概要
1982年に旧トミー(現:タカラトミー)より発売された『メカボニカ』の海外展開時に付けられたのがネーミングの発端である。翌年、商品名を海外名に合わせて『メカ生体 ゾイド』に改めた事でスタートしており、旧タカラの『トランスフォーマー』とほぼ同様の誕生の経緯を持つ同社の人気男児玩具シリーズである。
当時はアニメによるメディア展開こそ無かったものの、1980年代のリアルロボット人気の流れに乗ったことや、小学館刊『ゾイドバトルストーリー』などの書籍物上で展開される硬派でミリタリー色溢れるストーリーが好評を博し、数本の家庭用ゲーム作品が発売されていた。その後はストーリーやデザイン、玩具コンセプトの路線変更に伴うファン離れやミニ四駆ブームなどによりシリーズは一度終焉を迎えた。
数年間の空白期間を経た1999年に再始動。旧作キットの再販および新規キットの発売に合わせ、月刊コロコロコミック誌や当時まだ珍しかった3DCGをふんだんに使ったアニメ番組が呼び水となり、新たなファン層を獲得するに至る。この頃の展開はパイロットも含めたキャラクター性を重視したヒーローとライバルのバトル要素が増え、主役に同モチーフのモデルチェンジを行う等、その前後に流行していたホビー作品の流れもある。ところが、『ゾイド新世紀/ゼロ』の放送終了後は玩具の売り上げが低迷。その後も新アニメの『ゾイドフューザーズ』や『ゾイドジェネシス』を制作、放映しつつ低年齢層向けの商品展開を中心に様々なテコ入れを図るも状況は好転せず、2008年の『リバースセンチュリー』を最後に商品展開を終了。
なお2006年からは純粋にプラモデルキットとしてのゾイドを追求した「ハイエンドマスターモデル(HMM)」シリーズがコトブキヤから商品化され、コア層向けの内容ながら2022年現在までも大ヒットし、リリースを続けている。
それから5年の歳月が経過した2013年にはゾイド生誕30周年を迎え、同時にホビージャパンより刊行されていた『ゾイドコンセプトアート』の世界観をベースとした通販限定シリーズ『ゾイドオリジナル』がスタート。発売されたキットは対象年齢を15歳以上に引き上げる事でシャープな造形を実現し、既存の製品に新造パーツを加えた意欲的な商品展開であったが、ファンの関心を得る事は出来ずわずか1年足らずで打ち切りとなってしまった。
2010年代中期は長期シリーズとしてのゾイドは事実上休止状態となっていたが、細々とであるが商品展開は続けられ、2016年にはより洗練された稼働ギミックが組み込まれたマスターピースシリーズとしてシールドライガーとセイバータイガーの2種が発売された他、更に同年にはスマホゲーとして『ZOIDS FIELD OF REBELLION』の配信も開始(2018年7月27日にサービス終了)された。
2018年には完全新規モデルキットを主軸にした新シリーズ『ゾイドワイルド』としての再展開の開始が発表され、それに基いたポップアップキットを始めとした各種商品の販売、さらには同シリーズのアニメ作品の制作および放送が開始された。
これがきっかけで今までゾイドシリーズを知らなかった児童の新規層を獲得することに成功、ここからまた新たなるゾイドブームを起こすことになった。
2019年には続編の『ゾイドワイルドZERO』の放送も開始され、これによりゾイドシリーズは昭和・平成・令和の三つの時代を生き抜き今なお展開を続けている。
プラモデルでの商品展開の他、アニメやゲーム、漫画、小説といった複数のメディアでの展開も行われているが、上記に挙げた各シリーズは機動戦士ガンダムやスターウォーズのように公式ではっきりと統一されてはおらず、ストーリーや世界観、ゾイドに関する設定等は各媒体で異なっており、一種のパラレルワールドとなっている。
戦闘用ロボットでもあることからバンダイ系列であるバンプレストのシミュレーションゲーム『スーパーロボット大戦』シリーズへの参戦がファンの間では長年ネタとして触れられつつもほぼ不可能と思われていたが、『スーパーロボット大戦K』でついに『機獣新世紀ゾイドジェネシス』が参戦し、話題となった。
2023年には誕生40周年を迎え、これでもかというほどのコラボを展開中。エイプリルフールに発表されたビックリマンのようなものや北斗の拳、挙げ句にはVtuber白上フブキとのコラボなど……その量は今までの反動といわんばかりの規模を誇る可能性も。
ゾイドとは何か
生物としてのゾイド
惑星Ziに存在する生命体を総称した金属生命体の中で、脳と心臓を集約した臓器であるゾイドコアという、それ単体が生物の中枢として機能する核を持つものをゾイドと呼ぶ(Wikipediaより引用)。
彼らは収斂進化の結果地球の生物に酷似したような外観を有しており、餌となる物質および他のゾイドを捕食したり、あるい人の手による補給などでエネルギーを摂取することで生活し、時が来れば無性生殖でコアが分裂、そこからまた新しい個体が生まれて繁殖する。
ちなみに旧ゾイドシリーズにはない後付け設定だが、惑星Zi人も地球人との交配が進む以前は体内の金属細胞の純度が良く、一時的に全身を金属化(メッキ化)できる。ただし、彼らはゾイドコアを持たないのでゾイドには分類されない(そもそも惑星Zi人がゾイドだったら地球人との交配は不可能)。
兵器としてのゾイド
もともとは野生種を家畜として使役していたものを戦争に駆り出したのが戦闘兵器としての起源である。当初のゾイド利用は人類史におけるウマやゾウのように騎乗用の乗り物という扱いであり、上に乗ったZi人が手に持つ武器で戦っていたのが、年を経るに連れてゾイドの各部を人工パーツで体を置き換え、さらにコクピットや武装を取り付けるなどして次第に戦闘機や戦車のような搭乗型の兵器として発達していった。
その後、地球人の移民船「グローバリーⅢ世」が惑星Ziに不時着し、銀河の反対側まで行ける技術を持つ科学力が彼らよりもたらされた事で、その技術を組み込まれた近代的で完全な超兵器(メカ生体)へと生まれ変わった。ミサイルやレーザー砲、ビーム砲、荷電粒子砲などで強力に武装するようになったゾイドは惑星Ziの戦場をより苛烈にしていったのだった。
ゾイドが他作品に登場するロボットや兵器と違う点はゾイドがただの兵器ではなく意思を持った生命体であるという所であり、ゾイドは生物である以上思考や感情も持ち、戦闘機械獣として改造されたゾイドは搭載された機器類によって行動を制御されるが、こうした制御を受けつけ難かったり、そもそもゾイド自身が乗る人間を選ぶような気性の荒い種も存在する。このため、戦いの中で乗り捨てられたゾイドが野良ゾイドと化して人々を脅かすケースも存在する。
言葉を選ばずに言えば、野生動物の身体から脳や心臓にあたるゾイドコアを取り出し、機械の身体に移植して生きた兵器として使役するという昭和だからこそ許された設定があるのだ。
平成バトストにおいては野生ゾイドは一部を除いて惑星大異変で絶滅寸前になっている種が多く、軍事基地などでコアの状態で保存、培養されたものが兵器として用いられている。
完全野生体は、自力で惑星大異変を生き延び生命力が培養コアのものと比べて段違いに強いもの達の総称で、ライガーゼロやゴジュラスギガ、バーサークフューラーやセイスモサウルスなどがそれら完全野生体のコアを使用しているとされる。
・・・さらりと解説しているが、やってる事は中々にえぐい。
その残酷さは悪く言って卵を拉致するゲームや弱らせて捕獲し操るゲームの非ではない。
そしてアニメの一つ『ゾイドジェネシス』ではついに人間相手にこれを行い、視聴者にトラウマを刻み付けた。
当時としては許された設定であっただろうが、この設定を知った若い世代は激しい拒絶反応を抱いた者も決して少なくない。後の第3シリーズは一度化石化した生物を発掘、復元して相棒ないし兵器として扱うような形でゾイドを扱っており、企画者側の反省がうかがえる。
玩具として
動物や恐竜、昆虫などをモデルとした組み立て式の模型で、一部のシリーズを除きスケールは主に航空機で用いられる1/72。ゾイドのコックピットや銃座等に搭乗可能な同スケールのパイロットフィギュアも付属している。モーターやゼンマイなどの動力によって身体の各部や武器を動かしながらリアルに歩行、走行するのが大きな特徴で、モーターで駆動するゾイドには、発光ギミックや鳴き声を発する機能が内蔵されている物や、リモコンで操作できる物もある。
組み立てには接着剤の代わりにゴム製のキャップを使用する為、接着不要のキットであり、改造や修理の為の分解が容易となっているが、ゴムキャップ等が経年劣化で千切れてしまい泣きを見るコレクターも少なくない(特に平成シリーズは昭和シリーズより安物の材料を使っているのか千切れ易い)。
ゾイドは玩具である一方でプラモデルキットでもあるが、児童でも組み立てられるようプラモデルとしてはパーツが大きく頑丈に作られており、大きな部品ではどうしても必要になる肉抜きやパーツを増やし過ぎないための一体化といった、通常はマイナスとなる要素を上手くデザインに落とし込んでおり、2~4色程度の色分けながら組み立てるだけでほぼ設定どおりとなるように配慮されていた。
2018年から展開が開始された『ゾイドワイルド』シリーズのキットは客側の制作方法にも工夫が加えられており、そのモチーフ種の骨格標本を思わせるフレームに装甲や武装をつける形で組み上げるという方式を取っているのが特徴。さらに基本的な歩行以外に手動および自動で固有のモーションを行う“ワイルドブラスト”のギミックを最大の売りにしている。
関連商品として動力を廃した『アタック(コマンド)ゾイド』や『SSゾイド』、ブロック状のパーツで構成され、自由に組み変え可能な『ゾイドブロックス』というシリーズも存在するが、これらは全て1/72で統一されている。例外として『ゾイド24』は1/24、『ゾイドワイルド』は主に戦闘車両に用いられる1/35スケールとなっているが、設定的にはアタックゾイドとほぼ同等のサイズとなる。
コトブキヤのプラキットHMM(Highend Master Model)は、動力が内蔵されていない代わりにプラモデルとしての出来を追求しており、ゾイドのデザインにも独自のアレンジが加えられ、精巧で緻密なデザインと自由なポージングが楽しめるようになっている。
対するトミーテックのMSS(Modelors Spirit Series)は1/144スケールで統一されており、デザインは元のトミー版のキットを忠実に再現し、カラーリングは80年代の旧ゾイドシリーズのものを採用。小サイズながらも各部関節や武装の可動ギミックが取り入れられており、情景を演出する為のジオラマベースも付属している。
バトルストーリー
この『ZOIDS』を基に執筆、制作された架空戦記作品シリーズの総称。
一応、1983年~2004年までのシリーズ展開においては事実上“公式のストーリー”として扱われており、それまで発売されてきたゾイドの背景設定もだいたいこれに準拠している。
主な内容としては惑星ZI(80年代当時は『ゾイド星、惑星ゾイド』)と呼ばれる架空の惑星を舞台に、そこに存在する複数の国家のゾイドを用いた戦争を描いた作品で、作品内年代のZAC1980からZAC2109年までのヘリック共和国、ゼネバス帝国、ガイロス帝国、ネオゼネバス帝国の4ヶ国による約100年以上にも及ぶ大戦の歴史の物語となっている。
戦争は大まかにヘリック共和国とゼネバス帝国による中央大陸デルポイの領土争いである「中央大陸戦争」、ゼネバス帝国に技術供与していた暗黒大陸ニクスのガイロス帝国がゼネバス帝国を裏切り戦力を吸収したことに端を発する「第一次大陸間戦争」、衛星の一つに彗星が直撃したことで発生した大異変「グランドカタストロフ」とその直後のキングゴジュラスの残骸に眠る技術を巡る戦い、長い休戦の末に西方大陸エウロペを経由し再び中央大陸侵略に動き出したガイロス帝国を制するために勃発した「第二次大陸間戦争」、ガイロス帝国首都ヴァルハラにおける決戦中の反乱を契機として中央大陸を掌握し勃興したネオゼネバス帝国と東方大陸に逃げ延びたヘリック・ガイロス同盟軍の戦い「中央大陸大戦」と推移していく。
これの前に出たシリーズの基礎的な世界観と設定をまとめた書籍「HISTORY OF ZOIDS」「戦闘機械獣のすべて」を経て、小学館からその大戦時代における個別のエピソードを収録した雑誌シリーズの発行が開始され、1987年から1990年にはヘリック共和国とゼネバス帝国の戦いである第一次中央大陸戦争を描いた「ゾイドバトルストーリー」(全4巻)および次のヘリック共和国とガイロス帝国による第一次大陸間戦争を描いた「新ゾイドバトルストーリー」(全1巻)が発売された。
そして1999年に新シリーズの開始に伴ってこのバトルストーリーも再開、2000年~2004年に出版された「ゾイド公式ファンブック」(全4巻)のメインコンテンツとして再び両国の間で巻き起こった第二次大陸間戦争を記録した物語が掲載されており、その後のヘリック共和国と新たに出現したネオゼネバス帝国の戦いである中央大陸大戦は一部キットに付属していた「ゾイドオフィシャルファンブック.EX」として小冊子に分割収録され、ここでバトルストーリーは事実上完結している。
また、web上に連載されたコミックの「ZOIDS妄想戦記」というシリーズがある。
これはバトルストーリーの傍らで起きた小さなエピソードを描くというコンセプトのシリーズであった。
ただ、タイトルに妄想とついているだけあって、バトルストーリーとそのままリンクしていると言えるかどうかはぼかされている部分も多い。
例えば、「双子の魔女」はゴジュラスギガがロールアウトした後も未だにガイロス帝国と争っている辺り、本編とは食い違いが生じている。とはいえ、戦争が終わった直後には勝敗を信じず局地戦を戦い続ける兵士もいる現実もあり、そう考えれば矛盾しない。また、そもそもバトルストーリーでも矛盾やなかったことにされる設定が散見されるため、細かいことは気にしてはいけない。
2008年には番外編としてグランドカタストロフ期の騒乱を描いた「リバースセンチュリー」と呼ばれるシリーズ展開も行われた。
ちなみに旧バトルストーリーシリーズは同作の登場人物であるロイ・ジー・トーマスおよびトミー・ミューラーがまとめたものという設定がある。
1999年から再開された新シリーズの内、登場キャラクターなど一部設定は同時期に放送されたTVアニメ『ゾイド-ZOIDS-』と共通しているが、直接的な関連はない。
なお、小学二年生に連載されていた『メカ生体』シリーズの方は1991年2月号に収録された最終回の戦いにてキングゴジュラスが1月に襲ってきたギル・ベイダーを叩き落して撃破し、直後の2月にデスザウラーと格闘に入る(場面は地続きらしい)。
が、戦いに入ったのも束の間、その瞬間に巨大な隕石が落下して惑星全体を破壊。それがゾイド星最後の瞬間だった。(原文そのまま)
誇張でも比喩でもなんでもなく、本当にただ急に隕石が星を直撃して惑星そのものが消滅してしまうというバッドエンドじみた結末となっていた(天体の落下自体はバトストと同じだが、あくまで衛星の破片による災害止まりだったバトストと違ってこっちは惑星が完全に滅亡している)。
ただ物語はここで終わらず、グローバリーⅢ世号がこの大厄災を免れ地球へ帰還したことで物語は『装甲巨神Zナイト』へ分岐することになる(コンテンツ展開としては第二次大陸間戦争や『リバースセンチュリー』よりこちらが先である)。
インフレについて
ゾイドは、ゴジュラスが最強ゾイドとして売り出したのをきっかけにヒットしたため、所謂最強商法を用いる傾向が非常に強い。
最強の機体を活躍させた後、その機体より強い対抗機種が出てくるといった流れをひたすら繰り返すため、シリーズ後期にはありえないインフレが起こっていることが多々ある。
軍拡競争を描いている為ある程度は仕方ないものの、ゾイドにおけるインフレは避けられない呪いのようになってしまっている。
例えば昭和第一シリーズにおいては、格闘戦最強のゴジュラスが開発され、それに対抗するため遠距離砲撃最強のアイアンコングが開発され、さらにそれにMk-2ゾイド達が対抗し、火力戦に移るとウルトラザウルスが開発され、さらにウルトラザウルスを制圧できるデスザウラーが開発され、デスザウラーを屠るマッドサンダーが開発され、マッドサンダーを爆撃できるギルベイダーが開発され……とどんどん加速度的インフレが進み、最後はキングゴジュラスが隕石に滅ぼされるといった具合である。
平成第2シリーズでは、昭和期と違いライガーとティラノ系統が次々開発されていった為に余計にインフレ具合が強調されているように見えるものの、実際は昭和期の反省が窺える内容となっている。ジェノブレイカーとバーサークフューラー、デスザウラーやマッドサンダーとゴジュラスギガなど、基本的には新型の方が強いが、部分的には旧型が勝り、戦い方次第では優劣は逆転しうるように意識して描かれた。
また、人気ゾイドは優遇される傾向にあり、とりわけデスザウラーは大幅に強化されて天敵マッドサンダーを差し置いて平成全編において圧倒的最強ゾイドとして君臨した。
しかし、資料を繰り返し見ない限りは、まるで程度の低いソシャゲのように後発のゾイドの方が圧倒的性能を持つように見えてしまい、ファンが冷めやすくシリーズ人気が長続きしない要因ともなってしまっている。
また、何故か毎回必ず後期ゾイドのデザインラインの方向性が尖っていくのも特徴で、人気のゾイドは初期の機体に偏っている現象も繰り返している。
第3シリーズは兵器ではなく生物としての側面を強調して再出発したものの、すぐに兵器ゾイドに戻ってしまい、またインフレを加速させてしまった。
今後のゾイドは、いかに人気の初期のゾイドを大切に扱うかがシリーズヒットの鍵になってくるだろう。
ゾイドは硬派なミリタリーもの?
とくに昭和ファンやそれに影響を受けた平成ファンが、ゾイドはリアルミリタリーだと主張するケースが多い。事実バトルストーリーはそういった雰囲気のエピソードも多い。
しかし、リアルミリタリーを突き詰めたような設計思想のゾイドはおしなべて批判される傾向が強く、(例、ギルベイダーやセイスモサウルス、キメラブロックスなど)実はリアルミリタリー系の性能のゾイドは求められていないのではないかという批判もある。
前述通り、リアルミリタリーを突き詰めるとインフレが急速に進み人気ゾイドが陳腐化するので、実は硬派なミリタリーを突き詰めすぎるのはゾイドと相性が良くないともいえるのだ。
大艦巨砲主義的な見た目のゾイドや戦争の悲哀を描いているとはいえ、あくまでも"エピソードの雰囲気"がそれっぽいだけで、"兵器としては"ある程度ヒロイックだったり浪漫あるゾイドの方が意外にも人気があったりする。そのため、声の大きいファンはリアルミリタリーを求めるが玩具としてはどちらかと言えばヒロイックなものが売れるというメーカー泣かせな状態になっているのが実情である。
とはいえ、ヒロイックすぎるとそれはそれで批判されがちであるし(例、一騎当千の強さを持つキングゴジュラスやエナジーライガーなど角や外付け武装を盛れるだけ盛ったゾイドなど)リアルミリタリー"っぽさ"と振り切らないヒロイックさを微妙な塩梅でデザインしなければならない難易度は筆舌に尽くしがたい。また、登場時は古参から猛批判されつつもいつの間にか新旧両ファンに圧倒的支持を得ていたジェノブレイカーなどの例もあり、どこまでいってもどんなゾイドが受けるのかというのはファンもメーカーも理解しきっていないのがヒットゾイドを連発できない理由でもある。
ゾイダ―
ゾイドファンの総称。非常に熱心なファンが多く、シリーズ休止中にもファンイベントを繰り返すなどゾイド愛に溢れている。通販サイトでのゾイドグッズ急上昇ランキング入りなどはたいてい彼らの愛によるところが大きい。
一方で所謂厄介ファンも多く、自分の求めるゾイド像と少しでも違うと難癖をつける狭量で気難しい側面も持ち合わせている。とりわけ高速ゾイド優遇やブロックスゾイド、強すぎるゾイドに対しての反発は殊に有名。ネットで批判を真に受け、不評なゾイドと思いきやメーカー側のイベント発表では実はよく売れたゾイドであり極一部の厄介ファンが騒いでいただけという事態も多い。
キングゴジュラスはデザインや強すぎる事が批判されたが、逆に同じデザイナーの担当したゴジュラスギガは弱すぎると批判され、硬派なミリタリーが好まれると熱弁している割にリアル戦法のセイスモサウルスや無人ブロックス戦術は批判したりと、その気難しさには枚挙に暇がない。
とはいえ、その気難しいゾイダーから好意的に受け止められるゾイドは長きに渡って愛される機種も多く、気難しいだけでなく気に入った機体に対する一途さは目を見張るものがある。
ゾイド40周年記念 数量限定・完全予約制セット『機獣新世紀ZOIDS CORE BOX』
2024年5月11日、X(Twitter)における「「ゾイド」公式アカウント」並びに「『コロコロコミック』公式アカウント」においてゾイド40周年記念企画として
の情報が解禁・予約が開始された(現在は予約終了済)。
- 「40TH ANNIVERSARY ZOIDS」1/72スケール組立キット「AZ-02 ライガーゼロ」のライガーゼロ レイ・グレック機を再現した限定版となる「AZ-02EX ライガーゼロ レイ・グレック仕様[共和国カラー]」
- 上述の2000年~2004年に出版された『機獣新世紀ゾイド公式ファンブック』(全4巻)復刻版に新規撮影&新規描き下ろしの第5巻を加え収録
- 『月刊コロコロコミック』2003年8月号巻頭付録の「セイスモサウルスパノラマポスター」復刻版
- 期間限定特別映像視聴コード「ZOIDS Perfect Clips」
(1.40周年大ZOIDS博2023(東京)スペシャルアーカイブ全方位映像
2.平成ZOIDS CM・PV集)
が収録される『月刊コロコロコミック』における平成期の『ゾイドバトルストーリー』展開を収録した一大BOXセットとなることが公表されており、数量限定8,000セット・完全予約制にて、2024年12月11日発売が予定されている。
関連イラスト
関連作品
ここではイラストのタグとして利用されているものを取り上げる。
ゲーム
アニメーションシリーズ
※イラストタグとしてはゾイド / ZOIDSがよく利用されている。
※表記ゆれにゾイド新世紀/ゼロ、ゾイド新世紀スラッシュゼロ、ゾイド新世紀/0など多数。
※機獣創世記ゾイドジェネシスとも表記される。
漫画
小説
- 田村登正「ゾイドジェネレイションズ」
関連タグ
ゾイド(ゾイド各機種の一覧あり)
レボルト - バンダイが1987年に発売したゾイドの対抗馬で、同じくモーターによる駆動ギミックを有し、関節部にゴムキャップを使用する。デザインが奇抜すぎたせいかあえなく爆死。
パンツァーティーア - 横山宏がデザインを手掛けたゼネバス帝国側の24ゾイドをチョイスし、独自の世界観を与えて2003年にWAVEから発売。新規造型パーツが追加されているのと1/20スケールの無可動のフィギュア(パンツァーティーアは1/20設定)が付属する以外はほぼ同じ内容で、ゾイド24のパイロットフィギュアも付属している。
装甲巨神Zナイト - 一度ZOIDSシリーズが終了した後、1991年にTOMYが新たに始めたシリーズ。ゾイドと違って二足歩行する人型兵器が主役だが、世界観がZOIDSと共通しており、そのメカの中枢には惑星ZIからもたらされたゾイドコアを使用しているという設定になっている。
関連動画
外部リンク
ゾイドが僕らにくれた“無限の想像力”――帰還した“生みの親”が次世代に託す「最後の仕事」とは?【若ゲ特別回:傑作ロボット玩具「ゾイド」】