト・フォン・ローエングラムと後にイゼルローン共和政府防衛軍司令官に就任したユリアン・ミンツを除く、ゴールデンバウム朝銀河帝国自由惑星同盟ならびにイタン自治政府最年少で歴史史上初めての女性司令官が登場したのである。

女性司令官(しかも17歳)の出現は地球植民地時代、銀河連邦や銀河帝国。自由惑星同盟でも前例がないため、同盟軍と帝国軍の名だたる提督達に動揺を与えた。

なお、その動揺の大半は「呆れ」であり、希望というより絶望に近く「アイランズとビュコックはとうとうボケた」と嘆く者もいた。逆に言えばヤン・ウェンリーへの期待は一段と強くなったという。


故郷へ編集

新設された第16艦隊は本艦隊がヤン艦隊と合流してから離脱。残存艦含む約7000隻がイタン星へと帰還した。

この時。ヤン・ウェンリーがスクリューごしで古見中将と面会している。

帰還後は古見含め全将兵達が戦術の考案と猛訓練の日々に明け暮れた。


イタン星域会戦編集

イタン星域会戦を参照

5月2日。ワーレン、シュタインメッツの帝国軍艦隊25,000隻がイタン星域に接近しているという報が入り、第16艦隊は全戦力である7800隻を率いて直ちに出撃した。

5月4日。イタン星域外の小惑星帯にて帝国軍と激しい砲撃戦が開始された。

兵力と経験差では帝国軍が圧倒的に上だったが、ランテマリオやヤン・ウェンリーとの戦いで戦力的質不足、士気低下など多大な影響を受けていたため思うように行かず、さらには小惑星帯を利用したゲリラ戦を展開されてしまったため、名将のワーレン、シュタインメッツといえど、思わぬ状況と苦戦を強いられた。

こうした帝国軍の諸事情と消極性が第16艦隊に攻撃と時間を与える結果となり、只野少将と各艦隊の緻密な連携によって25,000隻の帝国軍艦隊を翻弄して2日間も足止めさせる事に成功した。

これはバーミリオン会戦で戦っていたヤン・ウェンリーにも大きく貢献した。


5月5日。ハイネセンから無条件降伏勧告が発令され、古見中将は徹底抗戦を唱える部下の意見を押しきって停戦命令を下し、戦闘宙域から撤退した。

イタン星域会戦の勝者は後世の歴史家達の間で未だ議論が続いており、両軍の損失が五分五分だったため引き分けという意見もあれば、降伏直前まで同盟軍が優勢であった事から同盟軍の戦術的勝利と様々あった。

(当然同盟は後者を、帝国は前者を主張した)


両軍の損失編集

同盟軍は艦艇7800隻のうち2607隻が撃沈ないし撃破され、人員850,000人のうち、約300,000人が戦死/行方不明となった。


帝国軍は艦艇25,000隻のうち3670隻が撃沈ないし撃破され、人員3,500,000人のうち400,000人が戦死/行方不明となった。



翌日の5月6日にはワーレンの乗艦である戦艦・飛竜にて調印式が行われ、古見中将と只野少将とワーレン、シュタインメッツが会見した。

正式に降伏した第16艦隊は解体され、古見中将らは退役処分を受けてイタン星にて謹慎した。


以後イタン自治政府は帝国支配下に置かれ、日本自治領と改名するが、独立国家と政治体制の継続は認められた。



主な艦艇編集

第16艦隊の所属艦艇は、イタン星で建造された国産型艦とランテマリオ会戦で生き残った艦艇や旧型艦、新型艦をかき集めた混成艦隊だったが、トリグラフレダⅡアガートラムマサソイドのような次世代型新鋭艦は1隻もなかった。

なおその分、火力、速力、防御力を改善改良して、機動性、攻撃力を増強させて戦力不足と統率力を補った。

また経済破綻で建造中止になった艦艇を再建させたり(キリシマ)、戦艦フムウエセのように標準型戦艦(トサ)や巡航艦を改装した艦艇も多くいた。

戦後は帝国軍に没収されバーラド条約の規定のもと、戦艦アキツシマとある程度の警備艦を除き、多くの艦艇が破棄された。他の同盟軍艦艇と共にレサヴィク星系にて爆破処分を受けたが、そのうち数十隻がメルカッツ率いる動くシャーウッドの森によって回収され、第10イゼルローン要塞攻防戦、回廊の戦い、第11イゼルローン要塞攻防戦、シヴァ星域会戦と参加している。


神々や国家、地形の名前を艦名としている自由惑星同盟軍と異なり、第16艦隊は地球のある東洋の国の、地名、神話、風の神、川、山、自然現象を艦名としている事が特徴的とも言える。(戦艦は国、山。巡航艦は川、山。

駆逐艦は風、自然現象。空母は風の神。神話 他)


戦艦・アキツシマ(Akitushima)

古見硝子中将と只野仁人少将ほか首脳部が乗艦する戦艦ならびに第16艦隊総旗艦。

艦艇識別番号は16-01。艦首に赤白の斜め帯と艦体中央に白い雷と艦隊番号の16が記章されている。

当初はイタン星の警備艦隊旗艦として運用されていたが、同盟領侵攻にともだってビュコック同盟軍艦隊の小艦隊として編成された。ランテマリオ会戦後は正規部隊(第16艦隊)の旗艦として昇格した(番号、塗装はそのあとに追加された。)。

武装は主砲50基。側面砲は90基(両方180基)。 クリシュナシヴァ盤古を除き、旗艦型戦艦の基本砲数は40基だが、アキツシマは10基追加されてており、火力を重視した重武装型戦艦として機能した。

なお、主砲の増加でエネルギーが通常より早く消耗するため、何度も補給が必要になるという欠点を産み出した。砲術長の牛路田影子中尉曰く「補給、消化、排便が人間よりも早い艦」。

さらに主砲とアンテナ。防御力の増加で重量オーバーによる速力低下を生じさせた。艦長の万場木留美子大佐も「兎に亀を背負わせてるようなもの」など問題が多く浮上した。

イタン星域会戦ではワーレン艦隊を翻弄しつつ防衛戦と機動戦を展開したが、自艦と他の艦艇との速力が合わず、危うく味方巡航艦ハグロと衝突仕掛けたという逸話もある。さらに機動性の遅さが仇となって帝国軍強襲揚陸艦の揚陸を許している(この時は山井恋の古見遊撃連隊によって一掃された)。


戦後は、艦隊解散と共に爆破処分の予定だったが、住民達の強い説得によって武装を取り外した状態で返還され、その後は記念艦として保存されたようである。


戦艦・キリシマ(Kirishima)

長名なじみ少将が乗艦する第1分艦隊旗艦。

艦艇識別番号はN-16。カーキ色の塗装が特徴的で艦体中央部に白の斜め帯が3本記章されている。

型式はマウリア級2番艦として建造された。元々マウリア級は分艦隊専用艦として建造された数少ない艦種で、機動性や攻撃力などの高性能から量産を期待したが、帝国領侵攻の影響で経済破綻したため、2番艦建造は中止になった(石黒版でも同等の設定がある)。

キリシマは残っていたマウリア級の建造書類を元にマウリアとほぼ同艦をイタン星造船工廠にて極秘建造した。当然性能もほぼ一緒だが、分艦隊旗艦としては問題にならなかった。

イタン星域会戦では中央艦隊として奮戦し、中央突破によってシュタインメッツワーレンの艦隊を分断。2割強の損害(第16艦隊の中では1番の損失)を出しつつも帝国軍の侵攻を足止めさせた。またなじみは戦闘の興奮のあまり、1番艦マウリアに乗艦し、第8次イゼルローン戦いで戦死したグエン・バン・ヒュー少将と同じ台詞を吐いていたという。


戦艦イズモ(Izumo)

加藤三九二少将と佐々木あやみ大尉が乗艦する第2分艦隊旗艦。

主砲40基。側面砲80基(両面で160基)、試作砲として艦下に57㎝ビーム砲1基が搭載されており、盤古の武装強化版とも言われる。

艦艇識別番号はなく、艦隊番号の16と青白の斜め帯。将棋(飛車)が記章されている。これは三九二少将の将棋好きから由来している。

イタン星域会戦では左翼艦隊として古見本艦隊と共にシュタインメッツワーレン艦隊をゲリラ戦に持ち込んだ。さらに57㎝ビーム砲で100隻以上を粉砕するという戦果をあげ、単艦で最も帝国軍艦艇を撃沈させた艦として有名になった。


戦艦・スルガ(Suruga)

河合羅美少将が乗艦する独立艦隊旗艦。

型式はアキレウス級

艦艇識別番号は16-K130。

イタン星域会戦では古見艦隊の右翼艦隊として帝国軍と奮戦したが、なじみ、三九二と異なって戦力が多少不足していた。そのため戦力的に防御力が薄い右翼艦隊をシュタインメッツ艦隊に何度も分断されかけたが、成瀬詩の小艦隊投入まではなんとか耐え忍んだ。


戦艦・トサ(Tosa)

矢田野まける大佐が乗艦する小艦隊旗艦。

艦艇識別番号16-111

標準型戦艦と異なり、艦首主砲が8基から10基。探索通信装置を増幅させるなど攻撃力、情報能力を向上させた。

イタン星域会戦では加藤分艦隊と古見本艦隊の間の小艦隊旗艦として配置され、

色んな事に負け続きな矢田野だったが今回だけは勝利の女神が降りていた。

 

巡航艦タカオⅡ(TakaoⅡ)

成瀬詩守斗中佐と米谷忠釈大尉が乗艦する小艦隊旗艦。艦艇識別番号は16-B17

標準型巡航艦とほぼ同艦だが、青色の塗装が特徴的。成瀬詩の性格上。目立つ戦い方をついついしてしまうので被弾しては戦闘不能に陥り、戦線離脱を何度も繰り返した。それでも死者が出なかったことから当初は「不死身艦」「不沈艦」と呼ばれたが、後方支援部隊総長の尾根峰ねね中将は「資材を無駄に使うな」と激怒されて、河合独立艦隊の予備部隊に回された。その逸話が広まり。以後タカオⅡの渾名は「資材消耗艦」に変更されたという。


巡航艦ウジ(Uzi)

京ノ古都大尉が乗艦する巡航艦。


駆逐艦カゲロウ(Kagerou)

小宅優司中佐が乗艦する水雷戦隊旗艦。

艦艇識別番号は16-3。白の斜め帯が2列記章されている。


駆逐艦ユキカゼ(Yukikaze)

鍬田リリー大尉が乗艦する駆逐艦。

小宅の水雷戦隊所属艦。艦隊番号の16と日本国旗が記章されている。


駆逐艦シマカゼ(Shimakaze)

第16艦隊所属艦。名称のみ。指揮官と記章は不明。機関を改造して機動性、速力を向上させた高速型駆逐艦で主に偵察艦として従事した。

イタン星域外周辺を偵察中。ワーレンとシュタインメッツ艦隊を発見し、帝国軍接近の報をイタン星防衛局に打電する。


駆逐艦アキツキⅢ(AkitsukiⅢ)

第16艦隊所属艦。標準型駆逐艦と型式が若干異なる。対艦載機迎撃弾。追尾ミサイルなどの対艦載機装備を搭載した対空型駆逐艦で、イタン星域会戦ではワルキューレ26機を撃墜する戦果をあげている。

16の艦隊番号とアキツキの「A」を表した記章が確認される。


空母ショウカク(Shokaku)

第16艦隊所属艦。型式は標準型航空母だが若干異なる。艦艇識別番号なし。代わりに「シ」のカタカナ文字記章が両側、艦体上部にある。

コミリア空戦隊の司令艦でもあり、中々思春少佐、園田大勢大尉も乗艦している(空戦隊長なので艦長ではない)。他にもズイカク、ヒリュウ、ソウリュウ、タイホウ、リュウホウⅡ、ショウホウ、ウンリュウなどの標準型空母群も所属している


強襲揚陸艦編集

スサノオ(Susanoo)

ツクヨミ(Tsukuyomi)

アマテラス(Amaterasu)

古見遊撃連隊兵員が乗艦する強襲揚陸艦。

艦艇識別番号なし。山井恋鬼ヶ島朱子岸姫子片居誠らの主要メンバーは主にスサノオを連隊指揮艦としている。


 陸戦部隊

古見遊撃連隊(Komi Guerrilla Regiment)

第16艦隊陸戦部隊として編成された陸上戦闘を専門とした装甲擲弾兵部隊。司令官の名を取って通称「古見遊撃連隊」(Komi Guerrilla Regiment)またはコミリギメントと呼ばれる。

連隊長の山井恋准将。副連隊長の鬼ヶ島朱子少佐。大隊長の岸姫子大尉を指揮官に、約1700名の兵員で構成され、艦隊戦では強襲揚陸艦スサノオ(指揮艦)、アマテラス、ツクヨミの三隻に乗艦して行動を共にする。

イタン星域会戦では古見本艦隊と同行していたが。連隊長の山井恋准将と岸姫子大尉とわずか258名が護衛役としてアキツシマに乗艦しており、帝国軍強襲揚陸艦が揚陸してきた際にはこれを見事に撃退し、シェーンコップのローゼンリッター連隊に比肩とらない活躍ぶりを見せた。

この時の白兵戦で古見遊撃連隊は帝国軍装甲擲弾兵176名を討ち取り、自軍の死傷者はわずか17名と完全圧勝だった。


 空戦部隊

コミリア空戦隊

第16艦隊スパルタニアン艦載艇部隊。

中々思春少佐が愛用しているゲームキャラと司令官の名を取って「コミリア空戦隊」と命名される。これは中々が勝手に着けた愛称だったがそのまま正式名になったという説がある

指揮官は中々思春少佐。副官は園田大勢大尉で、普段は空母ショウカクに乗艦している。

中々思春少佐のスパルタニアンの上部塗装は深緑色で、園田大勢大尉はカーキ色。後部船体には白赤の円形マークがそれぞれ記章されている。

所属機は無塗装だが、後部の赤白の円形マークは同様で、第16艦隊のシンボルマークとして同盟、帝国両軍から注目を浴びた。

イタン星域会戦ではワルキューレ統計247機を撃墜させ(自軍の損害はわずか35機)、初陣とは思えぬ輝かしい戦果をあげた。


モデル編集

コミ艦隊人事はヤン艦隊を意識している。

なお、あくまでも作者目線である。



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