「届けて 切なさには名前をつけようか “Snow Halation”」
楽曲データ
概要
メディアミックス作品、「ラブライブ!」に登場するスクールアイドルグループ・μ'sの2ndシングル。
略称は『スノハレ』。
「μ's」というグループ名でCDを出すようになったのはこの作品から。(※1)
本曲のセンターは高坂穂乃果(第1回総選挙1位)が担当している。
ラブライブ!、ひいてはラブライブ!シリーズの楽曲の中でもその人気は別格で、この曲から本作にハマった人も多いとか。
本曲の発売から約13年後の2023年にリリースされたスマホアプリゲーム「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル2 MIRACLE LIVE!」のリリース開始後の(WEB版の)CMにて、『ラブライブ!スーパースター!!』に出演している絵森彩氏(Liella!・鬼塚夏美役)が「冬に聞きたいおススメの曲」として、『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』に出演している指出毬亜氏(虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会・エマ・ヴェルデ役)に本曲を紹介している。
ナンバリングシングルの表題曲であるため、アニメーションPVも製作されている。
2010年12月に発売されたシングル同梱のDVDに収録。
本作のデザインワークスおよび総作画監督は稲吉智重氏が(前作に引き続いて)務めている。
この曲は、稲吉氏がラブライブ!シリーズに関わった最後の作品でもある。
日常パート
今回は冬の恋愛をテーマにしていることから、メンバー達が想い人に向けて独白したり、告白するために行動したりするシーンで構成されている。
ダンスパート
(前述の通り)今作では穂乃果がセンターを務めているが、1番のセンターポジションは(後列ではあるが)東條希が担当。2番からは立ち位置が入れ替わり、穂乃果が前列センターのポジションに就く。
これは、本曲のポジション分けが前列4人・後列5人という形となっており、前列中央の2人が総選挙1・2位(穂乃果・海未)、後列中央の1人が総選挙3位(希)という形になっている為。
ちなみに、今作のダンスパートの舞台となっているのは東京駅前の行幸通りである。
ラスサビの「届けて せつなさには」の「は」を起点に、東京駅側から手前に向かって、両脇に配された並木がオレンジ色に輝く。
スノハレではお馴染みであるこの演出はこの時から存在していた。
後に、μ'sの1stベストアルバム「μ's Best Album Best Live! collection」(2013年1月9日発売)のBDにも本作のPVが再収録された。
シングルに同梱されているものよりは少し作画の修正が行われており、ベストアルバムの発売以降に行われたライブなどで使用されているのはこちらのバージョンとなる。
人気
前述の通り、ラブライブ!シリーズ全体の楽曲の中でも圧倒的な人気を誇る。
その人気ぶりは、仮にシリーズ楽曲の人気ランキングが実施されたら、間違いなく1位になるほど。曲の知名度としても非常に高く、これまでに多くのアーティストが本曲をカバーしている(後述)他、様々なアニメの楽曲を対象としたランキングでも名を連ねることが多々ある。
2017年(CD発売から約7年後)、NHKで放送された「ニッポンアニメ100で行われた視聴者投票企画ベスト・アニソン100」にて見事1位に輝いた(1)。これは2017年2月までに発表された全アニメソングを対象にしたランキングで、さらに2位の「僕たちはひとつの光」もμ’sの曲である為、μ'sの楽曲がワン・ツーフィニッシュを飾った形になった。ちなみに、本ランキングでトップ10に入っているμ'sの楽曲は『Snow Halation』と『僕たちはひとつの光』の2曲のみである。
上記のランキング発表から3年後となる2020年9月6日、テレビ朝日で放送された『国民13万人がガチ投票!アニメソング総選挙』においても、エヴァや鬼滅の刃、それに宇宙戦艦ヤマトなどの国民的アニメの主題歌を始めとする猛者中の猛者らと肩を並べる18位にランクイン。全世代のアニメが対象+『ラブライブ!』のブームが落ち着いた頃のランキングだったが、その根強い人気をお茶の間に見せつける形となった。
ラブライブ!シリーズ公式のYouTubeチャンネルにて公開されている(後述の)PVは、527万回にわたって再生(2024年5月現在)されており、μ's関連ではトップの再生数となる。
他のシリーズ作品の動画も含めると6位に留まっているが、本曲のPV公開が(CD発売から約9年後となる)2019年10月であることを考慮する必要がある。
アニメでは
2014年放送のアニメ版2期9話「心のメロディ」にて、3年半ぶりに全面リメイクされた。
劇中では第2回ラブライブ!の最終予選という場面で披露された。
ラブライブ!のアニメ版において、アニメ化以前に発表されたμ's楽曲の中で挿入歌として使用された内の一つでもある。
他にTVアニメ化以前の曲が挿入歌として使われた例としては、1期8話での『僕らのLIVE 君とのLIFE』、2期最終話での『Oh,Love&Peace!』、1期1話(真姫によるピアノ伴奏バージョン)と2期最終話(音ノ木の全校生徒での合唱バージョン)での『愛してるばんざーい!』がある。
(アニメ版での)曲の編成としては、1番と大サビ、後奏はワンフレーズ短縮となる。
PV版とは異なり、映像は全てライブシーンである。
この変更によって、ドラマシーンの挿入で見れなかった部分の振り付けも確認できるようになった。
本曲の最大の見せ場である大サビ導入部のライトアップ演出は、ステージが巨大イルミネーションに変更された事で大幅な進化を遂げ、多くのファンを感動させた。
基本的にはPV版のものを踏襲しているが、一部の仕草はよりキャラを強調したものに変更されており、PV版とアニメ版を見比べるとその違いがよく分かる。
この曲でμ'sは前年王者のA-RISEを破り、見事ラブライブ!の本戦進出を決めた。
今回の曲のテーマが恋愛であることから、今までのμ'sにはラブソングがなかった→ラブソングを作る→μ'sメンバー全員で恋愛映画を見る、という流れで作られた事になっている。
前話で9人が口ずさんでいたワードは、本曲の歌詞から取られている。(劇中では、メンバー達が口ずさんだワードから歌詞が作られたという設定)
実は、2番の歌詞に使われたためにカットされたフレーズが1つだけあったりするのだが……。興味がある人はぜひ探してみてほしい。
ニコニコ生放送でTVアニメ2期9話が配信された直後に、Lantisが2014年2月9日に開催されたさいたまスーパーアリーナでの4thライブ映像での同曲のフルサイズを公式チャンネルにて配信した。(後述関連動画)
続編『ラブライブ!サンシャイン!!』でも、本曲のスクリーンショットが登場している。(TVアニメ1期1話や4話)
ライブ
(人気曲故に)ライブで披露された回数はかなり多く、実はこれまでのワンマンライブ(1st~ファイナルライブ2日目)で披露されたμ's楽曲のうち、全てのライブで披露された楽曲は『もぎゅっと“love”で接近中!』と『Snow Halation』の2曲だけである。
また、ライブでは冒頭から一貫して白(本来はことりのパーソナルカラー)の状態でサイリウムを振り、そこから大サビ部分に入ると(サイリウム或いはラブライブレードを)白からUOに切り替えることがこの曲の定番となっている。しかし、(振付の構成上の関係で)色が切り替わる瞬間を見れるのは、本曲のセンターを務める穂乃果役の新田恵海氏しかいない。
特にファイナルライブの会場全体をオレンジ一色に染め上げた光景は度々取り上げられており、μ'sの人気の凄まじさやアニソン業界の勢いがいかに凄かったのかを象徴する写真となっている。
ファイナルライブ以降
※以下、ファイナルライブ以降にμ'sメンバーが関わった披露の機会を挙げていきます。
2017年に日本武道館で開催されたPile氏(西木野真姫役)のライブ(「Pile Live at Budokan ~Pile feat. ラブライブ!~」)では、『ラブライブ!』の一部楽曲が(その名の通りに)披露され、本曲も披露された。
なお、『ラブライブ!』関連曲のパートは(円盤には)収録されていない。
μ'sにとって4年ぶりのライブ出演となった、2020年1月開催のラブライブ!フェスでもこの曲が披露され、1、2日目ともにμ'sパートのトリ曲となっている。
同イベント用のラブライブレードには、ほぼこの場面の切り替えのために予め予約した狙いの色に一瞬でジャンプ出来るリザーブボタンが実装された。
しかし、ブレードの操作が煩雑だったことや(全メンバーの順番通りだと)ことりのパーソナルカラー(※白)が天王寺璃奈(虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会)が全く同じだった事もあってか、この機能の存在をライブ後に知った人(もしくはブレード自体を使わなかった)が多かった模様。
2024年3月30・31日開催の「LoveLive! Orchestra Concert」においても、両日ともにセットリストのトリ曲として披露された。
歌唱者は、新田氏、内田氏、三森氏の2年生組と、飯田氏、Pile氏の1年生コンビ、それに楠田氏(μ'sの3年生組では唯一の参加)の6名。
オーケストラコンサートというイベントの特性上、座席から立ち上がったりする事やコールすることは叶わなかったものの、観客によるUO点灯は実施された。
そして、(UOが折られる際に出る)「バキバキバキバキ!!」という音がホール内に響き渡った事で、キャストは思わず笑いそうになったとか。
カバー
佐咲紗花氏が2015年に発売したカバーアルバム「SAYAKAVER」にてカバーされた他、同年にリリースされた遠藤正明氏のカバーアルバム「ENSON3」でも本曲がカバーされた。雪が全然降らないじゃん。
2017年には羽多野渉氏と寺島拓篤氏によるユニット『M.O.E.』でも、本曲のカバー版が入ったCDが発売されている。
- 余談だが、本曲をカバーした『M.O.E.』の2人は(声優界における)ラブライバーとしても知られており、かつてはシリーズ公認のラジオ番組で『M.O.E.』に関連する楽曲が放送されたことがある。特に、寺島氏のラブライバーぶりは想像を遥かに超えており、ラジオ内で絵里の担当声優が苦笑いするほどだった(絵里の担当声優曰く、「寺島さんといえば、ガチのラブライバーですからね…」)。
- さらに、羽多野氏とともに担当しているラジオ番組でもラブライブに関連する話ばかりをしていた事から、「公式より公式な非公式」と言われる事に……。
2017年、DAMカラオケコンテンツの「あにそんボーカル」において、林鼓子氏(※2)によるバージョンが実装された。
2023年1月には、(続編のアニメ版にも出演している)高槻かなこ氏(Aqours・国木田花丸役)が自身のライブでカバーしており(音源化、映像化の予定はなし)、会場では白→オレンジの演出も再現された。
さらに同年の12月に開催され、後輩たちも出演した異次元フェスの2日目には、『シンデレラガールズ』、『ミリオンライブ!』、『シャイニーカラーズ』の面々により、約7年半ぶりに(ファイナルライブの舞台である)東京ドームで披露された。また、スノハレではお馴染みのオレンジ一色に染まる演出も行われた。
偶然にも、この日は(原曲のセンターを務めた)穂乃果役の新田恵海氏の誕生日でもあった。
この時の歌唱メンバーには、テレビアニメ版『ラブライブ!』でミカを演じた原紗友里氏(『デレマス』本田未央役)も含まれており、ライブ後に配信されたオーディオコメンタリー付き同時視聴会にも出演した。
この時、「 (「ミカ役」とは明言しなかったものの)スノハレの時には雪かきをしていた。 」と自ら言及しており、「今回はアイマス声優としてだったものの、こうして歌わせてくれる機会を設けてくれたことには感謝している」とコメントした。
2024年1月9日には、こちらもラブライブ!シリーズの後輩にあたるLiyuu氏(Liella!・唐可可役)が自身のバースデーイベントにて披露した。当日は入場時にUOが渡されており、「もしや?」と思った人も多かった模様。
その直後、かねてから(他番組での共演を通して)親交がある新田恵海氏からのサプライズムービーも流された。
2024年5月19日、ラブライブ!シリーズの後輩作品である『ラブライブ!蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ』の104期でのラブライブ!シリーズ楽曲のカバー企画の一環として、蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブの9名による歌唱で本曲をカバーすることが発表され、後に同作のアプリ『Link!Like!ラブライブ!』にゲーム用楽曲として実装、21日に同作の公式YouTubeチャンネルにて動画が公開された。
ちなみに、『蓮ノ空』版では乙宗梢がセンターを務めている(原曲版は穂乃果が担当)。
脚注
(※1)1stシングルの発売時はグループ名が決まっていなかった事もあり、(タイトル名通りの)「ラブライブ! School idol project」名義としてデビューした。
(※2)現在は優木せつ菜役(2代目、2023年4月以降から)を担当している。
関連イラスト
pixivではAqoursのメンバーのイラストもいくつか見られる。
関連動画
PV
試聴動画
蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブによるカバー動画
関連タグ
Snow_halation(表記揺れその1)
スノハレ(表記揺れその2)
スノーハレーション(表記揺れその3・競走馬の名前でもある)
前作:僕らのLIVE 君とのLIFE(デビューシングル)